依存に囚われた愛

知人さん

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彼との出会い

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 愛には、様々な種類がある。
 恋愛、異性愛、両性愛、同性愛、慈愛、自己愛、
 自愛、純愛。その中でも相手に依存してしまう
 依存愛があるが、この物語は依存を
 愛し過ぎてしまった女性の話。

 ある高校で黒髪ロングヘアーの女子校生が
「はじめまして。那月 朱里(なつきあかり)です」
 緊張しながら自己紹介した。教師が
「今日からこのクラスのメンバーになる。皆、
 仲良くしてやってくれ」
 そう言い、生徒たちは
「この時期に転入生って珍しいな」
「結構可愛いね!」「俺めっちゃタイプ」
 少し盛り上がっていて教師が
「じゃぁ、真崎の隣に座ってくれ」
 一番後ろの席を指差しながら伝えて、朱里は
「はい」
 了解して席に座った。隣の黒髪ツーブロヘアーの
 男子生徒に
「...よろしくね」
 緊張気味に言ったが、男子生徒は窓から外を
 見ていて朱里の言葉を無視していた。朱里が
 申し訳なさそうな表情になると前席の
 黒髪ショートヘアーの女子生徒が振り向いて
「気にしないで朱里ちゃん、こいつ臆病で女子と
 話せないだけだから」
 煽るように言うと男子生徒は
「おい美憂、誰が臆病だ」
 怒り口調でぶっきらぼうに言い、女子生徒が
「じゃぁ、朱里ちゃんと話してあげなよ」
 そう言うと男子生徒は
「ったく、ダリぃなー」
 面倒そうに言いつつ、朱里を見て
「真崎 光留(まさきひかる)」
 不機嫌な口調で自己紹介した。朱里は
「真崎君、よろしく」
 緊張しながら言うと女子生徒が
「私は、前園 美憂(まえぞのみゆ)」
 自己紹介してきて朱里は再び言った。
「よろしく、前園さん」
「美憂でいいよ」
「よろしく....美憂」
「よろしく朱里!」

 翌日、朱里が登校していると背後から
「おはよう!、朱里」
 自分の名を呼ぶ声が聞こえて振り返ると美憂がいて
「一緒に行こー!」
 登校の誘いをしてきて朱里は
「うん!」
 嬉しそうに了承して2人で登校した。教室に入ると
 クラスメイトたちが
「おはよー那月さん」「おはよう那月」
「朱里ちゃん、おはよー」
 挨拶してきて朱里は
「お、おはよう」
 挨拶を返して席に座った。隣では光留が机に
 顔を伏せて寝ていた。朱里が挨拶しようとした時、
 美憂が
「おはよー、光留!」
 大声で言い、光留は顔を上げて
「朝からうっせぇーよ」
 不機嫌そうに言うと美憂が
「逆に何で朝から寝てんのよ」
 説教のように言い、光留が
「関係ねぇだろ」
 あくびしながら言うと朱里が
「あの!」
 大声で言い、光留は
「な、何だよ」
 戸惑うように言うと朱里は
「お、お、おはよう」
 挨拶した。光留は
「は?、それだけのために大声出したのか?」
 疑問を聞くと朱里は頷いて光留は
「プッ!」
 吹き出して
「アッハッハッ...そんな事のために、あんな大声
 出す必要ねぇだろ」
 笑顔で笑いながら言った。美憂が
(光留が笑った) 
 そう思い、朱里は
「ご、ごめんなさい」
 赤面して謝ると光留は
「別に気にすんな」
 そう言った。

 翌日、朱里は美憂と登校して教室に入ると
 朱里の席に光留が座っていて机に顔を伏せて
 寝ていた。朱里が近寄り、
「あの~、真崎君?」
 恐る恐る話しかけると光留は顔を上げて
「おはよう朱里!」
 ハイテンションで挨拶してきて朱里は
「あ、うん。おはよう」
 戸惑いながら挨拶を返した。光留は
「ずっと待ったんだぜ、朱里来るのおせぇよー」
 そう言い、美憂が
「その前に、あんたいつまで朱里の席に
座ってんのよ!」
注意すると光留は
「わりぃわりぃ」
軽く謝りながら自分の席に座った。そして
昼休みになり、光留が
「なぁ朱里、昼飯一緒にくおうぜ」
昼食の誘いをして朱里は
「うん」
了承した。光留は
「よし、じゃぁ行くぞ」
そう言い、朱里の手を引っ張って屋上に連れて
行った。光留が屋上の扉を開けて
「今日は風が気持ちーなぁ」
そう言うと朱里が
「ねぇ真崎君、屋上勝手に入っていいの?」
不安そうに聞き、光留は
「俺、毎回昼飯はここで食ってるけど」
堂々と言うと朱里が
「...でも」
不安気味に言い、光留が
「それより、苗字じゃなくて下の名前で呼んでよ」
そう言うと朱里は
「うん。じゃぁ光留、君」
緊張しながら言い、光留は
「光留でいいよ」
そう言い、朱里は
「分かった。光留」
了承し、2人で昼食を食べた。その日から2人は
屋上で昼食を食べるようになり、仲良くなって
いったが、2ヶ月経った時、美憂が
「ねぇ朱里、最近ずっと光留といるよね?」
突然聞いてきて朱里は質問に答えた。
「うん、そうだけど」
「あんた完全に狙われてるよ」
「え?、それって光留が私の事、好きって事?」
「うん」
「実は私も光留が好きなの」
朱里は気持ちを打ち明けた。美憂は驚いて聞いた。
「え!?、そうだったの!?」
「うん!」
「おめでとうって言いたいけど、やめといた方が
いいかもよ」
美憂に反対された朱里は疑問を聞いた。
「え?、どうして?」
「光留は極度の依存症で好きになった相手に
尽くして嫌になる程、愛してくるの」
「でも私は、光留が大好きなんだもん」
「今までの彼女もそう言ってきたけど全員
耐えられなかったらしいよ」
「でも私なら大丈夫だよ!、心配しないで」
そう言って朱里は屋上に向かった。
 それから1ヶ月後、朱里と光留は屋上で昼食を
食べていると光留が真剣な顔で話しかけた。
「ねぇ、朱里」
「何?」
「俺、朱里の事が....好きだ」
光留は告白した。朱里は
「...私も」
照れながら言い、光留が
「俺と付き合ってください」
そう言うと朱里は
「はい。よろしくお願いします」
了承して2人は恋人になった。
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