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☆御気に入り100記念☆ 本編では語られない視点

アラン視点 ~ 変わった君1 ~

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三十六話迄 の筈

※過去話になるので、ルイ(女)が苦手な人は注意

________________________


この世界では、よく笑う君を見て
俺はふっと…昔はそんな感じだったかな?と考えてしまった

ルイのはずなのに、ルイに見えないのはきっと過去を知ってるから
過去を知らなければ、今のルイを素直に受け入れることが出来るのだろうね

『 外に庭すら行けなかったんだぜ?本当、外に出れないや…… 』

「 じゃ、中庭は?城に囲まれてる中庭なら、行けるんじゃないかな 」

『 どうだろ…… 』

一人の男としてではなく、この世界で決められた役割(女王蜂)の為に自由を失い、変わりに此所で生きていく事を決めた彼に、俺は上手い言葉は見つからなかった

一緒にいる…その言葉だけしか言えない俺に、君は乾いた笑みを漏らし、通路から中庭へと視線を向けた

『 ……行く気にもならないな 』

俺には見える“束縛の鎖“

サタンが魔法を発動したと同時に、ルイの魂と肉体はこの理不尽な城に囚われた
断ち切る事の出来ない鎖に、彼の本心からの笑顔はあの日を境に消えた

飛ぶことを許されない羽は、今はもう重りでしかない

『 さて、おやつ食って……昼寝でもしようかな 』

外を諦めた鳥籠の鳥は、只彼等の為に声が枯れるまで歌い続ける
外に出れるのは、死んだときだけ……
いや……獲物に喰われてしまうのだから、最後の最後まで鳥籠の中なのだろうね

「 ねぇ、ルイ 」

『 んー?なんだ 』

此方を見上げる表情に、俺は少し脚を速めて隣へと立てば、軽く笑っては手首を掴み歩き出す

「 いつ、興味のある人から好きになったか分かる? 」

『 なんだそれ。前世の話か? 』

「 そう、俺は今でも覚えてるよ 」

『 ……忘れたな。そんな昔の事、覚えてない 』

きっと覚えてない訳じゃない
思い出そうとしてないだけだ

だって、俺の手を離すことなく歩いていくのだから…
誰かに見られるかもしれない、そう思うはずなのに…

あの日のように手を離すことが無い


距離が近付いたのは、中学二年生の頃
梅雨時期に入り、体育はいつも屋内体育館を使っていた
雨の日なら、体育なんて無くていい…そう口を揃えてクラスメートが呟きだらけて動く中で、俺はその気分を跳ね返したくて人一倍動いていた

「 アランだけは渡すな!! 」

「 くそっ、防げ!! 」

この日は先に男子がバスケの試合をしていた
教師がそれとなくクラスの中でチームを分けた程度
いつもは笑って仲良くしてるメンバーだが、敵になれば話が違う

運動神経は良かった俺に、バスケットボールを渡さないよう前に来る彼等を避けては、回ってきたパスを受け取り、そのままドリブルして交わしていく

「 チッ…… 」 

「 もーらい! 」

ゴールの前に現れた人を避けて、脚のバネを使ってジャンプして、ダンクシュートを決めれば歓声は沸き上がる
正直、まだ若かったからキャーキャー言われるのは、嫌いじゃないし目立つのが好きだったからこそ、ドヤ顔を決め込んで彼等へとハイタッチする

「 流石、アラン!!御前が居れば余裕だな! 」

「 高校から既にスカウトされてんだろ? 」

「 まぁね、バスケでやっていこうかなって 」

「 御前なら絶対に出来るって! 」

絶対に出来る、そうクラスメートや部活の試合で勝ってる俺に、三ヶ所の高校からスカウトもされていた
どこも県大会に出れるほどの強豪校

将来はバスケット選手にでもなれたらいいな、程度に考えていた先の目標を決めてない時期
よさげな高校に行って、そのままダラダラと社会人になるような未来の中で、俺は今を楽しんでいた

「 次は女子か~。俺等は暇になるよな 」

「 見てるのもいいんじゃない?為になるかも 」

「 中学でダンクシュート出来るやつに言われたくねぇよ 」

「 ははっ、そうかな 」

この時のルイは余り目立つような子では無かった
教師が決めたチームの端に、とりあえず立ってるような脱力系の子
男子は、モテたり成長が早く胸がデカい女子とかに目を向けてるなかで、俺は少しだけルイを見ていた

