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番外編
4話 真実の先へ進む未来
しおりを挟むノアの方舟 計画
それは物語と同じで天変地異が訪れる前に、神様から託された一人の人間は優秀なオスとメスを丈夫な方舟へと入れ、そして天変地異が終わった後に零へと戻った世界に放ち、もう一度世界は動き出した
そんな物語だった気がする
其を今、まさしくオリジナルの颯は説明した
「 優秀な遺伝子を持つペアを造り、二度と世界が氷に覆われないよう導く者達を造ってる段階だ。既に絶滅した種類は仕方ないが、生き残ってる種は遺伝子を保存してる。残りは人間だ 」
「 優秀な遺伝子って....そう、なるよう仕組んでるってこと!? 」
生き物をどの種類残すかは、きっと研究者の中で話し合って決めてたのだろう
そして今よりも優秀な人間を後に残すために彼等は、俺達のような者をつくりその判別から外れた人間を殺させてたんだ
「 あぁ、その通りだ。人間を喰らうなんて動物じゃぁいないからな。人間が殺すしかない 」
人を殺すことにきっぱりと告げた颯に、俺は人を殺すことを嫌がってる颯を知ってるからその言葉は聞きたく無かった
奥歯を噛み締め、握る俺に彼は言葉を続ける
「 御前はその人を喰う獣として放たれただけだ。そして、優秀な遺伝子を残す為の雄。そこまで成長してるなら試作品の子孫はいるだろ? 」
「 えぇ、No.15101092(海斗)は現在貴方の遺伝子であるNo.10110103(颯)とペアにする予定ですね 」
「 あぁ、俺の遺伝子と組み合わせてるのか 」
颯は自分の子供では無いのか、どんなに世話をして無いからとしても颯が陽妃を育ててることさえ知らないのに、実験材料程度しか告げない彼に怒りを越えて悲しくなった
「 雄同士が孕むのはまだ実験途中だが直ぐに孕むことは可能になる.... 」
「 その研究は後は結果が出るだけですね。中々いい実験体がいなくて 」
「 その2(海斗)と3(颯)でいいだろ 」
「 そうですね 」
俺への話を終えたように実験の内容を話し始めた、彼等に感情が無いんじゃないかと思うと同時に有ることを思い出す
「 No.10110103はアンドロイドなの?実験ベイビーでもなく? 」
そう、俺の知る颯がどちら側なのか気になれば彼は研究者に片手を向け一つのカルテを受け取れば、パラパラと捲り内容を見ていく
「 アンドロイド....まぁ、人口の心臓と脳を持ってるならそうだろ。この脳と心臓は前回の奴のだな.... 」
「 どういうこと? 」
「 勿体無いから使い回ししてるだけだ。優秀な遺伝子がポンポン死んでちゃ勿体無い 」
勿体無い?俺達が捨て駒のように死んでいくのを知って勿体無い?
遺伝子がよくなければ、捨て駒のように殺される為に任務に出される彼等の辛そうな表情を知らないの?
「 颯と同じ声や顔なのに、君の言葉を余りにも冷血だ!! 」
「 颯?あぁ、名前付けてるのか....識別判断ならマイクロチップで出来るだろうに.... 」
「 それもちょっとした醍醐味ですよ、彼等の.... 」
俺の話を聞く様子もない彼等に俺の感情は爆発した
実験体だから名前があってはダメか
愛し合うと思っていたことも全て計画通り 俺と颯を引き離したのも、きっと今の俺は海斗より劣っていたからダメなんだと知ったときには拳を握り締めて走っていた
「 颯の顔で、命を簡単にあつかっ....!? 」
「 五月蝿い。餓鬼 」
「 ッ!! 」
視線の端に見えた影、けれどそれは俺が思うより遥かに速く目の前にあり避ける前に顔面へと当たった
痛みより先に驚く方が大きく、身体が床へと滑り倒れたいた時には何があったんだと頭が真っ白になる
「 五月蝿くて起こされたじゃん、まぁ、久々に恋人に会えて嬉しいけど 」
「 えっ.... 」
聞こえてくるのは間違いなく俺の声
そして、ブーツの鳴らす足音はその場から移動し、平然と立っていた颯のオリジナルへと抱きついた
金髪のウルフヘアーは揺れ、一部だけ背中ほど長い襟足を揺らし笑った
「 ルイス~約40年ぶりだね! 」
蹴られた?事で鼻血を流していた俺は鼻を拭き、立ち上がれば彼等の雰囲気に目を見開く
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