21 / 33
本編
20.最後の女王の告白(もしくは暴露)
しおりを挟む「初めは死ぬ気だったのよ? 地下牢の凶悪犯の手に掛かって。そうなったら、どうなると思う? わたくしが居ないと帝国との条約は効力を発揮しないでしょ? そうなったら……」
「え? それはどうして? グレース様が居ないと効力を発揮しない、とは?」
「帝国との条約には但し書きがあってね、曰く『帝国はフェリシア女王とその子孫が存命な限りロックハート国に援助を行う』ってのがあったはずなんだけど」
「マジすか」
「帝国の皇帝陛下はわたくしを女王に仕立てて、ご自分はその夫になる気満々だったみたいよ。わたくしに自分の子どもを生ませて、その子に国を統治させる。ぶっちゃけ乗っ取りよね」
「マジすか」
「でも肝心のわたくしが居ないから、帝国は援助する必要も無い。当時のロックハートは財政破綻ギリギリのところで保ってた国でね、帝国の援助が無かったら破滅まっしぐらだなぁと」
「当時のグレース様は王子という婚約者持ちだったはずですが」
「ね、怖いわよね? 皇帝陛下のわたくしを見る目はキモかったわよ! このセクハラ何処に訴えればいいの?! ってマジで思ったもの!
同盟締結後に誰か送り込んで殿下を暗殺する算段だったと思うわ~ホントっ王族とか権力者ってロクデナシの宝庫よね~」
「その辺りを理解した上で、グレース様は表舞台から失踪したんですね」
「そうなるわね」
「ん~? でも、なんで殺されるつもりだったんですか? 失踪でいいじゃないですか、穏やかじゃないですよ」
「ヤケクソよ」
「ヤケクソ」
「そう。裏切られた! 何も信じられない! もうヤダ! 全部滅びてしまえ~って、脳内は暴走モードに突入してたわ。ジオフロ〇ト占拠して暴れた初号機状態よ!」
「うぉぅ……エヴ〇ですか……“あんた馬鹿ぁ?”って誰にも突っ込まれなかったんですね」
「当時、リリアーヌちゃんが居てくれたら!」
「すいません、遅く生まれてきて……こんな時、どんな顔したらいいのか解らないです」
「笑えばいいと思うよ?」
「えぇーと、話戻しますね~(^^;
ヤケクソで、自暴自棄になったグレース様は殺される覚悟で地下牢へ向かったと?」
「そうよ」
「でも生きてらっしゃる」
「そうね」
「その経緯は? 誰に助けられたんですか? 確かグレース様のバラバラ死体が発見されたはずですが」
「あら詳しいのね」
「ロックハート王国の終焉は卒業論文のテーマで調べ尽くしました」
「あらやだ。詳しい筈ね。迂闊な事言えないわ」
「いえ! この際、ジャンジャン暴露して下さい! オタクにはお御馳走です!」
「“お御馳走”。ご馳走の上にさらに“お”までつけるのね。スゴイわ」
「……で、誰に助けられたんですか?」
「マックスたちよ。当時の地下牢に収監されていた政治犯で死刑囚の」
「え ( ꒪Д꒪)? ちょ、ちょっと待って下さいっ! マックスってロベスピエール閣下の事ですか?」
「閣下だなんて呼ばれてたかしら」
「我が家では閣下呼びは定番です! や、そうではなく! 話を戻します!
政治犯で? 収監されてたんですか?」
「そうよ。当時のロックハート王国はあちこちガタついてたって言ったわよね、地方によっては暴動も起こりかねないほど疲弊し飢えていたわ。マックスたちはその現状を訴えて改善要求をしてたの。結局そんな正攻法だと『凶悪な政治犯』として騎士団に捕縛されちゃった訳で」
「で、死刑囚扱い」
「そう。彼らは彼らであの日は脱走計画を立ててたらしくて。丁度学園の卒業記念パーティーで警備が手薄になるから、牢番を買収して仲間の一人とスリ代わってね。丁度良いからわたくしも一緒に逃げちゃった」
「丁度良い」
「そう」
「──バラバラ死体は?」
「わたくしのドレスを着せた他人よ。凌辱された胴体は娼館で無茶されて死んでしまった娼婦。頭部も隣町で遺体になってた金髪の少女。顔をじっくり検分されないように細工したって言ってたわね。その近辺に切ったわたくしの髪を散らして。バラバラの部位を寄せ集めて一人分に誤魔化したのよ。当時は王都をちょっと離れると治安も悪くてねぇ……餓死した遺体とかゴロゴロしてたの。本物だったのはわたくしの髪の毛だけね。DNA鑑定とかないから出来た無茶だわ♪」
「あぁ……、拷問を受けたんじゃなくて、身元を誤魔化すために遺体を欠損させた、と……」
「そうね。髪とか爪とか、身分が判明し易いものだしね。特に、わたくしのこの瞳は一目瞭然だもの」
「あぁ、目を抉り抜かれてたって記録読みましたよ」
「ホント、詳しいわね」
「卒論のテーマでしたから 」
「でも帝国との友好条約文書は未読なの?」
「あれ、とっとと棄却されて現存してないんです! 我が国では! 帝国側では保存されてるかもですけど、他国の一介の学生には閲覧許可は降りません。新政府の手によって新しい条約が……えぇと、友好通商条約っていうグレース様の存在の有無を問わない形に変更してるんです」
「あらまぁ。それは知らなかったわ。マックスたち、そんな事してたのね」
「そのマックスさんたちって……再度確認しますがロベスピエールと4人の革命家……ですよね」
「彼らにそんな御大層な二つ名があるの?」
「時代の風雲児として彼らは超有名人です。彼らの活躍のお陰で今のフォーサイス共和国は建国されたんですから!」
「投獄された死刑囚だったんだけど」
「おぉぅ……」
「世の中なんて、どう転ぶか分からないものね。……わたくしはロックハート王国の礎になる為に教育を受けて、王妃となってかの国を背負うつもりだった。でも裏切りにあって一転、王国を終焉させる為に行動する事になった……ホント、まさかこんな事になるなんて、あの頃は思ってもいなかったわ」
「ん? 待って下さい、王妃になるつもりだった? 女王でなく?」
「? そうよ? だってあの頃のわたくしはジョンの婚約者だったのだから」
「記録によると、アーサー王はあなたを女王にする気満々でしたよ?」
「え?」
「え?」
「王が……わたくしを、女王に?」
「はい」
「あら やだ。70年経って初めて知る真実、だわ」
「ジョン殿下が……レオン・アンドリューの実子でない事実は?」
「え?」
「それも初耳、なんですね」
「あらぁ……あぁ……そう言えば、彼……青い瞳だったわねぇ……」
「気がついてなかった?」
「だって、卒業パーティーの時がほぼ初対面だったんだもん……あの時は怒涛の展開だったしぃ……」
「だもんって……ほぼ初対面の彼なのに、結婚しようとしてた?」
「だってそういうモノだと思ってたんだもん……」
「そういう価値観だった、と?」
「……そうね。ガチガチだったわ」
「それが崩れたのが、卒業記念パーティーでの断罪劇だった」
「劇」
「違いますか?」
「……いいえ。その通りだわ。……あれは各々役割があって、それに当てはめられた役があった。だってあの時言われたんだもの。“悪役令嬢はここで退場”って」
「はい?」
「男爵令嬢のマリアよ。あの子も転生者だったから」
「はいぃ?!」
「この世界は乙女ゲームの中の一節なの」
「はぁあ?!?!Σ °ロ°≡( ノ)ノ」
「わたくしもよく知らないんだけどね。マリアの言い分を信じるなら、そういう事みたいよ? マリア視点で見ると、学園入学して王子攻略して、悪役令嬢を断罪して、王子と結婚、ハッピーエンド……って事なのかなって。わたくしは前世の知識として乙女ゲームは知ってるけど、それだけなのよね」
「国王陛下による断罪は知ってます?」
「一応、知ってるわ。マックスから聞いたもの……だいぶ、時間が経ってからだけど」
「どう思いましたか?」
「まさかアーサー王に敵討ちして貰うとは、思ってもいなかったし、マリアが処刑されたのにはもっと驚いたわ。あの子、ヒロインだったはずなのにって……それとも王子と結婚するとみせかけたバッドエンドとかあったのかしら」
「どんだけ底意地の悪いシナリオですか、それ」
「そうよねぇ。当時のわたくしはマックスたちと只管この地、辺境伯の領地へ向けて逃走してたわ」
「えぇと……投獄された後の行動を聞いても?」
「マックスたちと意気投合して、その晩のうちに脱獄したわね。わたくしとマックスとアンジーは辺境へ逃走。他の子たちはわたくしの死体工作とそれを地下牢に戻した後、同じく逃走」
「アンジー……アンジー・スチュワートですね。ロベスピエールの腹心の友。彼の手記ではロベスピエールとは幼馴染だと書かれていました」
「そうね。
わたくしたちは逃走資金にわたくしの付けていたお飾りとか売っ払って、ここに来たわ。そしてわたくしの指輪とわたくし自筆の手紙をマックスに持たせて辺境伯へと面談させたの。手紙には『今この手紙を読んでるという事は、わたくしは亡き者となってる事でしょう』で始まって、」
「あぁ! 『ロックハート最後の女王からの手紙』で最後を飾る文章です! 自身の身の危険を感じ取っていたフォーサイス公爵令嬢が、“こんな事もあろうかと”って最後の願いを辺境伯に綴って……あれ?」
「ふふっ。内実を聞くとガッカリするでしょ? 先見の明があった訳じゃないのよ?
辺境伯はロックハート王家と遠縁でね、ガタついた王家を打倒して、辺境伯が主権を担って下さい! それがグレース・フェリシアの最後の 願いですって、伯に国家を託そうと思ったのは、本当よ」
「……ですが、辺境伯はロベスピエールを使者として立てて、本人は王都に乗り込まなかったですよね」
「あの方……当時の辺境伯はガチガチの王国血統主義だったのだけど……、“グレース様を守れない現王家など滅びれば良い。私はグレース様の意志を補佐するのみ”って譲らなかったわ。……あぁ、今思うと、あの方はわたくしを正統な王位継承者として見てたのね……」
「グレース様の偽装死亡の件、辺境伯にはバレてたんですか?」
「初めは騙せてたんだけど、後から来たフレディ達のせいでバレちゃった☆」
「おぉぅ……別行動した4人の革命家のせいっすか……」
「辺境伯の前で私の話題をベラベラ話してたって」
「そりゃあ、仕方ないっすねぇ。(^^;
辺境伯家の専用騎士団を王宮へ送り込んでのクーデターに、貴女が旗印として担ぎ出される事はなかった? それこそ正統な王位継承者だったのでは?」
「無いわ。王都でのわたくしの扱いは死人だったもの。お葬式もひっそり行われた後だったし。その後でのこのこと『私が本物です』と乗り込んだところで偽物扱いされるのが落ちよ。……まぁ、一番はわたくしが強固に拒んだせいだけどね」
「本人が、拒んだ」
「だって疲れちゃったんだもん」
「だもんって……」
「わたくし、幼い頃から各国を渡り渡って働き過ぎて、もう本っ当に色んなことから解放されたかったの。マックスも辺境伯も、そんなわたくしのワガママを認めてくれて……ここに隠れ住む事になったわ。
ロックハート王国を終わらせた後、辺境伯が国王を名乗らないなら、どうすればいいかと聞かれたから、王族の血による支配ではなく、会議で選出された人が行う共和国政治にすればいいと提案したわ」
「おぉう……転生知識チート」
「無血革命が出来たのはわたくしの助言だけでなく、レオン殿下の政治に対する嫌厭感も大きかったって、マックスが言ってたわ」
「あぁ、文献でもありました。レオン・アンドリュー王太子が抵抗せず、粛々と事態を収め、と言うかほぼ自主的に主権を放棄したって」
「……フォーサイス公爵は歴史的にはどんな扱いなの?」
「彼はロックハート王国終焉後の暫定新政府の議長です。一度は君主として推薦されましたが、辞退して、その後は議長として新政府を纏めました。ロベスピエールを買っていて彼の後ろ盾となってフォーサイス共和国建国時には彼を首相として推してました。歴史家は、“彼は家名を国名として残す事で満足していた。自身が権力を振るう事を良しとせず、野心家とは一番遠い所にいた。”と、評価しています」
「そう……。公爵家自体は解体されたって聞いたけど、本当?」
「貴族制度が無くなりましたから。
血筋としては、グレース様のお兄様が家を継いで続いてるはずです……連絡を取り合ったりは、してないのですか?」
「わたくしは死人だもの。連絡なんて、出来ないわ。……お父様には……ご迷惑をお掛けしたわねぇ。……今となっては謝る事も不可能だけど」
「父親とは、娘を心配する生き物なんだそうですよ」
「…………そう」
「はい。そういう生態なので、娘にはどうする事も出来ません」
「あー、最後に質問デス。
婚約者のジョン王子は、グレース様にとって、どんな人でしたか? 10年間、手紙を送り続けてましたが 」
「……日記の送り先……かしら」
「“手紙”じゃなく、“日記”、ですか。特に思うところはなかったと?」
「うーん。そうねぇ……少女の頃は仲良くしたくて手紙を送ったわ。わたくしが忙し過ぎて満足に会った事もなかったし。でも、そうねぇ……」
ここでグレース様は初めて言葉を切り、遠いところを見る目で天井を見つめた。
私は彼女の言葉の続きを黙って待った。
「一度、王宮の温室で面会が叶うかもって時があって……でもすっぽかされちゃった……その時思ったの。“きっとこの先も王子とはずっと会えない”って。なんでかしら……会った時は、きっと……何かが終わる時だろうって予感があった……だから、会いたい気持ちと、会えなくてこれで良いんだって気持ちがあって……それを打ち消す為に手紙を書いてた……ような気がするわ……」
「何かが終わる予感、ですか」
「そう、ね。今改めて考えると……そんな感じ。上手く説明出来なくてゴメンなさいね。
でも、まぁ、学園での所業を聞いて『うわぁ、阿呆王子~』ってなって……ちょっと乙女ゲームっぽくね? って気がついて……国王の影に、レポート纏めたら先にわたくしに読ませてってお願いしてたの。卒業式の時に貰って……読んで驚いたわ。わたくしの侍従が阿呆王子に近づいてわたくしの悪行を告げ口してたし……なんか、もう、情けなくってねぇ……」
カモミールティーはすっかり冷めていた。
117
お気に入りに追加
3,666
あなたにおすすめの小説
【完結】公爵令嬢は、婚約破棄をあっさり受け入れる
櫻井みこと
恋愛
突然、婚約破棄を言い渡された。
彼は社交辞令を真に受けて、自分が愛されていて、そのために私が必死に努力をしているのだと勘違いしていたらしい。
だから泣いて縋ると思っていたらしいですが、それはあり得ません。
私が王妃になるのは確定。その相手がたまたま、あなただった。それだけです。
またまた軽率に短編。
一話…マリエ視点
二話…婚約者視点
三話…子爵令嬢視点
四話…第二王子視点
五話…マリエ視点
六話…兄視点
※全六話で完結しました。馬鹿すぎる王子にご注意ください。
スピンオフ始めました。
「追放された聖女が隣国の腹黒公爵を頼ったら、国がなくなってしまいました」連載中!
完結・私と王太子の婚約を知った元婚約者が王太子との婚約発表前日にやって来て『俺の気を引きたいのは分かるがやりすぎだ!』と復縁を迫ってきた
まほりろ
恋愛
元婚約者は男爵令嬢のフリーダ・ザックスと浮気をしていた。
その上、
「お前がフリーダをいじめているのは分かっている!
お前が俺に惚れているのは分かるが、いくら俺に相手にされないからといって、か弱いフリーダをいじめるなんて最低だ!
お前のような非道な女との婚約は破棄する!」
私に冤罪をかけ、私との婚約を破棄すると言ってきた。
両家での話し合いの結果、「婚約破棄」ではなく双方合意のもとでの「婚約解消」という形になった。
それから半年後、私は幼馴染の王太子と再会し恋に落ちた。
私と王太子の婚約を世間に公表する前日、元婚約者が我が家に押しかけて来て、
「俺の気を引きたいのは分かるがこれはやりすぎだ!」
「俺は充分嫉妬したぞ。もういいだろう? 愛人ではなく正妻にしてやるから俺のところに戻ってこい!」
と言って復縁を迫ってきた。
この身の程をわきまえない勘違いナルシストを、どうやって黙らせようかしら?
※ざまぁ有り
※ハッピーエンド
※他サイトにも投稿してます。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
小説家になろうで、日間総合3位になった作品です。
小説家になろう版のタイトルとは、少し違います。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。
彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。
目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。
【完結】「冤罪で処刑された公爵令嬢はタイムリープする〜二度目の人生は殺(や)られる前に殺(や)ってやりますわ!」
まほりろ
恋愛
【完結しました】
アリシア・フォスターは第一王子の婚約者だった。
だが卒業パーティで第一王子とその仲間たちに冤罪をかけられ、弁解することも許されず、その場で斬り殺されてしまう。
気がつけば、アリシアは十歳の誕生日までタイムリープしていた。
「二度目の人生は|殺《や》られる前に|殺《や》ってやりますわ!」
アリシアはやり直す前の人生で、自分を殺した者たちへの復讐を誓う。
敵は第一王子のスタン、男爵令嬢のゲレ、義弟(いとこ)のルーウィー、騎士団長の息子のジェイ、宰相の息子のカスパーの五人。
アリシアは父親と信頼のおけるメイドを仲間につけ、一人づつ確実に報復していく。
前回の人生では出会うことのなかった隣国の第三皇子に好意を持たれ……。
☆
※ざまぁ有り(死ネタ有り)
※虫を潰すように、さくさく敵を抹殺していきます。
※ヒロインのパパは味方です。
※他サイトにも投稿しています。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※本編1〜14話。タイムリープしたヒロインが、タイムリープする前の人生で自分を殺した相手を、ぷちぷちと潰していく話です。
※番外編15〜26話。タイムリープする前の時間軸で、娘を殺された公爵が、娘を殺した相手を捻り潰していく話です。
2022年3月8日HOTランキング7位! ありがとうございます!
【完結】真実の愛に生きるのならお好きにどうぞ、その代わり城からは出て行ってもらいます
まほりろ
恋愛
私の名はイルク公爵家の長女アロンザ。
卒業パーティーで王太子のハインツ様に婚約破棄されましたわ。王太子の腕の中には愛くるしい容姿に華奢な体格の男爵令嬢のミア様の姿が。
国王と王妃にハインツ様が卒業パーティーでやらかしたことをなかったことにされ、無理やりハインツ様の正妃にさせられましたわ。
ミア様はハインツ様の側妃となり、二人の間には息子が生まれデールと名付けられました。
私はデールと養子縁組させられ、彼の後ろ盾になることを強要された。
結婚して十八年、ハインツ様とミア様とデールの尻拭いをさせられてきた。
十六歳になったデールが学園の進級パーティーで侯爵令嬢との婚約破棄を宣言し、男爵令嬢のペピンと婚約すると言い出した。
私の脳裏に十八年前の悪夢がよみがえる。
デールを呼び出し説教をすると「俺はペピンとの真実の愛に生きる!」と怒鳴られました。
この瞬間私の中で何かが切れましたわ。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
他サイトにも投稿してます。
ざまぁ回には「ざまぁ」と明記してあります。
2022年1月4日HOTランキング35位、ありがとうございました!
【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」
まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。
気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。
私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。
母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。
父を断罪できるチャンスは今しかない。
「お父様は悪くないの!
お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!
だからお父様はお母様に毒をもったの!
お願いお父様を捕まえないで!」
私は声の限りに叫んでいた。
心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。
※他サイトにも投稿しています。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※タイトル変更しました。
旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」
【完結】「財産目当てに子爵令嬢と白い結婚をした侯爵、散々虐めていた相手が子爵令嬢に化けた魔女だと分かり破滅する〜」
まほりろ
恋愛
【完結済み】
若き侯爵ビリーは子爵家の財産に目をつけた。侯爵は子爵家に圧力をかけ、子爵令嬢のエミリーを強引に娶(めと)った。
侯爵家に嫁いだエミリーは、侯爵家の使用人から冷たい目で見られ、酷い仕打ちを受ける。
侯爵家には居候の少女ローザがいて、当主のビリーと居候のローザは愛し合っていた。
使用人達にお金の力で二人の愛を引き裂いた悪女だと思われたエミリーは、使用人から酷い虐めを受ける。
侯爵も侯爵の母親も居候のローザも、エミリーに嫌がれせをして楽しんでいた。
侯爵家の人間は知らなかった、腐ったスープを食べさせ、バケツの水をかけ、ドレスを切り裂き、散々嫌がらせをした少女がエミリーに化けて侯爵家に嫁いできた世界最強の魔女だと言うことを……。
魔女が正体を明かすとき侯爵家は地獄と化す。
全26話、約25,000文字、完結済み。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
他サイトにもアップしてます。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
第15回恋愛小説大賞にエントリーしてます。よろしくお願いします。
【完結】「今日から私は好きに生きます! 殿下、美しくなった私を見て婚約破棄したことを後悔しても遅いですよ!」
まほりろ
恋愛
婚約者に浮気され公衆の面前で婚約破棄されました。
やったーー!
これで誰に咎められることなく、好きな服が着れるわ!
髪を黒く染めるのも、瞳が黒く見える眼鏡をかけるのも、黒か茶色の地味なドレスを着るのも今日で終わりよーー!
今まで私は元婚約者(王太子)の母親(王妃)の命令で、地味な格好をすることを強要されてきた。
ですが王太子との婚約は今日付けで破棄されました。
これで王妃様の理不尽な命令に従う必要はありませんね。
―――翌日―――
あら殿下? 本来の姿の私に見惚れているようですね。
今さら寄りを戻そうなどと言われても、迷惑ですわ。
だって私にはもう……。
※他サイトにも投稿しています。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる