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番外編

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雨の日にずぶれなんて明らかに違和感がある為に一度着替えてから任務へと向かった

男が通る瞬間に殺害、なんて人目を気にする俺の行動ではない

もう一人、その狙った男を殺した相手に用事があった俺は追い掛けたのだが路地に入ったところで諦めた....フリをし息をつく

「( 追い掛けてもしかたないよね.... )」

俺の後に続けてきていた人物を知ってた為に少し影により、そして行くのを止めた

「( 君が突っ込めば颯が悲しむ )」

陽妃、君の生きる世界とこの暗い路地のような道は住む世界が違う

颯が永年隠してた事を俺から教えるのも意味が違う
だからこそ、自然と告げた言葉は
デートに行こう だった

不自然過ぎる誘いなのに余り気にして無い様子にはほっと胸を撫で下ろす

デートなんてまともにするのは初めてなんじゃないかと思うほど、ゆっくりと歩きながら陽妃が行きたい場所を答えるまで殺害現場から離れていく

『 あ、ゲームセンター行ってみたかったんです!駄目ですか? 』

「 ゲームセンター.... 」

陽妃が立ち止まったのは少し大きなゲームセンター 
三階はプリクラで二階はクレーンゲーム等、そして一階はコインゲームとかになってる場所

確かに俺も学生の頃にゲームセンターで遊んだような記憶は無いから、ちょっと楽しみになる

「 いいよ、行ってみようか! 」

『 はいっ! 』

傘を閉じて共にゲームセンターへと入る
この音が大きい感じは何となくパチンコ店を思い出すが、騒がしいからこそ楽しいと思えるのだろうね

自動ドアを入ってから目を輝かせる陽妃の横顔を見てから、そっと背を押す

『 わっ、拓斗さん? 』

「 気になるもからやっていこうよ 」

『 そうですねっ、一階はコインで遊ぶ場所なんだ....何があるかな 』

全て見るのは初めてのように、颯に良く似た横顔と琥珀色の瞳をゲームへと向ける

颯の事だから門限とか作ってそうだし、ゲームセンターになんて来たら機嫌は悪くなりそう

質の悪い奴が多いこの場所に、可愛い弟は行かせたく無いだろうね

『 これやってみます! 』

「 うん、へぇ....ワニさん叩くんだ 」

『 点数高かったらこれでるらしいので 』

ワニをハンマーみたいなので叩くのを見れば、それは点数が一定に上がれば小さなオモチャが出てくるような仕組み

張り切ってハンマー持つ陽妃に俺は片手を出した

「 ちょっとそれ持たせて 」

『 ん?どうぞ 』

受け取ったハンマーは少し重く、華奢な彼が持つにはスピードがないようにも思えた

「 此で打たなくても多分、手で叩いても点数はいるよ 」

『 そうなんですか?なら手で叩いてみよ 』

お財布からコインを入れて始まる音と共にワニは顔を覗かせる

『 わっ!あ、叩ける! 』

そんなに強くしなくても一定の押した位置によってワニの頭は叩かれたように引っ込んでいく

只、恐ろしいほどに陽妃は鈍感だと思った

" 怒ったぞ~ "

『 ふあっ!?えっ、あっ、まっ! 』

二つ同時に出てくればどちらを叩くか迷ってる内にワニは引っ込む
叩いた数によって速度や出てくる数も増えてる
そのきっと最初のグレード2辺りでゲームは終わった

" ワハハハッ、ざまーみろ! "

『 なっ、拓斗さん!ワニさん多かった! 』

ガチャが出なかったことに少しだけ落ち込む彼に俺は小さく笑ってから自らの財布を出し札を両替し、残りを胸ポケットに入れ百点玉を入れた

「 次は俺がやってみるよ 」

『 是非!ガチャを! 』

「 たいしたものは入ってないと思うけどね 」

ガチャへと視線を向ければ入れ物すら小さい気がして其でも欲しがるなんて可愛いと思いながらゲームが始まれば軽く叩いていく

" 怒ったぞ~! "

『 怒るの早い? 』

「 きっと叩くときの速度も関係あるかもね 」

身体全部が出てくる前に口先だけが穴から出ればそれを叩き引っ込める
その単純なゲームは次第に速度が上がる

" 喰ってやる!! "

『 わっ、4体いっぺんとか! 』

「 ダメだよねぇ。ハンマーひとつしないのに4体とか。手でやれっていってるみたいなもの 」

左右に指を伸ばしピアノをするように押さえ、最高グレードの後半
全部が出てきたときには出た順番から押さえていく

" うぅ、やられたぁ~.... "

「 ふぅ、中々楽しかったよ 」

" 結果。パーフェクト! "

『 凄い!私、目で追えなかった! 』

子供がするゲームだと思うけど最高グレードまで行けばそれなりに楽しいと、最後に出てきたガチャを受け取り陽妃へと渡した

「 どうぞ、反射神経は良くてね 」

『 いいの?ありがとうっ。何がでるかな~ 』

彼女がしてもそのガチャはきっと出ていた
周りは黒く塗り潰されてようなガチャのボールをテープを開け開けば、陽妃は嬉しそうに笑った

『 ワニさんの消しゴム!! 』

「 やっぱりたいしたことなかったね 」

『 いいえ!使えますよ!学校のときに 』

消ゴムと言ってもワニの形だから消し辛そうなんて実用性を考えてしまう俺とは違って、陽妃は使えるものだからと喜ぶ
ほんの100円程度のプレゼントで此処まで喜ぶ人を海斗以外に初めてみたかもしれない

『 ありがとうございます!次、あれやりたい! 』

「 いいよ 」

誰かとこうやって遊んだのはいつ振りだろうか


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