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◇おまけ

◆裏こぼれ話◆

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 ご高覧ありがとうございました。
 作者です。<(_ _)>

 どうでもいい「裏・こぼれ話」です。

 拙作『魔戦場のミハエラ(略)』

 もしかしてもしかすると、気がつく人はいるのかしらと思っていましたが。
 ……いらっしゃいました。ありがとう、みきざとさま。愛してる(←ヤメロ)

 わたくしの過去作『多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?』(これも題名長いなー!(おまいう))のなかで、たびたび話題になっていた主人公アリスの母方のおばあさまがいます。

 辺境フィーニスの一族に生まれ、男だったら族長だったと辺境伯に言わしめた伝説の女傑。
 そのお方こそ、今作の主人公・ミハエラ・ナスルです。
 今作はその人にフューチャリングしたお話です。

 はじまりは『ハイファンタジーのカテゴリーでざまあを考えてみよう』が発端。
 ファンタジーといえば、剣と魔法。
 剣と魔法の世界でなにものにも動じない強い女性がいいなぁ……と考えていたら。
 過去作の中にいました。
 無駄に設定てんこもりにした女傑(でも本人は登場していない)がいたので、ご登場願った次第。


 『多産(略)』の18話に以下のようにあるので抜粋します。

(へたれヒーローイザークと主人公アリスの会話から)=========

「あぁ、“魔戦場のミハエラ”様か。あの生きる伝説の。お若い頃スタンピードの最中、魔物に囲まれて昼寝をしていたという逸話は圧巻だと思うぞ」

「……お祖母さま、そんなことなさったの? 私、そのお話存じませんわ」

 “魔戦場のミハエラ”だなんて、随分勇ましい二つ名です。お祖母さまったら、ご自分の武勇伝、なぜわたしに教えて下さらなかったのかしら。

==========(抜粋終了)

 今こそ、アリスっちの疑問にお答えしましょう!

 ミハエラさま的には〝あまり嬉しくない逸話付き”だったから、孫に話さなかったのです。
 今作でセルウェイ騎士団の騎士たちやナイトリー団長も言ってますが、『屠った魔獣の死体に囲まれて休息をとっているミハエラさま』の姿を、彼らは仰々しく神格化しているのが、ミハエラさま的には気に入らないのです。

 実はあれ、力尽きて半分気絶するように休んでいたんです。
 三日三晩、休憩も取らずに魔獣狩りしていたんです。
 ちょっと限界値越えていたんです。
 で、夜明け間近になり、彼女の索敵範囲内では魔獣を屠り終えて。
 残った力で自分たちの周りに結界張って、長剣を地面にぶっ刺してそれに凭れ立ったまま一息ついて、さぁ皆にも休憩を……と思ったら気絶していた。
 というのが真相。
 声をかけられて起こされたときに「あ、すまん寝てた」と返答してしまったが故に、周囲からは「なんと肝の座った……」「豪胆な方だ……」と尊敬の目でみられてしまって。
 ミハエラさまとしては、実に不本意な状態だったのです。
 戦場で意識を失うなど、なんたる未熟な! 不覚をとった! ……という思考。脳筋なのです。

 それが、やれ神々しいだのなんだの噂され、噂が独り歩きし、〝魔物に囲まれて昼寝をしていた”という形になるわけでして。

 一応、娘や息子には〝そんなカッコいい状態じゃなかった”って説明していたんですがね、黙っていればいいと夫ジャスティンに言われたのでそのまま放置。孫の代では伝説となっていたのでした……(ミハエラさま遠い目)

 
 作中ミハエラさまは『やあやあ! 遠からん者は……』と名乗りを上げていますが、完全に、遊んでます。マジでデモンステレーションしてただけです。

 魔法ならば、或いは魔獣狩りのことならなんでもできるミハエラさま(火、水、雷、風、氷などなど。大抵の攻撃魔法は使えるオールラウンダー(ただし、治癒魔法は使えない))ですが、貴婦人としての動きはまるでできません。ガサツ。(ちなみに『お姐さん』たちはできます。師範級)

 ダンスのステップも踏めることは踏めるけど、対面する相手の足を踏みに行きます。無意識に。
 「わたしの前に立つのは倒して欲しいからだな!」と無意識に思ってしまう人なので。
 基本、脳筋です。

 作中、公爵からダンスに誘われて断ったのも、彼女としては親切心ですwww

 もちろん、背後に立たれた場合は防衛本能が働いて無意識に攻撃してしまいます。
 お陰で夜会の間中、神経とがらせてあちこち見渡しながら気を使って疲れたミハエラさま。(ナイトリー団長がいないかなぁと探していたのもあります)
 ……特上の美人さんなんだけどなぁ……。

 そんな彼女の婿になったのはジャスティン・ナイトリー。騎士爵。27歳。苦労人。
 彼は、魔の森でする魔獣討伐がなによりも楽しみだったミハエラさまに〝おまえがいないから寂しい”という情緒を教えたひとwww

 作中チラリと出しましたが、彼の容姿は王都にいる令嬢たちにはウケない部類に入っている人。
 筋骨隆々の強面は忌避されてました。(いわゆるゴリラ系? 公爵は孔雀系。王都では孔雀系のうつくしい男性が好まれています)なので、女性と付き合ったことがない。
 主であるセルウェイ公爵にも厳つい顔を煙たがられ、護衛騎士に任命されていません。

 今回のスタンピードでの手柄を全部上司であるセルウェイ公爵へ捧げてしまった(横取りされたともいう)ので、祝賀の夜会にも出席していません。

 ……ってここまで書いて、ナイトリーはシンデレラ型ヒロインwなのでは? と新たな気づきが(笑)
 醜いと蔑まれ、それでも実力で騎士団長になり部下からは慕われている。
 命がけでスタンピードに立ち向かって生還。けれど手柄は上司に奪われ華々しい舞台には立てなかったところに王子さま(笑)が現れ『きみを探していたんだ。さあ、僕の手を取りなさい』と手を差し伸べる……。

 完璧やん(笑)


 このあと、一姫二太郎三次郎四姫の四人の親になりますwww
 この『一姫』が『多産(略)』の主人公アリスの母です。

 ミハエラさまは『多産(略)』の時点で63歳。美魔女w
 いまだ現役で魔獣討伐隊に加わっています。(3話参照)
 さすがに先陣は切らず、若い子や新人の後方からアドバイスする教師役です。
 『戦場の戦乙女』の本来の配置に戻ったかんじ。

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