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1.おねえさまはヒドイ、と自称・妹が言う
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「おねえさまは酷いです!」
高等部一年生の証の真新しい赤いリボンを襟元につけた制服姿のゾフィーが、昼の学園食堂でわたくしに突進してきた第一声が、これ。
「なぜ、私がブルーメ寮で、おねえさまがシュネー寮なのですか?! そこまで姉妹格差を見せつけるのですか?」
は?
今、この子、なんて言いましたか?
「しかも! とても狭いお部屋なのですよっ! あんまりですっ!」
えぇと。
ツッコミどころが満載でどこから手をつけていいのか戸惑うのですが。
ちなみに雪寮というのは、高位貴族の令嬢が入る女子寮の名前。華寮は、低位貴族、もしくは侍女として主に付き添って入学した平民の女生徒が入る一般寮。ブルーメ寮の中では貴族と平民の扱いが違うそうなのだけど、わたくしはシュネー寮にいるから内情は噂でしか知りません。
わたくしは伯爵家の娘なので、高位貴族か低位貴族なのか、判断が微妙な処だけど、現在超高位である公爵家の令嬢が在籍していないからか、伯爵位の娘であるわたくしはシュネー寮を使用しているのよね。13歳の時からだから、かれこれ五年、今年で六年目、もう色々知り尽くしたと思っていましたが、まさかこんな訳の判らない批判を受けるとは。
「学園に来たらおねえさまにお会いできると楽しみにしておりましたのに、出迎えてもくださらないっ……」
そう言って、涙を堪えている風のゾフィー。
可憐だわね。ピンクブロンドの髪に空色の瞳、可愛らしい顔、細い手足に不釣り合いに豊かな胸。
あらまぁ。この子、いつの間にあんなにお胸が育ったのかしら。わたくしが学園に来る前はあんなんじゃぁ、なかった。
まぁ、それもそうよね。わたくしがこの学園の初等部に入学したのが13歳の時。ゾフィーは11歳。あれから今まで帰郷していないわたくしが、彼女と会うのは実に五年ぶりなのよ。
確か、現在15歳……16歳だったかしら? の彼女は成長期ですものね。でも、こんなに傍若無人で失礼な子だったかしら?
「おねえさまはひどいですっ、ずるいですぅぅぅぅぅぅぅ」
そう言って泣きながら走り去ったゾフィー。
……えぇぇぇ? あの子、ゾフィーよね? わたくしの知っているゾフィーは、あんな子だったかしら? それにあの子、何しに来たのかしら。
まず、“ご無沙汰してます”とか“元気でしたか?”とか、そんな挨拶があってしかるべきだと思うのだけど、それらは省略していきなり罵倒と非難とは。余りの事に呆然自失で、わたくしからは一言も発せないまま見送ってしまったわ。
「えぇと、妹さん? なんて、ブリューに居た? かしら?」
親友のイザベラがわたくしに恐々と話しかけます。
「いいえ。わたくしに妹なんて、おりませんわ」
わたくし、一人っ子の総領娘ですもの。
それに、あの子とは一緒に幼少期を過ごし、昔からわたくしを“おねえさま”と呼んではいたけれど。
「ブリュー? 周りの子は判らないでしょうけど、わたくしには解るわよ。貴女、今、混乱の極みに居るわね?」
勿論、混乱と当惑の極みに居ますよ。
「そんな超然とした顔してるのにね。内面が顔に出ないって、貴族としては上出来だけど、こういう時は不利ね。誰も貴女が傷ついているなんて思ってもいない。泣いて逃げたあのピンクちゃんには同情しているみたいだけど」
イザベラの人を見る目と分析力は、なかなかのモノよ。流石侯爵令嬢ってところかしらね。
そう、今わたくしは混乱してるし、困惑しているし、傷ついているわ。
だって、訳の判らない事言って泣いてたのよ、ゾフィーが。わたくしが泣かせたって事じゃない?
あの子がこの学園に来るなんて、聞いてない。だってあの子、そんな身分じゃないし。
わたくしが学園に入ってからこの五年の間に、我が実家に何が起こったのでしょうか。領地にいる両親に確かめなければなりません。
申し遅れました、わたくしブリュンヒルデ・フォン・クルーガーと申します。クルーガー伯爵家の一人娘です。
現在、王立貴族学園の高等部三年に在籍しております。この学園の初等部に入学し勉学に勤しみ三年、高等部に上がり、学園暮らしも合計六年目、今年は卒業を控えております。
真っ直ぐな黒髪に黒い瞳。
わたくしのこの冷たい見た目の印象と、一人っ子の総領娘として、常に毅然と淑女らしくをモットーとしている内に、表情筋が仕事を怠けているかのように鉄面皮を維持出来るようになりました。
お陰で(?)今日のような突発的災難に、泰然自若として受け流したように振舞えましたが、内面ではパニック状態ですよ混乱の極みですよどうしたらいいのか途方に暮れていますよ!!!
我がクルーガー家の領地は、この学園のある王都から遠く、今回の珍事の全容を知るのに時間を費やしてしまいました。わたくしから父に事情説明求む、という書簡を送ったら、行き違いに父から“ゾフィーを頼む”という書簡が届いて混乱しつつ、頭痛と眩暈に襲われたわ。
そもそも書簡の行き来に片道二週間、計四週間を要する距離の壁があるせいなのだけど。
そのせいで、事情把握にもたついている間にわたくしの学園での評判は、それはもう、なかなかユカイな事になってしまいました。
自称妹があちこちで言いふらすから!
学園の食堂で。三年生の学園棟で。憩いの中庭噴水広場で。花々が咲き誇る美しい温室で。
それはもう、盛大にわたくしに突撃して涙ながらに不満を訴えて、場を混乱の坩堝に叩き落とした挙句、その勢いのままに走り去るのです。こちらの意見なんて聞きもせず、一方的に罵倒されて言い逃げられる。なんともまぁ、わたくしの名誉は地に落ちましたね。
仲の良いお友だちには、その度に事情を説明したのですが、そうでない方にわたくしの事情など伝わりません。遠目に見たらわたくしは紛れもない悪役。だって、あの子泣いて、大声で訴えるんですもの。どうやら『妹を虐げる非道の姉』というレッテルが貼られてしまったようです。
曰く、姉ばかり優遇されている。妹は虐げられている。
曰く、姉は初等部から学園に来たのに、妹の自分は高等部からしか勉学を許されなかった。
曰く、姉の持ち物は全て外商から買い受けた一流品。妹のは屋敷のメイドが作った偽物。
曰く、妹の言う事なんて聞く耳持ってくれない、妹を侮っている、ニコリとも微笑んでくれない。
曰く、一度でも謝ってくれたら寛大な妹は許す準備があります。
何故、そんなにも上から目線なのか、激しく目眩がするくらい疑問よ。
しかも、わたくしに笑えって?
無理難題にも程があるわ。子どもの頃ならいざ知らず、今は難しいのよ。苦手なのよ。どうやって笑えばいいのか判らないのよ。無意識ならともかく意識的には。
あの方が卒業してからは、特に。
質の悪い事に、あの子のあの可憐な容姿は、殿方を味方につけるのに成功した模様。
あの愛らしい顔で泣き濡れると思わず同情を禁じ得ませんものね。
わたくしを見つけるとあからさまに怯えた様子で殿方の背に隠れるというパフォーマンスまでするようになりましたよ。
その度に騎士気どりの男子学生がわたくしを睨みつけるというオプション付き。
……神経すり減るぅ……胃がやられるぅ……なんなの、あの子、もぉ……
そもそもね、わたくし、三年生なのよ? 一年生に編入してきたゾフィーとはそんなに簡単には会えないのよ? だって校舎が違うんだもの。
しかも、住む寮が違うのよ?
本来なら接点ないのよ?
それを、まぁ、目に着く場所に出没して、その度に突っかかって来て。ストーカーって、言う奴じゃないの? それもクレーマー機能搭載のストーカー。うわぁ、嫌過ぎる。
えぇ、確かにあの子とは幼い頃、一緒に過ごしましたよ。良い思い出も無くはないですよ。一人っ子のわたくしはあの子を可愛がりましたよ。でもその情がすっかり擦り減って無くなりそうですよ。
一ヵ月後に実家から詳細な事情説明お手紙が届き、また脱力しました。
なんという事でしょう(遠い目)
我が家の恥を喧伝する訳にはいかないし、わたくしの名誉が地に落ちた処で、わたくし一人が我慢すればいいかと、沈黙を守っている間にも、ゾフィーの地道な広報活動の時間は経過していて。
「ブリュンヒルデ嬢! 貴様の悪辣な所業は全て聞いた! 貴様との婚約は破棄させて貰う!」
……なんだこれ。
中庭の噴水広場で、高らかに宣言されてしまいました。小脇にゾフィーを抱えた男子学生に呼び止められて。
っていうかね、その前にね、あんた、誰?(やさぐれモード)
高等部一年生の証の真新しい赤いリボンを襟元につけた制服姿のゾフィーが、昼の学園食堂でわたくしに突進してきた第一声が、これ。
「なぜ、私がブルーメ寮で、おねえさまがシュネー寮なのですか?! そこまで姉妹格差を見せつけるのですか?」
は?
今、この子、なんて言いましたか?
「しかも! とても狭いお部屋なのですよっ! あんまりですっ!」
えぇと。
ツッコミどころが満載でどこから手をつけていいのか戸惑うのですが。
ちなみに雪寮というのは、高位貴族の令嬢が入る女子寮の名前。華寮は、低位貴族、もしくは侍女として主に付き添って入学した平民の女生徒が入る一般寮。ブルーメ寮の中では貴族と平民の扱いが違うそうなのだけど、わたくしはシュネー寮にいるから内情は噂でしか知りません。
わたくしは伯爵家の娘なので、高位貴族か低位貴族なのか、判断が微妙な処だけど、現在超高位である公爵家の令嬢が在籍していないからか、伯爵位の娘であるわたくしはシュネー寮を使用しているのよね。13歳の時からだから、かれこれ五年、今年で六年目、もう色々知り尽くしたと思っていましたが、まさかこんな訳の判らない批判を受けるとは。
「学園に来たらおねえさまにお会いできると楽しみにしておりましたのに、出迎えてもくださらないっ……」
そう言って、涙を堪えている風のゾフィー。
可憐だわね。ピンクブロンドの髪に空色の瞳、可愛らしい顔、細い手足に不釣り合いに豊かな胸。
あらまぁ。この子、いつの間にあんなにお胸が育ったのかしら。わたくしが学園に来る前はあんなんじゃぁ、なかった。
まぁ、それもそうよね。わたくしがこの学園の初等部に入学したのが13歳の時。ゾフィーは11歳。あれから今まで帰郷していないわたくしが、彼女と会うのは実に五年ぶりなのよ。
確か、現在15歳……16歳だったかしら? の彼女は成長期ですものね。でも、こんなに傍若無人で失礼な子だったかしら?
「おねえさまはひどいですっ、ずるいですぅぅぅぅぅぅぅ」
そう言って泣きながら走り去ったゾフィー。
……えぇぇぇ? あの子、ゾフィーよね? わたくしの知っているゾフィーは、あんな子だったかしら? それにあの子、何しに来たのかしら。
まず、“ご無沙汰してます”とか“元気でしたか?”とか、そんな挨拶があってしかるべきだと思うのだけど、それらは省略していきなり罵倒と非難とは。余りの事に呆然自失で、わたくしからは一言も発せないまま見送ってしまったわ。
「えぇと、妹さん? なんて、ブリューに居た? かしら?」
親友のイザベラがわたくしに恐々と話しかけます。
「いいえ。わたくしに妹なんて、おりませんわ」
わたくし、一人っ子の総領娘ですもの。
それに、あの子とは一緒に幼少期を過ごし、昔からわたくしを“おねえさま”と呼んではいたけれど。
「ブリュー? 周りの子は判らないでしょうけど、わたくしには解るわよ。貴女、今、混乱の極みに居るわね?」
勿論、混乱と当惑の極みに居ますよ。
「そんな超然とした顔してるのにね。内面が顔に出ないって、貴族としては上出来だけど、こういう時は不利ね。誰も貴女が傷ついているなんて思ってもいない。泣いて逃げたあのピンクちゃんには同情しているみたいだけど」
イザベラの人を見る目と分析力は、なかなかのモノよ。流石侯爵令嬢ってところかしらね。
そう、今わたくしは混乱してるし、困惑しているし、傷ついているわ。
だって、訳の判らない事言って泣いてたのよ、ゾフィーが。わたくしが泣かせたって事じゃない?
あの子がこの学園に来るなんて、聞いてない。だってあの子、そんな身分じゃないし。
わたくしが学園に入ってからこの五年の間に、我が実家に何が起こったのでしょうか。領地にいる両親に確かめなければなりません。
申し遅れました、わたくしブリュンヒルデ・フォン・クルーガーと申します。クルーガー伯爵家の一人娘です。
現在、王立貴族学園の高等部三年に在籍しております。この学園の初等部に入学し勉学に勤しみ三年、高等部に上がり、学園暮らしも合計六年目、今年は卒業を控えております。
真っ直ぐな黒髪に黒い瞳。
わたくしのこの冷たい見た目の印象と、一人っ子の総領娘として、常に毅然と淑女らしくをモットーとしている内に、表情筋が仕事を怠けているかのように鉄面皮を維持出来るようになりました。
お陰で(?)今日のような突発的災難に、泰然自若として受け流したように振舞えましたが、内面ではパニック状態ですよ混乱の極みですよどうしたらいいのか途方に暮れていますよ!!!
我がクルーガー家の領地は、この学園のある王都から遠く、今回の珍事の全容を知るのに時間を費やしてしまいました。わたくしから父に事情説明求む、という書簡を送ったら、行き違いに父から“ゾフィーを頼む”という書簡が届いて混乱しつつ、頭痛と眩暈に襲われたわ。
そもそも書簡の行き来に片道二週間、計四週間を要する距離の壁があるせいなのだけど。
そのせいで、事情把握にもたついている間にわたくしの学園での評判は、それはもう、なかなかユカイな事になってしまいました。
自称妹があちこちで言いふらすから!
学園の食堂で。三年生の学園棟で。憩いの中庭噴水広場で。花々が咲き誇る美しい温室で。
それはもう、盛大にわたくしに突撃して涙ながらに不満を訴えて、場を混乱の坩堝に叩き落とした挙句、その勢いのままに走り去るのです。こちらの意見なんて聞きもせず、一方的に罵倒されて言い逃げられる。なんともまぁ、わたくしの名誉は地に落ちましたね。
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そもそもね、わたくし、三年生なのよ? 一年生に編入してきたゾフィーとはそんなに簡単には会えないのよ? だって校舎が違うんだもの。
しかも、住む寮が違うのよ?
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それを、まぁ、目に着く場所に出没して、その度に突っかかって来て。ストーカーって、言う奴じゃないの? それもクレーマー機能搭載のストーカー。うわぁ、嫌過ぎる。
えぇ、確かにあの子とは幼い頃、一緒に過ごしましたよ。良い思い出も無くはないですよ。一人っ子のわたくしはあの子を可愛がりましたよ。でもその情がすっかり擦り減って無くなりそうですよ。
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なんという事でしょう(遠い目)
我が家の恥を喧伝する訳にはいかないし、わたくしの名誉が地に落ちた処で、わたくし一人が我慢すればいいかと、沈黙を守っている間にも、ゾフィーの地道な広報活動の時間は経過していて。
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……なんだこれ。
中庭の噴水広場で、高らかに宣言されてしまいました。小脇にゾフィーを抱えた男子学生に呼び止められて。
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