2 / 3
第2話
しおりを挟む
怪しい光の発生源に行くと、大きな窓から外の光が差し込んでいるだけだった。窓から入って来る光を見て今は夜だとわかった。窓の下には円柱型の水槽がありそこに、一人の少女が入っていた。水槽の横の机には、少女のかと思われるカルテが置いてあった。カルテには井浦衣織と書いてあった。そしてカルテの下には数字が掠れて読めなかったが『何年ごに目覚めるように設定してある』そう書いてあった。すると、目の前にある水槽から液体が漏れてきた。おそらく設定されていた日付が、今日だったのだろう。液体が流れるその光景は美しくもあり妖しくもあった。そんな光景に見惚れていると、目の前にあった棺桶のようなベットから、カルテに書かれている人と思わしき少女が起き上がった。
「あなた誰?私は…」
名前を言おうとしたが、手前で詰まってしまった。そして不安そうに僕に聞いてきた。
「僕は相模日向。君は井浦衣織。」
「なんで私の名前を?」
「カルテに書いてあった。見ちゃダメだった?僕はこの病院で君と同じコールドスリープを受けいてた患者。まぁ、とりあえず外出てみる?」
そう僕が言うと小さく頷いた。
外に出るとそこには不思議な光景が広がっていた。病院の外壁には緑のツタがびっしり巻き付いていた。アスファルトの道から木が生えていた。
「どうして街が…」
そう言って井浦は膝から崩れ落ちた。街はみるからに街としての機能が失われていた。
周りを見回すと、信号にはツタが巻きつき車は木の幹の下敷きになっていた。
この状況に圧倒されていると、井浦が震えながら、口を動かした。
「誰かいませんか~ここはどこですか~」
そう大きな声で叫んだが人が出で来る気配は無かった。
「多分ここには僕らしかいないと思うよ。ここがどこかはわかるよ」
「本当に⁉︎」
皮肉なのかここは小さい頃に住んでいた街だった。
「今僕たちがいた病院は聖路加病院だよ。ここには何度も来た事がある」
「どこに行けば人居るかな?」
「渋谷なら人一人ぐらいいるんじゃない」
「なら渋谷に向かおう」
こうして僕と井浦は渋谷を目指して歩き始めた。
「あなた誰?私は…」
名前を言おうとしたが、手前で詰まってしまった。そして不安そうに僕に聞いてきた。
「僕は相模日向。君は井浦衣織。」
「なんで私の名前を?」
「カルテに書いてあった。見ちゃダメだった?僕はこの病院で君と同じコールドスリープを受けいてた患者。まぁ、とりあえず外出てみる?」
そう僕が言うと小さく頷いた。
外に出るとそこには不思議な光景が広がっていた。病院の外壁には緑のツタがびっしり巻き付いていた。アスファルトの道から木が生えていた。
「どうして街が…」
そう言って井浦は膝から崩れ落ちた。街はみるからに街としての機能が失われていた。
周りを見回すと、信号にはツタが巻きつき車は木の幹の下敷きになっていた。
この状況に圧倒されていると、井浦が震えながら、口を動かした。
「誰かいませんか~ここはどこですか~」
そう大きな声で叫んだが人が出で来る気配は無かった。
「多分ここには僕らしかいないと思うよ。ここがどこかはわかるよ」
「本当に⁉︎」
皮肉なのかここは小さい頃に住んでいた街だった。
「今僕たちがいた病院は聖路加病院だよ。ここには何度も来た事がある」
「どこに行けば人居るかな?」
「渋谷なら人一人ぐらいいるんじゃない」
「なら渋谷に向かおう」
こうして僕と井浦は渋谷を目指して歩き始めた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『星屑の狭間で』(チャレンジ・ミッション編)
トーマス・ライカー
SF
政・官・財・民・公・軍に拠って構成された複合巨大組織『運営推進委員会』が、超大規模なバーチャル体感サバイバル仮想空間・艦対戦ゲーム大会『サバイバル・スペースバトルシップ』を企画・企図し、準備して開催に及んだ。
そのゲーム大会の1部を『運営推進委員会』にて一席を占める、ネット配信メディア・カンパニー『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社が、配信リアル・ライヴ・バラエティー・ショウ『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』として、順次に公開している。
アドル・エルクを含む20人は艦長役として選ばれ、それぞれがスタッフ・クルーを男女の芸能人の中から選抜して、軽巡宙艦に搭乗して操り、ゲーム大会で奮闘する模様を撮影されて、配信リアル・ライヴ・バラエティー・ショウ『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』の中で出演者のコメント付きで紹介されている。
『運営推進本部』は、1ヶ月に1〜2回の頻度でチャレンジ・ミッションを発表し、それへの参加を強く推奨している。
【『ディファイアント』共闘同盟】は基本方針として、総てのチャレンジ・ミッションには参加すると定めている。
本作はチャレンジ・ミッションに参加し、ミッションクリアを目指して奮闘する彼らを描く…スピンオフ・オムニバス・シリーズです。
『特別解説…1…』
この物語は三人称一元視点で綴られます。一元視点は主人公アドル・エルクのものであるが、主人公のいない場面に於いては、それぞれの場面に登場する人物の視点に遷移します。
まず主人公アドル・エルクは一般人のサラリーマンであるが、本人も自覚しない優れた先見性・強い洞察力・強い先読みの力・素晴らしい集中力・暖かい包容力を持ち、それによって確信した事案に於ける行動は早く・速く、的確で適切です。本人にも聴こえているあだ名は『先読みのアドル・エルク』と言う。
追記
以下に列挙しますものらの基本原則動作原理に付きましては『ゲーム内一般技術基本原則動作原理設定』と言う事で、ブラックボックスとさせて頂きます。
ご了承下さい。
インパルス・パワードライブ
パッシブセンサー
アクティブセンサー
光学迷彩
アンチ・センサージェル
ミラージュ・コロイド
ディフレクター・シールド
フォース・フィールド
では、これより物語は始まります。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる