19 / 20
05
しおりを挟む~ レイバン 視点 ~
黒変固体種の全てを受け入れる人はまだ少ない。
其れでも私達の結婚を誰も否定はしなかった為に、其れだけは救いだと思った。
あれから竜久が竜になることはないが、この地上で姿を変えたら邪魔になるってのが大きな理由の一つらしい。
宝玉があるからなれないことはないみたいだ。
「 竜久… 」
「 分かってるさ…。三ヶ月、薬を抜いた 」
「 フフンッ、子作りしよう 」
発情期を抑える為に、竜久はずっと薬を飲んでいた。
その薬を止めてから三ヶ月が経とうとしていた為に、彼も僅かながらに発情を始める。
だから、今夜は本格的に妊活をしようって事で彼は準備をしたと、ほんのりと耳を赤くして呟く。
「 そう…改めて言われると恥ずかしいものがある 」
「 何故だ、夫婦ではないか。いや…正確な番ではないが 」
戸籍は入れ、結婚式も挙げたが、何気無く番にはなっていなかった。
番になる事を戸惑ってる様子の竜久に、無理に迫る気は無かったのだが、彼は思い出したかのようにゆっくりと背中を向け、うつ伏せになればうなじを見せるように首を丸める。
「 そうだったな…いいぞ、咬んでくれ 」
「 なら…後から咬ませてもらおう 」
「 ッ…狡いな…… 」
向けられたうなじへと口付け舌で舐めればぞわりと震えたように身体を動かした彼がシーツを掴む手の甲に手の平を添えては、黒豹らしい姿へと変わり、軽く結んである程度の着物の帯を解き、背中へと顔を寄せれば彼は動く。
「 最初は、前からでいいか…?顔が見たい… 」
「 嗚呼、構わない。竜久、愛してる 」
「 っ…俺も、だ…愛してる、レイ 」
仰向けになった彼は私の首元を撫でてはお互いに顔寄せ口付けを落とす、閉じていた目を開けば、そこには私と余りサイズの変わらない黒竜が現れた事に目を見開けば、黒竜の長い尾は尻尾に巻く。
「 はっ…竜久…… 」
「 竜の交尾は…互いの身体に巻き付く……構わないか…? 」
「 いいけど……まぁいい… 」
尻尾は敏感だから、なんて言いかけたが愛しい伴侶の為なら仕方無いと言葉を飲み込み、細長い舌を向けられればそれに分厚い舌を当てねっとりと絡ませる。
彼の熱い吐息が掛かり、絡ませる舌が気持ちいいようにスルスルと尻尾を擦るから腰へと痺れが走り震える。
「 ん、はっ…ぁ、はっ…レイ… 」
「 フー…ン… 」
幾度と無く絡ませた舌が解けば竜の腹を舐めていき、中心部へと顔を寄せ、孔へと舌を当てねっとりと舐めれば、黒竜の身体は震え、細い両手で頭を掴み、巻く尻尾に力が入る。
締め付けられてる感覚すら興奮すると、愛蜜が垂れる孔へと啜ったり、舌をネジ込めば、彼は甘い声を漏らす。
「 あぁあっ、あっ…!そんな、吸うな…んっ、ンッ! 」
「 フッ…ん…… 」
「 ひぅ、ぁあっ、ぁ、アッ! 」
最初の時とは違い、声を殺さないのは私の為だろうな。
嬉しいと思い卑劣な水音を立て吸えば、黒竜はぎゅぅっと尻尾を締め付けては大きく腰辺りを震わせた。
勢い良く咥内に入る潮吹を飲み込めば、孔部分を綺麗に舐め取ってから身体を起こし、熱い陰茎の先端を押し当てる。
「 はぁ、来て…くれ…。レイ 」
「 嗚呼… 」
もう一度、鼻先同士が当たるようにぶつけた後、彼の額と自身の額を擦りつけては受け入れる準備の出来た孔へと亀頭を押し込み、ゆっくりと埋めていく。
うねる様な肉壁が包み込み奥へと招くのに合わせて深く埋め腰を揺らせば、彼は額から外れ喉を反らす。
「 この、身体なら…多少…楽かと思ったのに、無理だ…イ、グッ!あぁっ! 」
「 はっ…竜久の、胎内…気持ちいい… 」
「 おれ、も、おれもっ…!んっ、はぁ、あっ…! 」
挿入しただけで達した彼に腰を打ち付けて揺らせば、黒竜の片手は何度か空中を掴もうとして、私の腕に触れれば爪を立てながら握る。
多少の痛みさえ気にしない為に向ける喉元を舐めて甘噛みすればいい声で喘いでくれる。
それがまた興奮するし、彼の身体から香る発情したフェロモンが理性をそぎ落としていく。
~ 竜久 視点 ~
子供か欲しい、そう…結婚した後に何度も言われたが、薬を飲み続けていた為になんとなく嫌だった。
人族側の知識を得たせいだと思うが、薬を止めてから、調べたら三ヶ月は開けたほうがいいって書いてあった為に、レイに少し御無沙汰になるが、待って貰った。
やっと準備が出来て、俺にも発情期の傾向が見られたから今夜、誘ったのだが…
本来の大きさだと合わない為に、多少小さくして受け入れたのだが、それでも竜の姿のせいか…興奮度が前にも増してる気がしてならない。
「 ひっ、ァ、アッ…! 」
普段の自分からだと考えられないほどに甘い裏声が他人の様に聞こえて、求めるように溢れる愛蜜が身体を動かす度に卑猥な水音を立て、胎内に動く熱い肉棒に合わせて鳴り響く。
快楽を逃れようと、レイの尻尾に巻きつけたのはいいが…それが逆に繋がってる事を離さまいとしてるようで恥じらいを生む。
今更、解く訳にはいかないし解きたくないと本能が言ってるから強く巻き付けるしか出来ない。
「 はっ、だす…っ… 」
「 くれッ!奥にっ……く、ァアッ! 」
最奥へと亀頭が突き上げ、肉壁へと精子が叩き付けられるような熱に犯され、満たされる中に密かに口角は上がる。
それでも獣は何度も、何度も…この行為で確実に孕ませようと腰を揺すり、奥へと押し込んでくる。
それがまた、目の前が真っ白になって、思考がグチャグチャになる程、気持ちがいい。
「 ぁ、あっ、れぃッ…だめ、だ、そんなぁ、アッ、アッ! 」
薄い襖で仕切られたこの屋敷で、こんなにも声を上げていたらバレるだろうと分かっていても、抑える事は何も出来ず、只…αを誘うような声しか出せない。
α嫌いだったのに、彼女は嫌いにはなれなかった。
どんなに離れようとしても、頭から消えない。
だからもう…俺は、Ωである事を認めざる得ない。
グルッと繋がったまま身を回せとばかりに体位が変われば、うつ伏せになり竜の爪を敷布団に立てれば彼女の熱い吐息がうなじへとかかり、次の瞬間には…思いっ切り咬まれた。
「 ッ~!!ぁ、あっ…! 」
痛みは有るが、逃げる事のできない幸福感や繋がりが身体に伝わり、呆気無く達すれば彼女は咬みついた部分を舐めてから、鬣に鼻先や頬を擦り寄せ、腰を揺らす。
「( やっと、繋がれた…… )」
心の中で、求めていた何かが繋がれば後は只…彼女の子を産んであげようと言う意志へと変わる。
「 ふっ、ッ……! 」
「 ひっ!あぁ、ぁあっ! 」
孕みたい…このまま全部受け止めて、
子供に繋がればいい……。
そう思う程に、俺は彼女に恋をした。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】


【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる