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番外編

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颯、大丈夫かな....

陽妃、上手く学校に行けてるかな....

海斗、俺が居ない方がしっかりしてそうだね....

与えられた部屋のベッドに座り思いながら
日付感覚が狂うその地下の研究室で暮らしていた

射殺を止められて直ぐにこっちへ移動した為に、スマホなんて持ってないし外のニュースが流れるTVやラジオもなにもない

有るのは数多いファイルや、モニターに映し出される小難しい実験内容やその日にするスケジュールぐらい

それを見るのは俺とアランぐらいで後の奴等は与えられたプログラム通りに過ごすのだが、問題は起こしたことで不機嫌になってるルイスとそれを宥めるアランの存在だ

「 はぁ、またなにか喧嘩してるな 」 

遠くから聞こえてきたガラスの割れる音に、仕方なくベッドと机、それにクローゼットぐらいしかない部屋から出ては音の方に行く

いつものモニタールームとは違った、アランが決めた" 子作りする実験室 "へと脚を向け扉を開けば案の定、ルイスの機嫌は最高潮に怒っていた

「 ふざけんな!100歳過ぎてセックスなんて出来るか!!くそじじぃ、堂々頭にウジでも沸いたか!! 」

「 子作りしよって、だけだよ。ルイスは綺麗だよ?年齢なんて感じない 」

「 誰にいってんだよ!俺はこっちだ!眼鏡つけろ、老眼鏡じじぃ!! 」

ルイスがアランの眼鏡を割ってるんだが、と言う言葉は抑えて

他の研究者が割れたガラスを掃除してるのをみれば其処には何かしら必要な薬でも入っていたのだろ
液体によって滴はあるが、一体なにを恋人に飲ませようとしてるんだ、この人は....

「 眼鏡眼鏡.... 」

「 おい、拓海!御前も何かいってくれ! 」

拓海、そう呼んでくれるのは嬉しいけど俺を見方につけようとするとこの嫉妬心だけは一人前にあるアランの視線が痛いんだよね....

研究者から新しい眼鏡を受け取ってつけてるけど、何個スペックがあるのか知りたくなる
ここ最近、毎日のように壊されてるのをみるよ....

「 子供が欲しいと思えば作ってみても良いのでは?高齢出産みたいだけど 」

「 御前もそういうのか....大体な、何故俺が産まなきゃならんのだ。アランが産めよ 」

「 俺は.... 」

あぁ、ルイスはアランがアンドロイドだと知らないんだ 
だから人間の機能があるルイスが産まなきゃいけないんだと、俺は一人納得していればこの馬鹿は真顔で答えた

「 俺の方が体格がいいから、突っ込む側だと思うんだ。ほら、若い頃から俺が攻めだったじゃん 」

「 なっ!!この歳になって受けなんて出なかる分けない!! 」

颯と同じ顔や声なのにこうも性格に差が出ると他人と思えて清々しい
真っ赤に顔を染めてその場を走るように逃走したルイスは白衣を着ては逃げていった

追うことなく、アランは深く溜め息を吐き頭に手を置く

「 子作りしたくないとか、俺の事が嫌いなのかな....可笑しいな。プログラムにはそう聞いたんだけど.... 」

「 多分、その考えが間違ってるんだと思う 」

「 なんで? 」

自分の心に素直になれなくて嘘をついて、大切な人から離れた俺がなにを、恋愛とか語ってるのか理解できないけど、だからこそ今なら分かる気がする

「 ルイスはきっと君がアンドロイドだと知ってるよ。知ってるからこそ君のお堅い頭の中には" 実験 "とオリジナルの事しかない。ルイスの事が好きだと直接言ってみたらどうかな?あの様子は満更でも無さそうにみえるけど? 」

「 ......そっか、君の言葉は為になるよ。でも、怖いんだよね 」

「 怖い? 」

背伸びをしたアランは袖を下げ其所に見える2と言う数字を見ながら答えた

「 アンドロイドはいつか壊れる。1号は当然とバグが発生して壊れた....残りの子には俺より感情的じゃない。だから、ルイスが俺を失う事に寂しがったらどうしようかなって.... 」

「( なんだ、ちゃんと感情的じゃん )」 

好きだから嫌われたくない、好きだからこそ悲しませたくない
きっとアランのオリジナルが死ぬ前にすべての技術をいれて2号へと埋め込んだのだろ

ルイスが悲しまないよう自分とそっくり同じ感情を持つ人物を隣に置いた

狡いよ....そんな、幸せで惚気を見せられたら俺の大切な人達に会いたくなるじゃん....

「 其処まで分かってるなら、恋人として扱ったら?子作りするために攻めよるんじゃなくて、雰囲気造り出すとか 」

なんで俺がこんなアドバイスしなきゃいけないんだと思って内心、嫌気がさすもアランは笑顔を向け俺の肩に触れてきた

「 雰囲気だね!知ってるよ、現代にはラブホと言うものがあることを!よし、資料.... 」

「 ちょい待って、そんなものは必要ないと思う 」

「 えっ、なら和風の部屋を.... 」

「 平安時代か!普通に、普通にな!! 」

其処で俺が話したのは誘って、ベッドに連れていくまでのいい雰囲気になるだろう内容だった
理系の彼には余り理解できてないみたいだけど、それでも納得してくれた

「 俺とルイスがセックス出来るか見てて、隠しカメラある場所でするから! 」

「 やだよ! 」

と拒否したのだが、結局俺もこのアンドロイドを気にかけて心配していただけあり見ることにした....

なんで、自分のじいちゃん(先祖)のセックスなんて見なきゃいけないんだ

それも....相手は颯と同じ容姿なんて虐めか....

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