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第383話 2つの依頼
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「じゃぁ九条は黒き厄災とは無関係って事で話を進めるけど、九条に指名の依頼があるのよ」
「唐突ですね……。お断りします」
「まぁ話だけでも聞きなさい。依頼内容は黒き厄災の調査よ」
なるほど。それでネストは俺とドラゴンとの関係を気にしていた訳か。
最悪、調査内容はでっち上げればいいので楽な仕事ではあるのだが、だからと言って意気揚々と引き受けますなどと言えば疑わしい事この上ない。
「面倒臭そうなので……」
「それがそうもいかないのよ……。依頼してきた相手は、グランスロード王国。黒き厄災が封印されていた地らしいんだけど、それが争いの火種にならないようにと特使まで派遣されてきたのよ……」
「それが俺と何の関係が?」
「グランスロードの特使は、封印が勝手に解けただけで王国とは無関係だと主張しているの。それで封印が解けてしまった原因を究明する為、白羽の矢が立ったのが九条なのよ。私達は同じ古代種の金の鬣も倒してるでしょ? 更に九条はプラチナで、魔獣使いの適性まで持ってる。指名されるには十分な理由じゃない?」
理屈はわかる。黒き厄災がどういった状態で封印されていたのかは不明だが、それが他の国に迷惑を掛けるとグランスロード王国の管理責任が問われるから助けてほしい……そんなところだろう。
俺がその依頼を見事解決できればスタッグ王国はグランスロード王国に恩を売れ、外交政策を有利に進めることが出来る。
身から出た錆であり俺にも責任の一端はあるのだろうが、正直言って見知らぬ国を助けてやる義理はない。
「わかりました。お断りします」
俺からの返事がわかっていたのだろう。ネストは間髪入れず目の前で手を合わせ、頭を下げた。
「お願い! リリー様のお顔を立てると思ってッ!」
「ちょっと待って下さいよ。何故それが王女の顔を立てることに繋がるんです?」
「今回の依頼なんだけど、リリー様が直接エドワード様から頼まれた事なの!」
「……エドワードって誰です?」
「エドワード様はスタッグ王国の元第3王子。今はグランスロード王国の姫君とご結婚なされて、あっちで暮らしているの。友好国からの依頼で、元身内ともなると断り辛いのはわかるでしょ!?」
道理で王宮でも目にしたことがないと思った。まさか第3王子が他国に婿として嫁いでいるとは……。しかも、相手は獣人族の姫。
政略結婚が当たり前の世界だ。それほど驚く事でもないが、だからと言ってそれは依頼を受ける理由にはなり得ない。
「シルトフリューゲル軍を追い払った後、黒き厄災はどうしてるんです? 何が他に被害はあったんですか?」
「ニールセン公が差し出した第2王女派閥の証を手にして、何処かへ飛び去ったって……。それ以上の目撃情報はないわ」
「ならもういいんじゃないですか? 被害が出てから考えるってことで……。多分もう何も起きないと思うんですよね。ちょっと暴れちゃったのは寝覚めが悪かったってことにして……」
「被害が出てからじゃ遅いのはわかるでしょ? それとも占いでそういう結果でも出てるの?」
「いえ……。そういうわけでは……」
はいそうですと言えればどれだけ楽であったか……。これ以上は占える状況ではなく、流石に黒き厄災との関係を怪しまれかねない。
最悪、デメちゃんが黒き厄災だと気付かれていなければ、バレたところで言い訳は可能。
それこそ魔獣使いのスキルで……などと言っておけば誤魔化しは利いたのだが、まさか2000年も前の知識を有している者がいようとは……。誤算である。
「お願い! 絶対楽な仕事だから!」
それは知っている。俺が原因なのだから調査なんか適当でいいのだ。これ以上黒き厄災たるデメちゃんが人里に降りてくることはないのだから。
「その根拠はなんです?」
「調査には一応専門家も同行するの」
「ちょっと待って下さいよ。仮に依頼を受けるとしても、1人の方がやりやすいのは知ってるでしょう? 俺の秘密を知らない人と組むのは……」
「ケシュアよ」
俺がその名を聞いた瞬間、まるで全ての感情がなくなったかの如く真顔になった。
「やりましょう」
突然180度意見を変えた俺に対し、目をぱちくりとさせるネスト。それがすぐには信じられないのだろう。
「え? 聞き間違いかしら? 今なんて言ったの?」
「その依頼を受けると言ったんです」
それを聞いても素直には喜ばず、辺りをキョロキョロと見渡すネスト。
部屋には俺達以外誰もおらず、静かなものだ。聞こえるのは僅かな虫の音と、眠気の限界に達してしまったミアの幸せそうな寝息くらい。
ネストはそのままテーブルに身を乗り出し、俺にコッソリ耳打ちをした。
「九条ってもしかして、……ケシュアのことが好きなの?」
確かに見た目は悪くないが、人の秘密をバラすような者を好きになるかと言われれば、答えはNOだ。
ケシュアとは1度しか顔を合わせたことがない。故に深くは知らないのが現状であり、会うのは金の鬣討伐時以来だ。
「違いますよ。ケシュアさんには借りを返そうと思ってたんです」
「何か借りてたの?」
「ええ」
不自然なくらい満面の笑みを浮かべる俺に、不審な目を向けるネスト。
嘘は言っていない。エルザに俺の秘密をバラした報いを受けてもらう絶好の機会。そう考えると、会うのが今から楽しみでならない。
もしかして、この気持ちが恋なのだろうか? ……いいや、違うな。
「金の鬣と状況は似てるかもね。ケシュアが黒き厄災のことを知ってたのよ。さすがは博識のエルフ族ってところかしら」
エルフだから博識なのではなく、ネクロガルドだからこその知識だろう。余計な事を……。
「それで、出発の予定日なんだけど……」
その時だ。夜分遅くにも拘らずバァンという盛大な音に視線を奪われると、全開の扉の隣で得意気な表情を浮かべ仁王立ちしていたのはシャーリーである。
「話は聞かせてもらったわ! いつ出発する!?」
薄手のだぼついたワンピースは恐らくは寝間着のまま。
うっすらと透けて見える下着は目のやり場に困ってしまうが、気付いてないのかそもそも気にしていないのか……。
それだけの音を響かせれば、流石のミアも目を覚ます。
「ふぇ? ね……寝てないよ?」
別に寝るなとは言っていないが、ミアの口元には涎の跡。それで寝てないと言い張るには少々無理がある。
「なにしてんだよシャーリー。ミアが起きちゃっただろうが」
「えっ、そっち?」
恐らくネストは盗み聞ぎされていた事を指摘すると思ったのだろう。
確かに盗聴は良くないが、どうせ話す事にはなるだろうからそれほど気にしてはいない。
そもそも建築技術の拙い世界での木造建築に、防音効果を期待する方がおかしな話。そんなことより、気持ちよく寝ていたところを起こされたミアの方が不憫でならない。
シャーリーはそのままズカズカと部屋に上がり込み、キョロキョロと椅子を探しては空いていない事を悟ると、虚ろな目でボーっとしていたミアの隣に腰を下ろす。
「私はいつでもいいわよ?」
「シャーリーには聞いてねぇだろ……」
同行する気マンマンなのは構わないが、せめて何かを羽織るべき。とは言え、眼福なので口にはしない。
「シャーリー。悪いんだけどあなたには別の仕事を頼みたいのよ」
「えぇ!? なんでよ?」
「本来は九条に頼む仕事だったんだけどね」
「いやいや、どんだけ仕事させるつもりなんすか?」
「だから片方に絞ってあげたんじゃない。黒き厄災は派閥のお仕事。もう1つはギルドからのお仕事なんだけど、派閥の方を優先させたいからギルドの方をシャーリーとアーニャに任せようと思って」
「ネストがギルドの仕事を受ければいいじゃない。代わりに私が九条についてくから……」
「出来ればそうしてあげたいんだけどね。残念ながら私もバイスも貴族のお仕事でサザンゲイアまで遠征しないといけないのよ。しかも失敗するのがわかってるから性質の悪い仕事なわけ」
お手上げとばかりに肩を竦め天を仰ぐネスト。その表情はやる気の欠片も見られない。
「断れないんですか?」
「アルバート様からのお達しでね。サザンゲイアと同盟を結ぶ為の書状を届けるの。本当は言っちゃいけないんだけど、愚痴りたくもなるのよ……」
ネストの話を要約すると、シルトフリューゲルとは停戦協定を結べたが、純粋な軍事力では負けている為、今のうちに南のサザンゲイアを味方につけたいのだそう。
その勅命を受けたのが第4王女のリリーであり、王族の使者として親書を届けなければならないらしい。
しかし、サザンゲイアにはメリットのない話。手土産もなしに無条件で同盟を結べるとは到底思えない……とのことのようだ。
「そっちはそっちで大変そうですね……」
「はぁ……。わかったわよ。それで? 私とアーニャは何をすればいいの?」
「ありがとうシャーリー。……前から言われてるけど、冒険者の数が年々減って来てるのは知ってるでしょ? ギルドはその事実を重く受け止め、対策に乗り出そうとしているのよ」
「それで?」
「スタッグ国内から選りすぐりのシルバープレート冒険者を集めるから、それを鍛えてほしいんだって。冒険者の数を増やすより、質の向上を目的としているみたい。九条には派閥の仕事させるって言ったら、シャーリーとアーニャでもいいって。特にシャーリーは最近ゴールドに昇格したから大歓迎だそうよ?」
「えぇ……めんどくさそう……」
「さっきわかったって言ったじゃない。九条みたいなこと言わないでよ」
ジッと俺を見つめるシャーリー。ネストに文句の1つでも言ってやれとでも思っているのだろうが、俺も話を聞いていて面倒そうだと思ってしまったので、口が裂けても心外だとは言えなかった。
「唐突ですね……。お断りします」
「まぁ話だけでも聞きなさい。依頼内容は黒き厄災の調査よ」
なるほど。それでネストは俺とドラゴンとの関係を気にしていた訳か。
最悪、調査内容はでっち上げればいいので楽な仕事ではあるのだが、だからと言って意気揚々と引き受けますなどと言えば疑わしい事この上ない。
「面倒臭そうなので……」
「それがそうもいかないのよ……。依頼してきた相手は、グランスロード王国。黒き厄災が封印されていた地らしいんだけど、それが争いの火種にならないようにと特使まで派遣されてきたのよ……」
「それが俺と何の関係が?」
「グランスロードの特使は、封印が勝手に解けただけで王国とは無関係だと主張しているの。それで封印が解けてしまった原因を究明する為、白羽の矢が立ったのが九条なのよ。私達は同じ古代種の金の鬣も倒してるでしょ? 更に九条はプラチナで、魔獣使いの適性まで持ってる。指名されるには十分な理由じゃない?」
理屈はわかる。黒き厄災がどういった状態で封印されていたのかは不明だが、それが他の国に迷惑を掛けるとグランスロード王国の管理責任が問われるから助けてほしい……そんなところだろう。
俺がその依頼を見事解決できればスタッグ王国はグランスロード王国に恩を売れ、外交政策を有利に進めることが出来る。
身から出た錆であり俺にも責任の一端はあるのだろうが、正直言って見知らぬ国を助けてやる義理はない。
「わかりました。お断りします」
俺からの返事がわかっていたのだろう。ネストは間髪入れず目の前で手を合わせ、頭を下げた。
「お願い! リリー様のお顔を立てると思ってッ!」
「ちょっと待って下さいよ。何故それが王女の顔を立てることに繋がるんです?」
「今回の依頼なんだけど、リリー様が直接エドワード様から頼まれた事なの!」
「……エドワードって誰です?」
「エドワード様はスタッグ王国の元第3王子。今はグランスロード王国の姫君とご結婚なされて、あっちで暮らしているの。友好国からの依頼で、元身内ともなると断り辛いのはわかるでしょ!?」
道理で王宮でも目にしたことがないと思った。まさか第3王子が他国に婿として嫁いでいるとは……。しかも、相手は獣人族の姫。
政略結婚が当たり前の世界だ。それほど驚く事でもないが、だからと言ってそれは依頼を受ける理由にはなり得ない。
「シルトフリューゲル軍を追い払った後、黒き厄災はどうしてるんです? 何が他に被害はあったんですか?」
「ニールセン公が差し出した第2王女派閥の証を手にして、何処かへ飛び去ったって……。それ以上の目撃情報はないわ」
「ならもういいんじゃないですか? 被害が出てから考えるってことで……。多分もう何も起きないと思うんですよね。ちょっと暴れちゃったのは寝覚めが悪かったってことにして……」
「被害が出てからじゃ遅いのはわかるでしょ? それとも占いでそういう結果でも出てるの?」
「いえ……。そういうわけでは……」
はいそうですと言えればどれだけ楽であったか……。これ以上は占える状況ではなく、流石に黒き厄災との関係を怪しまれかねない。
最悪、デメちゃんが黒き厄災だと気付かれていなければ、バレたところで言い訳は可能。
それこそ魔獣使いのスキルで……などと言っておけば誤魔化しは利いたのだが、まさか2000年も前の知識を有している者がいようとは……。誤算である。
「お願い! 絶対楽な仕事だから!」
それは知っている。俺が原因なのだから調査なんか適当でいいのだ。これ以上黒き厄災たるデメちゃんが人里に降りてくることはないのだから。
「その根拠はなんです?」
「調査には一応専門家も同行するの」
「ちょっと待って下さいよ。仮に依頼を受けるとしても、1人の方がやりやすいのは知ってるでしょう? 俺の秘密を知らない人と組むのは……」
「ケシュアよ」
俺がその名を聞いた瞬間、まるで全ての感情がなくなったかの如く真顔になった。
「やりましょう」
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「え? 聞き間違いかしら? 今なんて言ったの?」
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それを聞いても素直には喜ばず、辺りをキョロキョロと見渡すネスト。
部屋には俺達以外誰もおらず、静かなものだ。聞こえるのは僅かな虫の音と、眠気の限界に達してしまったミアの幸せそうな寝息くらい。
ネストはそのままテーブルに身を乗り出し、俺にコッソリ耳打ちをした。
「九条ってもしかして、……ケシュアのことが好きなの?」
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ケシュアとは1度しか顔を合わせたことがない。故に深くは知らないのが現状であり、会うのは金の鬣討伐時以来だ。
「違いますよ。ケシュアさんには借りを返そうと思ってたんです」
「何か借りてたの?」
「ええ」
不自然なくらい満面の笑みを浮かべる俺に、不審な目を向けるネスト。
嘘は言っていない。エルザに俺の秘密をバラした報いを受けてもらう絶好の機会。そう考えると、会うのが今から楽しみでならない。
もしかして、この気持ちが恋なのだろうか? ……いいや、違うな。
「金の鬣と状況は似てるかもね。ケシュアが黒き厄災のことを知ってたのよ。さすがは博識のエルフ族ってところかしら」
エルフだから博識なのではなく、ネクロガルドだからこその知識だろう。余計な事を……。
「それで、出発の予定日なんだけど……」
その時だ。夜分遅くにも拘らずバァンという盛大な音に視線を奪われると、全開の扉の隣で得意気な表情を浮かべ仁王立ちしていたのはシャーリーである。
「話は聞かせてもらったわ! いつ出発する!?」
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それだけの音を響かせれば、流石のミアも目を覚ます。
「ふぇ? ね……寝てないよ?」
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「なにしてんだよシャーリー。ミアが起きちゃっただろうが」
「えっ、そっち?」
恐らくネストは盗み聞ぎされていた事を指摘すると思ったのだろう。
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「私はいつでもいいわよ?」
「シャーリーには聞いてねぇだろ……」
同行する気マンマンなのは構わないが、せめて何かを羽織るべき。とは言え、眼福なので口にはしない。
「シャーリー。悪いんだけどあなたには別の仕事を頼みたいのよ」
「えぇ!? なんでよ?」
「本来は九条に頼む仕事だったんだけどね」
「いやいや、どんだけ仕事させるつもりなんすか?」
「だから片方に絞ってあげたんじゃない。黒き厄災は派閥のお仕事。もう1つはギルドからのお仕事なんだけど、派閥の方を優先させたいからギルドの方をシャーリーとアーニャに任せようと思って」
「ネストがギルドの仕事を受ければいいじゃない。代わりに私が九条についてくから……」
「出来ればそうしてあげたいんだけどね。残念ながら私もバイスも貴族のお仕事でサザンゲイアまで遠征しないといけないのよ。しかも失敗するのがわかってるから性質の悪い仕事なわけ」
お手上げとばかりに肩を竦め天を仰ぐネスト。その表情はやる気の欠片も見られない。
「断れないんですか?」
「アルバート様からのお達しでね。サザンゲイアと同盟を結ぶ為の書状を届けるの。本当は言っちゃいけないんだけど、愚痴りたくもなるのよ……」
ネストの話を要約すると、シルトフリューゲルとは停戦協定を結べたが、純粋な軍事力では負けている為、今のうちに南のサザンゲイアを味方につけたいのだそう。
その勅命を受けたのが第4王女のリリーであり、王族の使者として親書を届けなければならないらしい。
しかし、サザンゲイアにはメリットのない話。手土産もなしに無条件で同盟を結べるとは到底思えない……とのことのようだ。
「そっちはそっちで大変そうですね……」
「はぁ……。わかったわよ。それで? 私とアーニャは何をすればいいの?」
「ありがとうシャーリー。……前から言われてるけど、冒険者の数が年々減って来てるのは知ってるでしょ? ギルドはその事実を重く受け止め、対策に乗り出そうとしているのよ」
「それで?」
「スタッグ国内から選りすぐりのシルバープレート冒険者を集めるから、それを鍛えてほしいんだって。冒険者の数を増やすより、質の向上を目的としているみたい。九条には派閥の仕事させるって言ったら、シャーリーとアーニャでもいいって。特にシャーリーは最近ゴールドに昇格したから大歓迎だそうよ?」
「えぇ……めんどくさそう……」
「さっきわかったって言ったじゃない。九条みたいなこと言わないでよ」
ジッと俺を見つめるシャーリー。ネストに文句の1つでも言ってやれとでも思っているのだろうが、俺も話を聞いていて面倒そうだと思ってしまったので、口が裂けても心外だとは言えなかった。
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