14 / 18
◇おまけ
◆裏こぼれ話◆
しおりを挟むご高覧ありがとうございました。
作者です。<(_ _)>
どうでもいい「裏・こぼれ話」です。
拙作『魔戦場のミハエラ(略)』
もしかしてもしかすると、気がつく人はいるのかしらと思っていましたが。
……いらっしゃいました。ありがとう、みきざとさま。愛してる(←ヤメロ)
わたくしの過去作『多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?』(これも題名長いなー!(おまいう))のなかで、たびたび話題になっていた主人公アリスの母方のおばあさまがいます。
辺境フィーニスの一族に生まれ、男だったら族長だったと辺境伯に言わしめた伝説の女傑。
そのお方こそ、今作の主人公・ミハエラ・ナスルです。
今作はその人にフューチャリングしたお話です。
はじまりは『ハイファンタジーのカテゴリーでざまあを考えてみよう』が発端。
ファンタジーといえば、剣と魔法。
剣と魔法の世界でなにものにも動じない強い女性がいいなぁ……と考えていたら。
過去作の中にいました。
無駄に設定てんこもりにした女傑(でも本人は登場していない)がいたので、ご登場願った次第。
『多産(略)』の18話に以下のようにあるので抜粋します。
(へたれヒーローイザークと主人公アリスの会話から)=========
「あぁ、“魔戦場のミハエラ”様か。あの生きる伝説の。お若い頃スタンピードの最中、魔物に囲まれて昼寝をしていたという逸話は圧巻だと思うぞ」
「……お祖母さま、そんなことなさったの? 私、そのお話存じませんわ」
“魔戦場のミハエラ”だなんて、随分勇ましい二つ名です。お祖母さまったら、ご自分の武勇伝、なぜ孫に教えて下さらなかったのかしら。
==========(抜粋終了)
今こそ、アリスっちの疑問にお答えしましょう!
ミハエラさま的には〝あまり嬉しくない逸話付き”だったから、孫に話さなかったのです。
今作でセルウェイ騎士団の騎士たちやナイトリー団長も言ってますが、『屠った魔獣の死体に囲まれて休息をとっているミハエラさま』の姿を、彼らは仰々しく神格化しているのが、ミハエラさま的には気に入らないのです。
実はあれ、力尽きて半分気絶するように休んでいたんです。
三日三晩、休憩も取らずに魔獣狩りしていたんです。
ちょっと限界値越えていたんです。
で、夜明け間近になり、彼女の索敵範囲内では魔獣を屠り終えて。
残った力で自分たちの周りに結界張って、長剣を地面にぶっ刺してそれに凭れ立ったまま一息ついて、さぁ皆にも休憩を……と思ったら気絶していた。
というのが真相。
声をかけられて起こされたときに「あ、すまん寝てた」と返答してしまったが故に、周囲からは「なんと肝の座った……」「豪胆な方だ……」と尊敬の目でみられてしまって。
ミハエラさまとしては、実に不本意な状態だったのです。
戦場で意識を失うなど、なんたる未熟な! 不覚をとった! ……という思考。脳筋なのです。
それが、やれ神々しいだのなんだの噂され、噂が独り歩きし、〝魔物に囲まれて昼寝をしていた”という形になるわけでして。
一応、娘や息子には〝そんなカッコいい状態じゃなかった”って説明していたんですがね、黙っていればいいと夫ジャスティンに言われたのでそのまま放置。孫の代では伝説となっていたのでした……(ミハエラさま遠い目)
作中ミハエラさまは『やあやあ! 遠からん者は……』と名乗りを上げていますが、完全に、遊んでます。マジでデモンステレーションしてただけです。
魔法ならば、或いは魔獣狩りのことならなんでもできるミハエラさま(火、水、雷、風、氷などなど。大抵の攻撃魔法は使えるオールラウンダー(ただし、治癒魔法は使えない))ですが、貴婦人としての動きはまるでできません。ガサツ。(ちなみに『お姐さん』たちはできます。師範級)
ダンスのステップも踏めることは踏めるけど、対面する相手の足を踏みに行きます。無意識に。
「わたしの前に立つのは倒して欲しいからだな!」と無意識に思ってしまう人なので。
基本、脳筋です。
作中、公爵からダンスに誘われて断ったのも、彼女としては親切心ですwww
もちろん、背後に立たれた場合は防衛本能が働いて無意識に攻撃してしまいます。
お陰で夜会の間中、神経とがらせてあちこち見渡しながら気を使って疲れたミハエラさま。(ナイトリー団長がいないかなぁと探していたのもあります)
……特上の美人さんなんだけどなぁ……。
そんな彼女の婿になったのはジャスティン・ナイトリー。騎士爵。27歳。苦労人。
彼は、魔の森でする魔獣討伐がなによりも楽しみだったミハエラさまに〝おまえがいないから寂しい”という情緒を教えたひとwww
作中チラリと出しましたが、彼の容姿は王都にいる令嬢たちにはウケない部類に入っている人。
筋骨隆々の強面は忌避されてました。(いわゆるゴリラ系? 公爵は孔雀系。王都では孔雀系のうつくしい男性が好まれています)なので、女性と付き合ったことがない。
主であるセルウェイ公爵にも厳つい顔を煙たがられ、護衛騎士に任命されていません。
今回のスタンピードでの手柄を全部上司であるセルウェイ公爵へ捧げてしまった(横取りされたともいう)ので、祝賀の夜会にも出席していません。
……ってここまで書いて、ナイトリーはシンデレラ型ヒロインwなのでは? と新たな気づきが(笑)
醜いと蔑まれ、それでも実力で騎士団長になり部下からは慕われている。
命がけでスタンピードに立ち向かって生還。けれど手柄は上司に奪われ華々しい舞台には立てなかったところに王子さま(笑)が現れ『きみを探していたんだ。さあ、僕の手を取りなさい』と手を差し伸べる……。
完璧やん(笑)
このあと、一姫二太郎三次郎四姫の四人の親になりますwww
この『一姫』が『多産(略)』の主人公アリスの母です。
ミハエラさまは『多産(略)』の時点で63歳。美魔女w
いまだ現役で魔獣討伐隊に加わっています。(3話参照)
さすがに先陣は切らず、若い子や新人の後方からアドバイスする教師役です。
『戦場の戦乙女』の本来の配置に戻ったかんじ。
19
お気に入りに追加
440
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約者が好きなのです
maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。
でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。
冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。
彼の幼馴染だ。
そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。
私はどうすればいいのだろうか。
全34話(番外編含む)
※他サイトにも投稿しております
※1話〜4話までは文字数多めです
注)感想欄は全話読んでから閲覧ください(汗)
蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
平凡令嬢の婚活事情〜あの人だけは、絶対ナイから!〜
本見りん
恋愛
「……だから、ミランダは無理だって!!」
王立学園に通う、ミランダ シュミット伯爵令嬢17歳。
偶然通りかかった学園の裏庭でミランダ本人がここにいるとも知らず噂しているのはこの学園の貴族令息たち。
……彼らは、決して『高嶺の花ミランダ』として噂している訳ではない。
それは、ミランダが『平凡令嬢』だから。
いつからか『平凡令嬢』と噂されるようになっていたミランダ。『絶賛婚約者募集中』の彼女にはかなり不利な状況。
チラリと向こうを見てみれば、1人の女子生徒に3人の男子学生が。あちらも良くない噂の方々。
……ミランダは、『あの人達だけはナイ!』と思っていだのだが……。
3万字少しの短編です。『完結保証』『ハッピーエンド』です!
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
安らかにお眠りください
くびのほきょう
恋愛
父母兄を馬車の事故で亡くし6歳で天涯孤独になった侯爵令嬢と、その婚約者で、母を愛しているために側室を娶らない自分の父に憧れて自分も父王のように誠実に生きたいと思っていた王子の話。
※突然残酷な描写が入ります。
※視点がコロコロ変わり分かりづらい構成です。
※小説家になろう様へも投稿しています。
愛なんてどこにもないと知っている
紫楼
恋愛
私は親の選んだ相手と政略結婚をさせられた。
相手には長年の恋人がいて婚約時から全てを諦め、貴族の娘として割り切った。
白い結婚でも社交界でどんなに噂されてもどうでも良い。
結局は追い出されて、家に帰された。
両親には叱られ、兄にはため息を吐かれる。
一年もしないうちに再婚を命じられた。
彼は兄の親友で、兄が私の初恋だと勘違いした人。
私は何も期待できないことを知っている。
彼は私を愛さない。
主人公以外が愛や恋に迷走して暴走しているので、主人公は最後の方しか、トキメキがないです。
作者の脳内の世界観なので現実世界の法律や常識とは重ねないでお読むください。
誤字脱字は多いと思われますので、先にごめんなさい。
他サイトにも載せています。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる