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消えた友人
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大学時代の友人たちと久しぶりに集まることになり、数年ぶりに顔を合わせた。皆変わらない笑顔で、昔話に花を咲かせた。
飲み会の途中で、一人の友人が不意にこう言った。「そういえば、Aって最近どうしてるんだっけ?」
みんな一瞬黙り込んだ。「Aって、誰だっけ?」と一人が首をかしげた。
「ほら、私たちと一緒に遊んでたAだよ。よくこの店にも来てたじゃないか」とその友人は言ったが、他の誰もそのAという人物を思い出せない。なんとなく気まずい雰囲気になり、その場はそれ以上深追いせず、話題を変えた。
家に帰り、気になった私は昔の写真を見返してみた。すると、昔のグループ写真には確かにAが写っていた。だが、顔が不自然にぼやけていて、まるでそこに存在していないかのように見えた。
翌日、その友人に確認しようと電話をかけたが、「Aって誰のこと?」と不思議そうに返された。
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この話の怖さは、存在していたはずの人物が、次第に全ての記憶から消えていくという恐怖です。「A」は確かにいたはずなのに、周囲の人々の記憶や記録から徐々に抹消されていくという不気味さが際立ちます。
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