結び契る〜異世界転生した俺は番いを得る

風煉

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第1話

本番、告白

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「んっ、あっ……♡ あっあぁっんんっ……♡」
 
ヒューイの切なげな喘ぎ声が耳に届く、それを聞いているだけで性欲が無限に湧き出てくるようだった。
泉のなかで立ったままするのはマズいと、二人で出てから移動し、森の入り口手前辺りにて始める。
樹木を背に声を漏らすヒューイの股間、俺は今までしたことも、することもなかったはずのフェラを自らしていた。
屈んで見る犬の少年の一物は、包皮もめくれて立派な亀頭が膨れ上がり、血管が浮き出る胴は子供の腕くらいに太く、睾丸はパンパンに膨れて子種を溜め込んでいる。
負けた気がしてならないが、そんな些末なことよりも悦ばせてあげたい、その一心で俺は初めてする奉仕に興奮した。
塩気のある独特な味と臭いに吐き気が出るかと思ったが、ヒューイのものだと思うだけで全身が熱く、不快という感情がそもそも湧き出ることはない。
まるで極上のワインでも飲んでいるような気分に浸り、歯を立てないよう拙い舌の動きを披露した。
 
「あぅ、あっ、あぁん……♡ ハァ、ハァっ、ダイチ、ダイチぃ……♡ 気持ち、いいよぉ……♡」
 
技巧的なものは一切ない、素人もいいところなフェラなのだが、ヒューイは俺が咥えてくれているということで、たまらなく悦んでいる。
それが嬉しくて、亀頭・尿道を舐め、唇を引き締めて前後に頭を動かし、こうすればいいのだろうかと手探りだった。
時々歯が当たってしまい、痛かったのか体が震えた犬の少年を上目遣いで見ると、視点が定まらない熱を帯びた瞳に、俺は自分のものが限界にまで固くなっていくのを感じる。
元々そういう性癖だったのかどうかなんて関係なく、俺という個人がヒューイを求めて止まないのだと分かった。
段々と溢れてくる先走りが口の中に溢れ、それを嚥下してもマズいどころか美味しいと感じてしまう。
試しに自分のものを舐めた時は、すぐ吐き出したというのに、この差は何なのかと俺は不思議で仕方がなかった。
 
「ダイチ、ダイチ~♡ もう、出ちゃう、から、離して……!」
ひふひゃひひゃう出していいよ
「ダメ、だってばぁ、ダイチ……! あっ、い、イクぅ……♡」
 
多分、この柴犬の少年に気持ち良くなってほしくて、俺がしたみたいに感じてほしいと思っているからの違いなのかもしれない。
口を離してほしいと言ってくるが、そんなつもりは毛頭なく、このままでいいと伝えた瞬間、中で全てが弾けた。
尿道から爆発するように放出される粘液が口内を満たし、喉を無理やり抜けていくよう流れていくのを、抵抗せず俺は飲もうとする。
だがとても粘度があって飲みづらく、青臭くて生臭い初めての精子嚥下は、なかなか辛いのだと知った。
それでも吐き出したくはなかったので、何とか飲める分だけ飲みこめたものの、苦しくなってしまい、ヒューイのものを口から離して咳き込むと同時に地面へ落としてしまう。
 
「ゲホ、ゲホっ……!」
「あっ、ごめんダイチ! 大丈夫?」
「ゲホ……、大丈夫。 初めて飲んだけど、すごい味だなこれ。 でも何でかな、ヒューイのものだと思ったら、まだ少しは平気かな?」
 
苦しそうにする俺に冷静さを取り戻したヒューイが慌てて気遣ってくれるが、問題はなかった。
それ以上にやっとお返しができたという思いで、俺は今まで感じたことがないくらいに、心が温かくなる。
正直に伝えただけなのに、俺の表情を見て顔を真っ赤にする柴犬が俯いてしまい、小さく何かを呟いていた。
 
「……ダイチのばか」
「えっ?」
「我慢、するはずだったのに、もうできないじゃんか……」
 
何を言ったのか聞き取りづらく聞こえなかったのだが、立っていたヒューイが静かに腰を下ろし、座った状態で樹木を背に、両足を抱えて俺の前で大きく開脚してみせる。
柔らかく広がるその光景は中心にて今出したばかりとは思えないほど隆々にいきり立つ肉棒もだが、それより下の見たこともない後門を露にし、俺に見せつけてきた。
自分のものですら見たことがないそこは、ヒクヒクと蠢いていて、括約筋が絶え間なく躍動しており、誘うように動いている。
ゴクリと生唾を飲み、ただその一点だけをじっと見つめてしまうのはどうしてなのか、どうしてこんなに、俺のものがさらに固くなってしまうのか、分からなかった。
 
「ダイチ……、挿れて……♡」
「――いい、のか……?」
「うん……♡ ダイチのが欲しい、欲しくて欲しくて、体が疼いちゃうんだ……♡ ダイチ、お願い、早くぅ……♡」
 
羞恥心か、それとも快楽に溺れているのか、ヒューイは耳を伏せ尻尾を振り、俺のものを突き立て、犯してほしいと訴えてくる。
了解をとるにしても、もう制御が効かないとばかりに柴犬が切なくも悲しい眼差しを向けてくるので、迷いなど持つことも不要だった。
招かれるよう股に割って入り、ヒューイの足首を掴んで肩に乗せ、俺は自身の肉棒の先端を痴部へ充てがう。
触れたことへの驚きか、小さく悲鳴を漏らす姿がたまらなく可愛いと思い、そっと笑みを浮かべつつ、ゆっくりとそこへ俺自身を飲み込ませていった。
聞いた話では男同士でするときは解す必要があると聞いたことがあるのだが、その心配が嘘のように肉襞は柔らかく、中は膣のように温かくてたまらないの一言に尽きる。
だからだろう、俺は決定的なことを忘れていたのを思い出した。
 
「あっ、ダイチが入って……♡」
「――あっ、やっやば……!!」
「えっ――」
 
何もかも遅かった、俺がそう思った時には致命的だった。
先端の、まだ亀頭しか挿入していないというのに、その刺激でうっかりと出してしまう。
漏れるのではなく、完全に出してしまったことに俺が内心焦っていると、ヒューイはヒューイで腹の中に出されたものを、静かに感じていた。
気まずい空気の中、しんとした雰囲気にヒューイがいつもみせる顔で、俺に問いかける。
 
「……出ちゃったね」
「――っ! そ、そんなはっきり言わないでくれ!?」
「えっと、ごっごめん……。 僕、キツく締めすぎてた?」
「そうじゃなくて……、だから、その……」
「――?」
「……初めて、だったんだ」
「えっ」
「だから! セックスすること自体が俺初めてなんだよ!? 生まれてこの方したこともないし、挿入だってしたことないんだ! 俺、こんなことするのヒューイと初めてなんだよ!」
 
申し訳なさとやるせなさ、自分自身に対しての怒りなど、様々な感情が湧き上がり、すまなそうにするヒューイへヤケクソまじりに告白する。
悲しいかな、社会人になってから女っ気すらなく、初体験を済ませるどころか、忙しくて風俗にすら行ったこともない、童貞野郎の俺なのだ。
多分、いや間違いなく惚れているだろうヒューイ相手に、言い出せなかったのもあるが、気持ち良くて失念していたのだろう。
恥ずかしさに顔を真っ赤にする俺は中途半端に挿入して、すでに出してしまったことが男として情けなさすぎると責めた。
ヒューイもきっとしょうがない奴だと思っているに違いないと、顔を上げて謝ろうとするが、柴犬の顔は思っていたものとは180度異なるものだった。
お腹を摩り、何かを慈しむように撫でている様は、まるで俺の出した精液を愛おしそうにしているので、思わず聞いてしまう。
 
「何してるんだ……?」
「だって、ダイチのがここに入ってくれたんだもん。 熱くていっぱい、あぁっやっとダイチと一つになれたんだって、僕嬉しいんだよ……」
「――あの、さ」
「うん、なに?」
「続けても、いいか、な……?」
 
出されたことの喜びを語る姿に、俺が抱えていた童貞卒業が情けない結果に終わったことなど、些末でしかなかった。
だからだろう、ダメ元で聞いてみようと思い、ヒューイにこのまま続けてもいいかと尋ねる。
男として情けないと、こんな可愛い彼を思えばもっと悦ばせてあげたい、それだけが頭にあった。
一瞬こそキョトンとした顔を浮かべるも、すぐに笑みを浮かべ、両手を伸ばして俺の顔を包み、引き寄せていくので流れに任せているとそのまま口づけをする。
触れ合い、もう何度もしたはずなのに、初めて交わす誓いを結ぶように、舌を絡ませると、俺はゆっくりと腰を振り始めた。
肉襞が絡み、これが膣かと思えるほどの触感に腰は浮き、段々と止められなくなっていく。
 
「んっ♡ んんっ♡ んっあっ、んぁっ、あっあぁっんっ……♡」
「んっ、はぁっ……! ヒューイ、ヒューイ……!」
「ダイチ♡ ダイチぃ♡ もっと、奥まで突いて、もっと、激しくて、いいから……あっあぁん♡♡」
 
正常位で慣れない突き上げではあるが、ヒューイは手慣れているのか上手くリードしてくれて、どこをどうするといいのかを体で教えてくれた。
懸命に応えるよう腰を振りたくれば雌のような音で喘ぎ、首に両腕を絡ませて切なげに俺の名前を呼んでくれている。
その顔をずっと見ていたくて俺も彼の名を呼べば、もっととばかり俺の腰に両足を絡めてきた。
理性が瓦解する動機として十分だった、自分じゃない自分に突き動かされ、俺の下で喘ぐ獣を屈服させようと、全身が暴れる。
激しく壊してしまうくらいに腰を振り、悶え喘ぐ柴犬のマズルを塞いで舌を絡め、互いの鼓動・呼吸までも一つに同化していくように、俺とヒューイは重なっていた。
肉を叩く乾いた音が響き、それと同じく卑猥な音も木霊し、俺たちはまさに獣へと成り下がって交尾を楽しむ。
 
「ダイチぃ……♡ 僕、もう……!」
「うっ……! あぁっ、キッツイ……! ヒューイ、俺そろそろ……!」
「うん……! 出して、いっぱい出して♡ 僕、ダイチの子供が欲しいよぉ……♡」
「あぁっ、い、イクぅ……!!」
 
どれくらいそうしていたのか、限界に至ると思った時にはヒューイと何かを話していた気がするが、思い出せなかった。
はっきりと分かるのは、全てが弾けたと思った瞬間、愛しい彼の中へ着床させる勢いで出したということだろう。
荒く息をついて蕩けた視界が少しずつ広がっていくと、顎の下に何かが張り付いていることに気付いて触れると、掌には白い白濁液が付着していた。
見ればヒューイも射精していたらしく、尿道からビュルビュルと溢れており、彼本人も視点が合っておらず、虚でいる。
とりあえず腰を引いてみると、ゆっくりと抜けていく自分の一物が孔から出てくる瞬間は言葉にできないほど卑猥で、抜け出すとまだ足りないとばかり勃っていた。
見れば種付けしたヒューイの孔からトロリと、俺の精液が溢れているので、本当にセックスしたのだと分かると、どっと疲れが出てくる。
心地よい気怠さに包まれ、覆い被さるようにヒューイへ倒れ込むと、彼も疲れているのに、背中に腕を回して優しく抱きしめてくれた。
 
「ダイチ……」
「なんだ?」
「ううん、ただ名前を呼びたかっただけ……」
「そうか。 なぁ、ヒューイ……」
「うん、なぁに?」
「――会って二日しか経っていないし、こんなこと言われても迷惑かもしれないんだけどさ」
 
ただ名前を呼ばれ、呼ぶだけでこんなに嬉しく思うことなど、今までなかった。
ヒューイの心臓の音が聞こえてくるだけで心は落ち着き、ずっとこうしていたいとさえ思えてくる。
だがそれも、言うべきことを言ってからにしなくてはと、俺はやっとついた決心をもって伝えた。
 
「……俺、ヒューイのことが好き、なんだと思う」
「そこは、はっきり好きって断言してほしいかな?」
「うっ、それは……」
「ごめんごめん、嘘。 困らせるつもりはないから。 だからさ、これからも一緒にいよう。 よろしくね、ダイチ」
「……うん、よろしくヒューイ」
 
決意したはずなのに、最後の最後でヘマをしてしまったわけだが、それを笑いながら指摘されてしまい、自分が恥ずかしくなる。
それも愛おしいと言ってくれているのか、ヒューイはそっと笑ってくれる姿に、俺はもっと素直になろうと思った。
顔を近づけると、俺がやりたいことを分かってくれた彼は受け入れるように、そっと優しい口づけを交わす。
した回数など忘れてしまうくらいに、俺たちは余韻に浸りながらお互いの体温を共有し合うのだった。
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