65 / 616
第65話 キャラバン
しおりを挟む
数時間前――――
「2班は東へ回れ! 3班は西、俺達は正面から追い込みをかける。4班はサポートだ! 2班をカバーしろ!」
日の光も遮られ日中でも薄暗い森の中、キャラバンのリーダーを任されたタイラーが、各冒険者に指示を出す。
追っているのは野ウサギを咥えた3匹のウルフ。
恐らく食事中だったのだろうが、キャラバンに見つかってしまったのが運の尽きだ。
「2班! おせぇ! 抜けられちまうぞ!」
獲物に気付かれれば後は速さの勝負。
森の中を走りながら包囲網を突破されないよう、ウルフ達に聞こえているのも気にせず怒号を響かせる。
「よし、いいぞ……。あとは追い込むだけだ!」
さすが全員が狩猟適性持ちの冒険者だ。狩りにおいては絶大なコンビネーションを発揮していた。
半円状に広がる完璧な包囲網にも見えるのだが、3班と1班の間にはわずかな隙があった。
しかし、それは冒険者達の連携が甘い訳ではない。
追い込まれた獲物はその隙を突いて脱出を試みる。罠が設置されているとも知らずに……。
これは毛皮を傷付けずに捕らえる為の狩猟法。
ここまでくれば、狩りはほぼ成功したと言っても過言ではなかった。
(……そろそろ罠の方に逃げ出してもいいはずだが……遅いな……)
包囲している先は切り立った岩山の絶壁。ウルフ達が登れるような逃げ道はないはず。
徐々に包囲網を狭めていくと、そこに姿を現したのは崩れかけの洞窟。
その中から延びる錆び付いた2本のレールは、捨てられた炭鉱だということを暗に示していた。
「炭鉱跡か……」
「タイラー、どうする? ここがねぐらみたいだぞ?」
タイラーの下に各班のリーダー達が集まる。
班のリーダーはシルバープレート冒険者。
3名の冒険者で構成された班が5つ。罠担当の6班だけが5人の計20名のキャラバンだ。
「トラッキングは?」
「間違いない。相当深いが、かなりの数の反応がある。50匹以上いるぞ」
トラッキングスキルは狩猟適性持ちが取得出来る索敵スキルだ。
自分を中心とするレーダーのような物で、その範囲、精度、種類は各々の能力により変動する。
基本的には敵対する者や動物などが主なターゲットになるが、熟練度が高ければより多くのものが感知可能になり、その強さもある程度見分ける事が出来る。
「おい、ここはギルドの管轄か? 誰か知ってる奴いるか?」
「タイラー……」
「お? シャーリー、何か知ってるのか?」
シャーリーと呼ばれた女性の冒険者は3班のリーダーを任されていた。
髪はショートで腰には1本の短剣。軽装で短弓を得意とするシルバープレートの冒険者。レンジャーとしての腕は一流だ。
ベルモントではゴールドに1番近いシルバーとも言われている。
「ここはヤバイ……。引き返そう」
シャーリーはこの場所を知っていた。過去にギルドの調査で訪れたことがあったからだ。
先にあるダンジョンで破壊神グレゴールとの死闘を繰り広げ、そして敗走した炭鉱跡地……。
(いや……、敗走なんて生易しいもんじゃない。ネストは奇跡的に助かったようだが、あの場にいた誰もが何時死んでもおかしくない状況だった……)
あの時の悪夢を思い出すだけで、震えが止まらない。
今のメンバーはブロンズとシルバーの混成だ。勝つどころか逃げることさえ難しい。
「おいおい。ビビり過ぎだろシャーリー……。何があるってんだ?」
「皆さん? こんな所に集まってどうしたんですか?」
後から追いついてきた罠担当の6班と、キャラバン主である商人のモーガンが木の影から顔を出す。
「モーガンさん……。実はここがウルフ共の住処みたいなんですが……」
「モーガンさん、ここにはヤバイ魔族がいるんだ。ここのウルフは諦めて引き返しましょう」
人の話を遮り割って入ろうとするシャーリーに気を悪くしたタイラーは声を荒げる。
「おいシャーリー。まだ確定じゃないだろ? 中にはウルフが50匹以上いるんだ。出口の無い炭鉱なんて一網打尽にできる絶好の機会じゃないか。お前のトラッキングは魔族も感知出来るんだろ? 今はいるのか?」
「いや……見えないけど……」
シャーリーのトラッキングスキルは精度がずば抜けて高い。
それは魔族をも見分けられるほどだ。しかし、それは性能に特化しているからであり、その分索敵範囲を犠牲にしているのである。
現に今、シャーリーのスキルでは炭鉱の奥にいるであろうウルフすら感知していなかった。
手を叩くモーガンに視線が集まる。
「はいはい。喧嘩は止めて下さいね。ウチのキャラバンはアットホームが売りなんですから」
冒険者同士の口論なぞ日常茶飯事。幾度となくキャラバンを指揮してきたモーガンにとっては些事である。
「で、この炭鉱の所有者はギルドですか?」
「いや、違う」
声を上げたのは6班のリーダー。
「確か、今は近くの村に住むプラチナプレート持ちが所有者だったはずだ。ちょっと前にギルドでダンジョンマップを見ていたら、ギルド所有じゃないダンジョンが登録されているのを見て、不思議に思ったから覚えている」
「なるほど。ここから1番近い村と言うと……」
「コット村です」
「ありがとうございますシャーリー。……ではここでチームを3つに分けましょう。私とリーダーであるタイラーは村で交渉。6班は街道に止めてある馬車の見張りを。それ以外はここで待機ということで」
「「了解!」」
「勿論ウルフが出て来るようでしたら討伐をお願いしますね? ……それと、炭鉱の所有者の名前はわかりませんか?」
「すいません。プラチナプレートということしか……」
「そうですか、わかりました。では待機組は2班のアレンさんにお願いしても?」
「任せてください」
「よろしくお願いします。……では、行きましょうか」
モーガンはタイラーと6班を連れて、街道へと戻って行った。
リーダーを任されたアレンもシルバープレートだ。20代前半の男性で髪は長髪。といっても肩に掛かるかどうかといったところ。
同じレンジャーとしてシャーリーをライバル視していて、一応それだけの実力はあるのだが、シャーリーからの認識としては、結婚記念日に妻からプレゼントされた銀の弓を自慢してくるうざい奴……程度でしかなかった。
待機を始めて30分ほど経っただろうか。冒険者達は警戒しつつも周囲の見張りを続け、特に変わったことも起きずに時間だけが過ぎて行った。
さすがに暇すぎた。各々が集中を切らし私語を始める中、シャーリーだけは張り詰めた糸のように警戒を続けていたのだ。
「なぁシャーリー。お前はこの中に入った事あんだろ? どーなってるか教えてくれよ」
アレンは愛用の銀の弓を磨きながら、シャーリーの隣に腰を下ろす。
「炭鉱は落盤が激しくて天然の迷路みたいになってる。そこを抜けるとダンジョンと繋がってるんだ。ダンジョンは確認した限り地下8層だけど、それ以上先があるのかは知らない」
「魔族がいるかもしれないって言ってたけど、その時は調査依頼だったんだろ? でも今はプラチナプレートが管理してるってことは、魔族はそいつに倒されたんじゃねーのか?」
「どうだろう……。ここからじゃ見えないからなんとも……」
可能性としてはゼロではない。ギルドが何らかの対処をしていることも十分考えられる。
通常であれば入場禁止ダンジョンとして封鎖されるのだが、そうはなっておらず、ギルドのダンジョンマップに掲載されているのだ。
それは許可さえあれば入場しても良いということに他ならない。
「ちょっと暇だし、中入ってみようぜ?」
「待って! 確かに魔族はいないかもしれないけど許可は必要でしょ? あんたプラチナの冒険者を敵に回したいの?」
「大丈夫だって。どうせモーガンさんのことだからカネでも積んで許可をもらって来るに決まってる。そもそも許可を取りに行ったんだから入る気はあるってことだ。それよりさっさとウルフを狩って仕事を終わらせた方が有意義だろ? なぁみんな!?」
「「おぉ!」」
アレンの呼びかけに呼応する冒険者達。
モーガンが帰ってくる前にウルフを捕獲出来ていれば、出来高払いが上乗せされるかもしれないという期待が彼等を後押ししていた。
「許可がとれればそれでよし。取れなかったら洞窟から出て来たところを狩ったことにすればいい」
しかし、シャーリーの表情は曇ったまま。
「大丈夫だって。最下層までは行かないようにするから。魔族が最下層にいるならウルフ達はその手前にいるはずだ。そうだろ?」
アレンの言うことは的を得ていた。だからこそシャーリーの気持ちも揺らぐ。
ここでウルフを狩れれば残りの日程は全てフリーになる。確かにそれは魅力的だ。
「俺もさっさと仕事を終わらせて家族サービスでもしてやらんと、またカミさんにどやされちまうよ」
アレンの冗談にどっと沸く冒険者達。緊張の糸が解け、一気に場が和んだ。
その空気感はまるでシャーリーだけが蚊帳の外。その決意が緩んでしまうのも無理はない。
「トラッキングには何が見える?」
「俺のにはウルフ達だけだな。それ以外の魔物の類は見えない」
「……わかった。最下層には降りない条件でよければ……」
「よし決まったぁ! 行くぞみんな!」
「「おお!!」」
放っておいても突入するという雰囲気だった。
炭鉱は巨大な迷路だ。何の準備もなしに足を踏み入れれば、迷子になるのは明白。
それなら道を知っているシャーリーが案内した方が安全である。
(危険だと思ったらすぐに引き返せばいい……)
アレン達は威勢よく雄たけびを上げると、シャーリーを先頭に炭鉱の中へと入って行った。
「2班は東へ回れ! 3班は西、俺達は正面から追い込みをかける。4班はサポートだ! 2班をカバーしろ!」
日の光も遮られ日中でも薄暗い森の中、キャラバンのリーダーを任されたタイラーが、各冒険者に指示を出す。
追っているのは野ウサギを咥えた3匹のウルフ。
恐らく食事中だったのだろうが、キャラバンに見つかってしまったのが運の尽きだ。
「2班! おせぇ! 抜けられちまうぞ!」
獲物に気付かれれば後は速さの勝負。
森の中を走りながら包囲網を突破されないよう、ウルフ達に聞こえているのも気にせず怒号を響かせる。
「よし、いいぞ……。あとは追い込むだけだ!」
さすが全員が狩猟適性持ちの冒険者だ。狩りにおいては絶大なコンビネーションを発揮していた。
半円状に広がる完璧な包囲網にも見えるのだが、3班と1班の間にはわずかな隙があった。
しかし、それは冒険者達の連携が甘い訳ではない。
追い込まれた獲物はその隙を突いて脱出を試みる。罠が設置されているとも知らずに……。
これは毛皮を傷付けずに捕らえる為の狩猟法。
ここまでくれば、狩りはほぼ成功したと言っても過言ではなかった。
(……そろそろ罠の方に逃げ出してもいいはずだが……遅いな……)
包囲している先は切り立った岩山の絶壁。ウルフ達が登れるような逃げ道はないはず。
徐々に包囲網を狭めていくと、そこに姿を現したのは崩れかけの洞窟。
その中から延びる錆び付いた2本のレールは、捨てられた炭鉱だということを暗に示していた。
「炭鉱跡か……」
「タイラー、どうする? ここがねぐらみたいだぞ?」
タイラーの下に各班のリーダー達が集まる。
班のリーダーはシルバープレート冒険者。
3名の冒険者で構成された班が5つ。罠担当の6班だけが5人の計20名のキャラバンだ。
「トラッキングは?」
「間違いない。相当深いが、かなりの数の反応がある。50匹以上いるぞ」
トラッキングスキルは狩猟適性持ちが取得出来る索敵スキルだ。
自分を中心とするレーダーのような物で、その範囲、精度、種類は各々の能力により変動する。
基本的には敵対する者や動物などが主なターゲットになるが、熟練度が高ければより多くのものが感知可能になり、その強さもある程度見分ける事が出来る。
「おい、ここはギルドの管轄か? 誰か知ってる奴いるか?」
「タイラー……」
「お? シャーリー、何か知ってるのか?」
シャーリーと呼ばれた女性の冒険者は3班のリーダーを任されていた。
髪はショートで腰には1本の短剣。軽装で短弓を得意とするシルバープレートの冒険者。レンジャーとしての腕は一流だ。
ベルモントではゴールドに1番近いシルバーとも言われている。
「ここはヤバイ……。引き返そう」
シャーリーはこの場所を知っていた。過去にギルドの調査で訪れたことがあったからだ。
先にあるダンジョンで破壊神グレゴールとの死闘を繰り広げ、そして敗走した炭鉱跡地……。
(いや……、敗走なんて生易しいもんじゃない。ネストは奇跡的に助かったようだが、あの場にいた誰もが何時死んでもおかしくない状況だった……)
あの時の悪夢を思い出すだけで、震えが止まらない。
今のメンバーはブロンズとシルバーの混成だ。勝つどころか逃げることさえ難しい。
「おいおい。ビビり過ぎだろシャーリー……。何があるってんだ?」
「皆さん? こんな所に集まってどうしたんですか?」
後から追いついてきた罠担当の6班と、キャラバン主である商人のモーガンが木の影から顔を出す。
「モーガンさん……。実はここがウルフ共の住処みたいなんですが……」
「モーガンさん、ここにはヤバイ魔族がいるんだ。ここのウルフは諦めて引き返しましょう」
人の話を遮り割って入ろうとするシャーリーに気を悪くしたタイラーは声を荒げる。
「おいシャーリー。まだ確定じゃないだろ? 中にはウルフが50匹以上いるんだ。出口の無い炭鉱なんて一網打尽にできる絶好の機会じゃないか。お前のトラッキングは魔族も感知出来るんだろ? 今はいるのか?」
「いや……見えないけど……」
シャーリーのトラッキングスキルは精度がずば抜けて高い。
それは魔族をも見分けられるほどだ。しかし、それは性能に特化しているからであり、その分索敵範囲を犠牲にしているのである。
現に今、シャーリーのスキルでは炭鉱の奥にいるであろうウルフすら感知していなかった。
手を叩くモーガンに視線が集まる。
「はいはい。喧嘩は止めて下さいね。ウチのキャラバンはアットホームが売りなんですから」
冒険者同士の口論なぞ日常茶飯事。幾度となくキャラバンを指揮してきたモーガンにとっては些事である。
「で、この炭鉱の所有者はギルドですか?」
「いや、違う」
声を上げたのは6班のリーダー。
「確か、今は近くの村に住むプラチナプレート持ちが所有者だったはずだ。ちょっと前にギルドでダンジョンマップを見ていたら、ギルド所有じゃないダンジョンが登録されているのを見て、不思議に思ったから覚えている」
「なるほど。ここから1番近い村と言うと……」
「コット村です」
「ありがとうございますシャーリー。……ではここでチームを3つに分けましょう。私とリーダーであるタイラーは村で交渉。6班は街道に止めてある馬車の見張りを。それ以外はここで待機ということで」
「「了解!」」
「勿論ウルフが出て来るようでしたら討伐をお願いしますね? ……それと、炭鉱の所有者の名前はわかりませんか?」
「すいません。プラチナプレートということしか……」
「そうですか、わかりました。では待機組は2班のアレンさんにお願いしても?」
「任せてください」
「よろしくお願いします。……では、行きましょうか」
モーガンはタイラーと6班を連れて、街道へと戻って行った。
リーダーを任されたアレンもシルバープレートだ。20代前半の男性で髪は長髪。といっても肩に掛かるかどうかといったところ。
同じレンジャーとしてシャーリーをライバル視していて、一応それだけの実力はあるのだが、シャーリーからの認識としては、結婚記念日に妻からプレゼントされた銀の弓を自慢してくるうざい奴……程度でしかなかった。
待機を始めて30分ほど経っただろうか。冒険者達は警戒しつつも周囲の見張りを続け、特に変わったことも起きずに時間だけが過ぎて行った。
さすがに暇すぎた。各々が集中を切らし私語を始める中、シャーリーだけは張り詰めた糸のように警戒を続けていたのだ。
「なぁシャーリー。お前はこの中に入った事あんだろ? どーなってるか教えてくれよ」
アレンは愛用の銀の弓を磨きながら、シャーリーの隣に腰を下ろす。
「炭鉱は落盤が激しくて天然の迷路みたいになってる。そこを抜けるとダンジョンと繋がってるんだ。ダンジョンは確認した限り地下8層だけど、それ以上先があるのかは知らない」
「魔族がいるかもしれないって言ってたけど、その時は調査依頼だったんだろ? でも今はプラチナプレートが管理してるってことは、魔族はそいつに倒されたんじゃねーのか?」
「どうだろう……。ここからじゃ見えないからなんとも……」
可能性としてはゼロではない。ギルドが何らかの対処をしていることも十分考えられる。
通常であれば入場禁止ダンジョンとして封鎖されるのだが、そうはなっておらず、ギルドのダンジョンマップに掲載されているのだ。
それは許可さえあれば入場しても良いということに他ならない。
「ちょっと暇だし、中入ってみようぜ?」
「待って! 確かに魔族はいないかもしれないけど許可は必要でしょ? あんたプラチナの冒険者を敵に回したいの?」
「大丈夫だって。どうせモーガンさんのことだからカネでも積んで許可をもらって来るに決まってる。そもそも許可を取りに行ったんだから入る気はあるってことだ。それよりさっさとウルフを狩って仕事を終わらせた方が有意義だろ? なぁみんな!?」
「「おぉ!」」
アレンの呼びかけに呼応する冒険者達。
モーガンが帰ってくる前にウルフを捕獲出来ていれば、出来高払いが上乗せされるかもしれないという期待が彼等を後押ししていた。
「許可がとれればそれでよし。取れなかったら洞窟から出て来たところを狩ったことにすればいい」
しかし、シャーリーの表情は曇ったまま。
「大丈夫だって。最下層までは行かないようにするから。魔族が最下層にいるならウルフ達はその手前にいるはずだ。そうだろ?」
アレンの言うことは的を得ていた。だからこそシャーリーの気持ちも揺らぐ。
ここでウルフを狩れれば残りの日程は全てフリーになる。確かにそれは魅力的だ。
「俺もさっさと仕事を終わらせて家族サービスでもしてやらんと、またカミさんにどやされちまうよ」
アレンの冗談にどっと沸く冒険者達。緊張の糸が解け、一気に場が和んだ。
その空気感はまるでシャーリーだけが蚊帳の外。その決意が緩んでしまうのも無理はない。
「トラッキングには何が見える?」
「俺のにはウルフ達だけだな。それ以外の魔物の類は見えない」
「……わかった。最下層には降りない条件でよければ……」
「よし決まったぁ! 行くぞみんな!」
「「おお!!」」
放っておいても突入するという雰囲気だった。
炭鉱は巨大な迷路だ。何の準備もなしに足を踏み入れれば、迷子になるのは明白。
それなら道を知っているシャーリーが案内した方が安全である。
(危険だと思ったらすぐに引き返せばいい……)
アレン達は威勢よく雄たけびを上げると、シャーリーを先頭に炭鉱の中へと入って行った。
11
お気に入りに追加
369
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
パーティ追放が進化の条件?! チートジョブ『道化師』からの成り上がり。
荒井竜馬
ファンタジー
『第16回ファンタジー小説大賞』奨励賞受賞作品
あらすじ
勢いが凄いと話題のS級パーティ『黒龍の牙』。そのパーティに所属していた『道化師見習い』のアイクは突然パーティを追放されてしまう。
しかし、『道化師見習い』の進化条件がパーティから独立をすることだったアイクは、『道化師見習い』から『道化師』に進化する。
道化師としてのジョブを手に入れたアイクは、高いステータスと新たなスキルも手に入れた。
そして、見習いから独立したアイクの元には助手という女の子が現れたり、使い魔と契約をしたりして多くのクエストをこなしていくことに。
追放されて良かった。思わずそう思ってしまうような世界がアイクを待っていた。
成り上がりとざまぁ、後は異世界で少しゆっくりと。そんなファンタジー小説。
ヒロインは6話から登場します。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる