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番外編
06
しおりを挟む颯の話に理解が出来なかった
俺が見た彼等とは想像がつかなかったからだ
だが、話を終えた颯は壁に凭れ言葉を続ける
「 黒澤は働き蟻を指示する者。そして、俺は生まれながらに時期女王として育てられたんだ.... 」
「 ノアの方舟計画の為に....? 」
その言葉に彼は頷いた
もう、決めていたんだ
どの子孫を方舟いれ、残そうと
そして世界が氷河期に訪れ食べるものが無くなったときに何を食って過ごし、そして長い時間を眠り続ける策も出ていたと....
「 なんで、颯は社長を辞めたかったの!? 」
「 そんなの....あんな地下に眠り続ける女王アリの役目なんて嫌だからだ。好きなやつが、オスと言う名の下僕となるのはごめんだ.... 」
雄は死ぬまで雌の機嫌を取り、そして子作りをする
雌はずっと死ぬまで産み続ける
あのルイスと言う遺伝子がいまだに残るのは、彼が時より子を作りそれをアランという奴が育ててるのだろ
その食べ物は、俺達が任務と言われ殺した人々の肉だ
「 何が、人類が生きるためのノアの方舟計画だ。気が狂ってやがる.... 」
颯は全部して、そして自分が女王の器には相応しくないと世間に知らしめた時に初めて、口にした真実
それは後に自分の遺伝子が残り、ノアの方舟のように二組のカップルだけ生き残った時に颯は多くの犠牲をはらってまで選ばれたくは無かったんだ
「 普通の、恋愛をしてぇよ.... 」
腕へと顔を埋める颯の言葉
それは本心なんだろうね
頭に浮かぶのは彼と楽しそうにしていた海斗の姿で、颯は遺伝子やら選ばれた女王だと言うことを全て放棄してごく普通に生活して生きたいのだと知る
何故社長なんて立場にさせられてたのか
それは、今後彼が一人になりもう一度国を作り直しても仕切る力を養うため
そして、何を言われても動じない心を持ち合わせるため
その為に黒澤は、寝ている彼等に変わって颯の傍でその器を見ていたんだ
「 人類を自らの手で動かそうとする7人の研究者。彼等は、一人ずつ七つの大罪に位置付けた。自分の優秀な子孫が分かるための目印として.... 」
「 刺青.... 」
「 あぁ、だが。今では研究者の内の4人は死んでるしその子孫も殺されたらしいがな 」
ノアの方舟では
要らないものを切り捨てていく
それはどんなに研究を共にした仲間でも殺すのだろ
楽しそうに笑ってた彼等を見て、微笑ましいと思ってたのは間違いじゃないか
組織の中は人間同士による弱肉強食の世界なだけ
「 話してくれてありがとう。やっぱり俺は....ずっと颯の見方だよ 」
「 ....少し組織の仕事をしたくないから此処にいる。外が落ち着いたら出るさ 」
「 分かったよ。それまで外は任せててね 」
「 ふっ、御前のその....警官姿は似合ってねぇよ 」
「 どーも 」
潜入するために着ていた制服、きっと似合ってると言ってくれたんだろうけどね
本当、素直じゃないね
深く帽子を被り直した俺は此から自分がやるべき行動をするために単独で動くことになる
颯の話を聞いて、俺もなんだか組織を敵にしても単純な恋愛をしてみたいと思ったよ
その為には今はちょっとだけ我慢して
陽妃ちゃんに会うのを抑えて仕事をしないとね
颯が出て来てもいいように其までに集める情報はかなり多いからさ
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