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第一部 第一章
プロローグ
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青白い雷光が室内を照らし、轟音がそれを追う。
一度、二度、三度、威嚇するように泣き叫ぶようにそれは繰り返される。
だが女は――動かない。
小さく形の良い顔も、肩から流れる黄金色の髪も、豊満な胸から下に向かってすらりと引き締まった上半身も、長椅子に沈む程良く丸みのある臀部も、長スカート越しにも分かるその細い足も、全く動かさない。
それに苛立つように雷鳴が、豪雨が、砕かれた窓ガラスを越えて、王立学院生徒会の応接間になだれ込んでくる。
それでもなお、動かない。
この女、エリージェ・ソードルという。
名門公爵であるソードル家の長女であり、亡き父の代わりに公爵代理を務めている。
ただ現在は、その高き身分にふさわしい豪奢なドレスではなく、品は良いものの素朴な学園の制服を身につけていた。
エリージェ・ソードルという女、およそ愛想というものを持ち合わせていない。
この女を知るものの大半が、彼女の微笑すら見たことがない。
想像すら出来ない。
無愛想――ある程度のものなら達観を連想する。
エリージェ・ソードルとはそういう女であった。
だが、そんな女が今、笑みを浮かべた。
口元を綻ばす機能が失われているとまで言われたこの女が――満面にそれを満ちあふれさせた。
そればかりか、熱い吐息すら漏らしている。
この女を知るものが見たら驚愕し、目を疑い、妖艶なその表情に、男女ともに顔を赤めることだろう。
エリージェ・ソードルは、”完全”に手に入れた。
エリージェ・ソードルは完全に手に入れた。
欲しいものを手に入れた。
もう、何もいらない。
それ以上は冗長となる。
いらない。
いらない。
エリージェ・ソードルは完全に満たされたのである。
エリージェ・ソードルは視線を右隣にいる人間に移す。
そして、その頬を優しく撫でた。
その男、ルードリッヒ・ハイセルという。
オールマ王国第一王子”だった”。
その黄金色の瞳は柔らかく、エリージェ・ソードルをいつも見つめていた。
今は、目を閉じているので残念ながらそれを見ることが出来ない。
それでも構わない。
ただ、いてくれるだけで構わない。
その頬は冷えてきていたが、エリージェ・ソードルは構わなかった。
エリージェ・ソードルは視線を左隣にいる人間に移す。
その男、オーメスト・リーヴスリーという。
武勇に優れた一族、リーヴスリー伯爵の嫡子で現大将軍の息子で”あった”。
その紅の瞳は炎のように熱く、装っている軽薄さとは裏腹なその負けん気を表しているようだった。
今は、目を閉じ、”粗相”で胸元を赤く濡らしたまま、眠っている。
エリージェ・ソードルはそれが残念であったが、仕方が無くも、思う。
そう、それで構わない。
構わないのだ。
エリージェ・ソードルは視線を右下にいる、女の足にしなだれるようにもたれ掛かる人間に移す。
その男、マヌエル・ソードルという。
エリージェ・ソードルの異母弟で”あった”。
その若草色の瞳はいつも挑発するように輝いていたが、彼のその声音はエリージェ・ソードルの心を落ち着かせてくれた。
だが、今はその目も、その口も、閉じられている。
それは残念であったが、仕方が無くも思う。
そう、それで構わないのだ。
次にエリージェ・ソードルは視線を左に移す。
その男、アールシェ・ルビド・カーンという。
南東にある国インディール王国第二王子――。
空気を揺する鈍い音にエリージェ・ソードルは視線を戸に移した。
両開きの扉が激しく揺れ、外から男達の怒声が聞こえてきた。
エリージェ・ソードルは眉間を強ばらせ、白い奥歯を強く噛みしめた。
ここはエリージェ・ソードルがようやく、ようやく、ようやく、作り出した楽園なのだ。
楽園で”なければ”ならない場所なのだ。
エリージェ・ソードルのしなやかな体から、モヤりと黒い物が沸き上がった。
人々はそれを”黒い霧”と呼ぶ。
現状、エリージェ・ソードルのみが体現できる、魔力の霧だ。
それが、雪原を滑る雪崩のように扉へ殺到する。
そして、わずかな隙間からするりと外に出た。
怒声が悲鳴となる。
激しく物がぶつかり合う音がドア越しに聞こえてきた。
煩わしい。
本当に煩わしい。
この楽園に比べたら、外界のなんと煩わしいことか。
だが、それもすぐに終わる。
エリージェ・ソードルの口元が再び柔らかく綻びる。
その視線は温かく、微かな熱さを含めて、愛しい人たちへと注がれた。
「やめてください!」
突然、男達の中に、若い女性の声が混ざった。
「お嬢様は!
お嬢様は、本当はお優しい方なのです!」
え?
遠くから聞こえる声に、エリージェ・ソードルは少し目を見開く。
聞き覚えのある声だったからだ。
ミーナ・ウォール――幼い頃、エリージェ・ソードルの侍女をしていた女性だ。
何故、ミーナが?
その思考の隙間――それを抜けるように、ドアが破れた。
!?
エリージェ・ソードルが反応するより前に、白い何かがスルリと迫ってきた。
胸へ強い衝撃、次の瞬間、後頭部に鈍い痛みが走った。
「あ、あ?」
火花が散るような衝撃の後、エリージェ・ソードルの視線に写ったのは、己のふくよかな左胸に刺さる銀色の刃――そして、そこから噴き上がる赤いしぶきだった。
目の前には騎士がいた。
白い全身鎧姿のため、兜で顔は見えない。
ただ、無遠慮に大剣を女の胸に突き立てていた。
喉から何かが湧き出てきて、令嬢としてあるまじき事に、それを吐き出してしまう。
それは真っ赤に染まっていた。
エリージェ・ソードルはそれを呆然と見つめた。
「殿下!
殿下!」
「まさか亡くなって……」
白騎士越しに、目の前に先ほど座っていた長椅子が見える。
その時、エリージェ・ソードルはようやく、自分が剣を突き立てられたまま、壁まで押し貫かれた事に気づく。
「っ!?
何を……してるぅぅぅ!」
エリージェ・ソードルは目を見開き、叫んだ。
それは自分に剣を突き立てていることを訊ねたのではない。
目の前の騎士と同じ鎧を着た男達が、”勝手に”自分の愛しい人たちに触っている事をいっているのだ。
”それは”、わたくしのだ!
わたくしのものだぁぁぁ!
「ひぃ!?」
その禍々しい気配に気づいたのか、男達が慌てて、剣をこちらに向ける。
エリージェ・ソードルの体から、黒い霧が穴の開いた壷からこぼれる水のように、ゴボゴボと溢れ床を覆い始める。
許さない……絶対に許さない。
この女、すでに心臓が潰されている。
それでもなお動くのは、この女の恐るべき魔力が死を押し返しているからだ。
だが、それでも――じきに死ぬ。
黒い霧は男達一人一人に取り付いていく。
足から膝へ、膝から腰へ、腰から腕へ首へ……。
男達の声が震え上がるように高く上がる。
誰一人逃さない。
誰一人として許さない。
苦痛と恐怖の声で埋め尽くされる部屋の中、ただの一人のみ静かにエリージェ・ソードルを見つめていた。
この女の胸に、未だに剣を突き立てている男だ。
「お嬢様……」
男は呟くように言った。
小さく、それでもエリージェ・ソードルの耳には届いた。
その声に、そして、兜の隙間から覗く瞳から、エリージェ・ソードルは気づいた。
エリージェ・ソードルの目が大きく見開かれる。
「あなた……。
リョウ、なの?」
かつて、自分に仕えた男の名を呟く。
「お嬢様……」
エリージェ・ソードルは騎士リョウ・モリタが自分を見る目に狂気じみたものを感じた。
愛憎入り交えたというべきか、この女はそんなものをかつての使用人に感じた。
「お嬢様ぁぁぁ!」
騎士リョウ・モリタはエリージェ・ソードルの胸から剣を乱暴に抜いた。
エリージェ・ソードルの体が前のめりに倒れて行く。
なぜ?
だが、その答えは出ない。
その代わりに、エリージェ・ソードルの視界に飛び込んだのは――一つの指輪だった。
公爵家の――黄金色に輝く指輪印である。
普段から胸元に肌身離さず付けていたそれが、弾みで鎖が切れて飛び出てしまったのである。
あっ……。
エリージェ・ソードルはそれに手を伸ばした。
楽園を壊した男達方への復讐よりも、掠れていく自身の命よりも、”それに”向けて必死に手を伸ばした。
その姿は見苦しく、そして、愚かしかった。
だがしかし、楽園を狂おしいほど求めてしまった公爵令嬢――その最後は実に、この女”らしい”ものでもあった。
一度、二度、三度、威嚇するように泣き叫ぶようにそれは繰り返される。
だが女は――動かない。
小さく形の良い顔も、肩から流れる黄金色の髪も、豊満な胸から下に向かってすらりと引き締まった上半身も、長椅子に沈む程良く丸みのある臀部も、長スカート越しにも分かるその細い足も、全く動かさない。
それに苛立つように雷鳴が、豪雨が、砕かれた窓ガラスを越えて、王立学院生徒会の応接間になだれ込んでくる。
それでもなお、動かない。
この女、エリージェ・ソードルという。
名門公爵であるソードル家の長女であり、亡き父の代わりに公爵代理を務めている。
ただ現在は、その高き身分にふさわしい豪奢なドレスではなく、品は良いものの素朴な学園の制服を身につけていた。
エリージェ・ソードルという女、およそ愛想というものを持ち合わせていない。
この女を知るものの大半が、彼女の微笑すら見たことがない。
想像すら出来ない。
無愛想――ある程度のものなら達観を連想する。
エリージェ・ソードルとはそういう女であった。
だが、そんな女が今、笑みを浮かべた。
口元を綻ばす機能が失われているとまで言われたこの女が――満面にそれを満ちあふれさせた。
そればかりか、熱い吐息すら漏らしている。
この女を知るものが見たら驚愕し、目を疑い、妖艶なその表情に、男女ともに顔を赤めることだろう。
エリージェ・ソードルは、”完全”に手に入れた。
エリージェ・ソードルは完全に手に入れた。
欲しいものを手に入れた。
もう、何もいらない。
それ以上は冗長となる。
いらない。
いらない。
エリージェ・ソードルは完全に満たされたのである。
エリージェ・ソードルは視線を右隣にいる人間に移す。
そして、その頬を優しく撫でた。
その男、ルードリッヒ・ハイセルという。
オールマ王国第一王子”だった”。
その黄金色の瞳は柔らかく、エリージェ・ソードルをいつも見つめていた。
今は、目を閉じているので残念ながらそれを見ることが出来ない。
それでも構わない。
ただ、いてくれるだけで構わない。
その頬は冷えてきていたが、エリージェ・ソードルは構わなかった。
エリージェ・ソードルは視線を左隣にいる人間に移す。
その男、オーメスト・リーヴスリーという。
武勇に優れた一族、リーヴスリー伯爵の嫡子で現大将軍の息子で”あった”。
その紅の瞳は炎のように熱く、装っている軽薄さとは裏腹なその負けん気を表しているようだった。
今は、目を閉じ、”粗相”で胸元を赤く濡らしたまま、眠っている。
エリージェ・ソードルはそれが残念であったが、仕方が無くも、思う。
そう、それで構わない。
構わないのだ。
エリージェ・ソードルは視線を右下にいる、女の足にしなだれるようにもたれ掛かる人間に移す。
その男、マヌエル・ソードルという。
エリージェ・ソードルの異母弟で”あった”。
その若草色の瞳はいつも挑発するように輝いていたが、彼のその声音はエリージェ・ソードルの心を落ち着かせてくれた。
だが、今はその目も、その口も、閉じられている。
それは残念であったが、仕方が無くも思う。
そう、それで構わないのだ。
次にエリージェ・ソードルは視線を左に移す。
その男、アールシェ・ルビド・カーンという。
南東にある国インディール王国第二王子――。
空気を揺する鈍い音にエリージェ・ソードルは視線を戸に移した。
両開きの扉が激しく揺れ、外から男達の怒声が聞こえてきた。
エリージェ・ソードルは眉間を強ばらせ、白い奥歯を強く噛みしめた。
ここはエリージェ・ソードルがようやく、ようやく、ようやく、作り出した楽園なのだ。
楽園で”なければ”ならない場所なのだ。
エリージェ・ソードルのしなやかな体から、モヤりと黒い物が沸き上がった。
人々はそれを”黒い霧”と呼ぶ。
現状、エリージェ・ソードルのみが体現できる、魔力の霧だ。
それが、雪原を滑る雪崩のように扉へ殺到する。
そして、わずかな隙間からするりと外に出た。
怒声が悲鳴となる。
激しく物がぶつかり合う音がドア越しに聞こえてきた。
煩わしい。
本当に煩わしい。
この楽園に比べたら、外界のなんと煩わしいことか。
だが、それもすぐに終わる。
エリージェ・ソードルの口元が再び柔らかく綻びる。
その視線は温かく、微かな熱さを含めて、愛しい人たちへと注がれた。
「やめてください!」
突然、男達の中に、若い女性の声が混ざった。
「お嬢様は!
お嬢様は、本当はお優しい方なのです!」
え?
遠くから聞こえる声に、エリージェ・ソードルは少し目を見開く。
聞き覚えのある声だったからだ。
ミーナ・ウォール――幼い頃、エリージェ・ソードルの侍女をしていた女性だ。
何故、ミーナが?
その思考の隙間――それを抜けるように、ドアが破れた。
!?
エリージェ・ソードルが反応するより前に、白い何かがスルリと迫ってきた。
胸へ強い衝撃、次の瞬間、後頭部に鈍い痛みが走った。
「あ、あ?」
火花が散るような衝撃の後、エリージェ・ソードルの視線に写ったのは、己のふくよかな左胸に刺さる銀色の刃――そして、そこから噴き上がる赤いしぶきだった。
目の前には騎士がいた。
白い全身鎧姿のため、兜で顔は見えない。
ただ、無遠慮に大剣を女の胸に突き立てていた。
喉から何かが湧き出てきて、令嬢としてあるまじき事に、それを吐き出してしまう。
それは真っ赤に染まっていた。
エリージェ・ソードルはそれを呆然と見つめた。
「殿下!
殿下!」
「まさか亡くなって……」
白騎士越しに、目の前に先ほど座っていた長椅子が見える。
その時、エリージェ・ソードルはようやく、自分が剣を突き立てられたまま、壁まで押し貫かれた事に気づく。
「っ!?
何を……してるぅぅぅ!」
エリージェ・ソードルは目を見開き、叫んだ。
それは自分に剣を突き立てていることを訊ねたのではない。
目の前の騎士と同じ鎧を着た男達が、”勝手に”自分の愛しい人たちに触っている事をいっているのだ。
”それは”、わたくしのだ!
わたくしのものだぁぁぁ!
「ひぃ!?」
その禍々しい気配に気づいたのか、男達が慌てて、剣をこちらに向ける。
エリージェ・ソードルの体から、黒い霧が穴の開いた壷からこぼれる水のように、ゴボゴボと溢れ床を覆い始める。
許さない……絶対に許さない。
この女、すでに心臓が潰されている。
それでもなお動くのは、この女の恐るべき魔力が死を押し返しているからだ。
だが、それでも――じきに死ぬ。
黒い霧は男達一人一人に取り付いていく。
足から膝へ、膝から腰へ、腰から腕へ首へ……。
男達の声が震え上がるように高く上がる。
誰一人逃さない。
誰一人として許さない。
苦痛と恐怖の声で埋め尽くされる部屋の中、ただの一人のみ静かにエリージェ・ソードルを見つめていた。
この女の胸に、未だに剣を突き立てている男だ。
「お嬢様……」
男は呟くように言った。
小さく、それでもエリージェ・ソードルの耳には届いた。
その声に、そして、兜の隙間から覗く瞳から、エリージェ・ソードルは気づいた。
エリージェ・ソードルの目が大きく見開かれる。
「あなた……。
リョウ、なの?」
かつて、自分に仕えた男の名を呟く。
「お嬢様……」
エリージェ・ソードルは騎士リョウ・モリタが自分を見る目に狂気じみたものを感じた。
愛憎入り交えたというべきか、この女はそんなものをかつての使用人に感じた。
「お嬢様ぁぁぁ!」
騎士リョウ・モリタはエリージェ・ソードルの胸から剣を乱暴に抜いた。
エリージェ・ソードルの体が前のめりに倒れて行く。
なぜ?
だが、その答えは出ない。
その代わりに、エリージェ・ソードルの視界に飛び込んだのは――一つの指輪だった。
公爵家の――黄金色に輝く指輪印である。
普段から胸元に肌身離さず付けていたそれが、弾みで鎖が切れて飛び出てしまったのである。
あっ……。
エリージェ・ソードルはそれに手を伸ばした。
楽園を壊した男達方への復讐よりも、掠れていく自身の命よりも、”それに”向けて必死に手を伸ばした。
その姿は見苦しく、そして、愚かしかった。
だがしかし、楽園を狂おしいほど求めてしまった公爵令嬢――その最後は実に、この女”らしい”ものでもあった。
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