98 / 126
第十七章
とある家具職人のお話1
しおりを挟む
ミランはブルクの職人が集まる平民街五番地で、木工職人の三男として生を受けた。
寡黙ながらも頑固な父親に、お喋りが大好きな母親に育てられた彼は、時間が空けば木片を小刀で加工するのが好きな少年として育っていく。
十歳になり家具職人の徒弟になり、十五歳には幾人かの商人の専属となり、十八歳になると五番地では有名な職人になっていた。
そして、二十歳になる頃には、ブルクを代表する家具職人となっていた。
ミランという職人、目つきが悪く、常に不機嫌そうな上に口べたで、およそ愛想のない男だった。
だが、木工職人である父譲りの細工は緻密でいて、艶めかしく、多くの工芸好きの貴族を魅了した。
特にこの職人が作る寝台は芸術性は勿論、その使用感は朝、起きるのを難しくするという意味で『光の神に不敬を働いてしまう寝台』とまで言われた。
その評価はオールマ王国よりも、芸術文化が盛んなフレコやオラリルなどの外国の方が高く、大商人であるミシェル・デシャからは資金援助をするから独立と拠点をフレコに移すことを進められもした。
だが、家具職人ミラン、首を縦に振らない。
どれだけの資金提供を約束すると言われても、どれほど豪華な生活を約束すると言われても、いっさい興味を示さない。
まるで耳に入っていないかのように、のみの柄尻に金槌を振るい続けた。
家具職人ミランとしても、人の評価が気にならないと言えば嘘になる。
だが、それを上回るほど、次の品物に関心があった。
前よりも使いよく、前よりも美しく、前よりも機能的な――そんな物を求め続ける家具職人ミランにとって、拠点を変えたり屋敷に引っ越したりするのは、ただただ”めんどくさい”ものに過ぎなかった。
なので、既に技量的にも名声的にも上回っている親方の元で、ひたすら腕を振るっていた。
親方としても、本来はさっさと独立するはずの弟子が工房に居座っているのを苦笑しつつ、「俺が親方のうちは面倒を見てやるか」と肩をすくめるのであった。
家具作りに熱中する家具職人ミランであったが、年齢も三十近くになり、そろそろ身を固めたらどうか? という話があがり始める。
典型的仕事人間で愛想が無く、目つきが悪い家具職人ミランであったが、稼ぎは良かった。
なので、何人もの女性が紹介された。
だが、社交性に乏しく、ぶっきらぼうな言動に終始し、少しでも気にくわない事があると工房に引っ込んでしまう家具職人ミランではなかなか相手が見つからず、場を整えている両親や親方は頭を抱えてしまった。
困り果てた親方は、最後の切り札とばかりに一人の少女を家具職人ミランに提示した。
親方の娘である。
年は十七歳になっていた。
家具職人ミランが工房で働き始めてから生まれた娘で、物怖じせず、この目つきの悪い職人に対してもやれ遊べだ、やれ買い物に連れて行けだ、と何かと絡んでくる少女だった。
そんな彼女に対して、家具作り以外の面倒ごとを過度に嫌うこの職人にしては珍しく、非常に嫌々ながらも、「うるせえ」とか「他にいけ」だの言いつつも、結局は折れて付き合っていた。
「この工房にずっといるつもりなら、それが良いだろう?」
という親方の言葉に対して、家具職人ミランは……頷かない。
赤ん坊の頃から知っていて、面倒と思いつつも妹のように思っていた少女と言うこともある。
年が十歳以上も離れていることもある。
なにより、愛らしい容姿をしていたが、口から生まれたと言われるほどお喋りで、同じくお喋りな母親を持つ家具職人ミランとしては苦手というか、ずっと一緒にいるのはちょっと、と思った。
あと、何というか……胸が慎ましかった。
なので、静かに首を横に振ると、のみを手に取るのだった。
その翌日、親方の娘がいつもの様に、作業中の家具職人ミランの元にやって来た。
そして、家具職人ミランの肩を指で突っつきながら言う。
「ねえねえミラァン~
父さんがね、ミランと結婚したらどうだって言ってるんだけど」
それに対して、寝台の足部分にヤスリをかけていた、家具職人ミランは素っ気なく言う。
「関係ねぇ」
「関係なくは無いでしょう?
ミランは誰か好きな人でもいるの?」
「いるか! そんなもの」
首にかけていた手ぬぐいで顔の汗を拭きながら投げやり気味に言う家具職人ミランに対して、親方の娘は顔を覗き込みながら、更に続ける。
「ねえミラン、わたしはどうしたら良いと思う?」
家具職人ミランは木材の曲線を指で優しくなぞりながら、言い捨てる。
「勝手にしろ!」
すると、親方の娘は何故かパッと表情を明るくした。
「じゃあ、ミランと結婚する!」
「ん?」
家具職人ミランが振り向くと、親方の娘は親方の所に駆けていき「結婚するって!」と言っている。
(おいおい)と思いながらも、親方の娘が余りにも嬉しそうに笑っていたので何も言えず、「勝手にしろ!」と手ぬぐいで顔を拭った。
親方の娘が妻になり、息子が二人産まれた。
とはいえ、仕事人間なのは相変わらずで、不機嫌そうな目付きを、更に険しくさせながら家具と向き合う日々を過ごしていた。
息子達が成長し、見習いとなった。
家具職人ミランが直々に教えているにもかかわらず息子達はどうも、良い職人になろうという気概が無いように見えた。
やれ釣りだ、やれ祭りだ、などと訳の分からない事を抜かして、遊びたがった。
挙げ句の果てに、それらは友人との大切な付き合いとか生意気なことを言い始めた。
家具職人ミランが「そんなもの職人には不要だ!」と怒鳴ると「だから父さんには友達がいないんじゃないか」などと小癪な事を言われ、金槌を片手に息子達を追いかけ回しもした。
だが、困ったことに家具職人ミランに対するおべっかのつもりかもしれないが、取引先の商人らに「息子さん達も凄いじゃないか!」「正に、『竜から小鳥は産まれぬ』だな!」などと言われることも増えてきた。
まあ、家具職人ミランとしても、そこそこぐらいには才がある様に見えなくも無くも無くも無かった。
それでも、ごくごく小さいとはいえ粗が有ったので、「雑な部分が有る様じゃあ、論外だ」と答えていた。
それを聞いた息子達は顔を見合わせながら、肩をすくめ合っていた。
そんな家具職人ミランの元に、天才が生まれる事となる。
次男から十二歳も後に生まれた娘、ヴァラである。
娘ヴァラが妻の胸を吸う様子に、家具職人ミランは驚愕する事となった。
そのオラリルの人形師が何百も集まっても作れないほど愛らしい容姿に、どれほど腕の立つ絹職人でも生み出せないだろう柔らかな肌――もそうなのだが、その小さな手が妻の胸をペチペチ叩く様子がのみを振るう理想の姿と重なり、煌びやかな才能を見てしまったのである。
ヴァラという名は”白い羽”という意味を持つ。
彼女が職人としてまさに翼をはためかす存在になる光景を幻想した。
周りの才亡き者たちは、「意味が分からん」だの「娘が生まれて舞い上がってるだけ」だのとくだらない事を抜かしていたが、所詮、自分より劣った者たちの言うことなど、家具職人ミランは無視をした。
娘ヴァラは十歳になり、家具職人ミランの必死の誘導も功を奏したのか家具職人見習いになる。
当然のように、指導は家具職人ミランが行った。
数少ない女性職人に対しては、どうしても侮った態度を取る者が多く、それらから守る意味もあった。
あとブルク一可愛い娘ヴァラに虫が付かないようにする意味もあった。
その頃の家具職人ミランは幸せの絶頂にいた。
自身の技術を娘ヴァラが一生懸命真似をしている。
真剣な表情で道具を操り、細工をしている。
自分が上達していった時とは違う喜びを日々感じられる。
それに、娘ヴァラが「父さん、凄い!」って言ってくれるのも嬉しかった。
「お前もすぐに出来るようになる」と言ってやると、気合いの入った愛らしい顔で「ヴァラ頑張る!」と答えてくれるのも家具職人ミランは本当に、本当に好きだった。
とはいえ家具職人ミラン、職人とは技術さえあれば良いわけではないことを知っている。
友人との交流も大切だと、遊ぶ時間をとってあげたり、お祭りなどの特別な日は綺麗な服を用意して送り出してあげたりもした。
友達と共に「父さん、行ってくるね!」と笑顔で手を振る愛娘を頬を緩めて見送っていると、娘ヴァラの才を妬んでか、愚かな息子達が「クソ親父、俺たちの時と全然違う」だの「兄妹差別」だのブツクサ言っている声が聞こえてくるのだが……。
人によって適切な育て方があることを知らぬ馬鹿どもの言葉など無視をした。
娘ヴァラが一人で作り上げた椅子が売れた時などは、家具職人ミランは自分の時以上に喜んだ。
だが、天才である娘ヴァラは少し嬉しそうに口角を上げながらも「父さんや兄さん達に比べて、やっぱり粗が出てしまうの」と反省の弁を述べた。
家具職人ミランはその姿勢を大いに賞賛しつつも「多少の粗は仕方がない。そこはお前の成長出来る余地だと思え」と正論を述べた。
「うん! 頑張る!」
と早速、次の品物に手を着け始めた素晴らしい娘ヴァラを優しく見守っていると、またしても愚かな息子達が「クソ親父、また俺たちの時と言ってることが違う」「娘だけ親馬鹿」などとボソボソ言ってきたので、ギロリと睨んで追っ払ってやった。
寡黙ながらも頑固な父親に、お喋りが大好きな母親に育てられた彼は、時間が空けば木片を小刀で加工するのが好きな少年として育っていく。
十歳になり家具職人の徒弟になり、十五歳には幾人かの商人の専属となり、十八歳になると五番地では有名な職人になっていた。
そして、二十歳になる頃には、ブルクを代表する家具職人となっていた。
ミランという職人、目つきが悪く、常に不機嫌そうな上に口べたで、およそ愛想のない男だった。
だが、木工職人である父譲りの細工は緻密でいて、艶めかしく、多くの工芸好きの貴族を魅了した。
特にこの職人が作る寝台は芸術性は勿論、その使用感は朝、起きるのを難しくするという意味で『光の神に不敬を働いてしまう寝台』とまで言われた。
その評価はオールマ王国よりも、芸術文化が盛んなフレコやオラリルなどの外国の方が高く、大商人であるミシェル・デシャからは資金援助をするから独立と拠点をフレコに移すことを進められもした。
だが、家具職人ミラン、首を縦に振らない。
どれだけの資金提供を約束すると言われても、どれほど豪華な生活を約束すると言われても、いっさい興味を示さない。
まるで耳に入っていないかのように、のみの柄尻に金槌を振るい続けた。
家具職人ミランとしても、人の評価が気にならないと言えば嘘になる。
だが、それを上回るほど、次の品物に関心があった。
前よりも使いよく、前よりも美しく、前よりも機能的な――そんな物を求め続ける家具職人ミランにとって、拠点を変えたり屋敷に引っ越したりするのは、ただただ”めんどくさい”ものに過ぎなかった。
なので、既に技量的にも名声的にも上回っている親方の元で、ひたすら腕を振るっていた。
親方としても、本来はさっさと独立するはずの弟子が工房に居座っているのを苦笑しつつ、「俺が親方のうちは面倒を見てやるか」と肩をすくめるのであった。
家具作りに熱中する家具職人ミランであったが、年齢も三十近くになり、そろそろ身を固めたらどうか? という話があがり始める。
典型的仕事人間で愛想が無く、目つきが悪い家具職人ミランであったが、稼ぎは良かった。
なので、何人もの女性が紹介された。
だが、社交性に乏しく、ぶっきらぼうな言動に終始し、少しでも気にくわない事があると工房に引っ込んでしまう家具職人ミランではなかなか相手が見つからず、場を整えている両親や親方は頭を抱えてしまった。
困り果てた親方は、最後の切り札とばかりに一人の少女を家具職人ミランに提示した。
親方の娘である。
年は十七歳になっていた。
家具職人ミランが工房で働き始めてから生まれた娘で、物怖じせず、この目つきの悪い職人に対してもやれ遊べだ、やれ買い物に連れて行けだ、と何かと絡んでくる少女だった。
そんな彼女に対して、家具作り以外の面倒ごとを過度に嫌うこの職人にしては珍しく、非常に嫌々ながらも、「うるせえ」とか「他にいけ」だの言いつつも、結局は折れて付き合っていた。
「この工房にずっといるつもりなら、それが良いだろう?」
という親方の言葉に対して、家具職人ミランは……頷かない。
赤ん坊の頃から知っていて、面倒と思いつつも妹のように思っていた少女と言うこともある。
年が十歳以上も離れていることもある。
なにより、愛らしい容姿をしていたが、口から生まれたと言われるほどお喋りで、同じくお喋りな母親を持つ家具職人ミランとしては苦手というか、ずっと一緒にいるのはちょっと、と思った。
あと、何というか……胸が慎ましかった。
なので、静かに首を横に振ると、のみを手に取るのだった。
その翌日、親方の娘がいつもの様に、作業中の家具職人ミランの元にやって来た。
そして、家具職人ミランの肩を指で突っつきながら言う。
「ねえねえミラァン~
父さんがね、ミランと結婚したらどうだって言ってるんだけど」
それに対して、寝台の足部分にヤスリをかけていた、家具職人ミランは素っ気なく言う。
「関係ねぇ」
「関係なくは無いでしょう?
ミランは誰か好きな人でもいるの?」
「いるか! そんなもの」
首にかけていた手ぬぐいで顔の汗を拭きながら投げやり気味に言う家具職人ミランに対して、親方の娘は顔を覗き込みながら、更に続ける。
「ねえミラン、わたしはどうしたら良いと思う?」
家具職人ミランは木材の曲線を指で優しくなぞりながら、言い捨てる。
「勝手にしろ!」
すると、親方の娘は何故かパッと表情を明るくした。
「じゃあ、ミランと結婚する!」
「ん?」
家具職人ミランが振り向くと、親方の娘は親方の所に駆けていき「結婚するって!」と言っている。
(おいおい)と思いながらも、親方の娘が余りにも嬉しそうに笑っていたので何も言えず、「勝手にしろ!」と手ぬぐいで顔を拭った。
親方の娘が妻になり、息子が二人産まれた。
とはいえ、仕事人間なのは相変わらずで、不機嫌そうな目付きを、更に険しくさせながら家具と向き合う日々を過ごしていた。
息子達が成長し、見習いとなった。
家具職人ミランが直々に教えているにもかかわらず息子達はどうも、良い職人になろうという気概が無いように見えた。
やれ釣りだ、やれ祭りだ、などと訳の分からない事を抜かして、遊びたがった。
挙げ句の果てに、それらは友人との大切な付き合いとか生意気なことを言い始めた。
家具職人ミランが「そんなもの職人には不要だ!」と怒鳴ると「だから父さんには友達がいないんじゃないか」などと小癪な事を言われ、金槌を片手に息子達を追いかけ回しもした。
だが、困ったことに家具職人ミランに対するおべっかのつもりかもしれないが、取引先の商人らに「息子さん達も凄いじゃないか!」「正に、『竜から小鳥は産まれぬ』だな!」などと言われることも増えてきた。
まあ、家具職人ミランとしても、そこそこぐらいには才がある様に見えなくも無くも無くも無かった。
それでも、ごくごく小さいとはいえ粗が有ったので、「雑な部分が有る様じゃあ、論外だ」と答えていた。
それを聞いた息子達は顔を見合わせながら、肩をすくめ合っていた。
そんな家具職人ミランの元に、天才が生まれる事となる。
次男から十二歳も後に生まれた娘、ヴァラである。
娘ヴァラが妻の胸を吸う様子に、家具職人ミランは驚愕する事となった。
そのオラリルの人形師が何百も集まっても作れないほど愛らしい容姿に、どれほど腕の立つ絹職人でも生み出せないだろう柔らかな肌――もそうなのだが、その小さな手が妻の胸をペチペチ叩く様子がのみを振るう理想の姿と重なり、煌びやかな才能を見てしまったのである。
ヴァラという名は”白い羽”という意味を持つ。
彼女が職人としてまさに翼をはためかす存在になる光景を幻想した。
周りの才亡き者たちは、「意味が分からん」だの「娘が生まれて舞い上がってるだけ」だのとくだらない事を抜かしていたが、所詮、自分より劣った者たちの言うことなど、家具職人ミランは無視をした。
娘ヴァラは十歳になり、家具職人ミランの必死の誘導も功を奏したのか家具職人見習いになる。
当然のように、指導は家具職人ミランが行った。
数少ない女性職人に対しては、どうしても侮った態度を取る者が多く、それらから守る意味もあった。
あとブルク一可愛い娘ヴァラに虫が付かないようにする意味もあった。
その頃の家具職人ミランは幸せの絶頂にいた。
自身の技術を娘ヴァラが一生懸命真似をしている。
真剣な表情で道具を操り、細工をしている。
自分が上達していった時とは違う喜びを日々感じられる。
それに、娘ヴァラが「父さん、凄い!」って言ってくれるのも嬉しかった。
「お前もすぐに出来るようになる」と言ってやると、気合いの入った愛らしい顔で「ヴァラ頑張る!」と答えてくれるのも家具職人ミランは本当に、本当に好きだった。
とはいえ家具職人ミラン、職人とは技術さえあれば良いわけではないことを知っている。
友人との交流も大切だと、遊ぶ時間をとってあげたり、お祭りなどの特別な日は綺麗な服を用意して送り出してあげたりもした。
友達と共に「父さん、行ってくるね!」と笑顔で手を振る愛娘を頬を緩めて見送っていると、娘ヴァラの才を妬んでか、愚かな息子達が「クソ親父、俺たちの時と全然違う」だの「兄妹差別」だのブツクサ言っている声が聞こえてくるのだが……。
人によって適切な育て方があることを知らぬ馬鹿どもの言葉など無視をした。
娘ヴァラが一人で作り上げた椅子が売れた時などは、家具職人ミランは自分の時以上に喜んだ。
だが、天才である娘ヴァラは少し嬉しそうに口角を上げながらも「父さんや兄さん達に比べて、やっぱり粗が出てしまうの」と反省の弁を述べた。
家具職人ミランはその姿勢を大いに賞賛しつつも「多少の粗は仕方がない。そこはお前の成長出来る余地だと思え」と正論を述べた。
「うん! 頑張る!」
と早速、次の品物に手を着け始めた素晴らしい娘ヴァラを優しく見守っていると、またしても愚かな息子達が「クソ親父、また俺たちの時と言ってることが違う」「娘だけ親馬鹿」などとボソボソ言ってきたので、ギロリと睨んで追っ払ってやった。
0
お気に入りに追加
150
あなたにおすすめの小説

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。

側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

【完結】目覚めたらギロチンで処刑された悪役令嬢の中にいました
桃月とと
恋愛
娼婦のミケーラは流行り病で死んでしまう。
(あーあ。贅沢な生活してみたかったな……)
そんな最期の想いが何をどうして伝わったのか、暗闇の中に現れたのは、王都で話題になっていた悪女レティシア。
そこで提案されたのは、レティシアとして贅沢な生活が送れる代わりに、彼女を陥れた王太子ライルと聖女パミラへの復讐することだった。
「復讐って、どうやって?」
「やり方は任せるわ」
「丸投げ!?」
「代わりにもう一度生き返って贅沢な暮らしが出来るわよ?」
と言うわけで、ミケーラは死んだはずのレティシアとして生き直すことになった。
しかし復讐と言われても、ミケーラに作戦など何もない。
流されるままレティシアとして生活を送るが、周りが勝手に大騒ぎをしてどんどん復讐は進んでいく。
「そりゃあ落ちた首がくっついたら皆ビックリするわよね」
これはミケーラがただレティシアとして生きただけで勝手に復讐が完了した話。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる