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神風特攻隊
紗和目線の物語⑥
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次はすずちゃんからの手紙に目を通しました。
東京から三宮に帰る時、手紙のやり取りの約束をしたものの、2、3数通やり取りをして、
それからやり取りは出来ずにいました。
「(ん?“今西”?)」
さっきはきちんと見ていなかったのですが、すずちゃんの苗字が違う事に気が付きました。
『伊藤紗和様
お久し振りです。
最近急に寒くなって来ましたね。
早速本題に入らせて頂きます。
私、この春に結婚して、今は兵庫に住んでいます。三宮との距離は少しありますが、
久し振りに紗和ちゃんに会いたいなと思っています。
良かったら家に遊びに来ませんか?
紗和ちゃんにお話したい事もあるので。
住所は封筒に書いてある通りです。
今西すず(旧姓山尾)』
「すずちゃん、結婚したんや!!
おめでとう!!」
友人からの結婚報告にうきうきしながら
封筒に書かれている住所を確認しました。
「あれ...これって...」
もしかして、昴さんの実家の近く...?
◇
夕飯時、私は母に手紙の事を伝えました。
「丁度いいわ。紗和。あんた疎開し。」
「え」
「最近毎日の様に空襲警報が鳴るやん。
昴くんが実家にいつ来ても良いって言ってたし、すずちゃんも近くに住んでるなら過ごしやすいやろ。」
「でも...お母さんは?」
「私はずっとここにいる。
自分の務めもあるし、お父さんがいつ帰って来るか分からへんし。」
「.........」
『生きて欲しい。何をしてでも。
夢を叶える為に。』
昴さんの言葉が頭に浮かびます。
この時、生きる為には多少なら手段を選ばないと決めたのでした。
「わかった。私、昴さんの実家に行く。」
夕食を終えてから、私は浩二くん、すずちゃん、田中家に手紙を書きました。
「(浩二くんに、暫く田中家にお世話になる事を伝えておかなくちゃ。)」
◇
最低限の荷物を持って、私は昴さんの実家へ向かいました。
「うわぁ...」
思っていたよりずっと広いお家でした。
私の実家の倍はあるのではないかと。
広いお庭、とても手入れされています。
昴さんはここで育ったのですね...!。
東京から三宮に帰る時、手紙のやり取りの約束をしたものの、2、3数通やり取りをして、
それからやり取りは出来ずにいました。
「(ん?“今西”?)」
さっきはきちんと見ていなかったのですが、すずちゃんの苗字が違う事に気が付きました。
『伊藤紗和様
お久し振りです。
最近急に寒くなって来ましたね。
早速本題に入らせて頂きます。
私、この春に結婚して、今は兵庫に住んでいます。三宮との距離は少しありますが、
久し振りに紗和ちゃんに会いたいなと思っています。
良かったら家に遊びに来ませんか?
紗和ちゃんにお話したい事もあるので。
住所は封筒に書いてある通りです。
今西すず(旧姓山尾)』
「すずちゃん、結婚したんや!!
おめでとう!!」
友人からの結婚報告にうきうきしながら
封筒に書かれている住所を確認しました。
「あれ...これって...」
もしかして、昴さんの実家の近く...?
◇
夕飯時、私は母に手紙の事を伝えました。
「丁度いいわ。紗和。あんた疎開し。」
「え」
「最近毎日の様に空襲警報が鳴るやん。
昴くんが実家にいつ来ても良いって言ってたし、すずちゃんも近くに住んでるなら過ごしやすいやろ。」
「でも...お母さんは?」
「私はずっとここにいる。
自分の務めもあるし、お父さんがいつ帰って来るか分からへんし。」
「.........」
『生きて欲しい。何をしてでも。
夢を叶える為に。』
昴さんの言葉が頭に浮かびます。
この時、生きる為には多少なら手段を選ばないと決めたのでした。
「わかった。私、昴さんの実家に行く。」
夕食を終えてから、私は浩二くん、すずちゃん、田中家に手紙を書きました。
「(浩二くんに、暫く田中家にお世話になる事を伝えておかなくちゃ。)」
◇
最低限の荷物を持って、私は昴さんの実家へ向かいました。
「うわぁ...」
思っていたよりずっと広いお家でした。
私の実家の倍はあるのではないかと。
広いお庭、とても手入れされています。
昴さんはここで育ったのですね...!。
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