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第255話 ブラバ卿再び……
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部屋の扉がノックされ、戻ってきたのはアグネス。……と、もう1人の冒険者。
「お待たせしました九条様。盗賊達に関する資料はこちらになります」
差し出されたそれを受け取ると、連れてきた冒険者の紹介を始めた。
「こちらはドルトンさん。依頼の件で九条様をお迎えに参られたそうです」
「死霊術師限定の?」
「そうだ」
「随分と早いですね……」
「首を長くして待っていたのでね」
不愛想に差し出されたのはゴツイ右手。ゴールドのプレートを首に掛けたガタイの良い戦士だ。
その風貌から、恐らくはバイスと同じタンク役を得意とする冒険者だろう。
手甲の上からの握手であってもわかるくらいに硬い皮膚。傷だらけのフルプレートの鎧は、さぞ名の通った冒険者なのだろうという第一印象であったが、俺はその声に既視感を覚えた。
「外に馬車を用意してる。出来れば今すぐにでも同行してもらいたいのだが……」
いきなりではあったが、依頼主に会って仕事内容を聞いておければ、円滑に事を進めることができるだろうと、その申し出を受けることにした。あわよくば、その場で依頼を終わらせることができれば儲けもの。
アグネスに視線を移すと、こちらの言いたいことを察し、欲しかった答えがすぐに返ってきた。
「大丈夫です。そちらの資料は持ち出していただいて構いません」
「わかりました。では……」
「おっとそうだ。申し訳ないが、依頼主の下へ案内出来るのは依頼を受ける者のみだ」
「パーティメンバーでも?」
「もちろんだ。詳しいことは言えないが、死霊術師だけで解決できる問題だ。匿名募集なのを理解してくれ」
それが依頼人の望みであれば、従う他ないだろう。ギルドを出ると、目の前に止められた依頼主であろう物の馬車が止まっていた。
グレードで言えば丁度中間くらい。貴族が乗るには少々不満も出そうではあるが、平民から見れば十分すぎるほど立派な物。
「じゃぁ、俺達は先に宿に戻ってるよ」
「バイスさん。ミアをよろしくお願いします。宿に着いたら案内役に従魔をギルドに寄こしてください」
「いってらっしゃい。おにーちゃん」
アグネスから貰った資料をバイスに預け、ミアに手を振り返す。そしてお迎えの馬車に乗り込むと、大通りを中心街へと進んでいく。
街が静かな為か、余計に響くリズミカルな蹄の音色が眠気を誘う。
「何処へ行かれるんです?」
「……」
「今日は少し曇ってますけど、雨降らないといいですね? ……雨は嫌いですか?」
「……」
共に乗り込んだドルトンの返事はない。そもそも話すつもりもないのだろう。二言も声を掛けたのだ。俺にしては上出来な部類。
ドルトンは腕を組み、俺から目を離そうとはしなかった。監視でもしているのかと思うほどの威圧感は、居づらい事この上ない。
こういう雰囲気が嫌いなのだ。知らない人と一緒では精神的に疲れる。そうならない為にも、会話を通じて場を和まそうと努力しているのに、相手がそれに乗ってこなければ心労は溜まる一方だ。
仕方がないので今晩のおかずでも考えながら、到着まで車窓を眺めて過ごした。……もちろん食べる方である。
知らない土地での楽しみの1つは何と言っても地元の料理。……と言ってもそれほど期待はしていない。逆を言えば、それ以外に楽しみがないというだけだ。
時間にして30分ほど。馬車は大きな屋敷の門を潜ると、玄関前で止まった。
そこそこ豪華な2階建てのお屋敷。貴族ほどではないが、お金持ちなのだろう事が窺える。
玄関の前には2人の使用人。そのどちらもが首輪付きだ。
「いらっしゃいませ。九条様」
恭しく頭を下げる使用人に、軽く頭を下げる。立派な扉が開け放たれ、屋敷の敷居を一歩跨いだ瞬間だった。
「うっ……!?」
強烈な寒気と共に吐き気がするほどの眩暈に襲われ、ふらつきながらもなんとか持ちこたえる。
それが自分の体調管理不足ではないことと、スキルや魔法攻撃の類ではないことはすぐにわかった。
「大丈夫か?」
「ええ、ありがとうございます。絨毯に足を引っ掻けてしまって……」
ドルトンと使用人達は、何も感じていない様子。幸か不幸か鈍感なのも考えものだ。
恐らくはこの原因は家主だろう。そしてその依頼内容を察するのは容易であった。
一体何人殺したのやら……。
一見すると掃除の行き届いた綺麗な屋敷。壁は染み1つなく真っ白で、埃の溜まりそうなシャンデリアも塵1つなく輝いている。しかし、それは目に見える範囲だけで雰囲気は最悪。
まるで墓場の上に屋敷を建てたかのようなおぞましさを感じているのは、俺だけなのだろう。
何もせずとも囁かれる遺恨、怨念、憤怒といった邪念の強さは、いつアンデッドと化してもおかしくはない。
それに耳を傾けず、案内された先は2階。執務室と書かれた部屋だ。
「失礼します」
ドルトンが扉を開け、入った先にいたのは2人の冒険者と、1人の小太りな男。俺はそいつらに見覚えがあった。
2人の冒険者は、ネストが誘拐された時に護衛として雇われていた者達。クレイモアを背負った男に魔術師風の女。
そして思い出した。ドルトンもそのうちの1人だったのだ。
声しか思い出せなかったのは、当時ドルトンがフルフェイスの兜を被っていたからだ。
そして、デスク越しに偉そうに座っている男……。
「よく来たな、九条」
「……ブラバ卿……」
ネストを誘拐し、国宝の魔法書を焼失させ、挙句貴族の地位を剥奪されたどうしようもないクズだ。
まさか、こんなところで顔を合わせることになるとは……。
「おやおや。お前はまだその名で私を呼んでくれるのか? だが、残念なことに今は一介の町長。グレッグと呼んでくれ」
その態度は反省しているようには見えない。自然と強張る表情。警戒を強め、睨み返す。
「そんな怖い顔をするな。お前は仕事に来たんだろう? 今はアンカースの護衛でもないはずだ。違うか?」
「何故、お前がここにいるんだ……」
「質問に質問で返すな! お前には関係ないだろ! 依頼を受ける気があるのかと聞いているんだ!」
肩で息をしながらも睨み返してくるグレッグの気の短さは、相変わらずである。
自分の思い通りにならなければ怒鳴ればいいと思っているのは、我が儘な子供を相手にしているのと変わらない。
これで町長とは……。住民達には同情する。
そもそもこんな奴の依頼だとは思わなかった。依頼主を知っていたら間違いなく断っていたはず。
俺の持つグレッグの印象は最悪だ。それを見越して匿名で死霊術師指定の依頼を出したなら相当なやり手。
そう考えれば試験があるというのも頷ける。俺以外の死霊術師はそこで弾いてしまえばいいのだから。
可能性としてはプラチナを指定するより安上がりな方を選んだとも取れるが、どちらにしろ奴の掌で踊らされていたと思うと反吐が出る。
いくらカネを積まれようと、こいつを助けてやる義理はない。しかし、この依頼はロバートとの約束でやらざるを得ないもの。
これを完遂しなければコット村の担当選択制度は1ヵ月後に施行され、シャロンの異動という最終目標が絶たれてしまう。
「仕事内容を言え。決めるのはそれからだ……」
断るのは簡単だ。だが、考える時間が欲しかった。自分の感情を優先し、シャロンとの約束を反故にするのか……。それとも断腸の思いで引き受けるのか……。
「ふん。お前如きが私に意見するなぞ100年早いが、まぁいい。この屋敷の……」
グレッグがそれを説明しようとした瞬間だった。部屋に響き渡ったのは何かが激しく割れた音。ガラスでもお皿でもない重量物。
驚きのあまり振り返ると、チェストの上に置いてあった高価そうな壺が床で粉々に砕けていたのだ。
それに激しく舌打ちをするグレッグ。
「チッ……またか……」
その音を聞き、瞬時に部屋に入って来たのは1人の使用人。手には箒と塵取りが握られていた。まるで、それが起こることを予見していたかのような素早さだ。
「また税率を上げなければならないではないか……。九条、貴様が早く仕事を受けないからだぞ?」
仕事内容というのは、この不可解な現象の究明と解決であった。この現象は主に夜中に頻発するらしく、それは日に日に増えていっているそうだ。
その為、夜中でも部屋を明るくして寝ているそうで、常に護衛として3人の冒険者を置いているとのこと。
「そんなわけで夜も眠れんのだ……」
嘘を付け。まったくそうは見えない。むしろ護衛の冒険者達の方がやつれているように見える。
死霊術師を呼んだということは、これが霊障であるとわかっているのだ。ならば、その原因もわかるだろう。
「そうだな。何故こうなったかは心当たりはないのか?」
「知らんな。私が町長になったらこうなった。そんなことはどうでもいい。出来るのか? 出来ないのか?」
除霊ということなら恐らくは可能であるが……。
「時間をくれ。残念ながらすぐにどうにかできる数じゃない。それなりに準備が必要だ。それが揃わなければ引き受けることはできない」
「なんだ? 報酬額が不満なのか? これ以上は払わんぞ?」
「そうじゃない。儀式には適した時間と場所、そして道具が必要だ。それともお前は便所で神様にお祈りをするのか?」
それに露骨な嫌悪感を露にするグレッグ。
「チッ……口の減らん男だ……。いいだろう。2週間の猶予をやる。それまでになんとかしろ。……守秘義務を忘れるなよ?」
「お待たせしました九条様。盗賊達に関する資料はこちらになります」
差し出されたそれを受け取ると、連れてきた冒険者の紹介を始めた。
「こちらはドルトンさん。依頼の件で九条様をお迎えに参られたそうです」
「死霊術師限定の?」
「そうだ」
「随分と早いですね……」
「首を長くして待っていたのでね」
不愛想に差し出されたのはゴツイ右手。ゴールドのプレートを首に掛けたガタイの良い戦士だ。
その風貌から、恐らくはバイスと同じタンク役を得意とする冒険者だろう。
手甲の上からの握手であってもわかるくらいに硬い皮膚。傷だらけのフルプレートの鎧は、さぞ名の通った冒険者なのだろうという第一印象であったが、俺はその声に既視感を覚えた。
「外に馬車を用意してる。出来れば今すぐにでも同行してもらいたいのだが……」
いきなりではあったが、依頼主に会って仕事内容を聞いておければ、円滑に事を進めることができるだろうと、その申し出を受けることにした。あわよくば、その場で依頼を終わらせることができれば儲けもの。
アグネスに視線を移すと、こちらの言いたいことを察し、欲しかった答えがすぐに返ってきた。
「大丈夫です。そちらの資料は持ち出していただいて構いません」
「わかりました。では……」
「おっとそうだ。申し訳ないが、依頼主の下へ案内出来るのは依頼を受ける者のみだ」
「パーティメンバーでも?」
「もちろんだ。詳しいことは言えないが、死霊術師だけで解決できる問題だ。匿名募集なのを理解してくれ」
それが依頼人の望みであれば、従う他ないだろう。ギルドを出ると、目の前に止められた依頼主であろう物の馬車が止まっていた。
グレードで言えば丁度中間くらい。貴族が乗るには少々不満も出そうではあるが、平民から見れば十分すぎるほど立派な物。
「じゃぁ、俺達は先に宿に戻ってるよ」
「バイスさん。ミアをよろしくお願いします。宿に着いたら案内役に従魔をギルドに寄こしてください」
「いってらっしゃい。おにーちゃん」
アグネスから貰った資料をバイスに預け、ミアに手を振り返す。そしてお迎えの馬車に乗り込むと、大通りを中心街へと進んでいく。
街が静かな為か、余計に響くリズミカルな蹄の音色が眠気を誘う。
「何処へ行かれるんです?」
「……」
「今日は少し曇ってますけど、雨降らないといいですね? ……雨は嫌いですか?」
「……」
共に乗り込んだドルトンの返事はない。そもそも話すつもりもないのだろう。二言も声を掛けたのだ。俺にしては上出来な部類。
ドルトンは腕を組み、俺から目を離そうとはしなかった。監視でもしているのかと思うほどの威圧感は、居づらい事この上ない。
こういう雰囲気が嫌いなのだ。知らない人と一緒では精神的に疲れる。そうならない為にも、会話を通じて場を和まそうと努力しているのに、相手がそれに乗ってこなければ心労は溜まる一方だ。
仕方がないので今晩のおかずでも考えながら、到着まで車窓を眺めて過ごした。……もちろん食べる方である。
知らない土地での楽しみの1つは何と言っても地元の料理。……と言ってもそれほど期待はしていない。逆を言えば、それ以外に楽しみがないというだけだ。
時間にして30分ほど。馬車は大きな屋敷の門を潜ると、玄関前で止まった。
そこそこ豪華な2階建てのお屋敷。貴族ほどではないが、お金持ちなのだろう事が窺える。
玄関の前には2人の使用人。そのどちらもが首輪付きだ。
「いらっしゃいませ。九条様」
恭しく頭を下げる使用人に、軽く頭を下げる。立派な扉が開け放たれ、屋敷の敷居を一歩跨いだ瞬間だった。
「うっ……!?」
強烈な寒気と共に吐き気がするほどの眩暈に襲われ、ふらつきながらもなんとか持ちこたえる。
それが自分の体調管理不足ではないことと、スキルや魔法攻撃の類ではないことはすぐにわかった。
「大丈夫か?」
「ええ、ありがとうございます。絨毯に足を引っ掻けてしまって……」
ドルトンと使用人達は、何も感じていない様子。幸か不幸か鈍感なのも考えものだ。
恐らくはこの原因は家主だろう。そしてその依頼内容を察するのは容易であった。
一体何人殺したのやら……。
一見すると掃除の行き届いた綺麗な屋敷。壁は染み1つなく真っ白で、埃の溜まりそうなシャンデリアも塵1つなく輝いている。しかし、それは目に見える範囲だけで雰囲気は最悪。
まるで墓場の上に屋敷を建てたかのようなおぞましさを感じているのは、俺だけなのだろう。
何もせずとも囁かれる遺恨、怨念、憤怒といった邪念の強さは、いつアンデッドと化してもおかしくはない。
