121 / 126
第二章
シエルフォース侯爵家問題1
しおりを挟む
侍女ミーナ・ウォールが向かい、扉の外に一言二言話をする。
そして、こちらを向くと「侍女長がお見えになっています」と言った。
エリージェ・ソードルが入るように促すと、初老の侍女長が静かに入ってきた。
すると、愛猫エンカがムクリと起き上がり、侍女長の元に軽い足取りで歩みを進めた。
「こら!
エン!」
と女が叱るも、聞こえていないように侍女長シンディ・モリタの腰の辺りに頬ずりをしている。
そんな猫(?)に対して、いつも厳格な侍女長にしては珍しく、困ったように眉を寄せながら「エンカ、後でね」とその背をポンポンと軽く叩いた。
だが、それも聞こえないのか、撫でろというようにゴロンと腹ばいになると「がぅ!」などと甘えた声を上げている。
エリージェ・ソードルが再度声を掛ける。
「エン!
こっちにいらっしゃい!
……エンカ!」
最後は語気が強くなった女の声に、愛猫エンカはビクッと震えた。
そして、不満そうに女を見る。
だが、エリージェ・ソードルが眉を怒らせると、不承不承な感じで起きあがった。
そして、自分の長い尾を侍女長シンディ・モリタの腰に軽く巻き、それを解きながら、女の方に戻って来る。
基本、誰に対しても甘えたがる愛猫エンカであったが、侍女長シンディ・モリタが特にお気に入りであった。
見えなければ、探すことまではしないが、目に入ったらくっついてなかなか離れない。
一度、エリージェ・ソードルが急ぎ公爵領に戻らなくてはならなくなった時に「ガウガウ!」と言って離れたがらない事があった。
その頃には、愛猫エンカもずいぶんと大きくなっていたので、まあいいかと王都に残し、エリージェ・ソードル一人で向かうことにしたのだが……。
愛猫エンカとしても、ご主人たるエリージェ・ソードルと離れるのは本意でなかったようで、慌てて公爵邸を飛び出してしまった。
女の乗る馬車を追いかけるために、日中の王都、しかもど真ん中の大通りを駆け抜け、国王オリバーにまで報告されるような、大騒ぎになってしまった。
エリージェ・ソードルは不満そうな様子を隠そうともしない愛猫を苦笑しながら、自分のそばに座らせる。
そして、侍女長シンディ・モリタに視線を戻した。
侍女長シンディ・モリタは少しかがみつつ、愛猫エンカに向かって「夜になったら毛を梳かしてあげますからね」と優しく言って聞かせていた。
そして、エリージェ・ソードルに向かって姿勢を正すと言う。
「お嬢様、シエルフォース侯爵家からの使者が参りました。
近々、ご令嬢が訪問したいとの事です」
エリージェ・ソードルは露骨に顔をしかめながら言う。
「今は多忙のために、そのような時間はないと断っておいて」
女の返答に侍女長シンディ・モリタは苦笑する。
「ラーム伯爵令嬢のお茶会に参加しているのだから、その時間はあるはず――断ろうとしたら、そう伝えて欲しいともおっしゃってますが」
「我が家には我が家の事情があると言って、追っ払って!」
「かしこまりました」
頭を下げる侍女長シンディ・モリタを見ながら、エリージェ・ソードルはため息を付いた。
最近、この女はイェニファー・シエルフォース侯爵令嬢に絡まれて困っていた。
それには弟マヌエル・ソードルの祖母、イーラ子爵夫人が関わっていた。
――
”前回”、弟マヌエル・ソードルとイーラ子爵夫人は幾度となく会っていた。
だが、それは義母ミザラ・ソードルの問題からイーラ子爵家を敵視するエリージェ・ソードルをはばかる形になり、当然、周りに秘する形で行われることになった。
だが、”今回”は違う。
エリージェ・ソードルが会うことを認めたこともあり、おおっぴらとまでは行かないまでも、隠すことなく会っていた。
そして、派閥内のお茶会などで話題になっても、特に隠し立てすることなくそれに答えていた。
いや、祖母として可愛い孫を自慢したいという欲求も有ったのかもしれない。
むしろ、熱っぽく語った。
容姿端麗にして聡明でいて優しく、大貴族として十二分な素質を持たれる方だと――語った。
剣の腕も既に騎士団に入っても問題ない実力だと、周りが少々引くぐらいに語りまくった。
その時、必ず話したのは、老博士ヨアヒム・シュタインの賛辞だ。
”今回”もエリージェ・ソードルに魔術を教えることになった老博士は、女のたっての願いもあり、”前回”、交流がなかった弟マヌエル・ソードルの事も見ることになったのだが、その素質に驚嘆し、「ソードル公爵家を継ぐ立場であられなかったら、魔術の深遠を覗く研究を共にしたかった」などと悔しがっていた。
そのことが、祖母として嬉しく誇らしいのか、イーラ子爵夫人はあちらこちらでそのことを宣伝しまくった。
それは、イーラ子爵が所属する派閥内に広まり、その長まで届くにはさほど時間を置かなかった。
その派閥――シエルフォース侯爵家の派閥であった。
シエルフォース侯爵家とは端的に言えば魔術狂いの一族である。
オールマ王国への忠義よりも前に魔術がある――そう思わせる節が、この一族にはあった。
魔術の威力を高めるために資金を集め研究し、優秀な後継者はそれを元に鍛錬を続ける。
この一族の指針はいつの時代もそれであった。
噂ではあるが、優秀な血統を求める余り、世界を破滅に向かわせたと言われている悍ましき民の血すら取り込むために人をやり、探させているとさえ言われている。
まさに、魔術に魅入られ、呪われた一族なのである。
そんな長に――そんな親族に――非常に優秀な若者の話が入ってしまったのだ。
結果は自明の理であった。
シエルフォース侯爵家からの婚約打診の手紙を、不意打ちのように受け取ったエリージェ・ソードルは「ひゃ!?」という奇っ怪な声を上げてしまった。
そして、イェニファー・シエルフォース侯爵令嬢の手紙に『エリージェお義姉様』と書かれているのを見て、この女をして卒倒しかけ、椅子から転げ落ちそうになった。
慌てて、調べさせた結果、問題の根源にイーラ子爵夫人の存在があることを知ったエリージェ・ソードルは「イーラ! イーラ! またイーラ! あそこは誰も彼もろくなものじゃない!」と髪を掻き毟りながら憤慨した。
この女が――。
反省はしても後悔はしないこの女が――。
(もう一回やり直したい……)
心の底から思った。
だが無論、後悔してても致し方がないのは分かっていたので、行動はした。
まずは、イーラ子爵夫妻を呼びつけ叱責し、「今度、余計なことをしたら一族全員、子爵邸の門や塀に吊してやるから!」と脅しておいた。
次に、従者ザンドラ・フクリュウや家令マサジ・モリタらを集めて相談する。
集まった提言を元に、シエルフォース侯爵家にはきっぱりはっきり断りを入れる。
その時、理由は伝えない。
下手に伝えると、その理由を潰しに来るだろうからだ。
そして、こちらを向くと「侍女長がお見えになっています」と言った。
エリージェ・ソードルが入るように促すと、初老の侍女長が静かに入ってきた。
すると、愛猫エンカがムクリと起き上がり、侍女長の元に軽い足取りで歩みを進めた。
「こら!
エン!」
と女が叱るも、聞こえていないように侍女長シンディ・モリタの腰の辺りに頬ずりをしている。
そんな猫(?)に対して、いつも厳格な侍女長にしては珍しく、困ったように眉を寄せながら「エンカ、後でね」とその背をポンポンと軽く叩いた。
だが、それも聞こえないのか、撫でろというようにゴロンと腹ばいになると「がぅ!」などと甘えた声を上げている。
エリージェ・ソードルが再度声を掛ける。
「エン!
こっちにいらっしゃい!
……エンカ!」
最後は語気が強くなった女の声に、愛猫エンカはビクッと震えた。
そして、不満そうに女を見る。
だが、エリージェ・ソードルが眉を怒らせると、不承不承な感じで起きあがった。
そして、自分の長い尾を侍女長シンディ・モリタの腰に軽く巻き、それを解きながら、女の方に戻って来る。
基本、誰に対しても甘えたがる愛猫エンカであったが、侍女長シンディ・モリタが特にお気に入りであった。
見えなければ、探すことまではしないが、目に入ったらくっついてなかなか離れない。
一度、エリージェ・ソードルが急ぎ公爵領に戻らなくてはならなくなった時に「ガウガウ!」と言って離れたがらない事があった。
その頃には、愛猫エンカもずいぶんと大きくなっていたので、まあいいかと王都に残し、エリージェ・ソードル一人で向かうことにしたのだが……。
愛猫エンカとしても、ご主人たるエリージェ・ソードルと離れるのは本意でなかったようで、慌てて公爵邸を飛び出してしまった。
女の乗る馬車を追いかけるために、日中の王都、しかもど真ん中の大通りを駆け抜け、国王オリバーにまで報告されるような、大騒ぎになってしまった。
エリージェ・ソードルは不満そうな様子を隠そうともしない愛猫を苦笑しながら、自分のそばに座らせる。
そして、侍女長シンディ・モリタに視線を戻した。
侍女長シンディ・モリタは少しかがみつつ、愛猫エンカに向かって「夜になったら毛を梳かしてあげますからね」と優しく言って聞かせていた。
そして、エリージェ・ソードルに向かって姿勢を正すと言う。
「お嬢様、シエルフォース侯爵家からの使者が参りました。
近々、ご令嬢が訪問したいとの事です」
エリージェ・ソードルは露骨に顔をしかめながら言う。
「今は多忙のために、そのような時間はないと断っておいて」
女の返答に侍女長シンディ・モリタは苦笑する。
「ラーム伯爵令嬢のお茶会に参加しているのだから、その時間はあるはず――断ろうとしたら、そう伝えて欲しいともおっしゃってますが」
「我が家には我が家の事情があると言って、追っ払って!」
「かしこまりました」
頭を下げる侍女長シンディ・モリタを見ながら、エリージェ・ソードルはため息を付いた。
最近、この女はイェニファー・シエルフォース侯爵令嬢に絡まれて困っていた。
それには弟マヌエル・ソードルの祖母、イーラ子爵夫人が関わっていた。
――
”前回”、弟マヌエル・ソードルとイーラ子爵夫人は幾度となく会っていた。
だが、それは義母ミザラ・ソードルの問題からイーラ子爵家を敵視するエリージェ・ソードルをはばかる形になり、当然、周りに秘する形で行われることになった。
だが、”今回”は違う。
エリージェ・ソードルが会うことを認めたこともあり、おおっぴらとまでは行かないまでも、隠すことなく会っていた。
そして、派閥内のお茶会などで話題になっても、特に隠し立てすることなくそれに答えていた。
いや、祖母として可愛い孫を自慢したいという欲求も有ったのかもしれない。
むしろ、熱っぽく語った。
容姿端麗にして聡明でいて優しく、大貴族として十二分な素質を持たれる方だと――語った。
剣の腕も既に騎士団に入っても問題ない実力だと、周りが少々引くぐらいに語りまくった。
その時、必ず話したのは、老博士ヨアヒム・シュタインの賛辞だ。
”今回”もエリージェ・ソードルに魔術を教えることになった老博士は、女のたっての願いもあり、”前回”、交流がなかった弟マヌエル・ソードルの事も見ることになったのだが、その素質に驚嘆し、「ソードル公爵家を継ぐ立場であられなかったら、魔術の深遠を覗く研究を共にしたかった」などと悔しがっていた。
そのことが、祖母として嬉しく誇らしいのか、イーラ子爵夫人はあちらこちらでそのことを宣伝しまくった。
それは、イーラ子爵が所属する派閥内に広まり、その長まで届くにはさほど時間を置かなかった。
その派閥――シエルフォース侯爵家の派閥であった。
シエルフォース侯爵家とは端的に言えば魔術狂いの一族である。
オールマ王国への忠義よりも前に魔術がある――そう思わせる節が、この一族にはあった。
魔術の威力を高めるために資金を集め研究し、優秀な後継者はそれを元に鍛錬を続ける。
この一族の指針はいつの時代もそれであった。
噂ではあるが、優秀な血統を求める余り、世界を破滅に向かわせたと言われている悍ましき民の血すら取り込むために人をやり、探させているとさえ言われている。
まさに、魔術に魅入られ、呪われた一族なのである。
そんな長に――そんな親族に――非常に優秀な若者の話が入ってしまったのだ。
結果は自明の理であった。
シエルフォース侯爵家からの婚約打診の手紙を、不意打ちのように受け取ったエリージェ・ソードルは「ひゃ!?」という奇っ怪な声を上げてしまった。
そして、イェニファー・シエルフォース侯爵令嬢の手紙に『エリージェお義姉様』と書かれているのを見て、この女をして卒倒しかけ、椅子から転げ落ちそうになった。
慌てて、調べさせた結果、問題の根源にイーラ子爵夫人の存在があることを知ったエリージェ・ソードルは「イーラ! イーラ! またイーラ! あそこは誰も彼もろくなものじゃない!」と髪を掻き毟りながら憤慨した。
この女が――。
反省はしても後悔はしないこの女が――。
(もう一回やり直したい……)
心の底から思った。
だが無論、後悔してても致し方がないのは分かっていたので、行動はした。
まずは、イーラ子爵夫妻を呼びつけ叱責し、「今度、余計なことをしたら一族全員、子爵邸の門や塀に吊してやるから!」と脅しておいた。
次に、従者ザンドラ・フクリュウや家令マサジ・モリタらを集めて相談する。
集まった提言を元に、シエルフォース侯爵家にはきっぱりはっきり断りを入れる。
その時、理由は伝えない。
下手に伝えると、その理由を潰しに来るだろうからだ。
0
お気に入りに追加
150
あなたにおすすめの小説

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。

側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

【完結】目覚めたらギロチンで処刑された悪役令嬢の中にいました
桃月とと
恋愛
娼婦のミケーラは流行り病で死んでしまう。
(あーあ。贅沢な生活してみたかったな……)
そんな最期の想いが何をどうして伝わったのか、暗闇の中に現れたのは、王都で話題になっていた悪女レティシア。
そこで提案されたのは、レティシアとして贅沢な生活が送れる代わりに、彼女を陥れた王太子ライルと聖女パミラへの復讐することだった。
「復讐って、どうやって?」
「やり方は任せるわ」
「丸投げ!?」
「代わりにもう一度生き返って贅沢な暮らしが出来るわよ?」
と言うわけで、ミケーラは死んだはずのレティシアとして生き直すことになった。
しかし復讐と言われても、ミケーラに作戦など何もない。
流されるままレティシアとして生活を送るが、周りが勝手に大騒ぎをしてどんどん復讐は進んでいく。
「そりゃあ落ちた首がくっついたら皆ビックリするわよね」
これはミケーラがただレティシアとして生きただけで勝手に復讐が完了した話。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる