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12月25日の朝。サンタ、ミッションコンプリート!!

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※このエッセイ、初出は「小説家になろう」。
2022年の12月25日に公開したものです。

一年遅れではありますが、12月になりましたのでこちらでも公開。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡




 
 12月25日の朝。
 みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
 2022年の25日は日曜日でした。ふつーに普通の日曜日の朝として過ごしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

 世間一般ではクリスマスの朝ですよ。
 24日はクリスマス『イブ』ですからね。本番のクリスマスは今日ですからね!
 クリスチャンが教会へ行く日ですからね!

 で。
 お子さんがいらっしゃる人は、子どもがプレゼントに気がついて大喜び! なんて時間を過ごしていらっしゃるのでしょうか。

 わたくし、幼いころから懐疑的な人間でしてね。
『クリスマスイブの夜、サンタがプレゼントを置いていく』
 という状況が不思議で不思議で。

 日本の住宅って、そんなに戸締りが不用心なん? サンタ、どこから来るん? と。

 夏場の田舎ならね。
 雨戸も閉めないで開け放って寝てました。イメージはトトロの蚊帳吊って寝てるあの映像ですよ。
 あーゆー状態ならサンタだろうが泥棒だろうが不審者だろうが、入りたい放題ですよ。
 でも、ねぇ。
 12月は冬場なんですよ。寒いんですよ。窓開け放って寝ていられるかってもんですよ。風邪ひきますって。場所によっては凍死もありえますよね。

 あ、沖縄ならできます?(教えてエロい人)
 あとさんは沖縄ではないので、戸締りはして寝てますw

 だからおかしいと。煙突のある家ならともかくこの日本でサンタなんてありえねー! って思っていました。
 冷めた子ども時代を送ったものです。

 まぁなにが言いたいかっちゅーとね。
 子どもに嘘は言いたくなかったんですよ。
『サンタさんが来て枕元にプレゼントを置いていく』っていう嘘を。
 変な矛盾点を子どもに提示したくなかったんですよ。

 やるなら徹底的に! なんですよ。


 以下、10年以上前のあとさんと息子(3歳)の12月25日朝の会話をできるだけ再現してみますね。

 前提として、息子は幼稚園に入って初めてサンタの存在を知った。25日の朝起きると枕元にはプレゼントがあるんだよと、先生(か、お友だち)に聞いていたらしい。
 彼は24日の夜、えっっっっっらく早く就寝した。(いつもは宵っ張りだった)
 自分から風呂に入って(いつもは急かされないと入らない)着替えもして(いつもは手伝わないとしない)歯磨きもちゃんとして(いつもは以下同文)おやすみなさーい! をした。(おやすみなさいは毎晩言ってた)
 いやあ、この変わりようにびっくりでしたわ(苦笑)

 うん、息子よ。24日の夜だけイイコになってもだめなんだよ? と苦笑いのわたくし。
 先生から『良い子のところにサンタさんが来ます』という教育を受けていたらしい。


 そして25日の朝。早寝した息子は当然のように早起きした。

 息子「……ないっ! ないよ!」

 わたし「んあ?」(←隣で起きた)

 息子「ないのっ!」

 わたし「あー? なに? どうした?」

 ベッドのうえで呆然とうずくまる息子。

 ちなみに、この時は親子、川の字で寝ていた。

 息子「ない……ぷれぜんと……」(超しょんぼり)(涙目)(ぷるぷるしてた)

 わたし「あー、もしかしてプレゼントがない? これはあれだね。息子くんがイイコじゃなかったからだね」

 息子「むすこ、いいこだもん!」(涙ぽろり)(当時の彼は自分の感情を上手くことばにできない、わりと無口な子だった)

 わたし「昨日の夜だけイイコじゃあねぇ。サンタさんには伝わらないねぇ」

 絵に描いたようにがっかりと落ち込む息子。可愛い(←バカ親)

 わたし「いや、待てよ……ねぇ、息子。本当にゴトウ先生はサンタさんがプレゼントを枕元に置いてくれるって言ってたの?」

 息子「……うん」

 わたし「でもさあ、それって変じゃない? だってママ、戸締りちゃんとしてるよ? サンタさんってどうやって入って来れるの?」

 息子「……???」(←そういえばそうだ。おかしくね? という顔)

 わたし「息子はイイコだよね? もしかしたらサンタさんはお部屋の中に入ってこれなかっただけかもしれないよ? そうなると……ベランダ、見てみよう!」

 先生の言を信じるべきか、母の言を信じるべきか戸惑う息子の手を引いてカーテンを開けベランダを見てみると!

 そこには!

 息子「あった! あったよ! ぷれぜんと、あったよ!!!!」

 一転、喜色満面の息子。
 さっそく包装紙を剥がして中身確認。
 欲しがっていたおもちゃに狂喜乱舞。
 にぎにぎしい25日朝の風景でございました。

 これに味をしめた(?)のがうちの旦那。
 翌年、幼稚園年中さんのときは、プレゼントを玄関ドアの外に置いておき。

 息子は25日の朝、去年プレゼントを見つけたベランダのあるカーテンを真っ先に開けて外を見ます。が、そこには無く。

 がっかりと意気消沈する息子。え? 無かったの? 息子くん、いい子にしていた一年だった? と私に聞かれ涙声でイイコだったもん……。

 わたし「じゃあ、今年のサンタさんは去年来たサンタさんとは違う人だったのかも」

 息子「?????」(←どういうこと? という顔でわたしを見る)

 わたし「うん。だって、全世界の子どもたちへプレゼントを配るわけでしょ? 一人のサンタさんには無理だよね? だからサンタ組合があって、それぞれの担当者さんが各地域を回っているんだよ。宅急便のお兄ちゃんみたいに」

 息子「……?????」(←半信半疑な顔でわたしをみる息子)

 わたし「住所をよく知らない新人さんだったのかもしれない。窓をぜんぶ探ってみよう!」

 すべての部屋のカーテンを開けて、窓を開けて確認。
 プレゼントは発見されず。息子、がっかり継続中。

 わたし「うーん、じゃあ、あとは……(思案中、という体)」

 息子の手を引いて玄関へ行きドアを開けて……

 息子「あった! あったよ! ぷれぜんと、あったよ!!!!」(キラキラの笑顔)

 わたし「今年のサンタさんは玄関に来たんだね~」

 息子、ばか可愛かった~(*´▽`*)



 ……ってなことを毎年やっていましたなぁ。
 毎回、プレゼントの置き場を変えてね。
 小学生くらいになったらノーラッドの映像見せたりしてね。
 あれですよ、あれ。米空軍に護衛されて天空を飛び、全世界へプレゼント配るサンタさんの動画。
 ノーラッド配信の正式映像(笑)ですよ?
 そのせいかどうか知りませんが、うちの子、だいぶ大きくなるまで信じていたらしいですよ。サンタさんの存在を。


 何年かのちの、旦那と息子の会話。

 旦那「ヨドバシカメラの包み紙だったのに、なんで気がつかなかったの?」

 息子「サンタさんはヨドバシカメラでプレゼントを購入していると思ってた」

 こんな息子ですが、現在は成人済みです。
 一緒に買いものに行くと率先して荷物を持ってくれるイイコです。





☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡



今年もNORADによるサンタ追跡映像、とても楽しみであります。
万が一ですが、これをご高覧でなおかつ幼いお子さまがいらっしゃる方は、お子さまと一緒にご覧くださいませ。
実は小学生くらいのほうが楽しめるかも……。

てなことを書いていますが、わたくしは北アメリカ航空宇宙防衛司令部NORAD広報回し者ではありませんよ(笑)


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