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しおりを挟むお店の名をPierreと聞いた瞬間に、この程度の男なんだとは分かった
Pierre、其処はカップルがデートスポットに行く穴場らしいのだが俺達の中では口説く為の店だとも言われていた
値段はそれほど高くはなく、ファミレス位の金額だが敢えてフランス通貨で記入してる事で、分からない女性にとっては高級なものを食べてる気はするだろ
御店側もそれを知ってメニューの書き方、エスコートの仕方も高級なフランス料理店をパクってるみたいなもの
男がどれだけ女性に対して下心を向けてるか分かるこの店に前は" Pierre "
フランスの男性名と言うこともあり、遊び人の名前が多いも言う
それを知らないのは無知な女性か、まだこういった店を知らない無知な男の子ぐらいだろ
『 すみません 』
「 はい、なんでしょ? 」
『 彼のワインを葡萄ジュースに変えてくださる? 』
「 ふふっ、畏まりました 」
俺と同じものを注文してたが、肉料理に合うワインも注文してた為にカイさんがいないと時に変えてもらうことにした
肉料理といっても牛肉のステーキやハンバーグ、それにサラダとかだが盛り付けかたも高級フランス料理店みたいなんだよな
『 あの様子からして、此処に来たのは初めてか.... 』
ピエールと言う店の場所も知らないし、フランス語も読めないのに連れてきってことは予約を誰かして、俺の妹とその気になれるからって調子に乗って来たのは良いものの逆に雰囲気に戸惑って居ずらくなったのだろ
可愛い青年だなと思いながら、先に届いた赤ワインを口に含む
『 会計は私が払うから気にしないで下さいな。あ、でも彼には内緒で 』
「 はい、畏まりました 」
ペコリと頭を下げた店員に言った後に料理を取りに戻っていったその背を見ていれば、何処か青ざめたようなカイさんは戻ってきた
「 すみません。御待たせしました。そういえば、余り話をしてませんでしたね。俺の仕事は.... 」
トイレに行って落ち着いたのか話の話題と共に自分の自己紹介を告げる、カイさんの言葉は何処か信憑性に欠けていた
『 そうなんですね。随分と知的ですね 』
「 いえ、そんな事はありませんよ 」
どのぐらい、この上部だけの話が続くのかは分からないがそれでも頑張ってキャラを維持しようとしてるのは分かる
『( 金持ちでもなければ28歳でもないな.... )』
仕事をしてる俺からみれば、どんな会社に勤めて働いてるのか聞いただけで大半は給料含めて察しがつく
だが、彼の言葉は嘘で固めた一つのキャラに見えてこういう男が女を好き勝手誑かしてるのだと思うと腹が立つな
特に妹もそんな事にさせようとしたのなら、男として生まれたことに後悔させてやっても良いと思った
『( 詰まらないな.... )』
話の内容は何処か他人事、誰かの話をしてるようなカイさんの言葉を聞くのは嫌な為に俺から話を振ってみることにした
『 そういえば、ご兄弟とかいますか? 』
「 兄弟ですか?居ますよ。兄が一人....余り誉めれるような兄ではないですがね 」
『( おや? )』
兄を語るときだけ、作られたお面が外れたように話を始めた事に聞いていた
「 年齢は離れているんですが、俺のために頑張って働いてくれてたり。今は俺も働いてるのでお金は其々別々なんですがね。それでも変わらず子供扱いして....困ります 」
困ると言うわりには何処か嬉しそうで
兄が嫌いだとか言ってる割には大切にしてるのは伝わってくる
「 御待たせしました 」
『 ありがとうございます。私にも妹がいるのでそう思われてるかも知れませんね。いつまでも子供扱いして....なんて 』
「 そう言うけど、結構嬉しかったりすると思いますよ 」
そうなんですか!なんてちょっと食い付いてくるカイさんはきっと兄弟の話をしてる時の方が楽しいのは直ぐに分かった
注文したステーキが届き、フォークとナイフで食べる俺を見よう見まねで食べる様子は何処か可愛さもある
妹相手には少し子供っぽい20歳だが、友達ぐらいにはならしてやってもいいような気がする
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