僕たち

知人さん

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異変

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人には人格というものがある。人格はその人の
人柄を理解するもので個人として独立する資格で
人には無くてはならない大切なもの。
だけど、人によっては人格をいくつも持っている人
がいるが、それは悪い事ではない。
人格は個性そのものだから。
この話はそんな多重人格持ちの青年の物語。

ある学校の1年生教室ではいつも通り授業が
行われていた。そんな授業中に教師が突然、
抜き打ちテストを始めると言い出した。
生徒たちは
「何で今日なんだよー」「聞いてねーよ」「マジで
ダルいわ~」
と口々に言ったが、教師は無視してテスト用紙
を配り始めた。
そしてテストが始まり、生徒たちは何気に黙々と
やっている中、絶望している生徒がいた。
(何で皆、解けてるんだよ。僕だけペンが
すすんでないし、普通に考えて抜き打ちとか
おかしいだろー)
そう心で文句を言ってたのは、主人公である
高橋 想介(たかはしそうすけ)だった。
(僕は、皆みたいに頭良くないし、第一、
テストなんてやりたい人だけがやればいいのに)
そんなことを思っていると
(じゃぁ、僕にやらせてよ)
頭の中で声が聞こえた途端、急にペンを持ち、
テストを解き始めた。
テスト終了時刻がきて用紙が回収されて
教師が
「結果は明日返却します。返す時、1番点数が
良かった人と悪かった人の得点を発表します」
それを聞いた生徒たちは不機嫌そうにしていた。

そして次の日、予告通りテスト返却が
行われた。返し終わると教師が
「1番良かった人は、高橋。百点だ」
宣言して生徒たちは想介を見て
「スゲーな、高橋」「またお前かよー」「高橋に
勝てる奴いねぇよな~」
と口々に言っている中、想介は
(え?、何で僕なの?ペンする持ってなかったのに)
混乱していると教師が
「あと、悪かった人は、斎藤。十点だ、
お前もうちょい頑張れよ」
呆れた声で言い、生徒たちは低すぎる点数に
爆笑していた。

そしてテスト返却が終わり、チャイムが鳴って
次の授業は体育だった。想介が疑問に思ってると
クラスメイトが
「何やってんだよ高橋、次50m走のテストだろ」
教えてくれて想介は
「ヤバッ、そうだった!」
焦って体操服に着替えて運動場に向かった。
ラジオ体操をして50m走が始まり、1人ずつ
走っていく中、想介はテスト時と同じように
絶望していた。
(最悪だ。僕、足が遅すぎるから見学したいけど
そんな事したら成績落ちちゃうからなぁ)
ネガティブな事を考えていると自分の番がきて
渋々スタートラインに立った。
(もう、マジで嫌だな~)
すると頭の中で
(じゃぁ、俺に変われよ!)
声が聞こえた途端、スタートの笛が鳴り、
想介は全力で走った。体育教師がタイムを見ると
驚いた表情で
「6秒ジャスト!?」
タイムを言うと我にかえった想介がタイムを
聞いて
「え!?、僕が6秒!?」
驚いて生徒たちが
「やっぱ高橋速いなー」「頭も良くて運動神経抜群
とかカッコ良すぎ!」
褒めていて想介は疑問を抱えたまま教室に戻り、
隣席の親友の友樹(ゆうき)に相談した。
「僕、最近変じゃない?」
「どこが?」
「だから!、テストでは満点とるし、走るのも
速すぎて1位だったし」
「そんなのいつもの事じゃん」
「いやいや、僕頭も運動神経も悪いじゃん!」
友樹は過去を思い出しながら
「確かに、中学時代は悪かったけど高校に入って
めちゃくちゃ良くなったじゃん」
想介は、それを聞いてさらに混乱した。
すると友樹が
「そういえば俺の知り合いがお前の事、紹介して
って言ってくるんだけど一度会ってくれない?」
頼んできて想介が
「いや、今はそんな事より...」
言いかけると友樹が
「あ、ちなみにその人巨乳だけど」
それを聞いた想介は
「今すぐ会いましょう」
即答した。日曜日になり、待ち合わせ場所で
想介と友樹が待っていると
「友樹く~ん」
女性の声が聞こえた。想介が声の方向を見ると
ナイスバディな茶髪ロングヘアーの女性が
近寄って来ていた。友樹が
「由奈先輩、おはようございます」
挨拶して、女性は想介を見て
「この子が、高橋君?」
疑問口調で聞き、友樹は
「うん!、高橋 想介」
紹介すると想介は
「初めまして。由奈、先輩?」
「うん、倉手 由奈(くらてゆな)です」
自己紹介して友樹は
「じゃぁ、俺は彼女と予定あるから楽しんでー!」
そう言ってどこかへ行った。想介は
「じゃぁ、行き、ましょうか」
ぎこちなく言い、2人でデートを始めた。
デートは順調にすすんでいってお互いの事を
知っていき、由奈が
「でも意外だったな~」
「何がですか?」
想介が疑問に思って聞くと
「頭も運動神経も良いって聞いてたからスゴく
陽キャみたいかと思ってた」
そう言うと想介は黙り込んで由奈が
「どうしたの?」
疑問に感じて聞くと
「いや、何でもないです」
想介は自分の事を考えながら、そう言った。

次の日、想介は教室に入ると
「昨日はマジで最高だった、ありがとな!」
明るく伝えて友樹は出来事を聞いた。
「ちゃんと先輩を家まで送った行ったか?」
「もちろん送って行ったし、先輩の家に泊まった」
「マジで!?、もしかしてお前ヤッちゃったの?」
「当たり前だろ!」
想介は当然のように言い、友樹は疑問に感じ、
「何か、今日のお前はイキリ系だな」
親友の言葉に想介は
「そうか?、いつも通りだろ」
半笑いで答えた。その次の日、想介は
教室に入り、友樹に話した。
「昨日はありがとう、楽しかった!」
「何の事?」
「昨日先輩と2人きりにしてくれたじゃん」
「それ一昨日だろ、しかも昨日その事
話したじゃん」
「え?」
想介は疑問を感じた。その日はすぐに家に帰り、
ひとまず宿題を終わらせようと思い、ノートを
開くともうすでに終わっていた。
(どうしてだ?)
疑問に思うと頭の中で声が聞こえた。
(そろそろ気づけよ、兄貴)
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