上 下
32 / 33
番外編

乙女ゲーム“この恋をアナタと”の真実②(マリア視点)

しおりを挟む
 
 
 ……さんたく……
 三択……

 あたし……

 地球に還りたい……お味噌汁、飲みたいなぁ。

『ぷぷっ。君もそっち系か!
 でも、日本人として生まれ変われる保証はないよ? それでも?』

 うん、それでも。
 地球あっちも生き辛いけど……。
 やっぱりあたしは地球あっちがいいな。

『地球か……何もかも、みな懐かしい……って奴?』

 何それ?

『あー、……うん、なんでもない。ゴメン、僕が悪かった。
 じゃ、最後にこの映像を観てくれる? 僕からのお詫びとお礼ね!』

 少年がそう言った途端、眼前に大きく3Dで映像が映った。
 ジョンだ!
 ジョン! 懐かしい! 大好き!
 ……ん? でもちょっと違う……年取ってるんだ……カッコイイ……。

『恩赦で釈放されたジョンの、その後だよ。
 録画してあった奴ね。丁度30歳くらいかな~。
 こんなシブい大人になるなんて意外でしょ?』

 うん、カッコイイ……。
 でも……笑わないんだね……。
 ん? んん? なにコレ。あの女、誰よ!
 え? 告白されてる?

『君は……どれだけの期間、無視されても耐えられる?』
『え?』
『俺に話しかけても、何をしても、ずっと無視し続けられたら、やっぱり嫌だろう?』
『そ れは、やっぱり、はい……無視されるのは、嫌、です……』
『俺は10年無視できる酷い男だ。もはや人でなしだ。
告白、ありがとう。でも俺に返せるものは何も無い』

 告白、断ったんだ……ホッとした……。
 カッコイイ、けど……。
 あんな、冷たい目……。
 なんで? まるで人形みたい……。
 心が、無いみたい……。
 昔はもっと笑ってたよ? もっと、楽しそうだったよ?

『うーん……そうだね。生きる屍って感じだよね。表情も暗いし……。
 ちょっと早送りするよ?』

 あちこちで働くジョン……。
 嘘でしょ?! ドブさらいみたいな事してる!
 王子なのに!
 えぇ? なんで? 警備員? マタギ?
 何? なんなの?

『なんでも屋さん、やってたよ。
 依頼があれば、なんでもやってた』

 あれは消防士? こんどはメッセンジャー? 次はゴミ収集? すっごい日焼けしてる!
 なんでも屋にしてもなんでもし過ぎ! 幅があり過ぎじゃないの?!

『うん……頑張ったよ、彼』

 王子さまだったのに……こんな……。
 どうしよう。あたしのせいなのかな。あたしがちゃんとをできなかったから、ジョンがこんな目に合ってるの?

『君が完璧なだったら?
 うーん、シミュレートしてみるねぇ……この場合……。
 あぁ、ジョンとマリアは恋仲になるね……でも階段落ちは、ない。グレースが干渉してこないから、ジョンも婚約破棄までは決心しない
 ……
 グレースとジョンは結婚……。
 マリアを愛妾として離宮に囲う……。
 アーサー王逝去、王太子はグレースに委譲して隠居……。
 あぁ、ジョンは政治に一切関わらない……。
 グレースとは白い結婚だ……ジョンに刺客が? あぁ、帝国からね……。
 おぉ! グレースは離婚してジョンを一貴族に降下させるのか、思い切るなぁ……。
 宰相、相変わらずイエスマンだ……。
 おぉ! 次の王配は辺境伯の息子か! なるほど、自衛できる伴侶でないと危ないってことか。
 へぇー。こんなパターンもあったんだね……。
 あ。でも黄金の目の子が生まれない……。
 え! 嘘……うわー……。
 あー……うそぉ……』

 ちょっと、何? どうなるの? 頭抱えてないで教えてよ、あたしにも説明して!

『あー。内乱になる。
 グレースと新しい王配との間に生まれた子は3人。でも誰も黄金の瞳を持って生まれなかった。ロックハート王家の不文律がグレースを悩ませて……心労で心筋梗塞だ。30前でグレースが死ぬ。
 グレースの遺児を推す宰相・辺境伯と、ジョンを推す貴族派との間に確執が生まれ、国を二分する内乱に発展。
 うわぁ……帝国とハーフリードがそれぞれ後押しして……世界戦争に発展する……うわぁ……ロックハートを戦場にするなよぉ……あぁぁ……』

 あの、もぉ、いいよ。もう止めて!
 なんで、あんたが落ち込むのよ……大丈夫?

『あー、うん、大丈夫。
 ちょーーーっとショック受けただけだから。
 えーと、ご質問の“マリアがゲームマリアだったら”は、ジョンは一貴族になった後、内乱に発展します、でいいかな?』

 うん。なんか、無理言ったみたいでゴメンね?
 その後も想像ついたし……。
 ジョンもあたしも戦場になったロックハート城で死ぬことになるって理解でいいのかな……。
 憔悴してるわね、少年……。

『ハハ……こっち、動かすね~』

 止まっていたジョンの映像が動き出した。
 ん? 誰? この赤毛のオッサン。随分、ジョンに馴れ馴れしいね。肩に腕回して……。
 こんな親しげにする人なんて、今まで居なかったのに……。

『ジョンは、幾つになった?』
『36、です』

 ジョンも、なんだか嬉しそう……。
 ちょっとだけ笑ってる? 困った顔だけど、なんだか嬉しそう……。
 柔らかい、笑顔……。

『嫁を貰う気は無いの?』
『……ありません』

 あ……こんどはなんか、悲しそう。
 この話題は触れて欲しくないのね。

『なんでよ。好きな女はいないのか? それとも、忘れられない人でもいる?』

 ドキっ!
 誰か、好きな人が出来た?

『……昔、将来を誓った娘が、居ましたが……俺は彼女に騙されていました……それでも、彼女より愛せる女は居ないと、思うので……』

 ジョン……!!
 それってあたしの事?
 あたしの事だよね?!
 騙すつもりなんか、無かったの! 本当よ?
 本当にジョンの事、好きだっただけなの……。

 ごめんなさい
 本当にごめんなさい
 騙すつもりなんか無かった
 ただ、貴方を幸せにしたかっただけ
 でも、出来なかった

 無力で、ごめんなさい
 困らせるだけで、ごめんなさい
 苦労させて、ごめんなさい

 こんな事になるなんて、思ってもいなかった


 ───マリア。
 騙されていたかもしれない。
 でもやっぱりお前を愛したあの時間は、本当だったと思うから……。

 ジョンっっ!!
 ジョンの心の声が響く……。
 あたしも! あたしも、ジョンの事、本当に本当に好きだった! 今でも、好きなの!!
 愛しているの!

 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……。
 本当に、本当に、……ごめん、なさい……。

 涙が溢れて止まらない
 映像はいつの間にか無くなって、目の前にはちょった困った顔で笑う少年天使。

『お疲れ様でした、
 やっぱり君を召喚んで良かったよ。
 地球あっちの管理者にもお礼言っとくから。
 今度生まれ変わったら、ちゃーんと生命いのちを真面目に謳歌するんだよ?
 ズルしちゃダメだよ?』

 うぅぅぅあんたこそ!
 あんたが全部の元凶なんだからね!
 反省して、地道にやり直すのよ!

 ……最後にジョンを見せてくれて、ありがと、ね。

 なにか、柔らかくて温かいモノに包まれる。
 あたしの手足が透けて、意識が溶けていく。
 涙の向こう側に、白い、天使……。



◌⑅◌⑅◌⑅◌⑅◌⑅◌⑅◌


 あの子の魂を那由多地球へ送り返す。

 ありがとう、なんて言って貰えるとは思わなかったな。
 あの魂は、たぶん、人の子としての転生はないだろうに。
 それでも還りたかったか。
 それも「お味噌汁」とやらを飲みたくて、か。

 あれだけ大好き、愛してるってジョンのこと思っていたのに、ここに留まる気はないんだね。
 こっちで転生をすれば、もしかしたら、いつかどこかでジョンの魂と邂逅できたかもしれないのにね。
 ま、人の子としての転生を確約、なんてできないけどさ。



 それにしても!
 やっぱり地球の魂はタフで融通が効く。あれだけの雑な説明で納得してくれるんだもん、順応性高いよね~。
 だからこそ、あちこちの星で地球人は転生して欲しい魂ナンバーワンだ!
 特に日本人!
 食に対する執着が半端ない、食いしん坊民族。
 前世の記憶が無くても凄いけど、有ればなおさらパワーアップして食文化の発展に寄与する貴重な存在だ。
 想像力も豊かで魔法主体の国だとチートだもんねぇ……。

 やっと僕のロックハートもフォーサイスと名前を変えて、借り物じゃない、独自路線の国として舵をとった。
 他国に影響を与え続けて、なんとナーガラージヤは立憲君主制になった。
 ハーフリードの王制も変わるかな? 共和制になるかな?
 民主化の方が先かな?
 どっちにしてもハーフリードは戦争が始まりそうだ。
 帝国も衰退の兆しがある。
 でも、フォーサイスは活力があるから大丈夫そう……うん、軍事力に力を入れ始めてる……。
 どうなるかは分からないけど、黄金の瞳の英雄に頼る時代は過ぎた。
 強かに生き残りそうだ。




 あぁ。
 もうすぐここにグレースが来そう……。

 、凄いよね。
 ゲームのグレースは、高飛車な女王さまだけど、寂しがり屋でジョンの幼馴染で、彼に依存してた。ある意味、共依存だったと思う。
 ジョンに着いて回って、彼を自分の支配下に置こうとしていた。幼い頃はそれで寂しさを補っていたジョンだけど、学園入学後の彼はマリアに傾倒していく。彼にとってのグレースは恋愛の相手ではなく、保護者枠だったから。母親相手に恋をする変態じゃなかった。
 グレースはジョンに付き纏ったから、その分レオンからは執着されなかった。
 諸国漫遊して才能を見せ付けたりしなかったから、周辺諸国との対応はアーサー王がやっていた。当然、グリフォン帝国と友好関係にはなっていない。寧ろ一触即発だ。
 自分に冷たくなっていくジョンに焦れて、マリアを虐めるグレース。彼女を階段から落として殺そうとする所を目撃されて断罪される。流石の宰相も殺人未遂迄はフォロー出来なかった。

 ……っていうのがゲームの流れだけど。視野狭窄になっていたのかな。なんで自分の手でマリアを殺そうとしたんだ?
 自分の侍従レックスにマリアを暗殺させればそれで済んだのに。
……この辺の矛盾がゲームの限界なのかね? 階段落ちと断罪ショー有りきでお話ゲームを作るからねぇ。

 それに比べて、僕のグレースときたら!
 周辺諸国の上層部のオジサンたち相手に一歩も退かず媚びず、逆に微笑み一つで手玉に取って次々と彩やかに問題解決して!
 惚れ惚れしたなぁ~。
 ただ、同年代の貴族たちの知名度は低かった。当然だ、学園で出会わないんだもの。
 彼らの親世代からの知名度は抜群だったんだけどね! あと国外貴族、有識者は彼女のファンが多かったなぁ。
 そんなグレースが絶望する程、あの断罪ショーは酷かったね。信頼していたレックスに裏切られたのが響いたんだろうけど、疲れが溜まってたせいもあったのかも。でもあれがあったからこそ、彼女は逃亡を選び、無血革命なんて前代未聞の乱が成立した。彼女を守る為に立ち上がった男たちが居たから。

 やっぱり人って凄い。
 人と人とが思いあって繋がりあって、物凄いパワーを生み出す。此方の想像を遥かに超えた所まで!

 特にあの赤毛の男……ただのモブキャラだったのに。ゲームではグレースを犯して彼女を孕ませる、その為だけの脇役モブだった。彼女が地下牢に入れられなかったルートでは、なんの見せ場も無くナレすら無く速やかに処刑されてたはずの彼は、僕のグレースに会って変わった。
 外見だけじゃなく、彼女の全てに惚れ抜いた彼は子作りでなく、国造りを成し遂げた。歴史に名を遺した。

 ホント、凄いの一言に尽きるよ。

 女神様も凄い。
 当初の僕の案通りにマリアだけを外部入力しても、こんな結果にはならなかった。
 グレースだけでも、ダメだ。
 2人が居たから、この結果になった。
 女神様は、ここまで読んでいたのか……。

 シミュレートしなきゃ分かんない僕は、まだまだなんだなぁ……。



 グレースも天寿を全うするとはいえ、元は地球の子。僕の管轄外だ。
 輪廻出来ずに、いずれ、ここに来る。
 ここにグレースが来たら。

 さて、何を話そうかな。
 彼女は還りたがるかな。
 それとも、ここに残ってくれるかな。




 って、え? 女神様?!
 なに勝手に1人、転生させようとしてるんですか?!
 は?
 那由多地球の管理者から預かった?
 いやいや、だからって僕のフォーサイスに……あ、あぁぁ
 転生、しちゃった……。
 はい? 僕のペナルティってどーゆーことですか? 修行期間、延長……になるんですか? 女神様が勝手になさった事なのに?!

 へ?
 それがグレースあの子の為になる???

 えー? 訳がわからないよ。
 女神さまぁー、待ってぇぇぇ……。





【おしまい】




2021,06,23
完璧な蛇足(なんという矛盾!)回であるマリア編ちょっとだけ加筆修正
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】「『王太子を呼べ!』と国王陛下が言っています。国王陛下は激オコです」

まほりろ
恋愛
王命で決められた公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢との婚約を発表した王太子に、国王陛下が激オコです。 ※他サイトにも投稿しています。 「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 小説家になろうで日間総合ランキング3位まで上がった作品です。

【完結】真実の愛に生きるのならお好きにどうぞ、その代わり城からは出て行ってもらいます

まほりろ
恋愛
私の名はイルク公爵家の長女アロンザ。 卒業パーティーで王太子のハインツ様に婚約破棄されましたわ。王太子の腕の中には愛くるしい容姿に華奢な体格の男爵令嬢のミア様の姿が。 国王と王妃にハインツ様が卒業パーティーでやらかしたことをなかったことにされ、無理やりハインツ様の正妃にさせられましたわ。 ミア様はハインツ様の側妃となり、二人の間には息子が生まれデールと名付けられました。 私はデールと養子縁組させられ、彼の後ろ盾になることを強要された。 結婚して十八年、ハインツ様とミア様とデールの尻拭いをさせられてきた。 十六歳になったデールが学園の進級パーティーで侯爵令嬢との婚約破棄を宣言し、男爵令嬢のペピンと婚約すると言い出した。 私の脳裏に十八年前の悪夢がよみがえる。 デールを呼び出し説教をすると「俺はペピンとの真実の愛に生きる!」と怒鳴られました。 この瞬間私の中で何かが切れましたわ。 「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 他サイトにも投稿してます。 ざまぁ回には「ざまぁ」と明記してあります。 2022年1月4日HOTランキング35位、ありがとうございました!

【完結】「今日から私は好きに生きます! 殿下、美しくなった私を見て婚約破棄したことを後悔しても遅いですよ!」

まほりろ
恋愛
婚約者に浮気され公衆の面前で婚約破棄されました。 やったーー! これで誰に咎められることなく、好きな服が着れるわ! 髪を黒く染めるのも、瞳が黒く見える眼鏡をかけるのも、黒か茶色の地味なドレスを着るのも今日で終わりよーー! 今まで私は元婚約者(王太子)の母親(王妃)の命令で、地味な格好をすることを強要されてきた。 ですが王太子との婚約は今日付けで破棄されました。 これで王妃様の理不尽な命令に従う必要はありませんね。 ―――翌日―――  あら殿下? 本来の姿の私に見惚れているようですね。 今さら寄りを戻そうなどと言われても、迷惑ですわ。 だって私にはもう……。 ※他サイトにも投稿しています。 「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

