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異世界生活
第14話〜実〜
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最悪の日から一夜明け、俺はもう二度と睡眠を邪魔されないと誓って、徹夜覚悟で全速力で拠点の街へと戻った。
街へついた時にはもうすでにあたりは暗くなっていて、晩飯どきが終わるくらいの時間だった。
ギリギリで安らぎの羽根の食堂へ滑り込み夕食を注文した。
今日はブラックキャロットやレッドレタスなど、珍しい野菜をメインにした夕食を頼んでみた。
その毒々しい色からは想像もできないほど甘く、歯ごたえがシャキシャキで美味しかった。
ソースに入っているペッパーはボムペッパーといっても口の中で弾けて香ばしく上品な香りをあたりに漂わせた。
何を隠そう、隣の人の香りにつられてこれを頼んだのだ。
美味しく新鮮な野菜たちを食べたおれはひさびさに部屋へ戻った。
あれからたまたまあの部屋は使われなかったみたいで、同じ部屋を借りることができた。
今日の風呂は最新の魔道具で作られたバスクリンのようなものを溶かした風呂になっていた。
良い香りのお湯にゆったりと浸かり、地球で流行っていた曲を歌った。
歌っているうちに俺は泣いていた。
高校生だったとはいえまだまだ子供だった俺は故郷を思い出して悲しみに包まれていた。
次第に家族がどんな思いで過ごしているのかを考え始め、なんだか申し訳なく思ってきた。
今頃は誘拐犯に連れ去られたか、殺されたかのどっちかを考えているのだろうな。
流石に兄の祐也はもう家に戻っていると信じたいが、もし戻ってなかったら玲が一人で毎日お父さんとお母さんの帰りを待っていることになる。
考えれば考えるほど胸が痛くなってくる。
いつか魔導を極めて、異世界から地球に戻ろうと決意する俺であった。
しばらく泣いて少し冷静になった俺は体はのぼせていることに気がついた。
てもしわくちゃで体は真っ赤だ。
風呂から上がり、夜風に当たりながら瞑想をして、ベッドに入った。
今日は昨日の寝不足もあり、朝の9:30まで寝てしまった。
ここまで寝てしまったらもういいクエストは残ってないだろうと思いぐだぐだ過ごそうと思ったらドアをノックする音が聞こえた。
いったい誰だ?
あくびをしながらドアを開けるとそこにはクエストチケットを持って武装したレイラが立っていた。
レイラ「タクミさん!久しぶり!どうやら今日もゆっくり寝てたみたいだね。」
そう言って笑いながら話しかけてきた。
自分「今日は一体どうしたんだ?わざわざノックして会いにくるなんて何かあったのか?」
レイラ「そんな大したことではないんだけど、今日クエストチケットを取ったらおそらく間違えてたんだろうけどDランクのチケットが混じっててそれを取ってきちゃったんだ。
報酬だけ見えてこれはやらなきゃと思ったんだけど、、、。」
なるほど、ギルドの協定では個人のランクよりも上のクエストを受けることができる方法が二つある。
一つ目は一番多い方式である、グループによるクエスト受注だ。
まず、グループのランクはグループ内で一番ランクが高い人のランクがそのまま反映される。
それで良いのかと思うのだろうが、それにはこういう理由がある。
例えばだが、規則としてDランクの冒険者はDランクのクエストを一人で達成する力があると認められてDランクになれる仕組みになっている。
そしてグループメンバー同士で相当の実力がかけ離れていない限り、下位のランクの冒険者の人数が増えてもそのまま戦力になるのだ。
そのため一番高ランクの人にグループランクを反映させてもなんら問題はないのでOKとなっている。
このように弱いうちから強い敵で経験値をしっかりと稼いで成長できるという点がグループを組む人が多い理由でもある。
地球にいた頃はこれをパワーレベリングと呼んでいて、ゲームなどではあまり好まれなかったが、この世界は生と死が地球よりも身近にあるのでポピュラーな方法だった。
そして二つ目は領主やギルド、国によってクエストを依頼された時である。
とはいえ低ランクの冒険者がわざわざ名指しで依頼を受けることはないので、狙ってやるのはほぼ困難である。
A以上になると強制依頼として領主やギルド、国の危機などに真っ先に駆り出されるため、自由にしたい冒険者はあえてBで止めてグループでAランクやSランクに一時的になって荒稼ぎをするそうである。
国やギルドの指名依頼は断ることもできるので、実質Bランクが自由な一番権力を持った冒険者であるということだ。
とはいえ報酬は普通のクエストよりも実入りのいいものであるため、断る人はほぼいないそうだが。
だいぶ脱線したが、要はグループを組むことで一時的にランクを上げて、クエストを受けようということである。
もちろん俺は快諾した。
場所はここからそこまで遠く無いので地図を見てすぐに出発した。
今日は初めてレイラとあったところの森に入っていくようなので、どんな景色が待っているか楽しみだった。
目的地は湖の中だとクエストチケットに記されていた。
今回は生態系を破壊する湖における最高次捕食者を討伐するという内容である。
探すのに苦労すると思ってぼんやりと湖を眺めた俺は一瞬で見つかって少し驚いた。
ジンベイザメ程の巨大な魚が二匹目の前を泳いでいたのだ。
水中は戦ったことがなかったのでどのように戦おうか考えていたが、レイラから新しい魔導をおぼえたことを伝えられ、その魔導を軸に倒すことに決めた。
その名も「歌魔導」
昨日か一昨日の夜に俺の睡眠を邪魔したミュージックバードも似たような力を使っているらしい。
ミュージックバードは単純にイライラさせるだけの魔導であるが、レイラが覚えたのは睡眠術のような効果があるものであった。
早速近づいてきたところで、歌魔導を使った。
この魔導はそのまま詠唱が効果を発揮するようで珍しいなと感心する俺であった。
身の前で浮かび上がってひっくり返った魚はいとも容易く討伐することができた。
一匹ずつ魔石と素材を分け合い、(収納は俺がしてギルドまで持って行ったが)ギルドへと戻った。
Dランククエストの達成報酬と素材の売却を合わせて50万Gになった。
今日もウハウハで宿へと戻った。
昼食は少し切り分けてとっておいた湖の主をレイラのお父さんにお願いして料理してもらった。
ランクが高いだけあってとてもうまかった。
その日の夜は久々にレイラのお父さんに剣術を稽古してもらった。
ドラゴンをはじめとする色々な魔物を倒す中で、それなりにレベルアップもしてステータスもかなり上昇していたので、以前よりキツさは感じなかった。
以前に増した鋭さで素振りを繰り返す俺をレイラのお父さんは褒めてくれた。
稽古が終わった俺は露天風呂へ直行した。
稽古の後に露天風呂に入ると全ての疲れが癒えるように感じた。
そしてかなり大ニュースなのだが、つい最近レイラのお母さんが湯治スキルを習得したことで、安らぎの羽根の露天風呂全てに体力回復と疲労緩和の効果が付与されたそうだ。
レイラのお母さん万歳!万歳!
スッキリした俺はベッドに飛び込むと、スイッチが切れたようにすぐに寝てしまった。
街へついた時にはもうすでにあたりは暗くなっていて、晩飯どきが終わるくらいの時間だった。
ギリギリで安らぎの羽根の食堂へ滑り込み夕食を注文した。
今日はブラックキャロットやレッドレタスなど、珍しい野菜をメインにした夕食を頼んでみた。
その毒々しい色からは想像もできないほど甘く、歯ごたえがシャキシャキで美味しかった。
ソースに入っているペッパーはボムペッパーといっても口の中で弾けて香ばしく上品な香りをあたりに漂わせた。
何を隠そう、隣の人の香りにつられてこれを頼んだのだ。
美味しく新鮮な野菜たちを食べたおれはひさびさに部屋へ戻った。
あれからたまたまあの部屋は使われなかったみたいで、同じ部屋を借りることができた。
今日の風呂は最新の魔道具で作られたバスクリンのようなものを溶かした風呂になっていた。
良い香りのお湯にゆったりと浸かり、地球で流行っていた曲を歌った。
歌っているうちに俺は泣いていた。
高校生だったとはいえまだまだ子供だった俺は故郷を思い出して悲しみに包まれていた。
次第に家族がどんな思いで過ごしているのかを考え始め、なんだか申し訳なく思ってきた。
今頃は誘拐犯に連れ去られたか、殺されたかのどっちかを考えているのだろうな。
流石に兄の祐也はもう家に戻っていると信じたいが、もし戻ってなかったら玲が一人で毎日お父さんとお母さんの帰りを待っていることになる。
考えれば考えるほど胸が痛くなってくる。
いつか魔導を極めて、異世界から地球に戻ろうと決意する俺であった。
しばらく泣いて少し冷静になった俺は体はのぼせていることに気がついた。
てもしわくちゃで体は真っ赤だ。
風呂から上がり、夜風に当たりながら瞑想をして、ベッドに入った。
今日は昨日の寝不足もあり、朝の9:30まで寝てしまった。
ここまで寝てしまったらもういいクエストは残ってないだろうと思いぐだぐだ過ごそうと思ったらドアをノックする音が聞こえた。
いったい誰だ?
あくびをしながらドアを開けるとそこにはクエストチケットを持って武装したレイラが立っていた。
レイラ「タクミさん!久しぶり!どうやら今日もゆっくり寝てたみたいだね。」
そう言って笑いながら話しかけてきた。
自分「今日は一体どうしたんだ?わざわざノックして会いにくるなんて何かあったのか?」
レイラ「そんな大したことではないんだけど、今日クエストチケットを取ったらおそらく間違えてたんだろうけどDランクのチケットが混じっててそれを取ってきちゃったんだ。
報酬だけ見えてこれはやらなきゃと思ったんだけど、、、。」
なるほど、ギルドの協定では個人のランクよりも上のクエストを受けることができる方法が二つある。
一つ目は一番多い方式である、グループによるクエスト受注だ。
まず、グループのランクはグループ内で一番ランクが高い人のランクがそのまま反映される。
それで良いのかと思うのだろうが、それにはこういう理由がある。
例えばだが、規則としてDランクの冒険者はDランクのクエストを一人で達成する力があると認められてDランクになれる仕組みになっている。
そしてグループメンバー同士で相当の実力がかけ離れていない限り、下位のランクの冒険者の人数が増えてもそのまま戦力になるのだ。
そのため一番高ランクの人にグループランクを反映させてもなんら問題はないのでOKとなっている。
このように弱いうちから強い敵で経験値をしっかりと稼いで成長できるという点がグループを組む人が多い理由でもある。
地球にいた頃はこれをパワーレベリングと呼んでいて、ゲームなどではあまり好まれなかったが、この世界は生と死が地球よりも身近にあるのでポピュラーな方法だった。
そして二つ目は領主やギルド、国によってクエストを依頼された時である。
とはいえ低ランクの冒険者がわざわざ名指しで依頼を受けることはないので、狙ってやるのはほぼ困難である。
A以上になると強制依頼として領主やギルド、国の危機などに真っ先に駆り出されるため、自由にしたい冒険者はあえてBで止めてグループでAランクやSランクに一時的になって荒稼ぎをするそうである。
国やギルドの指名依頼は断ることもできるので、実質Bランクが自由な一番権力を持った冒険者であるということだ。
とはいえ報酬は普通のクエストよりも実入りのいいものであるため、断る人はほぼいないそうだが。
だいぶ脱線したが、要はグループを組むことで一時的にランクを上げて、クエストを受けようということである。
もちろん俺は快諾した。
場所はここからそこまで遠く無いので地図を見てすぐに出発した。
今日は初めてレイラとあったところの森に入っていくようなので、どんな景色が待っているか楽しみだった。
目的地は湖の中だとクエストチケットに記されていた。
今回は生態系を破壊する湖における最高次捕食者を討伐するという内容である。
探すのに苦労すると思ってぼんやりと湖を眺めた俺は一瞬で見つかって少し驚いた。
ジンベイザメ程の巨大な魚が二匹目の前を泳いでいたのだ。
水中は戦ったことがなかったのでどのように戦おうか考えていたが、レイラから新しい魔導をおぼえたことを伝えられ、その魔導を軸に倒すことに決めた。
その名も「歌魔導」
昨日か一昨日の夜に俺の睡眠を邪魔したミュージックバードも似たような力を使っているらしい。
ミュージックバードは単純にイライラさせるだけの魔導であるが、レイラが覚えたのは睡眠術のような効果があるものであった。
早速近づいてきたところで、歌魔導を使った。
この魔導はそのまま詠唱が効果を発揮するようで珍しいなと感心する俺であった。
身の前で浮かび上がってひっくり返った魚はいとも容易く討伐することができた。
一匹ずつ魔石と素材を分け合い、(収納は俺がしてギルドまで持って行ったが)ギルドへと戻った。
Dランククエストの達成報酬と素材の売却を合わせて50万Gになった。
今日もウハウハで宿へと戻った。
昼食は少し切り分けてとっておいた湖の主をレイラのお父さんにお願いして料理してもらった。
ランクが高いだけあってとてもうまかった。
その日の夜は久々にレイラのお父さんに剣術を稽古してもらった。
ドラゴンをはじめとする色々な魔物を倒す中で、それなりにレベルアップもしてステータスもかなり上昇していたので、以前よりキツさは感じなかった。
以前に増した鋭さで素振りを繰り返す俺をレイラのお父さんは褒めてくれた。
稽古が終わった俺は露天風呂へ直行した。
稽古の後に露天風呂に入ると全ての疲れが癒えるように感じた。
そしてかなり大ニュースなのだが、つい最近レイラのお母さんが湯治スキルを習得したことで、安らぎの羽根の露天風呂全てに体力回復と疲労緩和の効果が付与されたそうだ。
レイラのお母さん万歳!万歳!
スッキリした俺はベッドに飛び込むと、スイッチが切れたようにすぐに寝てしまった。
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