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『真幸商会』異世界出店編

真幸商会 異世界1号店 その9

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暫くがらんどうの大部屋で待機しているとミスティが手配してくれていた椅子やテーブルが運び込まれる。

テーブル6台とセットの椅子が合計で24脚。

「うん、その位置で大丈夫。後は軽く拭きあげて貰っていいです?」

「はいっ」

「……う、うぁい」

あれから2時間ほど、まだまだ元気なエッセルと既に半分死にかけているデライト。
ミスティは御三方をギルドに送っている。
ようやく帰ってくれたか。

「拭きあげたらそのまま暫く休憩しててください。奥の部屋と二階には入っちゃだめですよ」

二人に言いつけておいて二階へ上がる。
監視の目が無くなったのでようやく自分の仕事ができる。

事務所に準備しておいた道具を運ぶ。
ひとつひとつが地味に重いので、運搬用に商会の台車を数台使っている。
事務所→クローゼットの部屋→階段前まで用意していた荷物の一部を1階に運び込む。



用意していた物一覧


・簡易発電機

・延長コード

・発電機用オイル1c/s(6缶入り)

・発電用ガソリン18L×4

・家庭用冷凍庫115L

・家庭用複合機

・コピー用紙3000枚×5Set

・飲料水・酒造メーカーより頂き物のグラス500個ほど

・100均製カラーガラスコップや小物類

・ペットボトル飲料水100c/s(600本ちょっと、ジュース類)

・茶葉1kg×10種

・インスタントコーヒー1kg瓶5c/s(60kg)

・砂糖20袋(たい)(400kg)



凍庫は横幅の広い198Lの方が欲しかったのだが一人で運びきることができなかったので、氷の保管だけにと扉式の半分ほどの大きさで妥協した。
また、発電機を動かしてみたところ振動音が結構大きいのでシルイットで動かすのは営業時間だけになるだろう。
仕方ないので事務所にも同じ冷凍庫を用意しておきシルイットの方を運転させた時にだけ氷を直接運び込むことに決めている。

運転に必要なガソリンも4缶目で見つかり店員にガソリンの大量保管は許可を取ってからでないとだめだと物凄く説教された。
こちらも入手経路をどうにかしないと用意した電化製品が無用の長物となってしまう。

いろいろ買い揃えたせいで退職金がほとんど消えたが日本での生活基盤は既に完成されつつあるので心配はしていない。
シルイットも砂糖を持ってくれば潰れないし。




「ただ今戻りましたー」

広間の方から元気な声が聞こえる。

「おかえりー」

「お疲れ様……です」

「ミスティ、お帰りー」

労をねぎらう。

「戻ってもらって直ぐで悪いけど、三人ともちょっとこっちに来て」

階段下まで呼び出す。

と、三人とも初めて見る物の山にポカーンとしている。

「ささっ、後少しだから皆で頑張ろう!先にこれら(グラス・茶葉・粉コーヒー・ペットボトルの入った段ボール)をキッチンの中に持って行って。重いだろうからこの台車使ってね。終わったら広間のテーブルにこっちの箱(100均のもの)乗っけておいてね」

指示を出して自分は庭に発電機の設置を進めよう。
用意しておいた延長コードを伸ばしてキッチン裏に一つ、小部屋に一つ設置する。

キッチンには冷凍庫を、小部屋に方には複合機を使えるようにしておくつもりだ。

時間は既に11時を回っている。
3人とも半分自我が消えているがきちんと動いているんで大丈夫だろ。
自分の方も台車を使ってさっさと終わらせよう。
暫くして

「何ですかこれ、何ですかこれーーー!」

我に返ったミスティの叫び声が部屋の向こうで響いていた。

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