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・創作裏話その16(2024.04)

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 ◇◆触らぬ聖女に祟りなし(2024.04.29~05.01)(全7話。21,666文字)


 ファンタジー色の強いざまあモノって、どうしたらいいのだろうか。
 と、あぁだこぅだと思案中に
 そういえば、聖女さまってわたし書いたことあったっけ?
 と考えた。

 聖女さま、過去作にいました。

 拙作『戦う女子は、挫けない、へこたれない、逃げ出さない!』と『もしかして俺は今、生きるか死ぬかの岐路に立っているのではなかろうか』の二作に。

 これ、ひとつのお話の女子サイドと男子サイドという構成になっていて、ここに「聖女サマ」出てくる。いちおう。
 でも主役じゃないんだよね~。
 聖女さまが主役のお話が書きたいなぁと試行錯誤の結果、日本からの召喚聖女になった。
 ま、テンプレですな。

 聖女を追放した王子は不幸になる……これもテンプレだよね。
 今回は追放じゃなくて抹殺しようとしてたんだけど。
 王子、ちょっとヤンデレ入ってました。
 好きになった子が手に入らないのならば、殺してしまえホトトギス。的な。

 言霊ことだま
 現代日本にいまだ存在する、恐ろしい思想(笑)。
 結婚式とかで死を連想する四を使ってはいけないとか、ご祝儀金額は偶数はダメとか、「切った」「別れた」「終わる」なども忌み言葉として敬遠されるとか。
 祝賀会を終えるときに「そろそろお開きとなります」などと言い換えるのもそれ。
 面倒だけど、迷信深い人もいるからやっかいやっかい。

 信じる人がいるからこそ、ちからとなる。
 人の思いこそが、一番コワイ。

 百物語とかコワイ話の定番。
 お坊さんを惨殺しちゃった一家が末代まで祟られるとか、漁師をなりわいにしていた一族が新月の夜だけは漁に出ないとか。多岐にわたり、調べると止まらなくなる。
 怖いんだけどね(笑)

 凛ちゃんはそーゆー話が好きだったようで、いろいろとごっちゃになって呪ってました(苦笑)
 あと、「晴らせぬ恨みを晴らして」くれるのは「仕事人」(笑)
「いい夢見ろよ、あばよ」はあのドラマから。
 ほんと、いい加減にいろいろごっちゃになってるwww

 いろいろごっちゃにしたあげく、持ち出してきた「第六天魔王」ですが、本来は仏教用語で悪魔のこと。
 彼女が脳内で想定し語りかけたのは、日本三大怨霊のおひとり(という数え方はどうなのだろう…)、崇徳上皇。
『王を民に。民を王とする』と呪ったお方。

 あの時のリンは魔王を倒したばかりだったので、つい「第六天」と口にしてしまいました。

(ちなみに、三大怨霊とは、菅原道真→天神さま、平将門→神田明神、崇徳上皇→白峯神宮)

 崇徳上皇が讃岐で亡くなったあとしばらくして、天皇家は実権を失い武士の時代が来ることは歴史上の事実。『王を民に。民を王とする』が成就してしまいました。立派な怨霊さまです。
(ここで天皇家が消滅せず、細々とでも脈々と続くのが日本らしいと思う)
(他国なら一族郎党根絶やしになっている)

 で。崇徳上皇は京都に帰還したいと訴え続けて憤死。(1164年)
 その後、武士政権のあいだずっと御霊は讃岐に。

 武士政権が打倒され、政権が天皇家へやっと戻る! となったとき。
 明治天皇は即位するまえ(慶応4年)(1868年)に勅使を派遣、崇徳上皇の御霊を京都へ帰還させた。
「京都におかえりください、わたしは東下りします」と。(言ったかどうか定かではありませんが)
 実に700年ぶりに念願が叶って京都へ帰還することに相成りました。
 
 明治天皇が崇徳上皇の御霊を京都に戻す儀式をしてから即位し、慌ただしく東京へ向かったのは史実。
 令和の現代でも天皇家はかのお方を「白峯しらみね神宮」(京都府京都市)(明治天皇の指示で創建)で祀っているし、参拝もしている。
 いまは、天皇家が断絶しませんようにってお願いしてるんじゃないのかなぁ……と邪推。
(白峯神宮は、一般的にはサッカーをはじめとしたスポーツの神さま扱いされてるのだとか。なんか、平和ね)



 以下、カットしたエピソード。

 実はこの世界。
 魔王が率いる魔獣たち魔族がのんびり豊かに暮らしていた大陸と、人類が謳歌していた大陸というふたつの大陸があり、それぞれ繁栄していました。
 人類側は、なんやかんや大層な魔法をやらかして住んでいた土地が汚染。人類存続の危機に陥りました。
 これが古代の失われた魔法云々。
 ノアの箱舟よろしく一族やら諸々とともに新大陸()へ逃げ延びた一団がおりまして。
 それがライオネル王子たち王族の先祖。
 新大陸で新たな文明を築き始めたら、あらやだ、魔獣? 魔族? 魔王?!
 人類の敵! なんとかしなくては!
 封印していた危険な魔法を解読しなおして、異世界から助け手を召喚!
 ……みたいな流れ。

 魔族側から見れば、ヒト族は突然現れた侵略者。
 ちょ、こっち来るなとばかりにバルサン(瘴気)焚いてたりしました。
 ヒト族の繁殖スピードに魔族は追いついていなかった(魔王ひとりで自分の魔力とか想像力から時間をかけて創造しているので、どうしても繁殖スピードは緩やかになる)。
 魔王が寿命を迎えて交代するたびに眷属たちも一新。
 いちから創造し直される仕組みだし非効率的なのは確か。

 けど、これからはリリンという異分子が導入され、リリンとルシフェルのふたりがかりで子どもら(魔獣)を増やすことに成功する(ヒト族流の子どもの増やし方もするし、今まで通り魔王の魔力で生みだすこともできるし、リリンだけの魔力と神聖力で生みだすこともできる)ので、質量ともに魔族が圧倒する流れかな……。
 残念ながらこの大陸の人類は魔族のエサになるルート。



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