418 / 639
第418話 三大厄災列強伝(獣人編)
しおりを挟む
スッと立ち上がったケシュアは、俺の隣に腰掛けると大きな咳ばらいで喉の調子を整える。
そして、ミアにもわかるよう穏やかな口調で物語を紡ぎ始めた。それは、子供を寝かしつける為の囁きにも似た柔らかさだ。
「その昔、この地上は三大厄災と呼ばれる3匹の王によって支配されていました。白く巨大な蛇の王ウロボロス、漆黒の竜王ファフニール、黄金の獅子王レグルス。強大な力を持った王達には、誰も逆らうことは出来ませんでした。そんな中、暴君であるレグルスに迫害されていた獣人達は、ファフニールに助けを求めます。それを憐れみ聞き入れたファフニールは、レグルスに戦いを挑みました。大地が震撼するほどの激しい戦いは世界の頂点を決める戦いと言っても過言ではなく、それに後れを取られまいと割り込んで来たウロボロスをも巻き込んで、3匹の王達による熾烈な争いは長きに亘り続きました。それは世界を滅ぼしかねない力のぶつかり合い。しかし、それもある者の力によって終焉を迎えます。……ハイ! ここでミアに問題です! ある者とは誰でしょう?」
「えっと……勇者様?」
それほど考える間もなく出てくる答え。俺も勇者だと思ったのが……。
「ぶっぶぅー! 残念! 正解は魔王です!」
そのケシュアの言い方ときたら……。子供相手にマウントを取ってどうするのか……。
滑稽というより、苛立ちすら覚える顔である。
「長きに亘り戦っていた王達は疲弊し、魔王率いる魔族達は魔法という未知の力で次々と王達を殺めていきました。レグルスを打ち倒し、ウロボロスをも手に掛けた。そして残されたファフニールを追い詰めると、その前に獣人達が立ちはだかったのです。獣人達は言いました。ファフニールは、我々の為に戦ってくれたのだと。だからファフニールだけは許してくれと魔王に何度も頭を下げ、懇願しました。魔王はそれを聞き入れファフニールは一命を取り留めましたが、既に死は時間の問題でした。ウロボロスの石化の呪いがファフニールの身体を蝕んでいたからです。ファフニールは言いました。命が尽きる前に子を残したいと。魔王は言いました。それには対価が必要だと。そしてファフニールは石化を免れていた自分の首を魔王に差し出し、その見返りとして1つの卵を残しました。それを獣人達が大切に育て黒き竜が成熟すると、鱗を1枚置いて何処かへ飛び去ってしまいましたとさ――。……おしまいっと……」
パチパチと拍手するミアに、やり切ったとばかりに得意気な表情を浮かべながらも安堵するケシュア。面倒臭がるだけの、聞きごたえのある物語ではあった。
確かにそれだけの事があれば、獣人達が黒き竜を崇める理由にも頷ける。
それよりも意外だったのは、魔王にも人並の情があるのだろうと思わせる内容であったことである。
「獣人の王家にどれだけ話が伝わってるのか知らないけど、私が知っているのはこれで全部。どう? ちょっとは見直した?」
「面白かったよね? おにーちゃん」
「あぁ。まぁな……」
その言葉を聞いて素直に嬉しそうにするケシュアを見て、ミアも満足そうである。
「それで? 九条はどうするの?」
「どうする……とは?」
「九条は第4王女経由で依頼を受けたんでしょ? ならエドワードを助けてあげるんじゃないかなって思って」
確かにエドワードを不憫に思う。
例えるなら、立ち寄った店の客が全て常連だった時の居心地の悪さだ。それだけの疎外感を覚えながらも立場上、逃げることは許されない。
俺達が調査を成功させれば、グランスロード内でのエドワードの評価は多少なりとも向上するだろうし、リリーは喜んでくれるだろう。
「言いたいことはわかるが、調査の成否はやってみなきゃわからんだろう? 忖度するつもりはないが、俺達が黒き厄災の無力化に成功すれば、エドワードの助けになるだろう事は理解している」
「なら、エドワードの為にも頑張らないとね?」
「忖度はしないと言っただろ。だが、手を抜くつもりもないことは確かだ。……後、あんまりくっつくなよ……」
俺の隣でニヤニヤといやらしい笑みを浮かべるケシュア。なんというか、宿屋の一件からケシュアの距離が大分近くなった気がする。
勿論、奴隷としての奉仕活動の一環ではないことくらい百も承知。まだ俺との子供が諦めきれていないのか、隙を突いて指環を探し出そうとしているのか……。
せめて指環の実物を確認したい――という魂胆が見え見えではあるのだが、1日中警戒していなければならないのも正直疲れる。
本当のことを言ってしまえば気は楽なのだが、どうしたものか……。
そもそも、俺は指環を持ち歩いてはいないのだ。現在はフードルに預かってもらっている。
事前にケシュアと行動を供にする事がわかっていたのだから、盗まれるかもしれない貴重品を持参するわけがないだろう。
宿屋での一件は、ただのハッタリである。あたかもポケットに入っているように見せかけ、手を突っ込んだだけであり、ケシュアが勘違いをしているだけなのだ。
そんなことも知らずに俺の機嫌を取る為か、調子の良いことをペラペラと……。
「いいじゃない。私は九条の奴隷だもん」
「ファッション奴隷のクセに、よく言うよ……」
「何それ? どういう意味? 異世界にはオシャレな奴隷がいるの?」
キョトンとするケシュアの反応に、思わず笑みがこぼれてしまった。
転生者であるとバレた事で、周りに配慮せず喋らずとも良いのだ。その事実に、ある種の解放感のようなものを覚えてしまったのである。
「違う。打算的に調子の良い時だけ、奴隷になるなってことだよ……」
その意味を理解しムッとするケシュア。しかし、その視線は強烈なものではなく、どことなく柔らかさを感じさせるもの。
そんな2人の間に生まれた穏やかな雰囲気を壊すべく、ミアがその間に突撃して来た事は言うまでもないだろう。
勿論、物理的にだ――。
そして、ミアにもわかるよう穏やかな口調で物語を紡ぎ始めた。それは、子供を寝かしつける為の囁きにも似た柔らかさだ。
「その昔、この地上は三大厄災と呼ばれる3匹の王によって支配されていました。白く巨大な蛇の王ウロボロス、漆黒の竜王ファフニール、黄金の獅子王レグルス。強大な力を持った王達には、誰も逆らうことは出来ませんでした。そんな中、暴君であるレグルスに迫害されていた獣人達は、ファフニールに助けを求めます。それを憐れみ聞き入れたファフニールは、レグルスに戦いを挑みました。大地が震撼するほどの激しい戦いは世界の頂点を決める戦いと言っても過言ではなく、それに後れを取られまいと割り込んで来たウロボロスをも巻き込んで、3匹の王達による熾烈な争いは長きに亘り続きました。それは世界を滅ぼしかねない力のぶつかり合い。しかし、それもある者の力によって終焉を迎えます。……ハイ! ここでミアに問題です! ある者とは誰でしょう?」
「えっと……勇者様?」
それほど考える間もなく出てくる答え。俺も勇者だと思ったのが……。
「ぶっぶぅー! 残念! 正解は魔王です!」
そのケシュアの言い方ときたら……。子供相手にマウントを取ってどうするのか……。
滑稽というより、苛立ちすら覚える顔である。
「長きに亘り戦っていた王達は疲弊し、魔王率いる魔族達は魔法という未知の力で次々と王達を殺めていきました。レグルスを打ち倒し、ウロボロスをも手に掛けた。そして残されたファフニールを追い詰めると、その前に獣人達が立ちはだかったのです。獣人達は言いました。ファフニールは、我々の為に戦ってくれたのだと。だからファフニールだけは許してくれと魔王に何度も頭を下げ、懇願しました。魔王はそれを聞き入れファフニールは一命を取り留めましたが、既に死は時間の問題でした。ウロボロスの石化の呪いがファフニールの身体を蝕んでいたからです。ファフニールは言いました。命が尽きる前に子を残したいと。魔王は言いました。それには対価が必要だと。そしてファフニールは石化を免れていた自分の首を魔王に差し出し、その見返りとして1つの卵を残しました。それを獣人達が大切に育て黒き竜が成熟すると、鱗を1枚置いて何処かへ飛び去ってしまいましたとさ――。……おしまいっと……」
パチパチと拍手するミアに、やり切ったとばかりに得意気な表情を浮かべながらも安堵するケシュア。面倒臭がるだけの、聞きごたえのある物語ではあった。
確かにそれだけの事があれば、獣人達が黒き竜を崇める理由にも頷ける。
それよりも意外だったのは、魔王にも人並の情があるのだろうと思わせる内容であったことである。
「獣人の王家にどれだけ話が伝わってるのか知らないけど、私が知っているのはこれで全部。どう? ちょっとは見直した?」
「面白かったよね? おにーちゃん」
「あぁ。まぁな……」
その言葉を聞いて素直に嬉しそうにするケシュアを見て、ミアも満足そうである。
「それで? 九条はどうするの?」
「どうする……とは?」
「九条は第4王女経由で依頼を受けたんでしょ? ならエドワードを助けてあげるんじゃないかなって思って」
確かにエドワードを不憫に思う。
例えるなら、立ち寄った店の客が全て常連だった時の居心地の悪さだ。それだけの疎外感を覚えながらも立場上、逃げることは許されない。
俺達が調査を成功させれば、グランスロード内でのエドワードの評価は多少なりとも向上するだろうし、リリーは喜んでくれるだろう。
「言いたいことはわかるが、調査の成否はやってみなきゃわからんだろう? 忖度するつもりはないが、俺達が黒き厄災の無力化に成功すれば、エドワードの助けになるだろう事は理解している」
「なら、エドワードの為にも頑張らないとね?」
「忖度はしないと言っただろ。だが、手を抜くつもりもないことは確かだ。……後、あんまりくっつくなよ……」
俺の隣でニヤニヤといやらしい笑みを浮かべるケシュア。なんというか、宿屋の一件からケシュアの距離が大分近くなった気がする。
勿論、奴隷としての奉仕活動の一環ではないことくらい百も承知。まだ俺との子供が諦めきれていないのか、隙を突いて指環を探し出そうとしているのか……。
せめて指環の実物を確認したい――という魂胆が見え見えではあるのだが、1日中警戒していなければならないのも正直疲れる。
本当のことを言ってしまえば気は楽なのだが、どうしたものか……。
そもそも、俺は指環を持ち歩いてはいないのだ。現在はフードルに預かってもらっている。
事前にケシュアと行動を供にする事がわかっていたのだから、盗まれるかもしれない貴重品を持参するわけがないだろう。
宿屋での一件は、ただのハッタリである。あたかもポケットに入っているように見せかけ、手を突っ込んだだけであり、ケシュアが勘違いをしているだけなのだ。
そんなことも知らずに俺の機嫌を取る為か、調子の良いことをペラペラと……。
「いいじゃない。私は九条の奴隷だもん」
「ファッション奴隷のクセに、よく言うよ……」
「何それ? どういう意味? 異世界にはオシャレな奴隷がいるの?」
キョトンとするケシュアの反応に、思わず笑みがこぼれてしまった。
転生者であるとバレた事で、周りに配慮せず喋らずとも良いのだ。その事実に、ある種の解放感のようなものを覚えてしまったのである。
「違う。打算的に調子の良い時だけ、奴隷になるなってことだよ……」
その意味を理解しムッとするケシュア。しかし、その視線は強烈なものではなく、どことなく柔らかさを感じさせるもの。
そんな2人の間に生まれた穏やかな雰囲気を壊すべく、ミアがその間に突撃して来た事は言うまでもないだろう。
勿論、物理的にだ――。
10
お気に入りに追加
385
あなたにおすすめの小説

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
羽海汐遠
ファンタジー
最強の魔王ソフィが支配するアレルバレルの地。
彼はこの地で数千年に渡り統治を続けてきたが、圧政だと言い張る勇者マリスたちが立ち上がり、魔王城に攻め込んでくる。
残すは魔王ソフィのみとなった事で勇者たちは勝利を確信するが、肝心の魔王ソフィに全く歯が立たず、片手であっさりと勇者たちはやられてしまう。そんな中で勇者パーティの一人、賢者リルトマーカが取り出したマジックアイテムで、一度だけ奇跡を起こすと言われる『根源の玉』を使われて、魔王ソフィは異世界へと飛ばされてしまうのだった。
最強の魔王は新たな世界に降り立ち、冒険者ギルドに所属する。
そして最強の魔王は、この新たな世界でかつて諦めた願いを再び抱き始める。
彼の願いとはソフィ自身に敗北を与えられる程の強さを持つ至高の存在と出会い、そして全力で戦った上で可能であれば、その至高の相手に完膚なきまでに叩き潰された後に敵わないと思わせて欲しいという願いである。
人間を愛する優しき魔王は、その強さ故に孤独を感じる。
彼の願望である至高の存在に、果たして巡り合うことが出来るのだろうか。
『カクヨム』
2021.3『第六回カクヨムコンテスト』最終選考作品。
2024.3『MFブックス10周年記念小説コンテスト』最終選考作品。
『小説家になろう』
2024.9『累計PV1800万回』達成作品。
※出来るだけ、毎日投稿を心掛けています。
小説家になろう様 https://ncode.syosetu.com/n4450fx/
カクヨム様 https://kakuyomu.jp/works/1177354054896551796
ノベルバ様 https://novelba.com/indies/works/932709
ノベルアッププラス様 https://novelup.plus/story/998963655

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる