上 下
104 / 193
番外編

04

しおりを挟む

その頃の俺はって?

勿論、回転寿司を食べ終わってから遊馬が連れてきてくれた使われてない車庫へと一度移動した

「 持ってきていたのはこれです 」

此処に置いていたらしい大きなトランク一つを開いた彼は、懐中電灯を当て中を見せれば其処にはアメリカ式の拳銃が入っていた

「 よく新幹線に乗せてきたね。まぁ、飛行機と違ってセキュリティー緩いけどさ 」

「 持っていってないと聞いたんっすよ 」

「 まぁね!必要ないかなーって 」

そう、今日は争うつもりじゃ無かったから拳銃なんてもってきてはない
小型でも殺傷能力がある此を見ると血を見ることになるのかと嫌になりそうだよ

「 持っててください。護身用です 」

「 はいはい 」  

受け取った拳銃の球数を確認すれば一度に5発が限界、同時に貰った弾をスーツの内側ポケットに入れ拳銃も腰にあるホスルターへと隠せば彼もまた自らの身体に仕込んだ後他の物を出す

「 此が今回の船の設計図と部屋の間取りです 」

「 君の準備の良さね.... 」

「 いえ、颯先輩が渡してくたんです....貨物と言って悪かったと.... 」

「 まぁそこは一理ある 」

うん、明らかに貨物船とか貨物列車じゃないから全然やり方は違う

こんな御客さんとして乗り込むなんて聞いてないと、地図を開き場所の確認する彼をみてると颯の面影を見る

颯も下調べは得意だし、俺の駄目な部分を何気なくカバーしてくれるいいパートナーだ

その彼が先輩でありよく教えて貰っていると言う遊馬は、まさに颯の技を引き継いだ子供のよう
血縁関係は全くないのだけど、忠実な犬に育てられたまた忠実な仔犬だね

此からの成長が楽しみでもある子だよ

「 此処が結構空洞なんですよね。丁度、機械室 」

「 確かに疑うのは其処が一番広いかも知れないけど....其処に武器を隠すなら諸バレ過ぎる 」

「 隠す必要が無いんだと思います 」

「 どうして? 」

広げた地図の他に彼は持ってきていたメモ帳を取り出せば、どうやら颯から聞いた情報が書いてある、謂わばカンニングペーパーを見ながら答えた

その辺りは可愛い

「 相手は他国に品を売り付けるのが目的であって、移動手段は別かと.... 」
 
「 あぁ、要するにあの御客に紛れて売買する幹部達が紛れてるってことね。品はサンプル程度、売るか買うかは相手次第 」

「 多分、そうっす! 」

「 其処まで分かってるなら、なんで颯が来なかったのかな....社長気取って忙しいのかな 」

売り付けるものを見付けると言うより、何処にこの技術を売って売買してるような富豪を見付ける事が依頼の任務なのだろね
....と言うことは怪しい会話を盗み聞き知ろって事かな

腰に手を当て、溜め息混じりに告げる俺に遊馬は地図を折り畳み内の胸ポケットに入れ、トランクから小型の盗聴器取り出し俺に渡してくる

「 俺が潜入調査初めてなので、拓さんに学ぶといいって 」

「 ....実戦経験積ませようとする辺り彼らしいよ 」

成る程ね、潜入調査すら失敗しなければ比較的に簡単な依頼だと知って颯は遊馬を来させたのかと納得する
耳の後ろに遊馬と離れていても会話が出来る無線を取り付け、
手首の内にナイフやら入れ準備できれば二人でスーツを引っ張り身嗜みを整え歩き出す

「 チケット買い取ってるのであります 」

「 準備いい。そう言えば、もしバレて捕まっても俺は助けないからね 」

平然を装って海軍の前を歩きながら告げた俺に、彼は自らの腹に手を置き笑顔で笑った

「 大丈夫です。その時のために爆弾を身体に巻いてます 」

「 君の清々しい程の態度は好きだよ 」

「 ありがとうございます!でも、マッチ忘れたんで火がつけれるもの下さい 」 

「 ジッポ渡しとくよ 」

胸ポケットから取り出し軽く渡せば、彼は受け取り笑顔でポケットへと突っ込んだ
爆弾身体に巻いてるなら捕まったと気付いた時には近寄らないのを心に決めた

爆弾身体に巻いてるのに、笑顔でニコニコしてる彼をみてると俺の方が正気に思えてきたよ

颯、この子にどんな躾をしてるの....

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】孕まぬΩは皆の玩具【完結】

海林檎
BL
子宮はあるのに卵巣が存在しない。 発情期はあるのに妊娠ができない。 番を作ることさえ叶わない。 そんなΩとして生まれた少年の生活は 荒んだものでした。 親には疎まれ味方なんて居ない。 「子供できないとか発散にはちょうどいいじゃん」 少年達はそう言って玩具にしました。 誰も救えない 誰も救ってくれない いっそ消えてしまった方が楽だ。 旧校舎の屋上に行った時に出会ったのは 「噂の玩具君だろ?」 陽キャの三年生でした。

食事届いたけど配達員のほうを食べました

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか? そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。

とろとろ【R18短編集】

ちまこ。
BL
ねっとり、じっくりと。 とろとろにされてます。 喘ぎ声は可愛いめ。 乳首責め多めの作品集です。

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王

ミクリ21
BL
姫が拐われた! ……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。 しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。 誰が拐われたのかを調べる皆。 一方魔王は? 「姫じゃなくて勇者なんだが」 「え?」 姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?

友達が僕の股間を枕にしてくるので困る

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
僕の股間枕、キンタマクラ。なんか人をダメにする枕で気持ちいいらしい。

SODOM7日間─異世界性奴隷快楽調教─

槇木 五泉(Maki Izumi)
BL
冴えないサラリーマンが、異世界最高の愛玩奴隷として幸せを掴む話。 第11回BL小説大賞51位を頂きました!! お礼の「番外編」スタートいたしました。今しばらくお付き合いくださいませ。(本編シナリオは完結済みです) 上司に無視され、後輩たちにいじめられながら、毎日終電までのブラック労働に明け暮れる気弱な会社員・真治32歳。とある寒い夜、思い余ってプラットホームから回送電車に飛び込んだ真治は、大昔に人間界から切り離された堕落と退廃の街、ソドムへと転送されてしまう。 魔族が支配し、全ての人間は魔族に管理される奴隷であるというソドムの街で偶然にも真治を拾ったのは、絶世の美貌を持つ淫魔の青年・ザラキアだった。 異世界からの貴重な迷い人(ワンダラー)である真治は、最高位性奴隷調教師のザラキアに淫乱の素質を見出され、ソドム最高の『最高級愛玩奴隷・シンジ』になるため、調教されることになる。 7日間で性感帯の全てを開発され、立派な性奴隷(セクシズ)として生まれ変わることになった冴えないサラリーマンは、果たしてこの退廃した異世界で、最高の地位と愛と幸福を掴めるのか…? 美貌攻め×平凡受け。調教・異種姦・前立腺責め・尿道責め・ドライオーガズム多イキ等で最後は溺愛イチャラブ含むハピエン。(ラストにほんの軽度の流血描写あり。) 【キャラ設定】 ●シンジ 165/56/32 人間。お人好しで出世コースから外れ、童顔と気弱な性格から、後輩からも「新人さん」と陰口を叩かれている。押し付けられた仕事を断れないせいで社畜労働に明け暮れ、思い余って回送電車に身を投げたところソドムに異世界転移した。彼女ナシ童貞。 ●ザラキア 195/80/外見年齢25才程度 淫魔。褐色肌で、横に突き出た15センチ位の長い耳と、山羊のようゆるくにカーブした象牙色の角を持ち、藍色の眼に藍色の長髪を後ろで一つに縛っている。絶世の美貌の持ち主。ソドムの街で一番の奴隷調教師。飴と鞭を使い分ける、陽気な性格。

【完結】身に覚えがないのに身ごもりました。この子の父親は誰ですか?

愛早さくら
BL
リーファは突然子供を身ごもった。心当たりは全くないにもかかわらず。 戸惑うリーファに救いの手を差し伸べたのは、これまで可愛がってくれていた義兄だった。 ・詳しい設定というか、主人公たちの状況というかは1話に載ってるはずですのでそちらでご確認ください。 ・簡単に言うといつもの。 ・他の異世界話と同じ世界観。 ・男女関係なく子供が産める魔法とかある異世界が舞台。 ・「5親等」が「近親」に含まれるのなら近親相姦になります。 ・R18描写があるお話にはタイトルの頭に*を付けます。 ・登場人物たちの頭が大体ゆるふわなハピエンの予定です。 ・というか、主人公が震えるほどの頭ゆるふわ天然チョロイン…… ・タグがとてもネタバレ。 ・言い訳というか解説というかは近況ボード「突発短編」のコメントをどうぞ。

処理中です...