それに耳を傾けず、案内された先は2階。執務室と書かれた部屋だ。
「失礼します」
ドルトンが扉を開け、入った先にいたのは2人の冒険者と、1人の小太りな男。俺はそいつらに見覚えがあった。
2人の冒険者は、ネストが誘拐された時に護衛として雇われていた者達。クレイモアを背負った男に魔術師風の女。
そして思い出した。ドルトンもそのうちの1人だったのだ。
声しか思い出せなかったのは、当時ドルトンがフルフェイスの兜を被っていたからだ。
そして、デスク越しに偉そうに座っている男……。
「よく来たな、九条」
「……ブラバ卿……」
ネストを誘拐し、国宝の魔法書を焼失させ、挙句貴族の地位を剥奪されたどうしようもないクズだ。
まさか、こんなところで顔を合わせることになるとは……。
「おやおや。お前はまだその名で私を呼んでくれるのか? だが、残念なことに今は一介の町長。グレッグと呼んでくれ」
その態度は反省しているようには見えない。自然と強張る表情。警戒を強め、睨み返す。
「そんな怖い顔をするな。お前は仕事に来たんだろう? 今はアンカースの護衛でもないはずだ。違うか?」
「何故、お前がここにいるんだ……」
「質問に質問で返すな! お前には関係ないだろ! 依頼を受ける気があるのかと聞いているんだ!」
肩で息をしながらも睨み返してくるグレッグの気の短さは、相変わらずである。
自分の思い通りにならなければ怒鳴ればいいと思っているのは、我が儘な子供を相手にしているのと変わらない。
これで町長とは……。住民達には同情する。
そもそもこんな奴の依頼だとは思わなかった。依頼主を知っていたら間違いなく断っていたはず。
俺の持つグレッグの印象は最悪だ。それを見越して匿名で死霊術師指定の依頼を出したなら相当なやり手。
そう考えれば試験があるというのも頷ける。俺以外の死霊術師はそこで弾いてしまえばいいのだから。
可能性としてはプラチナを指定するより安上がりな方を選んだとも取れるが、どちらにしろ奴の掌で踊らされていたと思うと反吐が出る。
いくらカネを積まれようと、こいつを助けてやる義理はない。しかし、この依頼はロバートとの約束でやらざるを得ないもの。
これを完遂しなければコット村の担当選択制度は1ヵ月後に施行され、シャロンの異動という最終目標が絶たれてしまう。
「仕事内容を言え。決めるのはそれからだ……」
断るのは簡単だ。だが、考える時間が欲しかった。自分の感情を優先し、シャロンとの約束を反故にするのか……。それとも断腸の思いで引き受けるのか……。
「ふん。お前如きが私に意見するなぞ100年早いが、まぁいい。この屋敷の……」
グレッグがそれを説明しようとした瞬間だった。部屋に響き渡ったのは何かが激しく割れた音。ガラスでもお皿でもない重量物。
驚きのあまり振り返ると、チェストの上に置いてあった高価そうな壺が床で粉々に砕けていたのだ。
それに激しく舌打ちをするグレッグ。
「チッ……またか……」
その音を聞き、瞬時に部屋に入って来たのは1人の使用人。手には箒と塵取りが握られていた。まるで、それが起こることを予見していたかのような素早さだ。
「また税率を上げなければならないではないか……。九条、貴様が早く仕事を受けないからだぞ?」
仕事内容というのは、この不可解な現象の究明と解決であった。この現象は主に夜中に頻発するらしく、それは日に日に増えていっているそうだ。
その為、夜中でも部屋を明るくして寝ているそうで、常に護衛として3人の冒険者を置いているとのこと。
「そんなわけで夜も眠れんのだ……」
嘘を付け。まったくそうは見えない。むしろ護衛の冒険者達の方がやつれているように見える。
死霊術師を呼んだということは、これが霊障であるとわかっているのだ。ならば、その原因もわかるだろう。
「そうだな。何故こうなったかは心当たりはないのか?」
「知らんな。私が町長になったらこうなった。そんなことはどうでもいい。出来るのか? 出来ないのか?」
除霊ということなら恐らくは可能であるが……。
「時間をくれ。残念ながらすぐにどうにかできる数じゃない。それなりに準備が必要だ。それが揃わなければ引き受けることはできない」
「なんだ? 報酬額が不満なのか? これ以上は払わんぞ?」
「そうじゃない。儀式には適した時間と場所、そして道具が必要だ。それともお前は便所で神様にお祈りをするのか?」
それに露骨な嫌悪感を露にするグレッグ。
「チッ……口の減らん男だ……。いいだろう。2週間の猶予をやる。それまでになんとかしろ。……守秘義務を忘れるなよ?」
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