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取り敢えずぐっすり海斗が寝てるのを見れば、俺と拓海(仮)は高層マンションにある駐車場へと車を止めてから中へとはいる

「 海君起きないかな 」

『 起きたらその時だろ。もう一度寝かせてやる 』

「 だから、それは荒療治だって 」

軽く自分の腰に触れ車の中にあった其を拝借して持ってきた俺は、拓海と共にエレベーターのボタンを押し最上階へと行く 

二人とも黙ったまま到着し扉が開けば一部屋しかないその玄関の前に行き拓海はチャイムを押す

ピンポーンと鳴り響く音が静かになり

いないか?と疑問になっていればガチャッと扉が開いた

「 あのね、休みの日に来るなんてその脳天ぶち抜かれたいんですか? 」

「 わおっ、がっつりオフモード 」  

『 ごめんな、黒澤君。この人がどうしても来たいってさ 』

前髪をゴムで結びちょんまげみたいにして、その前髪が立たないようピンで髪を止め、左にリングピアスをつけ、黒のスウェットを着てる黒澤君は完全なオフモード

拓海へと睨んだその表情は直ぐに諦めたように溜め息を吐き中へと招いてくれた

「 どうぞ....一人は死んだと言われた拓海。もう一人は元罪人....まともなお客は来ないんですかね 」

『 来ないっしょ。黒澤君の名前なんてこのマンションにないし。わー、絶景 』 

靴のまま大理石のフローリングの奥を進めばリビング一面がガラス張りになってることに初めて来たわけではないが、相変わらず絶景だと言えば彼は告げる

「 完全プライバシーガラス貼ってるので見えてるのは画像ですよ。その風景丸々コピーしたね。時間式で変わります 」

「 ガラス一面スクリーンなんて金かけてるねぇ 」

『 本当だわな、俺等の給料上げて欲しいぐらいだ 』

「 十分渡してるでしょ。今、ゲームしてたんでほっといてください 」

黒澤君は表向きは俺の元マネジャーだったり、秘書をしてたが実際は日本の政府から依頼を直に受けとる俺達の雇い主 
謂わば主みたいなもの

其を知ったのは、俺を幼い頃に拾って育てたこの組織の一員であり、俺はその人が居なくなり次に黒澤君が親みたいなもので育ててくれた

俺にとって元マネジャーであり、兄みたいな黒澤君はミステリアスな上司だ

マネジャーだった時はこんな世界の人とは知らなかったから、俺も結構最近になってこの世界の者になっていた

それに比べて、拓海は幼児期からボディーガードとして育てられてるから滅茶苦茶強いし賢いんだよなぁ、それをさっぱり隠してるが.... 

ゲームをすると歩いていく黒澤君についていき、一つの部屋に来れば其処には12台以上のパソコンの我慢がある 

『 ゲームというより仕事.... 』

「 いや、ちゃんとゲーム画面あるよ? 」
  
『 あ、本当だ 』

一つだけゲーム画面があるために納得して、彼がやり始めた麻雀のゲームを見ていれば黒澤君は平然と告げる

「 二人して物騒なものを持って何事ですか? 」

「『 やっぱり知ってた? 』」

同時に腰から取り出した拳銃に、俺は黒澤君の後頭部に向ければ拓海は俺へと銃口を向けてきた

「 ....ダメだよ。颯。反抗しちゃ 」

『 譲れない事ができたんでな。邪魔なんだよ、この人.... 』

「 では、二人の話を聞きましょうか? 」

振り返れば持っていた拳銃を拓海に向けた黒澤君に笑みは溢れる
 
「 話し合いは平等が鉄則でしょ?拓海、下ろしなさい 」 

「 嫌だね。だって....この人、裏切る気満々だよ 」

『 ほぅ?何故そう思う? 』

「 ....海君に惚れたから 」

一瞬揺らいだ感情にそれに気付いた拓海は身体を動かした
直ぐに拳銃の引き金を引こうとするも鍛えてる差によって持っていた手首は蹴られ痺れた瞬間、彼は腹を蹴る

『 っ!! 』

壁に背を打ち付けた俺に拓海は拳銃を向ける

「 其処までだ。俺の部屋で騒ぐなよ 」

拓海の頭へと銃口を突きつけた黒澤君のそれは、完全に安全装置が外れていた

殺す気がある殺意に、拓海は眉を寄せ直ぐに笑えば両手を上げ俺の上から退いた 

「 すみません、ボス。話を聞きますよ 」
 
『 っ.... 』 
 
容赦なく蹴られた腹を押さえる

昨日海斗と散々ヤってたことで身体が此処まで動かないとは思わなかった

それだけ後の体力残してなかったと実感する

俺はもう、歳だな
身体が思考についていけないなんて


 
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