ゾクッとくる？怖い話・短編集(オリジナル)

ゆらゆら

---

彼は大学時代の友人たちと、久しぶりに海辺のキャンプに出かけることにした。彼らは美しい入り江にテントを張り、夜遅くまでバーベキューを楽しんだ。夜が更けると、友人の一人が「この海には幽霊船が出るって噂を聞いたことがある」と話し始めた。

その話に興味を持った彼らは、「幽霊船」を見つけようと夜の海を見つめた。しかし、海は静かで、特に変わった様子はなかった。彼らは結局、ただの噂だろうと笑い飛ばし、それぞれのテントに戻った。

夜中、彼はふと目を覚ました。外からかすかな船の汽笛のような音が聞こえてきたのだ。彼はテントを出てみると、海の上に薄い霧がかかっており、その中にぼんやりとした船影が見えた。

彼は驚き、友人たちを起こそうとしたが、その船影は次第に霧の中に消えていった。翌朝、友人たちにそのことを話すと、誰もがそれを夢だと言って笑った。

しかし、彼はどうしてもその船影のことが気になり、地元の人にその話をしてみた。すると、その人は表情を曇らせ、「その船影を見た者は、必ず何かを失うと言われている」と言った。

彼は不安になりながらも、キャンプを終え、日常生活に戻ることにした。数日後、彼は大切にしていた祖父の形見をなくしてしまったことに気づいた。




















---

**解説:**

彼が夜中に見た船影は、伝説の「幽霊船」であり、それを見たことによって必然的に何かを失うという呪いが発動した可能性があります。彼が祖父の形見を失ったのは、幽霊船の呪いの結果であり、現実の恐怖が伝説と結びついた瞬間を示しています。この解説を読んで初めて、彼が経験した出来事が単なる偶然ではなく、海の伝説が持つ恐ろしさを理解できるようになっています。