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番外編

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海斗に連絡でもいれようかと考えたけど
今まで俺から送ったことの無いのに送られたら戸惑うと言うか驚だろうから止めた

陽妃とメッセージしてても、肝心の海斗と話せてないなんて少し寂しい気もする

任務の為、そう思ってるのだけど俺はきっと誰からも愛されてはない

俺が愛してないのだから当たり前と言えば当たり前か....

「 君さ、怒って出ていったんじゃないの? 」

「 ...... 」

僅かに扉の開く音と共にスマホを枕元に落とし問い掛ければ当の本人はご機嫌斜めと言うより、何処か落ち込んでる様子がある

落ち込みたいのはこっちなんだけど、と颯によって育てられ感情的な遊馬は自らのベッドの方に行き徐に服を脱いでいく

ガンッと重い音を立てて落ちるスーツの上着にいったい何が入ってるのかと驚けば、シャツを脱いだ彼の身体には最初に言ってた爆弾が全身にチョッキ型についていた

本当に着てた....なんて内心驚き見ていれば
ベルトを外していく彼はやっと口を開く

「 屋外プールあったんです。夜のライトアップされて....入ろうと思ったんっすけど....俺、爆弾持ってたんで服脱げなかったんす.... 」

何を真面目に落ちこんでるのかと思えばそんな事かと吹き出してしまった

「 ふっ!そんな、そんな事で戻ってきたの? 」

「 笑わなくたっていいじゃないっすか!俺は真面目に泳ぎたかった!だから諦めて風呂に入ります! 」

「 そっか、どうぞ 」

脱衣場で脱がないんだって思いながら笑えば持ってきていた鞄の着替えからパンツだけ取り出しシャワールームへと向かった

「 ふはっ、可愛いなぁ~ 」

怒りっぽい小猿の部分を取り除けば颯が可愛がる理由が分かるほど、可愛い一面を持ち合わせてる

真面目で素直で....

「 っ、陽妃は....任務の為に近付いてるだけなのに.... 」

そう、任務の為に近付くだけに下手な感情は必要ないと枕元に落としたスマホを持ちすれ恋のアプリを開く

「 あ、そうだ。あの子だけを相手にするから気にかかるんだ。他の子と遊ぼっ 」

別アカウントを作成し" カイ "と言う名で他の女の子と遊びたいと考えた
遊ぶと言うか気晴らし程度になればきっと一人だけを夢中になってみなくて済む

謂わば保険のようなものをかけた

「 ....はぁー、なにしてんだろ俺は.... 」

そんな事をしても自らの首を絞めるだけなのに、詰まらなくて面倒なことに首を突っ込んでしまう

此ではまるで浮気するか不倫してるような感覚に胸焼けがする

「 拓先輩お風呂は? 」

いつのにか上がってきた遊馬は腰にバスタオルを巻き付け上半身裸で寝室の方にくる
パンツ持っていったんじゃ無いかと思うんだけど、どうやら此処で履く様子

自らのベッドに座りバスタオルの中に手を突っ込み履いていくその様子見てから頭に腕を乗せ唸る

「 んー、いいや....怠い 」

「 汚いっすよ!?あ!!さっき、女の人とイチャイチャしたんじゃないっすか!? 」

「 したけど....突っ込んでないし、指だけ....手も洗ったし.... 」

「 そういう問題なんっすか?あ、なんか情報聞き出せたんですか? 」

女の子の腰を砕かす方法なんて突っ込むだけが全てじゃない
まだまだ未熟だな、遊馬くん、なんて思って質問に返す

「 黒いダイヤを運ばせたのは父親であるキング。要するにラスベガスのボス。んで、それを買って他の場所に持っていくのが早乙女 葵 。彼のNo.を御嬢様が言ったからね.... 」

「 えっ、じゃ。元々そのラスベガスのボスに颯さんが売ってたって事ですか? 」

「 そうなるね....よくある話だよ。武器の売買なんて.... 」

颯は依頼され、欲しい数の武器を売る
彼の会社に対する敵でなければ無くなった分を渡すことも買いとる事もある

「 俺達の持ってる此だってアメリカ製....日本の武器ルートは海外に頼ってる。ラスベガスだろうかマカオでも....一部が欲しければ持ってるヤクザやマフィアから買いとるじゃないかな....遊馬くん。俺達の所属してる組織はいいものではないんだよ 」

早乙女が逃げ出したのは少しだけ羨ましいと思った時期もある
逃げて捕まらず自由に生きてるのならそれは俺の望んだ事でもある
けれど、俺は逃げれない鎖を組織に作ってしまった

「 ....颯がいなければ、俺も組織を抜けていた.... 」

「 .....確かに俺も颯先輩に会わなかったら死んだと思うしこうして生き甲斐感じてないっす。俺達の居る組織は確かに良くは無いっすけど....所属してる人はいい人ばかりじゃないっすか! 」

ゆっくりと目を見せればニッと白い歯を見せて笑った遊馬のポジティブな雰囲気に圧倒される

少し疲れたと眠りに付く俺は、只夢の中で颯と共に笑い合う楽しい夢を見ていた

「 颯がいるなら....他に誰も、いらんよ.... 」

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