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悪戯祭
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新が男を逮捕した後、社長夫婦は莉緒と屋上から
非常階段で降りて新は男と降りてパトカーの所に
連れて行った。そして莉緒が新に近寄り、
「正直、さっきは娘さんを見捨てて犯人だけを
助けるかと思ってた」
そう言い、新は
「だって莉緒さんに言われた言葉を
思い出しちゃったから市民を優先に助けたつもり
だったんです。でも、それだと俺の目標
じゃないから子供も犯人も両方助けました」
今の思いを話して、莉緒は
「上出来よ。あなたを刑事として認めるわ」
そう言うと新は
「あざっす!、でも俺はこれからもっとたくさんの
市民と犯人を救います!」
威勢良く意気込んで莉緒は
「期待してるわよ」
そう言ってパトカーに乗り込んだ。
翌日、新が出勤して
「おはようございます!」
挨拶すると莉緒が
「おはよう」
クールに挨拶を返した。新は
「莉緒さん、聞きたい事があるんですけど」
そう言うと莉緒は
「何?」
手短に聞き、新は
「莉緒さんは、どうして警察になろうと思ったん
ですか?」
質問した。莉緒は黙り込んで、新が
「莉緒さん?」
疑問口調で名を呼ぶと署内放送が流れた。
『南区1丁目で不審な物が目撃』
妙な放送内容で西条が
「松田と神谷、見てきてくれ」
指示して莉緒と新は
「はい!」
了解して車で現場に向かった。車内で新が
「不審な物って何ですかね?」
そう聞いたが、莉緒は無視して黙り込んでいた。
そこから沈黙になり、新は
(気まずいなぁ)
窓から外を見ながら思い、莉緒が
「さっきの質問だけど」
突然問いかけてきて、新は
「はい?」
疑問口調で聞いて莉緒は
「私が刑事になったのは.....お父さんの影響」
そう言うと新は
「お父さんの?」
聞き返すように呟き、莉緒は話し出した。
「お父さんは刑事だったの。私が小さい時
亡くなったから全然覚えてないんだけど強くて
カッコ良くて時には怖いけど誰よりも優しくて
どの刑事でも憧れて尊敬できる刑事だったみたい」
「だから、莉緒さんは刑事に」
「ええ。お父さんみたいに立派な刑事になるのが
私の夢」
「莉緒さんなら絶対なれます!」
「....ありがとっ」
クールにお礼を言うと新は
(でも何が原因で亡くなったんだ?)
疑問に思った。そして現場に着いて車から降りると
ある物が目に入った。ビルや建物の巨大モニターに
赤文字で“壱”と書かれた映像が映されていて、
新は
「何だあれ?」
疑問口調で呟き、莉緒が
「あれが不審な物?」
そう呟くと映像が変わり、イタチの仮面マスクを
つけた人物が映された。街中の人は
「何だあいつ」「変なの~」「ダッサい
仮面だなー」
口々に画面を見ながら言うとイタチの人物は
「どうも皆様、初めまして。私は、
イタチと申します」
機械のような声で自己紹介した。新が
「はぁ?、何言ってんだあいつ」
そう言う横で莉緒は足が震えていて
強く握り締めた拳も震えていた。そして、
イタチが話し始めた。
「皆さんは、昔この街で流行った十二支事件を
ご存知ですか?。干支と呼ばれた12人の
罪人たちが街でイタズラをして楽しんでたので
すが、その時、残念ながら私は仲間外れにされて
しまいました。なので、今日から1Dayは私が
“悪戯祭”(イタズラさい)をして皆様を
楽しませてあげましょう!」
そう宣言すると街の人は
「何言ってんだあいつ」「頭おかしいなー」
「警察、呼ぼうぜ」
全く興味を持たず、口々に陰口や悪口を言った。
新も
「おかしな奴だなぁ。ねぇ、莉緒さん」
そう言い、莉緒を見ると莉緒は
「神谷....あいつ、捕まえるわよ」
震える怒りの声で伝えて、新は
「え?、でも実際どこにいるか分かんないし、
確認で来ただけで逮捕命令も出てませんよ」
そう言い、莉緒が
「それでも捕まえるのよ!、あいつを放って置くと
お父さんが守ったこの街が.....」
そう言うとイタチが
「前置きの話も済んだ事で、本日19時に
悪戯祭を開祭致します!。皆様は、盛大に
楽しんで私に喜びの歓声を聞かせてください!、
そして党情警察の刑事さん、あなた方には
ミッションを与えます。観客が集まりかける
時間帯に十二支3点でキューブ型の光色花火を
轟かせます、それを阻止してください。
期待していますよ。それでは、お楽しみください」
話し終えると映像は変わって悪戯祭の情報が
書かれた画像が映し出された。
『本日19時に平庵町のシンボル、
スカイックタワーで悪戯祭が開祭!!』
新は
「何だったんだあいつ?」
そう呟くと莉緒が
「神谷、急いで署に戻るわよ」
指示して車に乗り、署に戻った。部署に行くと
西条や他部署の刑事たちも集まって緊急の
話し合いをしていた。莉緒が
「西条さん!」
名を呼んで西条は
「松田、さっきの映像見たか?」
焦りながら聞いてきて莉緒は
「はい!、あれって干支、ですよね?」
そう言うと西条は
「ああ。おそらくな、解決したはずだったが
続いてたとは」
腕を組んで険しい表情で言い、莉緒が
「どうして今、13人目が」
質問して西条は
「まず、十二支の干支は12匹のはずだ」
そう言うと新が話に割り込んで
「いや、正確には13人ですよ」
西条と莉緒に言った。西条が
「神谷、どういう事だ」
質問すると新は
「十二支って逸話では猪が来て終わりと思ってる人
が多いですけど、その翌日に遅れて来たイタチが
いるって聞いた事ありますよ。だから遅れて来た
お詫びに神様が月の初めは、1日って
言うように決めたらしいですけど」
逸話の真実を話すと西条が
「じゃぁ、あのイタチは」
そう言い、莉緒が
「間違いなく干支!?」
西条の言葉に続けて言った。そして新が
「で、2人は何の話をしてるんですか?」
気になって聞くと西条が
「お前は若いから知らないのか。この街では
20年以上前に十二支のイタズラと言われる事件
があったんだ。その事件の犯人は干支と呼ばれる
男女12人、干支は自分なりの殺し方で人を
殺しまくるイカれた殺人鬼だ。
そして松田の父親、松田 渉刑事は十二支事件で
命を落とした」
十二支のイタズラの事を話し、新は
「そんな事件が.....」
唖然とした表情で呟いた。莉緒が
「早く止めましょう!」
西条に言い、話し合いを始めた。
「悪戯祭まで残り7時間」
「どうやって止める!」「どこにいるかも不明だ」
「もし、干支なら確実に遺体が出るぞ」
刑事たちは話をしたが、意見がまとまらず、新が
「う~ん」
悩んでいると莉緒が
「神谷、何してるの」
そう聞き、新は
「妙なワードを探ってるんです」
目を閉じて伝えて
(集まりかけてる時間帯、十二支3点、
キューブ型の光色花火。何で集まった時間じゃ
なくて集まりかけなんだ?、あいつの立場に
なったら集まりかけで殺せる場所。だとしても
十二支3点って何だ?、花火だって元々
光色だけどキューブって)
推理していると莉緒が
「神谷、推理なんかする前に動くわよ。お父さん
が守ったこの街を、今度は私が守る」
意気込んで、新が
「莉緒さん、この街の地図見せてください」
頼むと莉緒は
「いいけど」
そう言い、地図を持ってきて渡し、新は机上で
地図を広げて
(スカイックタワーは、この街の中心部。タワーを
潰すのが目的なら周辺に爆弾を仕掛けるが、
そんな単純な奴か?、それに十二支3点と
キューブの花火が分かんねぇ)
指差しながら推理すると西条が
「まずは、スカイックタワーを中心に周辺を
調べて行くぞ」
指示して刑事たちは緊急調査に出た。警察たちは
外で市民たちに危険避難の呼びかけをしたが、
聞く耳を持たず、外に出回ってタワーに向かう者
も多勢いた。そんな中、新は街中を見ながら
(どうゆう事なんだよ、十二支3点と
キューブ花火って)
推理していた。莉緒が
「神谷、何か分かった?」
そう聞くと新は
「いや、まだ全然」
首を振って言い、松田のスマホが鳴って電話に
出ると西条が
『松田、神谷と署に戻ってこい』
「分かりました!」
了解して署に向かった。そして通信指令室に入り、
西条が
「現在、もう17時を過ぎてる。俺たち警察まで
巻き込まれたら危険だから、ここから街中の
カメラで見張るぞ」
指示すると刑事たちや莉緒は
「はい!」
了解したが、新は無視して
(何か重大な事を忘れてる気がする。集まりかけの
時間帯は、今頃のはずだ。何かを起こしても
おかしくはない。....いや、待て。
忘れてる?。違うな、勘違いしてるんじゃない
のか?、干支13人目の十二支3点、
そういえば、この街は12地区。十二支が
ヒントだとして地区数、3点は何だ?、それに
キューブ花火)
1人で推理していると西条が
「おい、どうゆう事だ。スクランブル交差点に
なぜあんなに人がいる」
カメラの映像を見ながら聞くと刑事たちが
「すみません。呼び掛けをしたんですが、
タワーに行くためにと言われて止まってくれず」
そう言って新がカメラ映像を見て
「スクランブル交差点」
ふと呟いて
(3点。光色。キューブ。全てが一致する場所。
3点と光色は信号機。キューブは、
あの交差点そのもの。そんな所で花火を!?。
違うな、花火は自然を燃やす物。
人を燃やす物は火。
でも放火は建物にしかしない。まさか!?)
推理を終えて
「....爆弾!!?」
カメラ映像に向かって驚いたように言うと
莉緒が
「爆弾?、何か分かったの?」
質問すると新は
「俺なりの推理だけど平庵町の12地区の
スクランブル交差点で爆発を起こすつもりかと」
推理を話して莉緒は
「そんなに多数の場所で爆発なんてさせたら」
そう言い、新は
「でも、爆弾を仕掛ける場所が分からなくて」
悔やむように言うと莉緒は
「それに、どうやって交差点に集まってる人たちを
避難させるか」
そう呟き、新は
「でも、仕掛ける位置なら信号機かも!」
閃いて言うと莉緒が
「確かに、光に反応する爆弾はあるから」
そう言って西条に
「西条さん!」
推理通りに話すと西条は
「なるほど。じゃぁ、信号会社に連絡して
信号機の光を止めよう」
提案して全ての位置の信号機の光が消え始めると
新が
(でも、これだけで本当に止まるのか?、光色は
止めたけど、集まりかけてる時間帯の謎が
解けてない。どうして、そんな時間に)
妙に思うとカメラ映像を見ていた刑事が
「急に信号機を止めたから市民たちがパニックで
道路で止まって車が渋滞し始めてます」
報告すると西条が
「それは想定してなかったな。今は、あと5分で
17時30分か。日が暮れるなぁ」
そう言い、新が
(日が暮れる?、人が集まりかける時間.....)
推理して
「そうか!」
完全に閃いて叫ぶと莉緒が
「どうしたの神谷!?」
そう聞き、新は
「今すぐ市民を避難させてください!。イタチは
人が溜まってるスクランブル交差点で
夕陽光を利用した爆弾を使って
一気に殺すつもりです!!」
推理した事を話し、莉緒が
「神谷、それ本当!?」
疑いの表情で聞くと新は
「最悪だけど、間違いないです」
怒りの表情で言った。西条が
「今すぐ市民の避難に向かうぞ!」
そう指示した途端、スクランブル交差点が1つ
爆発した。莉緒は
「....嘘」
絶望した表情で呟き、新が
「諦めるな莉緒さん!」
励まして
「頼む。逃げてくれ!、せめて他の地区の
交差点にいる人たちは逃げてくれ!、今すぐ
そこから離れろぉーー!!」
カメラ映像に向かって叫んだが、もちろん声は
届かず、次々とスクランブル交差点は爆発した。
夕陽が照らした場所は12地区全ての信号機に
反応してスクランブル交差点を破壊していき、
集まっていた人々は悲鳴をあげながら
粉々になり、車も吹っ飛んで破壊されて
煙が晴れて見えた光景は信号機が囲んだ正方形の
交差点を丸ごと消し飛ばしていてキューブ型の
残酷な大穴だった。新は
「もっと早く気づければ....」
絶望すると通信指令室の映像モニターが変わり、
イタチが映された。イタチは
「どうも~、党情警察の皆さーん」
上機嫌に挨拶して、新が
「イタチ野郎」
怒りの表情と声で名を呟き、イタチは
「あなたたちに与えたミッションは見事失敗です。
おめでとうございま~す!」
褒めて拍手をすると新が
「うるせぇ!!、黙れーー!!
お前のせいで何人が死んだと思ってやがる。
俺はお前を絶対許さねぇ!」
そう言い、イタチは
「威勢の良い刑事さんですね~。もちろん把握
してますよ、只今の12地区に設置していた
36個の花火で、約5万人が死にました」
平然と言うと新は
(俺の質問に答えた?、署内のどこかにカメラを
仕掛けてる?)
疑問に思い、イタチが
「ですが、まだ祭は終わっていません。
あと1時間で開祭時刻になります。特別に祭では
視力を失う程、眩しくて輝かしい大花火を
打ち落としてあげましょう。刑事さんたちも
ぜひ楽しんでください!」
そう言うと映像は消えた。新は
「そうだ、スカイックタワー。あの場所で何かが
起きるはずだ。でも何をするつもりだ」
疑問を呟き、推理し始めた。
(スカイックタワー。この街のシンボルでもある
バカ高いタワー、そんなので何ができる?。
爆発?、そんな単純じゃないはず。ワードを探れ。
奇妙なワードを。)
そう思い、
「視力を失う。眩しくて輝かしい。あいつから
したら花火は爆弾、今回は大花火。巨大な爆弾?、
でも、そんな物どうやって」
独り言を呟いてると莉緒が
「神谷、もう無理よ」
そう言い、新は
「え?」
疑問を一言発して、莉緒が絶望を語った。
「もう5万人もの命を救えなかった。警察じゃ
あいつに勝てない」
「何言ってんすか」
「.....」
「5万人救えなくても、まだタワーには多勢いる。
俺は!!、市民を救うために、犯罪者を
捕まえるために刑事になったんだ!!、
こんなところで諦めねぇ!!!」
「....神谷...」
「莉緒さん、あんたと、この街を救いたい。
協力してくれ」
「.....当然よ。私たちは、バディなんだから」
「莉緒さん!」
新は嬉しそうに名を言った。すると西条が
「神谷の言う通りだ」
そう言い、
「タワーの人を救出するぞ!」
全刑事に指示した。刑事たちは、すぐにタワーに
向かい、西条が
「神谷と松田は、俺とここに残れ」
そう指示して新が
「どうしてですか!」
質問すると西条は
「お前は推理しなきゃいけないんだろ。見てたよ、
お前の姿。お前の頭脳は優れてる、松田は
バディとして隣にいてやれ」
そう言うと新と莉緒は
「はい!」
2人で了解した。
非常階段で降りて新は男と降りてパトカーの所に
連れて行った。そして莉緒が新に近寄り、
「正直、さっきは娘さんを見捨てて犯人だけを
助けるかと思ってた」
そう言い、新は
「だって莉緒さんに言われた言葉を
思い出しちゃったから市民を優先に助けたつもり
だったんです。でも、それだと俺の目標
じゃないから子供も犯人も両方助けました」
今の思いを話して、莉緒は
「上出来よ。あなたを刑事として認めるわ」
そう言うと新は
「あざっす!、でも俺はこれからもっとたくさんの
市民と犯人を救います!」
威勢良く意気込んで莉緒は
「期待してるわよ」
そう言ってパトカーに乗り込んだ。
翌日、新が出勤して
「おはようございます!」
挨拶すると莉緒が
「おはよう」
クールに挨拶を返した。新は
「莉緒さん、聞きたい事があるんですけど」
そう言うと莉緒は
「何?」
手短に聞き、新は
「莉緒さんは、どうして警察になろうと思ったん
ですか?」
質問した。莉緒は黙り込んで、新が
「莉緒さん?」
疑問口調で名を呼ぶと署内放送が流れた。
『南区1丁目で不審な物が目撃』
妙な放送内容で西条が
「松田と神谷、見てきてくれ」
指示して莉緒と新は
「はい!」
了解して車で現場に向かった。車内で新が
「不審な物って何ですかね?」
そう聞いたが、莉緒は無視して黙り込んでいた。
そこから沈黙になり、新は
(気まずいなぁ)
窓から外を見ながら思い、莉緒が
「さっきの質問だけど」
突然問いかけてきて、新は
「はい?」
疑問口調で聞いて莉緒は
「私が刑事になったのは.....お父さんの影響」
そう言うと新は
「お父さんの?」
聞き返すように呟き、莉緒は話し出した。
「お父さんは刑事だったの。私が小さい時
亡くなったから全然覚えてないんだけど強くて
カッコ良くて時には怖いけど誰よりも優しくて
どの刑事でも憧れて尊敬できる刑事だったみたい」
「だから、莉緒さんは刑事に」
「ええ。お父さんみたいに立派な刑事になるのが
私の夢」
「莉緒さんなら絶対なれます!」
「....ありがとっ」
クールにお礼を言うと新は
(でも何が原因で亡くなったんだ?)
疑問に思った。そして現場に着いて車から降りると
ある物が目に入った。ビルや建物の巨大モニターに
赤文字で“壱”と書かれた映像が映されていて、
新は
「何だあれ?」
疑問口調で呟き、莉緒が
「あれが不審な物?」
そう呟くと映像が変わり、イタチの仮面マスクを
つけた人物が映された。街中の人は
「何だあいつ」「変なの~」「ダッサい
仮面だなー」
口々に画面を見ながら言うとイタチの人物は
「どうも皆様、初めまして。私は、
イタチと申します」
機械のような声で自己紹介した。新が
「はぁ?、何言ってんだあいつ」
そう言う横で莉緒は足が震えていて
強く握り締めた拳も震えていた。そして、
イタチが話し始めた。
「皆さんは、昔この街で流行った十二支事件を
ご存知ですか?。干支と呼ばれた12人の
罪人たちが街でイタズラをして楽しんでたので
すが、その時、残念ながら私は仲間外れにされて
しまいました。なので、今日から1Dayは私が
“悪戯祭”(イタズラさい)をして皆様を
楽しませてあげましょう!」
そう宣言すると街の人は
「何言ってんだあいつ」「頭おかしいなー」
「警察、呼ぼうぜ」
全く興味を持たず、口々に陰口や悪口を言った。
新も
「おかしな奴だなぁ。ねぇ、莉緒さん」
そう言い、莉緒を見ると莉緒は
「神谷....あいつ、捕まえるわよ」
震える怒りの声で伝えて、新は
「え?、でも実際どこにいるか分かんないし、
確認で来ただけで逮捕命令も出てませんよ」
そう言い、莉緒が
「それでも捕まえるのよ!、あいつを放って置くと
お父さんが守ったこの街が.....」
そう言うとイタチが
「前置きの話も済んだ事で、本日19時に
悪戯祭を開祭致します!。皆様は、盛大に
楽しんで私に喜びの歓声を聞かせてください!、
そして党情警察の刑事さん、あなた方には
ミッションを与えます。観客が集まりかける
時間帯に十二支3点でキューブ型の光色花火を
轟かせます、それを阻止してください。
期待していますよ。それでは、お楽しみください」
話し終えると映像は変わって悪戯祭の情報が
書かれた画像が映し出された。
『本日19時に平庵町のシンボル、
スカイックタワーで悪戯祭が開祭!!』
新は
「何だったんだあいつ?」
そう呟くと莉緒が
「神谷、急いで署に戻るわよ」
指示して車に乗り、署に戻った。部署に行くと
西条や他部署の刑事たちも集まって緊急の
話し合いをしていた。莉緒が
「西条さん!」
名を呼んで西条は
「松田、さっきの映像見たか?」
焦りながら聞いてきて莉緒は
「はい!、あれって干支、ですよね?」
そう言うと西条は
「ああ。おそらくな、解決したはずだったが
続いてたとは」
腕を組んで険しい表情で言い、莉緒が
「どうして今、13人目が」
質問して西条は
「まず、十二支の干支は12匹のはずだ」
そう言うと新が話に割り込んで
「いや、正確には13人ですよ」
西条と莉緒に言った。西条が
「神谷、どういう事だ」
質問すると新は
「十二支って逸話では猪が来て終わりと思ってる人
が多いですけど、その翌日に遅れて来たイタチが
いるって聞いた事ありますよ。だから遅れて来た
お詫びに神様が月の初めは、1日って
言うように決めたらしいですけど」
逸話の真実を話すと西条が
「じゃぁ、あのイタチは」
そう言い、莉緒が
「間違いなく干支!?」
西条の言葉に続けて言った。そして新が
「で、2人は何の話をしてるんですか?」
気になって聞くと西条が
「お前は若いから知らないのか。この街では
20年以上前に十二支のイタズラと言われる事件
があったんだ。その事件の犯人は干支と呼ばれる
男女12人、干支は自分なりの殺し方で人を
殺しまくるイカれた殺人鬼だ。
そして松田の父親、松田 渉刑事は十二支事件で
命を落とした」
十二支のイタズラの事を話し、新は
「そんな事件が.....」
唖然とした表情で呟いた。莉緒が
「早く止めましょう!」
西条に言い、話し合いを始めた。
「悪戯祭まで残り7時間」
「どうやって止める!」「どこにいるかも不明だ」
「もし、干支なら確実に遺体が出るぞ」
刑事たちは話をしたが、意見がまとまらず、新が
「う~ん」
悩んでいると莉緒が
「神谷、何してるの」
そう聞き、新は
「妙なワードを探ってるんです」
目を閉じて伝えて
(集まりかけてる時間帯、十二支3点、
キューブ型の光色花火。何で集まった時間じゃ
なくて集まりかけなんだ?、あいつの立場に
なったら集まりかけで殺せる場所。だとしても
十二支3点って何だ?、花火だって元々
光色だけどキューブって)
推理していると莉緒が
「神谷、推理なんかする前に動くわよ。お父さん
が守ったこの街を、今度は私が守る」
意気込んで、新が
「莉緒さん、この街の地図見せてください」
頼むと莉緒は
「いいけど」
そう言い、地図を持ってきて渡し、新は机上で
地図を広げて
(スカイックタワーは、この街の中心部。タワーを
潰すのが目的なら周辺に爆弾を仕掛けるが、
そんな単純な奴か?、それに十二支3点と
キューブの花火が分かんねぇ)
指差しながら推理すると西条が
「まずは、スカイックタワーを中心に周辺を
調べて行くぞ」
指示して刑事たちは緊急調査に出た。警察たちは
外で市民たちに危険避難の呼びかけをしたが、
聞く耳を持たず、外に出回ってタワーに向かう者
も多勢いた。そんな中、新は街中を見ながら
(どうゆう事なんだよ、十二支3点と
キューブ花火って)
推理していた。莉緒が
「神谷、何か分かった?」
そう聞くと新は
「いや、まだ全然」
首を振って言い、松田のスマホが鳴って電話に
出ると西条が
『松田、神谷と署に戻ってこい』
「分かりました!」
了解して署に向かった。そして通信指令室に入り、
西条が
「現在、もう17時を過ぎてる。俺たち警察まで
巻き込まれたら危険だから、ここから街中の
カメラで見張るぞ」
指示すると刑事たちや莉緒は
「はい!」
了解したが、新は無視して
(何か重大な事を忘れてる気がする。集まりかけの
時間帯は、今頃のはずだ。何かを起こしても
おかしくはない。....いや、待て。
忘れてる?。違うな、勘違いしてるんじゃない
のか?、干支13人目の十二支3点、
そういえば、この街は12地区。十二支が
ヒントだとして地区数、3点は何だ?、それに
キューブ花火)
1人で推理していると西条が
「おい、どうゆう事だ。スクランブル交差点に
なぜあんなに人がいる」
カメラの映像を見ながら聞くと刑事たちが
「すみません。呼び掛けをしたんですが、
タワーに行くためにと言われて止まってくれず」
そう言って新がカメラ映像を見て
「スクランブル交差点」
ふと呟いて
(3点。光色。キューブ。全てが一致する場所。
3点と光色は信号機。キューブは、
あの交差点そのもの。そんな所で花火を!?。
違うな、花火は自然を燃やす物。
人を燃やす物は火。
でも放火は建物にしかしない。まさか!?)
推理を終えて
「....爆弾!!?」
カメラ映像に向かって驚いたように言うと
莉緒が
「爆弾?、何か分かったの?」
質問すると新は
「俺なりの推理だけど平庵町の12地区の
スクランブル交差点で爆発を起こすつもりかと」
推理を話して莉緒は
「そんなに多数の場所で爆発なんてさせたら」
そう言い、新は
「でも、爆弾を仕掛ける場所が分からなくて」
悔やむように言うと莉緒は
「それに、どうやって交差点に集まってる人たちを
避難させるか」
そう呟き、新は
「でも、仕掛ける位置なら信号機かも!」
閃いて言うと莉緒が
「確かに、光に反応する爆弾はあるから」
そう言って西条に
「西条さん!」
推理通りに話すと西条は
「なるほど。じゃぁ、信号会社に連絡して
信号機の光を止めよう」
提案して全ての位置の信号機の光が消え始めると
新が
(でも、これだけで本当に止まるのか?、光色は
止めたけど、集まりかけてる時間帯の謎が
解けてない。どうして、そんな時間に)
妙に思うとカメラ映像を見ていた刑事が
「急に信号機を止めたから市民たちがパニックで
道路で止まって車が渋滞し始めてます」
報告すると西条が
「それは想定してなかったな。今は、あと5分で
17時30分か。日が暮れるなぁ」
そう言い、新が
(日が暮れる?、人が集まりかける時間.....)
推理して
「そうか!」
完全に閃いて叫ぶと莉緒が
「どうしたの神谷!?」
そう聞き、新は
「今すぐ市民を避難させてください!。イタチは
人が溜まってるスクランブル交差点で
夕陽光を利用した爆弾を使って
一気に殺すつもりです!!」
推理した事を話し、莉緒が
「神谷、それ本当!?」
疑いの表情で聞くと新は
「最悪だけど、間違いないです」
怒りの表情で言った。西条が
「今すぐ市民の避難に向かうぞ!」
そう指示した途端、スクランブル交差点が1つ
爆発した。莉緒は
「....嘘」
絶望した表情で呟き、新が
「諦めるな莉緒さん!」
励まして
「頼む。逃げてくれ!、せめて他の地区の
交差点にいる人たちは逃げてくれ!、今すぐ
そこから離れろぉーー!!」
カメラ映像に向かって叫んだが、もちろん声は
届かず、次々とスクランブル交差点は爆発した。
夕陽が照らした場所は12地区全ての信号機に
反応してスクランブル交差点を破壊していき、
集まっていた人々は悲鳴をあげながら
粉々になり、車も吹っ飛んで破壊されて
煙が晴れて見えた光景は信号機が囲んだ正方形の
交差点を丸ごと消し飛ばしていてキューブ型の
残酷な大穴だった。新は
「もっと早く気づければ....」
絶望すると通信指令室の映像モニターが変わり、
イタチが映された。イタチは
「どうも~、党情警察の皆さーん」
上機嫌に挨拶して、新が
「イタチ野郎」
怒りの表情と声で名を呟き、イタチは
「あなたたちに与えたミッションは見事失敗です。
おめでとうございま~す!」
褒めて拍手をすると新が
「うるせぇ!!、黙れーー!!
お前のせいで何人が死んだと思ってやがる。
俺はお前を絶対許さねぇ!」
そう言い、イタチは
「威勢の良い刑事さんですね~。もちろん把握
してますよ、只今の12地区に設置していた
36個の花火で、約5万人が死にました」
平然と言うと新は
(俺の質問に答えた?、署内のどこかにカメラを
仕掛けてる?)
疑問に思い、イタチが
「ですが、まだ祭は終わっていません。
あと1時間で開祭時刻になります。特別に祭では
視力を失う程、眩しくて輝かしい大花火を
打ち落としてあげましょう。刑事さんたちも
ぜひ楽しんでください!」
そう言うと映像は消えた。新は
「そうだ、スカイックタワー。あの場所で何かが
起きるはずだ。でも何をするつもりだ」
疑問を呟き、推理し始めた。
(スカイックタワー。この街のシンボルでもある
バカ高いタワー、そんなので何ができる?。
爆発?、そんな単純じゃないはず。ワードを探れ。
奇妙なワードを。)
そう思い、
「視力を失う。眩しくて輝かしい。あいつから
したら花火は爆弾、今回は大花火。巨大な爆弾?、
でも、そんな物どうやって」
独り言を呟いてると莉緒が
「神谷、もう無理よ」
そう言い、新は
「え?」
疑問を一言発して、莉緒が絶望を語った。
「もう5万人もの命を救えなかった。警察じゃ
あいつに勝てない」
「何言ってんすか」
「.....」
「5万人救えなくても、まだタワーには多勢いる。
俺は!!、市民を救うために、犯罪者を
捕まえるために刑事になったんだ!!、
こんなところで諦めねぇ!!!」
「....神谷...」
「莉緒さん、あんたと、この街を救いたい。
協力してくれ」
「.....当然よ。私たちは、バディなんだから」
「莉緒さん!」
新は嬉しそうに名を言った。すると西条が
「神谷の言う通りだ」
そう言い、
「タワーの人を救出するぞ!」
全刑事に指示した。刑事たちは、すぐにタワーに
向かい、西条が
「神谷と松田は、俺とここに残れ」
そう指示して新が
「どうしてですか!」
質問すると西条は
「お前は推理しなきゃいけないんだろ。見てたよ、
お前の姿。お前の頭脳は優れてる、松田は
バディとして隣にいてやれ」
そう言うと新と莉緒は
「はい!」
2人で了解した。
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