469 / 633
第469話 ソウルスペシャリスト
しおりを挟む
ファフナーとベヒモスのブレスの応酬は、最早無差別テロである。
その影響をモロに受けたのは、ケシュアの作り出したトレントだ。
轟々と燃え盛るトレントを横目にエルザがVIP席へ避難すると、最初に目に付いたのは床に寝かされ、安静にしていたメリル。
衣服は血まみれだが、峠は越えたと言わんばかりの穏やかな寝顔。その首筋、口元、胸に手をかざしたエルザは、ホッと安堵の表情を浮かべた。
「ワシが改めて回復術を使う必要はなさそうじゃの……。ミアには感謝の言葉もない」
「ううん。間に合ってよかった。……それよりも、おにーちゃんは!?」
一瞬の間を置き、キョロキョロと辺りを見回すエルザ。
VIP席に残された者は、ミアとキャロ、そしてカガリとワダツミにネヴィアだけ。
全員がモフモフ仮面の中身を知っている者達だ。
「まぁ、九条なら心配いらんじゃろ……」
エルザが手すりから下を覗き込むと、そこにはカイエンの魂を引き抜く九条の姿。
その状況に、エルザは大きなため息をついた。
「やれやれ……。人目なぞ気にせず本気を出しておれば、今頃は倒せておったというのに余計な手間を掛けさせおって……。メリルを叩き起こさねばならなくなったではないか……」
「えっ?」
その意図がわからないミアは一瞬エルザに視線を移すも、それを遮ったのはワダツミだ。
ワダツミからミアへと向けられた真剣な眼差し。ミアはその意味を理解していたが、ミアが口を開くよりも先にエルザがそれに待ったをかけた。
「契約を結んだ従魔なら、魔眼による上書きは避けられるじゃろうが、行こうとは思うなよ? 役目を違えるでない」
ワダツミの主人は九条だ。それに加勢したいのは山々だが、与えられている役割はミアとキャロの守護である。
とはいえ、主人のピンチに駆け付けられない歯がゆさは、焦燥感を覚えるほど。
それを知ってか知らずか、エルザは九条を見ながらも不敵な笑みを浮かべていた。
「スロースターターにもほどがあるが、まぁ大丈夫じゃろ。それとも、主人を信じられぬのか?」
それは従魔としての信条でもある。
エルザなんかに再認識させられたと悔やむワダツミであったが、間違ってはいないと心を落ち着かせた。
下では、カイエンが地面に突っ伏し、九条は魔法書を仕舞いながらもベヒモスを睨みつけていた。
そして金剛杵を構えると、躊躇なくベヒモスへと向かって大地を蹴ったのだ。
それはベヒモスにとっても好都合。ファフナーからの追撃を免れるには、九条を盾にするのが手っ取り早い。
大型の魔獣同士がしのぎを削れば、近くの九条に被害が及ぶと考えるのは妥当。
魔法で強化されているとはいえ、所詮は人間。多少の手合わせで、九条では脅威になり得ないと確信していた。
僅かな時間でいい――。九条に魔眼を掛けさえすれば、ベヒモスの勝利は揺るぎないものとなるのだ。
九条を襲う2本の角。それはトレントの太い幹を貫くほどの硬度を誇るが、九条はそれを真正面で難なく受け止めた。
「――ッ!?」
片方の角を脇腹で抱え、踏みとどまるその姿は、既に人間の域を超えている。
体格差は圧倒的にベヒモスが上……。にもかかわらず、持ち上げられることも振り回されることもなく、九条はまるで大岩の如くどっしりと構えていたのだ。
「貴様ッ! どこにそんな力をッ!」
無言のまま振り上げた金剛杵。次の瞬間、それは勢いよく振り下ろされ、ベヒモスの片角を見事に叩き割る。
「……流石は九条……。まさか、このワシから主導権を奪うとは……」
その目を疑うような光景を、理解していたのはエルザだけ。
「エルザさん!? 鼻血が……」
ミアに言われて、鼻筋を擦るエルザ。
手の甲に付いたそれをジッと見つめては、舌打ちを漏らす。
「なるほどのぉ。この歳になって初めての経験じゃわい……」
「今、回復術を……」
「大丈夫じゃ。少し反動がきただけ。すぐ止まる」
そう言って、エルザはズズズと勢いよく鼻を啜る。
その間にも、下では激戦が繰り広げられていた。
片角を折られ距離を取ったベヒモスに対し、九条は間髪入れずに詰めていく。
「調子に乗るなぁッ!」
金剛杵を振りかぶる九条。ベヒモスはそれにカウンターを合わせるかのタイミングで口を大きく開ける。