ほんの些細なことで話すようになった、クラスメート
影は薄いし、口数だって少ない、それでも綺麗だと思うほどに容姿はいいと思う

「 それじゃ、正々堂々とやれよ! 」 

ゲームの始まる笛が鳴り、本気でやるのはバスケ部のメンバーだけ
教師が上手く半々にした為に、バスケ部同士のバトルへとなる
他の女子は走るのに着いていくので一生懸命で、シャトルランを何度もやってるような感じだった

まぁ、ルイを除いては……

「 彼奴、動かねぇな?名前なんだっけ? 」

「 確か……黒銀(クロガネ)じゃねぇ?同じクラスにいるのに、全然覚えてねぇや 」

「 マジでそれ、影薄いし 」

ルイだけはまるで審判のように、動くのを止めて女子達がシャトルランをしてるのを眺めていた
それを男子は、ぽつりと一人残ってるのを可哀想だと笑っては、女子は動かないことに腹を立て始め、教師は動かないことに注意をする

「 黒銀、なんで行かないだ? 」

『 行く必要がないから…… 』

「 何故だ? 」

『 だって、ボールは来るから 』

「「 !! 」」

誰もがゲームには参加しないと思っていた
そして、誰もが影が薄いと告げた奴なのに、取り合いをする中で転がって行くボールはルイの足元で来れば、彼女はそれを拾ってゴールへと投げた

『 ほら…… 』

綺麗な円を描き、ゴールの中へと吸い込まれるように入っていく
余りの出来事に全員が立ち止まっていれば、教師は笛を鳴らした

「 オウンゴール!!って……なにやってんだ!? 」

ほぼ、半分から放ったボール
だが……唖然となるのはスリーポイントシュートではなく、自陣のゴールに失点したことだ

何をしてるんだ、そう教師が言えばルイは分かってたかのように点差へと視線を向けた
其処には、敵の方が明らかに点差があった
つまり、ルイがいる場所が空白なのは、敵を含めて自陣の方に固まってるからだった

『 つまらないゲームには参加しない主義でな。これで点差は二点だ。次に、私が“シュート“しないよう頑張ってくれ。ゴールの下で一点を争うより、効率を優先したい 』

まるでダンクシュートを決めて笑って、褒めていた男子達を蔑むように、そして……ゴールの下でもみくちゃになってた女子に効率が悪いと言ってるように、ルイの言葉に誰もが声が出なかった

「 なっ、御前は…団体行動をしないのか! 」

『 団体行動はしてる。ゲームをボイコットした訳じゃない。何の問題がある? 』

「 大有りだ!御前はちょっと来い、他の奴等は続けてろ!今の点数は無しだ 」

この状況で始まれる雰囲気じゃないけど、教師の言葉と共に女子達は動き始めた
そしてルイは、不機嫌と言うか疑問符を浮かべたまま教師の後ろを着いていく

「 うわっ……あれは、すげー怒らるわ。俺もちょっとイラッとした 」

「 図々しいつーか、生意気? 」

「 なんで? 」

男子達のイラついてる態度と言葉に、俺は傾げれば彼等は其々に視線を向け告げる

「 だって、女子の中にはバスケ部もいるんだし……あんな事言われたら腹立たね? 」

「 ゴール下で取り合うのも、大事だと思うし…… 」

「 確かに分かるけど、もし一点と三点、どちらも同じ数を打ったら点差は開くよ?勝つためのゲームなら、三点重視も分かるけどね 」

「「 いや、わかんねぇ 」」

ダンクシュートが出来て格好いい、取り合って勝てたら凄い、皆と動いてるだけでゲームに参加してる感を出す
そんな人達に比べたら、ルイの技術面を含めたシュートは俺にはかっこよく思えた

体育が終わった後、ルイは教師にこっぴどく叱られたらしく、一人体育館の片付けをしていた

「 ねぇ、そろそろ給食届くよ? 」

『 ………… 』

少しだけ気になって、様子を見に来れば
体操服すら着替えてないルイは、一人モップ掛けをしていた
全員でやれば一周で終わるのに、一人だから何周も往復する
それに、足跡をつけないよう持つから尚更尚更やりつらそう

「 ……君がしなくとも、バスケ部がするし。この後だって他のクラスが使うよ 」 

『 ………… 』

「( 無視ですか )」

ガン無視された事にちょっとイラッとして、目についた拭き終わったっぽい、ボールを持ちその場でドリブルをすれば、ルイは立ち止まりやっとこっちを向いてくれた

まるで、拭いたのに……そう言いたげな視線に笑う

「 ねぇ、さっきのスリーポイントシュートやってよ。バスケ部じゃないし、筋力弱そうなのによく出来るよね~ 」

ボールの入ったカゴを動かし、ゴールから離れた場所に置けば、俺はドリブルをした後に持ち投げる

ガンッ!!といい音を立てて外れた様子を見て、次のボールを取り出し、同じく入れようとしても外れる

確率は十回に二回入ればいいほどで、バスケ部の俺がこれだ
どんなにあの時、冷静だったとしても外れるのは目に見えていた

「 んー、やっぱり入んない 」

『 じゃ、さっさと拾って片付けて。邪魔 』

「 片付けるけど、ちょっとは教えてくれたもいいじゃん。教えてくれないと片付けないから 」

邪魔、とハッキリ言われて心が傷付いたけどめげはしない

『 …………餓鬼かよ 』

「 悪かったね!俺は、試合に勝つために教わりたいの。将来はバスケットボール選手になるから 」

ふふんっと自慢気に胸を張って将来の夢を語れば、ルイは視線を外し鼻で笑った

「 ちょっ、今鼻で笑ったでしょ?俺は本気なんだからね! 」

『 どうだか、ちょっとバスケできる程度に浮かれて。高校で補欠にでもなれば良いところだし、君程度は選手になれないと思うけど、せめて…バスケがちょっと出来るサラリーマンぐらいじゃない 』

「 ……は?そこまで言うなら俺と勝負しようよ 」

他の男子よりは短気じゃないと思ってたけど、流石に将来を、分かったかのように言われると腹が立つ

部活帰りは自主練してるし、家にバスケットゴールだって買って置いてる
将来は選手になることを少しでも夢見てるからこそ言えば、ルイはまた呆れたように溜め息を吐いた

『 ……はぁ、私一人に勝っても強い人は大勢いるのに 』

「 その全員倒す。だから、俺からボール奪ってみて 」

もう一度溜め息を吐き、静かにモップを置いたルイはこっちにやって来た
身長差は有るし、体操服から分かるほど華奢な彼女にどこにそんなスリーポイントシュートを放てるのか疑問になるし、負ける筈はないと確信した

「 いつでもどうぞ 」

『 私が勝ったら、全部の掃除してね 』

「 もちろんいいよ 」

軽く頷き笑った俺に、ルイは一つ呼吸を整えたように吐けば、その視線が外れた為に反射的に動けば既に目の前に彼女の姿はなかった

「 えっ…………あ、っ!! 」

一瞬のことに理解できず、直ぐに背後にいると察して振り返ればルイはその場でスリーポイントシュートの格好になっていた

必死に手を伸ばして、止めようとするもボールは俺の指先より更に上を飛び、ゴールネットを揺らした

「 なっ………… 」

バスケ部のエースが負けた……その事で座り込み落ち込めば、ルイはモップを拾いに行く

『 これで分かった?君は、バスケ部でもなんでもない“趣味範囲“で遊んでる女子に負ける程度。さっと片付けて 』

「 っ……なんで、どこで学んだの!?いつも練習してるのに…… 」

『 そりゃ君より弱い人や一人で練習してたらその態度の実力で十分でしょ?でも、もし……高校生や大学生と遊んでたら強いかもね? 』 

「 じゃ、君は……年上とゲームしてたの? 」

その答えは軽く笑った雰囲気で察した

俺の実力は、中学では通用する程度だけど、高校にいけば一番下になるから弱いことを自覚する
もし今から、強い人と本気で遊んでいれば強くなれる……

「 やーめた……俺って諦め早いんだよね。なんかもっと将来為になるのがいいな 」

『 ……医者とかは?君、賢いし。それに人の視線やら表情に気づきやすいからあってそう……まぁ、医者になれる確率も低いけどね 』

「 医者か……。父親と同じじゃん……俺の道は、親と一緒なんて、つまらないなぁ…… 」

仰向けになった俺は全て諦めたように笑った
簡単に諦めがつくほどに、ルイの言動は心に響いた
そして、彼女が向いてるって告げた医者になる為に、勉強をする時間に全てを向けた

俺は、ルイが言った通りにちょっとバスケできる程度のサラリーマン(医者)へとなっていた

『 ……今思えば、魔物の血が入ってるから運動神経良かったのかも。なんか、ごめんな? 』

「 もしそうだとしても、ルイが言わなきゃ俺は高校になって弱さに挫けて、不良にでもなってたかも、真面目に勉強したお陰で、此所でも働けてる……だからありがとう 」

他の誰でもない
ルイの言葉だったから、俺は安定した未来を手にいれることが出来た
君が多くを失っていたから、そうならないよう言ってくれたことも覚えてるよ

『 ……まぁ、御前がいいならいいけど。そのきっかけが好きになった理由か? 』

「 好きって言うか、よく絡むようになったでしょ? 」

『 あー……確かに 』

「 じゃ、御菓子を食べながら続きを話そうか 」
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