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五話 宝玉との交換条件
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~ 竜久 視点 ~
気になって仕方ない…
そう本音を言えればいいが、言えない立場だからこそむしゃくしゃする。
「 副代表。悩むのでしたら手土産一つ持って会ってみたら如何ですか? 」
あの後、案の定…ニュースでは黒豹が子供を食べようとした、というデタラメな内容が流れていた。
観たくなくとも街中の大きな液晶TVに映し出されてるのだから嫌でも目に入る。
だが、中にそんな事はない…と専門家の意見等もあった為に黒豹の味方をする者も少なからず現れていたのも確か。
現に、俺の仕事場の奴等はガラス越しに黒豹が子供を助けた姿を見た者がいた。
そいつは俺と彼女が話してる姿も見ていたから、ニュースがデタラメだと言う事は理解してくれたんだ。
少しでも味方がいる事を伝えれば、彼女はまた街に遊びに来るのでは無いかと思えば、部下に背中を押される羽目になった。
「 手土産……?獣人が喜ぶものなんて… 」
「 それなら取って置きの店がありますよ 」
俺と彼女の関係を何か勘違いしてそうな程にニッコリと笑った部下の笑顔が少しだけ恐怖を感じた。
だが、おすすめされたからには行かないわけにも行かず、その週の土曜日の休日。
部下に言われた獣人向けの御中元やらが置いてある店にやって来た。
「 いや、獣人用の専門店じゃないか… 」
分かっていたがやっぱりそういう店なんだと思えば、門前払いされる事を覚悟で脚を運ぶ。
「 おっと、御兄さん。人族は入れないぜ? 」
狼の警備員が止めれば、言いたくは無いが必ず入れる言い訳を告げる。
「 番の獣人に、お土産を買いたかったんだが…残念だ。怪我してるから、力の付くものでも、と思ったんだが…( どうだ? )」
狼の獣人は、他の種族より情に厚く番の言葉を出せば顔色を変えることを知っている。
大袈裟とばかりの演技をすれば、警備員は分かりやすく耳を後ろへと下げた。
「 そうか…番の為にいい人族だな!その理由ならって言いたいところだが… 」
「( やっぱり駄目か…… )」
否定されるか?と思えば、彼は腰にぶら下げたポーチから何かを取り出し、俺に向けてきた。
「 丸腰じゃ危険だからこれを持って入るといいぜ!これがあれば店の中じゃ、手を出さば犯罪だからな 」
「 嗚呼…ありがとうございます 」
「 いいってことよ!店を出る時に返してな! 」
渡されたのば 番います ゙と言うデカデカとした文字が書かれた缶バッチだった。
これを見える所に付けていろって事らしく、仕方なく、服の裾辺りに付ければ中へと入る。
「( 流石、狼…ちょろいな )」
狼は番を大切にするらしいから、番の為にって内容には潤む程に弱かった。
其のお陰で容易く入れるなら問題ないと思い、中を進む。
人族の店とは違い、商品棚が異様に高い。
天井付近までそそり立ってる割には、上の当たりは下と同じだから、目についたキリンやら像といったでかい獣人の為なんだろうなって思う。
「( 人族より、客の事を考えてはないか )」
足元側には小さい獣人用に、中央には人型になれる獣人用に、其々の目線の高さに合わせた商品が同じように置かれていることに感動すら覚え、全てを見るだけで三時間とか経過しそうな勢いだ。
余りゆっくりして、土産を持って行くのが遅くなるのも…と考え、猫科コーナーへと脚を向ける。
「( 猫科…魚ばっかだな )」
この地上では、事故、突然死、一部の病気にて死んだ獣人を病院で検査した後、肉として一部のスーパーなどで販売したりしている。
大半は野菜や、魚人達にキレられない範囲の魚だが、中には肉の加工品も存在する。
裏に書いてある使われた肉は、人族では見ないようなバッファローやシマウマ、中には肉食獣の肉ともある。
人族はウシ科、ブタ科、鳥類に固定されてるからこういった珍しいものは無いだろうな。
そんな事を考え、選ぶが…缶詰を手にとって悩む。
良い所育ちの黒豹が、加工品の缶詰なんて食べるだろうか?
料理人の手料理しか食べないような雰囲気をしていた為にこれはないな、と思い元の場所へと戻す。
「 他だな…。手土産に良さそうなもの…… 」
「 別に食べ物でも無くていいのでは? 」
「 そうだろうか……って…! 」
別の陳列へと行こうとすれば聞き覚えのある声に驚いて視線を向ければ、買い物カゴを持った二足歩行の三毛猫がそこにはいた。
驚いて目を見開けば彼は魚の缶詰を数個買い物カゴへと入れ、ゆっくりと俺の方へと視線を向け、目線を服の裾へとやる。
「 おや、まだ番ではないでしょうに…。警備員を騙しましたね 」
「 仕方ないだろ。御見舞の品を買う為だ 」
軽く視線を逸し告げれば、彼は分かりやすく溜め息を吐き歩き出す。
あまり商品を見ずにカゴに入れるのを見ると、買うものはいつも同じなのだろう。
「 構いませんが…。立ち止まらず、着いてきたらどうですか?あまり気は進みませんが…、彼女が好きな物を教えます。番様の為に 」
「 ……ありがとう 」
嫌味ったらしい言い方に、俺を番と呼ぶのが嫌なように思える。
そんなに嫌ならば、こっちだって婚約するのはお断りだとはっきりと言える。
だが、今は顔を見なければ気が済まないために口には出さず、燕尾服を着た三毛猫の後を着いて歩けば、ふっと彼の尻尾が珍しく二本あることに気付く。
二本というか、先割れ尻尾だ。
「 御前…もしかして、化け猫か? 」
「 嫌な言い方をしますね 」
「 あ、すまない…つい… 」
「 別に構いませんが…、その言葉に返すのなら、頷いています。私は一度…只の猫の頃に死んでますので 」
獣人になる者には二パターンが存在する。
一つは黒豹の様に生まれながらに獣人である個体。
そしてもう一つは成り上がりと言って、一度人の姿になれず、言葉も獣同士の言葉しか発せない、只の獣と呼ばれる時に死んだ者。
人で言えば、古い言葉で妖怪とか言われる者達だ。
彼はその、三毛猫の時に死んで生き返った化け猫ということになる。
九尾と呼ばれる狐は九回死んだ妖狐だと言われてるから、彼等にとって死は比較的に近い存在なのだろう。
「 そうか 」
「 貴方は…化け猫や黒豹を見ても動じませんね?何故ですか? 」
「 容姿に拘ってないからさ。そんなの生まれた時に決められてるだろ。自分の意志じゃない。だから他人がとやかく言う必要が無いってだけだ 」
俺も黒竜だから、なんて口が避けても言えない為にそれを隠して言えば、三毛猫の尻尾は軽く揺れた。
「 それ…レイ様が聞いたら、きっとお喜びになりますよ 」
「 別に喜ばれたくはないがな 」
「 貴方って人は変わってますね。まぁいいですが…此方が、レイ様の好きなものです 」
置かれている品が変わり、同時にエリアの移動したんだと分かれば彼に連れられ来た場所を見て一瞬脚が止まる。
鼻に付く甘い香り、色とりどりの季節の花が置かれ、観賞用の植物から野菜までバリエーション多く存在する。
「 花が…好きなのか 」
「 えぇ、レイ様は花を愛でる黒豹なのです。愛らしいでしょ? 」
「 愛らしいか分からないが…意外ではない。似合うと思う 」
花を見て微笑んでる様子は簡単に想像出来た為に彼が先に進めば、ゆっくりと一つ一つに目を向ける。
世界中から来てる獣人の為に、世界中の花が此処にはある。
そして名前と花言葉も添えられてる為に選びやすいと思う。
「 色んな花があるんだな…… 」
知らない花すらある為にそれを見てるだけでも楽しいと思うが、ロングポットに植えられた一つの花を見て脚を止めた。
「 トルコキキョウ…。花言葉は清々しい美しさ、優美、希望…他のやつよりいいな 」
恋愛系が多い花言葉に比べると一番マシなように思える。
それに真っ白な花は、何処か彼女と重なる部分がある。
「 これにするか…… 」
「 いいんじゃないですか。センスがいいですね。流石、ドレスコーディネーター? 」
「 そうでもないがな 」
黒豹を含め、此奴も急に気配無く現れると思う。
今回は二度目だから驚きはしながったが、
見るだけで選ばなかった彼のカゴへと視線を落としてから花専門のレジへと行く。
「( センスがいいことぐらい認めてもいいでしょうに…。頑固な方ですね )」
呆れられるのには慣れている。
ドレスコーディネーターとは言えど経験が物を言ってるから、こういった物を選ぶのは分からない。
なんせ、女への贈り物は初めてだからな。
「 ラッピングしましょうか? 」
「 あ、はい。お願いします 」
「 ピンクでよろしいですか? 」
「 あーいや、青で 」
「 フフッ、畏まりました。格好いい旦那様を持って、番様も幸せでしょう 」
楽しそうに妄想を膨らませる垂れ耳の兎の獣人には悪いが、例えばだが…旦那となると向こう側という事は言えなかった。
元々俺が、Ωに見えないから大半の奴は相手はΩだと思ってくるのは有り難いが…。
雌だからとピンクで包むのは変だろう。
何方かと言えばあの黒豹は青や黒がよく似合う。
「 お待たせしました 」
「 ありがとうございます 」
ビニール袋を受け取れば綺麗にロングポットの部分が包まれたトルコキキョウを見た後に、外へと出た後に警備員の狼へと缶バッチを返す。
「 これ、ありがとうございました。お陰で良さそうなのが見つかりました 」
「 おっ、いいってことよ!相手のことを考えて選んだんだ。きっと喜ばれるぜ! 」
「 はい 」
黒豹を考え選んだ、花。
喜ばれるだろうかと疑問に思っていれば、先にレジを通していた三毛猫はすぐ近くに立っていた。
「 買い物が終わったのでしたら、屋敷に来るのでしょ?道、教えますよ。また不法侵入はされたくないので 」
「 嗚呼…助かる 」
至れり尽くせりだな、と思ったが素直に甘える事にした。
そう言えば、確かに正面玄関…知らないな。
気になって仕方ない…
そう本音を言えればいいが、言えない立場だからこそむしゃくしゃする。
「 副代表。悩むのでしたら手土産一つ持って会ってみたら如何ですか? 」
あの後、案の定…ニュースでは黒豹が子供を食べようとした、というデタラメな内容が流れていた。
観たくなくとも街中の大きな液晶TVに映し出されてるのだから嫌でも目に入る。
だが、中にそんな事はない…と専門家の意見等もあった為に黒豹の味方をする者も少なからず現れていたのも確か。
現に、俺の仕事場の奴等はガラス越しに黒豹が子供を助けた姿を見た者がいた。
そいつは俺と彼女が話してる姿も見ていたから、ニュースがデタラメだと言う事は理解してくれたんだ。
少しでも味方がいる事を伝えれば、彼女はまた街に遊びに来るのでは無いかと思えば、部下に背中を押される羽目になった。
「 手土産……?獣人が喜ぶものなんて… 」
「 それなら取って置きの店がありますよ 」
俺と彼女の関係を何か勘違いしてそうな程にニッコリと笑った部下の笑顔が少しだけ恐怖を感じた。
だが、おすすめされたからには行かないわけにも行かず、その週の土曜日の休日。
部下に言われた獣人向けの御中元やらが置いてある店にやって来た。
「 いや、獣人用の専門店じゃないか… 」
分かっていたがやっぱりそういう店なんだと思えば、門前払いされる事を覚悟で脚を運ぶ。
「 おっと、御兄さん。人族は入れないぜ? 」
狼の警備員が止めれば、言いたくは無いが必ず入れる言い訳を告げる。
「 番の獣人に、お土産を買いたかったんだが…残念だ。怪我してるから、力の付くものでも、と思ったんだが…( どうだ? )」
狼の獣人は、他の種族より情に厚く番の言葉を出せば顔色を変えることを知っている。
大袈裟とばかりの演技をすれば、警備員は分かりやすく耳を後ろへと下げた。
「 そうか…番の為にいい人族だな!その理由ならって言いたいところだが… 」
「( やっぱり駄目か…… )」
否定されるか?と思えば、彼は腰にぶら下げたポーチから何かを取り出し、俺に向けてきた。
「 丸腰じゃ危険だからこれを持って入るといいぜ!これがあれば店の中じゃ、手を出さば犯罪だからな 」
「 嗚呼…ありがとうございます 」
「 いいってことよ!店を出る時に返してな! 」
渡されたのば 番います ゙と言うデカデカとした文字が書かれた缶バッチだった。
これを見える所に付けていろって事らしく、仕方なく、服の裾辺りに付ければ中へと入る。
「( 流石、狼…ちょろいな )」
狼は番を大切にするらしいから、番の為にって内容には潤む程に弱かった。
其のお陰で容易く入れるなら問題ないと思い、中を進む。
人族の店とは違い、商品棚が異様に高い。
天井付近までそそり立ってる割には、上の当たりは下と同じだから、目についたキリンやら像といったでかい獣人の為なんだろうなって思う。
「( 人族より、客の事を考えてはないか )」
足元側には小さい獣人用に、中央には人型になれる獣人用に、其々の目線の高さに合わせた商品が同じように置かれていることに感動すら覚え、全てを見るだけで三時間とか経過しそうな勢いだ。
余りゆっくりして、土産を持って行くのが遅くなるのも…と考え、猫科コーナーへと脚を向ける。
「( 猫科…魚ばっかだな )」
この地上では、事故、突然死、一部の病気にて死んだ獣人を病院で検査した後、肉として一部のスーパーなどで販売したりしている。
大半は野菜や、魚人達にキレられない範囲の魚だが、中には肉の加工品も存在する。
裏に書いてある使われた肉は、人族では見ないようなバッファローやシマウマ、中には肉食獣の肉ともある。
人族はウシ科、ブタ科、鳥類に固定されてるからこういった珍しいものは無いだろうな。
そんな事を考え、選ぶが…缶詰を手にとって悩む。
良い所育ちの黒豹が、加工品の缶詰なんて食べるだろうか?
料理人の手料理しか食べないような雰囲気をしていた為にこれはないな、と思い元の場所へと戻す。
「 他だな…。手土産に良さそうなもの…… 」
「 別に食べ物でも無くていいのでは? 」
「 そうだろうか……って…! 」
別の陳列へと行こうとすれば聞き覚えのある声に驚いて視線を向ければ、買い物カゴを持った二足歩行の三毛猫がそこにはいた。
驚いて目を見開けば彼は魚の缶詰を数個買い物カゴへと入れ、ゆっくりと俺の方へと視線を向け、目線を服の裾へとやる。
「 おや、まだ番ではないでしょうに…。警備員を騙しましたね 」
「 仕方ないだろ。御見舞の品を買う為だ 」
軽く視線を逸し告げれば、彼は分かりやすく溜め息を吐き歩き出す。
あまり商品を見ずにカゴに入れるのを見ると、買うものはいつも同じなのだろう。
「 構いませんが…。立ち止まらず、着いてきたらどうですか?あまり気は進みませんが…、彼女が好きな物を教えます。番様の為に 」
「 ……ありがとう 」
嫌味ったらしい言い方に、俺を番と呼ぶのが嫌なように思える。
そんなに嫌ならば、こっちだって婚約するのはお断りだとはっきりと言える。
だが、今は顔を見なければ気が済まないために口には出さず、燕尾服を着た三毛猫の後を着いて歩けば、ふっと彼の尻尾が珍しく二本あることに気付く。
二本というか、先割れ尻尾だ。
「 御前…もしかして、化け猫か? 」
「 嫌な言い方をしますね 」
「 あ、すまない…つい… 」
「 別に構いませんが…、その言葉に返すのなら、頷いています。私は一度…只の猫の頃に死んでますので 」
獣人になる者には二パターンが存在する。
一つは黒豹の様に生まれながらに獣人である個体。
そしてもう一つは成り上がりと言って、一度人の姿になれず、言葉も獣同士の言葉しか発せない、只の獣と呼ばれる時に死んだ者。
人で言えば、古い言葉で妖怪とか言われる者達だ。
彼はその、三毛猫の時に死んで生き返った化け猫ということになる。
九尾と呼ばれる狐は九回死んだ妖狐だと言われてるから、彼等にとって死は比較的に近い存在なのだろう。
「 そうか 」
「 貴方は…化け猫や黒豹を見ても動じませんね?何故ですか? 」
「 容姿に拘ってないからさ。そんなの生まれた時に決められてるだろ。自分の意志じゃない。だから他人がとやかく言う必要が無いってだけだ 」
俺も黒竜だから、なんて口が避けても言えない為にそれを隠して言えば、三毛猫の尻尾は軽く揺れた。
「 それ…レイ様が聞いたら、きっとお喜びになりますよ 」
「 別に喜ばれたくはないがな 」
「 貴方って人は変わってますね。まぁいいですが…此方が、レイ様の好きなものです 」
置かれている品が変わり、同時にエリアの移動したんだと分かれば彼に連れられ来た場所を見て一瞬脚が止まる。
鼻に付く甘い香り、色とりどりの季節の花が置かれ、観賞用の植物から野菜までバリエーション多く存在する。
「 花が…好きなのか 」
「 えぇ、レイ様は花を愛でる黒豹なのです。愛らしいでしょ? 」
「 愛らしいか分からないが…意外ではない。似合うと思う 」
花を見て微笑んでる様子は簡単に想像出来た為に彼が先に進めば、ゆっくりと一つ一つに目を向ける。
世界中から来てる獣人の為に、世界中の花が此処にはある。
そして名前と花言葉も添えられてる為に選びやすいと思う。
「 色んな花があるんだな…… 」
知らない花すらある為にそれを見てるだけでも楽しいと思うが、ロングポットに植えられた一つの花を見て脚を止めた。
「 トルコキキョウ…。花言葉は清々しい美しさ、優美、希望…他のやつよりいいな 」
恋愛系が多い花言葉に比べると一番マシなように思える。
それに真っ白な花は、何処か彼女と重なる部分がある。
「 これにするか…… 」
「 いいんじゃないですか。センスがいいですね。流石、ドレスコーディネーター? 」
「 そうでもないがな 」
黒豹を含め、此奴も急に気配無く現れると思う。
今回は二度目だから驚きはしながったが、
見るだけで選ばなかった彼のカゴへと視線を落としてから花専門のレジへと行く。
「( センスがいいことぐらい認めてもいいでしょうに…。頑固な方ですね )」
呆れられるのには慣れている。
ドレスコーディネーターとは言えど経験が物を言ってるから、こういった物を選ぶのは分からない。
なんせ、女への贈り物は初めてだからな。
「 ラッピングしましょうか? 」
「 あ、はい。お願いします 」
「 ピンクでよろしいですか? 」
「 あーいや、青で 」
「 フフッ、畏まりました。格好いい旦那様を持って、番様も幸せでしょう 」
楽しそうに妄想を膨らませる垂れ耳の兎の獣人には悪いが、例えばだが…旦那となると向こう側という事は言えなかった。
元々俺が、Ωに見えないから大半の奴は相手はΩだと思ってくるのは有り難いが…。
雌だからとピンクで包むのは変だろう。
何方かと言えばあの黒豹は青や黒がよく似合う。
「 お待たせしました 」
「 ありがとうございます 」
ビニール袋を受け取れば綺麗にロングポットの部分が包まれたトルコキキョウを見た後に、外へと出た後に警備員の狼へと缶バッチを返す。
「 これ、ありがとうございました。お陰で良さそうなのが見つかりました 」
「 おっ、いいってことよ!相手のことを考えて選んだんだ。きっと喜ばれるぜ! 」
「 はい 」
黒豹を考え選んだ、花。
喜ばれるだろうかと疑問に思っていれば、先にレジを通していた三毛猫はすぐ近くに立っていた。
「 買い物が終わったのでしたら、屋敷に来るのでしょ?道、教えますよ。また不法侵入はされたくないので 」
「 嗚呼…助かる 」
至れり尽くせりだな、と思ったが素直に甘える事にした。
そう言えば、確かに正面玄関…知らないな。
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