九条は、それをギリギリまで引き付けてのスライディングで躱すと、顔の下に潜り込み、金剛杵でベヒモスの下顎を強打。
その威力は、口を無理矢理に閉じさせながらも、衝撃で歯を砕いてしまうほどだ。
それは、明らかに今までの九条の動きではなかった。
もっとも近くにいるであろうミアでさえも見たことがないポテンシャルである。
「おにーちゃん、すごい……」
「そりゃそうじゃ。あやつ、ワシの魔法を奪いおったからの」
「えっ?」
それに驚きの声を上げるミア。
魔法を奪うなんて話は、見たことも聞いた事もない。
「獣術は対象の魂を疑似的に作り出し、それを体に憑依させることで対象と同等の力を得る――というものなのは、ミアも知っておるじゃろう? 九条は、その魂を自分の支配下に置いたんじゃ」
獣術は、作り出した魂を憑依させるのに、継続的に魔力を消費する。
1つの身体に2つの魂を同居させるのだ。それを固定、維持する為に常に魔力を送り続けなくてはならない。
九条は、竜の魂の維持の為に送られてきていたエルザの魔力を強制的に切断し、自分の魔力を維持費として消費し始めたのだ。
獣術の才がない九条には、無から魂を作り出すことは不可能。だが、疑似的とはいえそれは魂。その扱いで、九条の右に出る者はいない。
九条ほどの魔力があれば、維持はおろか出力調整も自由自在なのである。
獣術の神髄は、生き物の魂を疑似的に作り出すことにある。神聖術等の強化魔法とは違い、肉体を直接強化するものではないのだ。
それは、人間の限界を超える強化を可能にするということ。
当然竜の魂は、ドラゴンと同等の力を有することを可能とするが、九条はそれを支配下に置き自分の魔力を際限なく供給することで、既にドラゴンをも超える力を手にしていたのである。
「恐らく、純粋な力比べで今の九条に敵う奴は、そうおらんじゃろうな……」
それを聞いたミアとキャロはお互いに顔を見合わせると、沸き上がる高揚感を抑えきれず、つい声を上げてしまった。
「「やっちゃえ! モフモフかめぇーんッ!」」
その影響をモロに受けたのは、ケシュアの作り出したトレントだ。
轟々と燃え盛るトレントを横目にエルザがVIP席へ避難すると、最初に目に付いたのは床に寝かされ、安静にしていたメリル。
衣服は血まみれだが、峠は越えたと言わんばかりの穏やかな寝顔。その首筋、口元、胸に手をかざしたエルザは、ホッと安堵の表情を浮かべた。
「ワシが改めて回復術を使う必要はなさそうじゃの……。ミアには感謝の言葉もない」
「ううん。間に合ってよかった。……それよりも、おにーちゃんは!?」
一瞬の間を置き、キョロキョロと辺りを見回すエルザ。
VIP席に残された者は、ミアとキャロ、そしてカガリとワダツミにネヴィアだけ。
全員がモフモフ仮面の中身を知っている者達だ。
「まぁ、九条なら心配いらんじゃろ……」
エルザが手すりから下を覗き込むと、そこにはカイエンの魂を引き抜く九条の姿。
その状況に、エルザは大きなため息をついた。
「やれやれ……。人目なぞ気にせず本気を出しておれば、今頃は倒せておったというのに余計な手間を掛けさせおって……。メリルを叩き起こさねばならなくなったではないか……」
「えっ?」
その意図がわからないミアは一瞬エルザに視線を移すも、それを遮ったのはワダツミだ。
ワダツミからミアへと向けられた真剣な眼差し。ミアはその意味を理解していたが、ミアが口を開くよりも先にエルザがそれに待ったをかけた。
「契約を結んだ従魔なら、魔眼による上書きは避けられるじゃろうが、行こうとは思うなよ? 役目を違えるでない」
ワダツミの主人は九条だ。それに加勢したいのは山々だが、与えられている役割はミアとキャロの守護である。
とはいえ、主人のピンチに駆け付けられない歯がゆさは、焦燥感を覚えるほど。
それを知ってか知らずか、エルザは九条を見ながらも不敵な笑みを浮かべていた。
「スロースターターにもほどがあるが、まぁ大丈夫じゃろ。それとも、主人を信じられぬのか?」
それは従魔としての信条でもある。
エルザなんかに再認識させられたと悔やむワダツミであったが、間違ってはいないと心を落ち着かせた。
下では、カイエンが地面に突っ伏し、九条は魔法書を仕舞いながらもベヒモスを睨みつけていた。
そして金剛杵を構えると、躊躇なくベヒモスへと向かって大地を蹴ったのだ。
それはベヒモスにとっても好都合。ファフナーからの追撃を免れるには、九条を盾にするのが手っ取り早い。
大型の魔獣同士がしのぎを削れば、近くの九条に被害が及ぶと考えるのは妥当。
魔法で強化されているとはいえ、所詮は人間。多少の手合わせで、九条では脅威になり得ないと確信していた。
僅かな時間でいい――。九条に魔眼を掛けさえすれば、ベヒモスの勝利は揺るぎないものとなるのだ。
九条を襲う2本の角。それはトレントの太い幹を貫くほどの硬度を誇るが、九条はそれを真正面で難なく受け止めた。
「――ッ!?」
片方の角を脇腹で抱え、踏みとどまるその姿は、既に人間の域を超えている。
体格差は圧倒的にベヒモスが上……。にもかかわらず、持ち上げられることも振り回されることもなく、九条はまるで大岩の如くどっしりと構えていたのだ。
「貴様ッ! どこにそんな力をッ!」
無言のまま振り上げた金剛杵。次の瞬間、それは勢いよく振り下ろされ、ベヒモスの片角を見事に叩き割る。
「……流石は九条……。まさか、このワシから主導権を奪うとは……」
その目を疑うような光景を、理解していたのはエルザだけ。
「エルザさん!? 鼻血が……」
ミアに言われて、鼻筋を擦るエルザ。
手の甲に付いたそれをジッと見つめては、舌打ちを漏らす。
「なるほどのぉ。この歳になって初めての経験じゃわい……」
「今、回復術を……」
「大丈夫じゃ。少し反動がきただけ。すぐ止まる」
そう言って、エルザはズズズと勢いよく鼻を啜る。
その間にも、下では激戦が繰り広げられていた。
片角を折られ距離を取ったベヒモスに対し、九条は間髪入れずに詰めていく。
「調子に乗るなぁッ!」
金剛杵を振りかぶる九条。ベヒモスはそれにカウンターを合わせるかのタイミングで口を大きく開ける。
九条は、それをギリギリまで引き付けてのスライディングで躱すと、顔の下に潜り込み、金剛杵でベヒモスの下顎を強打。
その威力は、口を無理矢理に閉じさせながらも、衝撃で歯を砕いてしまうほどだ。
それは、明らかに今までの九条の動きではなかった。
もっとも近くにいるであろうミアでさえも見たことがないポテンシャルである。
「おにーちゃん、すごい……」
「そりゃそうじゃ。あやつ、ワシの魔法を奪いおったからの」
「えっ?」
それに驚きの声を上げるミア。
魔法を奪うなんて話は、見たことも聞いた事もない。
「獣術は対象の魂を疑似的に作り出し、それを体に憑依させることで対象と同等の力を得る――というものなのは、ミアも知っておるじゃろう? 九条は、その魂を自分の支配下に置いたんじゃ」
獣術は、作り出した魂を憑依させるのに、継続的に魔力を消費する。
1つの身体に2つの魂を同居させるのだ。それを固定、維持する為に常に魔力を送り続けなくてはならない。
九条は、竜の魂の維持の為に送られてきていたエルザの魔力を強制的に切断し、自分の魔力を維持費として消費し始めたのだ。
獣術の才がない九条には、無から魂を作り出すことは不可能。だが、疑似的とはいえそれは魂。その扱いで、九条の右に出る者はいない。
九条ほどの魔力があれば、維持はおろか出力調整も自由自在なのである。
獣術の神髄は、生き物の魂を疑似的に作り出すことにある。神聖術等の強化魔法とは違い、肉体を直接強化するものではないのだ。
それは、人間の限界を超える強化を可能にするということ。
当然竜の魂は、ドラゴンと同等の力を有することを可能とするが、九条はそれを支配下に置き自分の魔力を際限なく供給することで、既にドラゴンをも超える力を手にしていたのである。
「恐らく、純粋な力比べで今の九条に敵う奴は、そうおらんじゃろうな……」
それを聞いたミアとキャロはお互いに顔を見合わせると、沸き上がる高揚感を抑えきれず、つい声を上げてしまった。
「「やっちゃえ! モフモフかめぇーんッ!」」
10
お気に入りに追加
377
あなたにおすすめの小説

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる