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別ルート
三十三話 俺の負けを認める
しおりを挟む『 えっ……マジでいってんの? 』
「 この俺が嘘を付くわけないさ。本気でもう交尾をする気はない 」
きっぱりと断られた事に、心の中で崖から落ちるような感覚がした
今は懸命にその崖を片手で掴んで落ちるのを止めてるような、状態だ
余りにもサラッとフラれたことで傷付くが、よくよく考えれば俺が途中で止めて、繁殖能力がない、と思わせてしまったのが悪いから…
ロッサの方が傷ついていても、無理はないか……
『 別に御前は繁殖能力がない訳じゃないんだ。俺が途中で止めたのが原因だ 』
部屋の入り口の扉を閉め、帰る準備をする元に近付きながら言葉を返せば
彼は自らの腹へと片手を置き、答えた
「 途中で止めようが、俺は発情しなかったんだ。子を宿せる身体じゃないのに、態々ヤる必要もない 」
『 宿せなくてもいいじゃないか 』
「 何故だ? 」
発情しなきゃ行為が出来ない、その考えは壊していいことを学んでいる
手に触れ、此方を見下げるロッサを引き寄せれば軽く前から抱き締め、互いの尾を絡ますように動かせば彼はわずかに息を詰め反応を示す
『 俺が誘ってるんだ。それだけで十分じゃないか? 』
「 行為をする事に嫌々だった女王様が、随分と変わりようだな? 」
『 うっ……不発なんだ……くそ、言わせんな 』
嫌々だった事を知ってたのか、それなら互いの気持ちがすれ違ってる事に気づけば発情しないのは納得出来る
やらかした……と思った時には先程とは変わって上機嫌になり、絡めた尾が徐々に俺の尾を締め付けるように動き、擦るのに背筋は震える
「 ……女王様がしたいなら、すればいい……。俺はもう、どうすればいいか分からない 」
まるで初めてネイビーとヤった日に、彼が無抵抗だったのを思い出す
触らせてくれて、好きに動かせてくれた
あれは、敵意がないという意思もあるが…どうすればいいか分からないから手を出せなかったのか
随分と奥手じゃないか
今の俺達に理性を揺らがせるほどの、発情した時に香るフェロモンは存在しない
有るのは、子孫を残すという本能ではない…性欲だけ
それすら、ロッサに有るのか分からないから俺もどうすればいいか悩む
『 ……なら、少し屈め 』
「 …こうか? 」
『 嗚呼、それでいい 』
百八十八㎝は有りそうな高身長
流石に届かないと背を曲げさせれば、彼は疑問符を浮かべるように僅に傾げ、俺と視線を重ねる
近くで見ればイケメンなんだよな……本当、人型の魔物は美形揃いだと改めて思いながら、頬に触れる程度に軽く前髪へと口付けを落とせば
締め付けられた尾が動くのが分かり、彼は瞳孔を開き、直ぐに髪色と同じ赤い睫毛を下げ口角を上げる
「 あぁ、なるほど…… 」
『 なんだ? 』
どこか納得したように呟いた言葉に頬に触れていた手を離そうとすれば、彼はその手の平を掴み自らの頬に押し当てては顔を向け、手首へと甘く噛み付いた
『 っ…… 』
「 今なら分かる。どんなに孕む事が出来なくても、アンタと身体を重ねてみたいと思う…。やっぱり出向いて良かった 」
『 あー、そうか……って……なんか可笑しくないか? 』
手首へと歯を立てたロッサは、そのまま掴み片腕を腰へと回せば、尾を締め付けながら首筋へと顔を寄せてくる
ちょっと……というか、かなり立場が可笑しくね?
「 可笑しくないだろ?女王様が望んだことだ。身体を重ねて“行為“をしよう。この俺が直々に相手になってやるよ 」
『 ん??? 』
いや、やっぱり可笑しいだろ?
首筋から横髪へと鼻を押し当て、匂いを嗅いだ彼は尾を絡ませたまま一旦身体を離し、俺の手を引けば 此所の客室にあるベッドへと押し倒し、背中の弾力に驚きながら見上げれば、服を脱ぐ姿がある
「 俺の身体に見惚れるといい。こっち視線の方がすげー……興奮する 」
『( 待って……ロッサってもしかして……マジの、オス?? )』
女体になれなかったのって気持ちのせいとかじゃなくて、真面目に“メス“の部分がないんじゃねぇ!?
明らかに変なスイッチ入れた事に気付いた時には、彼は自らの長い髪の毛を、一纏めにし、ポニーテールへとやり変えれば、俺の身体に触れ被さるなり顔を寄せる
「 どうした、女王様。お望み通りじゃないのか? 」
『 なんか、ちげぇ……って、ン……! 』
「 口付けなら…唇がいいよな……? 」
童貞ナルシスト野郎!!と改めて文句を言いたくなり、押し付けるような口付けに眉を寄せるも
俺の唇の感触を確かめるように舌先で触れる感覚に腰は震える
巻かれた尾から痺れる感覚は、簡単に相手に伝わるだろ
ロッサの楽し気な顔を見てると、自分の負けを認めたくなる
『 ンっ……はぁー……ん…… 』
口付けの仕方に慣れたように、舌先を割り入れ探るように絡ませる彼に、合わせるように舌を擦り合わせれば、密かな水音共に痺れる感覚が全身に流れる
首筋へと腕を回し抱き締めていれば、彼の片手は俺の服の中へと入り、身体を撫でたり胸板に触れれば親指は乳首を擦り、それに反応を示せば
気付いたように、親指で片方の乳首を弄り始めた事に吐息は漏れる
『 ン、はぁ……はっ…… 』
「 アンタは…思った以上に、可愛いな…。乳首好きか? 」
『 っ……片方は舌がいい…… 』
「 ん、やってやろう 」
可愛いと言う単語は似合わないが、
愛撫を知らない魔物…ロッサには素直に言った方がいいと思った
彼は服を脱がせ、片方の乳首を弄ってる指を見た後に、反対の法へと舌先を当て軽く吸ったことで腰は浮く
『 ぁ、ッ……! 』
ハクやアランでも滅多に愛撫しないからな…
中々、されない側の為に久々の感覚に素直に感じていれば、ロッサは俺の反応を伺いながら、舌と指を動かし、空いてる片手をズボンの中央にある膨らみへと触り
軽く撫でては、ボタンを外し下着ともに下げれば陰茎を取り出し掴む
『 はっ……んぁ、ハッ…… 』
よくご存じで、そう褒めたい程に緩く掴み擦る手の平に胸と同時に攻められ頭は惚けていく
俺が攻めなきゃ、なんて思考が薄れるほどにヤられるだけの側は素直に気持ちいいと感じてしまう
『 はぁ、ぁ……ンッ……あぁ……きもち、いい……ん…… 』
「 ふっ……そんな感じする。この俺に、触れた方がいいだろ? 」
『 あっ、いいっ……ンッ…… 』
強くもない刺激が逆に焦らせてるようで気持ちよく
時より跳ねる身体を自らの押さえるように、シーツを掴み太腿を震わせ堪えていれば
ロッサの手の動きは、俺の反応を見て変えるために良いところを見つけたのか、先端ばかりを包み込み擦れば、頭は馬鹿になってきそうになる
『 ン~ァ、あっ!はぁ、あっ…… 』
「 先から輸卵菅か?出てきてるが……この俺の中に、入れたいか? 」
『 はぁ、しても……いいならな…… 』
やっぱり俺はそっち側だろうと思い、返事をすれば彼は一旦手を離し、身体を起こせばズボンと下着すら脱ぎ捨て、見せ付けるように陰茎を掴めば同じように擦る
「 でも、俺の方を入れた方が……よくないか?なぁ、どっちがいい?どうすればいい?女王様 」
立派な陰茎で肉壁を擦って貰うか、それとも孕ましたいと思うほど彼の膣内で擦るか
どちらも得られる快楽は強いことは想像でき、少しばかり考えてから脚を開き
『 どっちも、試そう……ほら……来いよ 』
「 いいな……分かった。なら、入れるぞ 」
慣らしては無いが、痛みは少ないのは知っている
ハクだけが挿入が好きなやつと思ってたが、兄弟は似てるな…
『 っ……!ンッ…… 』
押し付けられた亀頭が、ゆっくりと押し込まれ
開くような感覚に息は詰まり、力を入れないよう意識をしていれば、生暖かい肉棒の感触に腰は震える
『 ぁ、はぁっ……ァ……っ…… 』
「 はっ……すげー…気持ちいい……。俺のに吸い付いてくる…… 」
入れやすいよう両手で腰を掴み、
きっと本能だろうな…そのまま奥へと押し込んだ彼に身体の熱は掛け上がり息は荒くなる
『( でけぇ、って…… )』
本気でディルドの玩具でもぶちこんだんじゃ無いかってぐらいにデカい肉棒が深々と押し込まれて、息は苦しいし腸が押し上げられてるのが分かる
動くに動けなくなり、顔を横へと向けシーツを掴めば、ロッサは骨盤を掴んだまま本能のまま腰を揺らす
『 ンッ!ンッ、ぁ、あっ!はっ……くっ……! 』
一回一回の打ち付ける腰の動きが大きく、奥を突く感覚に膣内を締め付けながら、身体がシーツに擦れるのと合わせて喘げば、彼の呼吸もまた荒くなる
「 はぁ……ぁ、はっ……女王様……そんな絞めたら、気持ちよすぎて色々ぶっ飛びそう……。はぁー……こんな、気持ちいい行為なら……喜んで、受けるよ 」
『 ぁ、うるせ……いいから、動け…… 』
「 ふっ、こう……? 」
『 ぁ!あぁ、あっ!そう、だよ……ンッ! 』
煩い口は黙ってろと思うほどに腰を揺らされ、奥を突き上げる感覚に全身が痺れ、目の前が真っ白になり
俺の方こそ、気持ちよすぎて理性が崩れていきそうになる
『 ぁ、あっ、ぁ!やばい、ぁ、ロッサ……そんな、ぁ!きもちっ、ぁあっ! 』
「 はっ……女王、様……俺も、すげ…いい…… 」
激しい筋肉質な肉体がぶつかる音が響き、
直腸を擦られる度に、輸卵菅はだらしなく腹側へと垂れ、その先端から先走りを漏らして自らの腹を汚していく
それすら気にならないほどに、擦られる感覚に息を荒げ、高まる絶頂菅を感じれば自らの輸卵菅の先端を掴み膣内のように包み込み擦れば、限界は迫る
『 ぁ!あっ、いくっ、いっ、ぁあ! 』
「 はっ、っ……でる、っ~! 」
自らの手の平へと吐き出した卵子と共に、中を強く締め付ければ、彼の身体は一瞬力が入り後に続くように精子を吐き出したように固まった
「 はぁ……ん……あぁ、うわっ…… 」
『 はっ……ハァー、どうした? 』
呼吸を整えながら視線を向ければ、彼は自分の股を見下げて、太股に垂れる液がシーツを汚してることに嫌だと思ったのだろ
眉を寄せ、軽く掬ってはシーツで拭く様子はまるでこれがなんなのか戸惑ってるように見える
「 なんか、垂れてきて…… 」
『 ふっ、御前はちゃんと孕める 』
「 そう…なのか? 」
『 嗚呼、だから……交代だ 』
彼の陰茎はやっぱり卵子を促せる為に使うものでしかなかった
オスらしい部分は、他の魔物にもあるためにロッサが予想以上に強いことも無かったんだ
腰を動かし陰茎を引き抜けば、身体を起こすと同時に今度は俺がロッサを押し倒せば彼は目を見開いた後に眉を寄せた
『 ……ロッサ、もう一度聞く…俺の子を孕みたいか? 』
「 っ……この俺でも、出来るなら…… 」
『 じゃ決まり……続けよう 』
「 ン……! 」
口付けを交わし、身体へと唇を当てて時よりリップ音を立てながら、脚を開かせ輸卵菅を濡れた後孔へと押し当て、そのまま押し込み育児嚢へと辿り着けば、彼の反応は戸惑いを見せる
「 はぁ、女王様……奥が、気持ち悪い…… 」
『 疼くんだろ?俺のが欲しくて、本能が求めてるんだよ 』
「 じゃ、早く奥に……奥にくれ…… 」
『 そう、焦らなくも……ちゃんと受精させてやるよ 』
俺と行為を初めた一回目の時から、僅かながらに変化が訪れていたらしい彼の胎内
よく知る、膣内の感触と先走りと精子で濡れた中を満たすように埋めては擦り、孕ませるための交尾を始める
幾度となく、腰を揺らし自分が擦ってた時よりもいい反応をするロッサを見下げては、本能のままに中へと卵子を放てば、彼はそれに合わせるように育児嚢を震わせ、精子を吐き出す
「 はぁ、ぁ……!あっ……! 」
『 ふっ……沢山……貯精嚢にも注いでやるよ…… 』
「 あぁ、くれ……もっと、ぁっ! 」
一国の王へと孕ませて、この城で産ませることで自分の子が増えていく
どんなに発情が来なくて遅れたとしても、
オスでも、やっぱり“雰囲気作り“って大事なんだと実感した
今回は、孕ませたいと思った俺の敗けだと認めよう
「 ……ふふん、この俺にも子が出来た。きっと強く美しいだろうな。どうだ、嬉しいだろ? 」
『 はいはい、嬉しいよ。ありがとう 』
妊娠した事でロッサは上機嫌で腹を撫でてるが、それを見て本気で喜んでくれてることに安堵した
俺の子は欲しくないと思ったのではなく、子を宿す実感が湧かなかっただけなんて……
知識のない雄を相手にする方法も分かったし、
今回は良かったかな…?
「 あぁ……ルイ~!! 」
『 どうした、アラン? 』
掛け走ってきたアランに疑問になり、振り返れば彼は背後から抱き締めながら腰を振る
いや、股間を押し付けんな!!と文句言ってやろうと思ったがそうじゃないようで……
片手を腹へと当てれば膨らみは諸に分かる
『 まさか…… 』
「 産まれそうだから、部屋に来て!! 」
『 いや、他のやつを呼べよ!! 』
態々来たのか!てか、よく走ってこれたな!
あ、飛べないほど腹に意識がいってたのか……
次はアランだな、と待ち望んでた子に楽しみになりアラン専用の部屋へと移動した
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