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しおりを挟む快楽が絶頂を呼び、大人げなく達した時には身体は痺れ頭は朦朧としていた
イきましたね、なんて呟く海斗はベットリと俺の精子で汚れた手を見て満足げに告げる
草食系の動物かと可愛い皮を被った、実は狼でしたなんて事はこう言うことなのかと思う
『 ハァ....もう、来いよ.... 』
「 えっ? 」
恥だと知って呟いた言葉はほんの0.1秒でキョトンとした表情へと変わった
何をいってんだ俺は....
あんなにヤるなら好きな人としろとか言ってたのに、その気になればぶちこんで欲しいなんてどうかしてると思う
『 いや....なんでもない 』
やっぱり間違っていると気だるい身体を起こそうと動けば、意味に気づいたらしい海斗は俺の腰に触れた後、腕を伸ばした
一瞬、何をするのかと硬直するが海斗が手に取ったのはベットの頭にある小さな置き場に置かれた入れ物
その中を探れば見覚えのあるものに眉を寄せる
「 やっぱり、俺のサイズが無いです。無いので、残念ですが止めましょ? 」
『 は....? 』
今度は俺が驚いた
探っていたのは備え付けのコンドームで袋を見て、一つ手に取った彼はサイズを僅かな光で確認しては元に戻す
「 此所にあるの、SとかLなんですよ。俺のはXLなので....。それにもう少し勉強してきます。入れ方や動き方とか.... 」
『 ........ 』
目線を海斗の股間へと落とせば、それは言葉通りの像だった
いや、狼とかのレベルじゃねぇと思う
あんな凶器並みのものを慣らさず入れてくれって頼んだ、先程の言葉を消滅させたい
だが、そんな事すら気にもせず押し込む奴はいるだろうに
真面目に勉強してくると告げた海斗が可笑しくなり、半分起こしていた身体をベットの外へと出るよう脚を動かし床につく
『 本当、真面目だな。シャワー浴びてくる.... 』
「 あ、あの! 」
『 ん? 』
ベットや床に散らばる服を後回しに歩き出そうとした俺を止めた海斗に振り返れば、ベットの上で畏まる彼は目線を泳がせた後、俺を見上げた
ヤってる最中に見せた獣のような瞳ではなく、ヘタレな犬らしい表情だ
「 嫌いに....なりましたか?また、準備したらヤっては....くれますか? 」
『 ....嫌いにはなってない 』
「 じゃ! 」
『 でもな.... 』
ハッキリと言う必要はあった
中途半端なのはきっと俺も海斗も居心地悪いだろ
例え男同士のセックスに愛情がなくても出来ると言えど、互いに童貞なら一番は....そう、ちゃんとしたいだろ
『 リクと言う女にするか、俺にするか決めてからもう一度アプローチしてこい。そしたら....少しは揺らぐかもしれん 』
「 !!ケジメつけます!! 」
『 ふっ....そうな 』
俺が言えたことでは無いが、ヘタレでちょっとの緊張で固まるこいつが一つのケジメを付けるならそれに最後まで演技をして答えるべきだろ
全てのケジメがついた時に、俺は塗り固めた嘘を壊そう
『 そうだ.... 』
「 なんでしょ? 」
それでも、揺するのは好きなんだ
『 一緒に入るか? 』
「 !!恥ずかしいので、お先にどうぞ!! 」
『 はははっ!わかったよ 』
馬鹿真面目な部分は嫌いじゃないと、声を上げて笑えばシャワールームへと向かった
『 すげ.... 』
シャワーをかかり、ガラス越しに見た自分の身体は赤く色つくキスマークや咬み痕が点々とあった
何処で覚えたのかは知らないが、あの犬にはもう少し躾が必要だろうと思う
『 ....本当、0時前には寝るよな 』
シャワーを浴び終わり、風呂から上がれば
ベットで全裸のまま寝ている海斗にある意味感心する
こんなことなら先にシャワーを使わせればよかったと思うが、寝顔を見ていればどうでもよくなる
『 ....まぁ、もう少し頑張りましょう 』
背を向けたこいつの肩にヤってる最中はまったくつけなかったキスマークを残した
引き締まった筋肉や色気のある表情は子供っぽくはなかった、そう思い
服を整え、コートは衣紋掛けにかけてから海斗の横で眠りについた
明日は先に帰るのは止めて送ってやろう
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