【完結】公爵令嬢は、婚約破棄をあっさり受け入れる

櫻井みこと
恋愛
突然、婚約破棄を言い渡された。 彼は社交辞令を真に受けて、自分が愛されていて、そのために私が必死に努力をしているのだと勘違いしていたらしい。 だから泣いて縋ると思っていたらしいですが、それはあり得ません。 私が王妃になるのは確定。その相手がたまたま、あなただった。それだけです。 またまた軽率に短編。 一話…マリエ視点 二話…婚約者視点 三話…子爵令嬢視点 四話…第二王子視点 五話…マリエ視点 六話…兄視点 ※全六話で完結しました。馬鹿すぎる王子にご注意ください。 スピンオフ始めました。 「追放された聖女が隣国の腹黒公爵を頼ったら、国がなくなってしまいました」連載中!

【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。

彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。 目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。

【完結】「冤罪で処刑された公爵令嬢はタイムリープする〜二度目の人生は殺(や)られる前に殺(や)ってやりますわ!」

まほりろ
恋愛
【完結しました】 アリシア・フォスターは第一王子の婚約者だった。 だが卒業パーティで第一王子とその仲間たちに冤罪をかけられ、弁解することも許されず、その場で斬り殺されてしまう。 気がつけば、アリシアは十歳の誕生日までタイムリープしていた。 「二度目の人生は|殺《や》られる前に|殺《や》ってやりますわ!」 アリシアはやり直す前の人生で、自分を殺した者たちへの復讐を誓う。 敵は第一王子のスタン、男爵令嬢のゲレ、義弟(いとこ)のルーウィー、騎士団長の息子のジェイ、宰相の息子のカスパーの五人。 アリシアは父親と信頼のおけるメイドを仲間につけ、一人づつ確実に報復していく。 前回の人生では出会うことのなかった隣国の第三皇子に好意を持たれ……。 ☆ ※ざまぁ有り(死ネタ有り) ※虫を潰すように、さくさく敵を抹殺していきます。 ※ヒロインのパパは味方です。 ※他サイトにも投稿しています。 「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 ※本編1〜14話。タイムリープしたヒロインが、タイムリープする前の人生で自分を殺した相手を、ぷちぷちと潰していく話です。 ※番外編15〜26話。タイムリープする前の時間軸で、娘を殺された公爵が、娘を殺した相手を捻り潰していく話です。 2022年3月8日HOTランキング7位! ありがとうございます!

【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」

まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。 気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。 私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。 母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。 父を断罪できるチャンスは今しかない。 「お父様は悪くないの!  お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!  だからお父様はお母様に毒をもったの!  お願いお父様を捕まえないで!」 私は声の限りに叫んでいた。 心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。 ※他サイトにも投稿しています。 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 ※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※タイトル変更しました。 旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」

完結・私と王太子の婚約を知った元婚約者が王太子との婚約発表前日にやって来て『俺の気を引きたいのは分かるがやりすぎだ!』と復縁を迫ってきた

まほりろ
恋愛
元婚約者は男爵令嬢のフリーダ・ザックスと浮気をしていた。 その上、 「お前がフリーダをいじめているのは分かっている! お前が俺に惚れているのは分かるが、いくら俺に相手にされないからといって、か弱いフリーダをいじめるなんて最低だ! お前のような非道な女との婚約は破棄する!」 私に冤罪をかけ、私との婚約を破棄すると言ってきた。 両家での話し合いの結果、「婚約破棄」ではなく双方合意のもとでの「婚約解消」という形になった。 それから半年後、私は幼馴染の王太子と再会し恋に落ちた。 私と王太子の婚約を世間に公表する前日、元婚約者が我が家に押しかけて来て、 「俺の気を引きたいのは分かるがこれはやりすぎだ!」 「俺は充分嫉妬したぞ。もういいだろう? 愛人ではなく正妻にしてやるから俺のところに戻ってこい!」 と言って復縁を迫ってきた。 この身の程をわきまえない勘違いナルシストを、どうやって黙らせようかしら? ※ざまぁ有り ※ハッピーエンド ※他サイトにも投稿してます。 「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」 小説家になろうで、日間総合3位になった作品です。 小説家になろう版のタイトルとは、少し違います。 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

処理中です...