2 / 4
2人の秘密
しおりを挟む
普段は冷酷で残酷なことをなさっていますが、お二人には愛してやまないものがありました。
王子は姫様を、姫様は王子を・・・・。
そう。お二人は恋に落ちていたのです。
2つの国は隣に位置しておりました。
度々夜にこっそりとお城を抜けだして、
国境の近くでお会いに鳴るのがお二人の楽しみでした。
誰にも気付かれない所に小さな家を建て、
そこで一晩過ごし、夜が明ける前にお城へ戻るということをなさっていました。
「カール様!!」
姫様は王子の名を呼び、彼の胸に飛び込みました。
「お会いしたかったです・・・!!。」
「うん、僕も。」
王子は姫様を優しく抱きしめました。
「君に会えなくて、すごく辛かった。」
「カール様・・・。」
「エミリー、顔を上げて。」
王子は姫様の唇にゆっくりと口づけをしました。
唇が離れ、りんごのような顔になって微笑むお二人の表情は、普段の行いからは全く想像ができないものでした。
氷の国では、王子の政治に怒り、暗殺を計画している者の間で
『王子は時々夜中に城を抜けだして、隣国のものと密会していらっしゃる』
と言う噂が流れていました。
暗殺の計画者として、4人の青年が集まりました。
「隣国の者とは一体どのような方なのだ。」
「姿ははっきりと見えませんでしたが、
女です。着ているものからすると、相当身分がお高い方だとお身請けします。」
「それは王子の恋人なのか?」
「恐らくその通りだと。
ですから王子を暗殺するには最も気の抜けておられる。その時が良いかと。」
「でも、王子とその女性が次にいつ逢うのかが分からなければ、暗殺の計画は難しいんじゃないか?。」
「そう。それが問題なのです。最近いつ会われたのかも分かりませんし・・・。
いつもお二人が逢われている国境で待ち伏せをするしか有りません。」
すると、銀髪の赤い目をした青年が立ち上がりました。
「じゃあ、その暗殺役は俺がやる。」
隣に居た青年が言いました。
「しかし、一人で大丈夫なのか?」
「ああ、大丈夫だ。こういうのは得意中の得意だからなぁ。」
青年は自信あり気に、にっと笑いました。
王子は姫様を、姫様は王子を・・・・。
そう。お二人は恋に落ちていたのです。
2つの国は隣に位置しておりました。
度々夜にこっそりとお城を抜けだして、
国境の近くでお会いに鳴るのがお二人の楽しみでした。
誰にも気付かれない所に小さな家を建て、
そこで一晩過ごし、夜が明ける前にお城へ戻るということをなさっていました。
「カール様!!」
姫様は王子の名を呼び、彼の胸に飛び込みました。
「お会いしたかったです・・・!!。」
「うん、僕も。」
王子は姫様を優しく抱きしめました。
「君に会えなくて、すごく辛かった。」
「カール様・・・。」
「エミリー、顔を上げて。」
王子は姫様の唇にゆっくりと口づけをしました。
唇が離れ、りんごのような顔になって微笑むお二人の表情は、普段の行いからは全く想像ができないものでした。
氷の国では、王子の政治に怒り、暗殺を計画している者の間で
『王子は時々夜中に城を抜けだして、隣国のものと密会していらっしゃる』
と言う噂が流れていました。
暗殺の計画者として、4人の青年が集まりました。
「隣国の者とは一体どのような方なのだ。」
「姿ははっきりと見えませんでしたが、
女です。着ているものからすると、相当身分がお高い方だとお身請けします。」
「それは王子の恋人なのか?」
「恐らくその通りだと。
ですから王子を暗殺するには最も気の抜けておられる。その時が良いかと。」
「でも、王子とその女性が次にいつ逢うのかが分からなければ、暗殺の計画は難しいんじゃないか?。」
「そう。それが問題なのです。最近いつ会われたのかも分かりませんし・・・。
いつもお二人が逢われている国境で待ち伏せをするしか有りません。」
すると、銀髪の赤い目をした青年が立ち上がりました。
「じゃあ、その暗殺役は俺がやる。」
隣に居た青年が言いました。
「しかし、一人で大丈夫なのか?」
「ああ、大丈夫だ。こういうのは得意中の得意だからなぁ。」
青年は自信あり気に、にっと笑いました。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
【R18】俺は悪くねえ! ~愛しのお姫様が女騎士に変化しているのを知らずに後ろの穴を穿ってしまいました~
ももちく
ファンタジー
北ラメリア大陸歴1490年7月16日。この日、北ラメリア大陸に存在するウィーゼ王国の首都:オールドヨークにて、ふたりの男女が邂逅する。
男の名はレオナルト=ヴィッダー。彼は平民出でありながらも、18歳の若さで衛兵隊副長に昇り詰める。
そして、女の名はアイリス=クレープス。彼女はウィーゼ王国の第3位継承権を持つ御年14歳の王女である。
それからの2年間、王女と平民出の若者は、国王に知られぬように密会を繰り返し、秋の収穫祭の夜、ついに心も体も結ばれることととなる。
だが、ふたりの運命はここから急転直下となる……。
レオナルト=ヴィッダーには罰が与えられ、2年間の兵役を言い渡される。
しかし、絶望の淵へと落とされた彼にはまだ運命に抗うだけの|呪力《ちから》が残されていた。
その|呪力《ちから》を与えたのは、他でもない。想い人の兄であるフィルフェン第1王子だ。
レオナルト=ヴィッダーはフィルフェン第1王子から貸し与えられた呪物により、身体と心を蝕まれていく……。
それでも、レオナルト=ヴィッダーはアイリス=クレープスとの約束を果たすために、激しい戦場を生き延びる。
アイリス=クレープスがレオナルト=ヴィッダーと再会した時、彼は歩行困難にまで呪物により、身体を痛めつけられていた。
そんな状態のレオナルト=ヴィッダーにさらに試練がもたらされていた。
アイリス=クレープスと結婚するには国王が欲しがっている5つの秘宝のうち、ふたつを献上せねばならない。
レオナルト=ヴィッダーとアイリス=クレープスは過酷で残酷な運命に抗うために、秘宝を手に入れるための旅に出る……。
【筆者から一言】
脱糞プレイはありませんので、ご安心? ください
捨てられたお姫様
みるみる
ファンタジー
ナステカ王国に双子のお姫様が産まれたました。
ところが、悪い魔女が双子のお姫様のうちの一人に、「死ぬまで自分やまわりの人が不幸になる‥」という呪いをかけてしまったのです。
呪いのせいか、国に次々と災いが降りかかり、とうとう王妃様まで病に伏してしまいました。
王様と国の重鎮達は、呪われたお姫様を殺そうとしますが‥‥‥。
自分が実はお姫様なのだという事や、悪い魔女の呪いを受けている事を知らない、捨て子のリナと、
不器用で落ちこぼれながらも、正義感が強い魔法使いの男が、共に試練を乗り越えて成長していくお話です。
あの日、さようならと言って微笑んだ彼女を僕は一生忘れることはないだろう
まるまる⭐️
恋愛
僕に向かって微笑みながら「さようなら」と告げた彼女は、そのままゆっくりと自身の体重を後ろへと移動し、バルコニーから落ちていった‥
*****
僕と彼女は幼い頃からの婚約者だった。
僕は彼女がずっと、僕を支えるために努力してくれていたのを知っていたのに‥
【完結】あわよくば好きになって欲しい(短編集)
野村にれ
恋愛
番(つがい)の物語。
※短編集となります。時代背景や国が違うこともあります。
※定期的に番(つがい)の話を書きたくなるのですが、
どうしても溺愛ハッピーエンドにはならないことが多いです。
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる