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21話

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「息吐いて、リラックスしてね」

 笹浪先輩はそう言って俺の腰を掴んだ。俺は枕に顔を埋めて、シーツをぎゅっと掴む。心臓がバクバクとなって腰が引けるけど、先輩が掴んでいるから逃げることはできない。言われた通り、息を吐いて自分を落ち着かせようとした。

「あっ、うっ……♡♡ きたっ、ふっ♡♡ あっ♡ んっ……♡♡」

「あ~キッツ……」

 固くて大きなものが、閉じた肉を割って入ってくる。苦しくて、でも同時に気持ちが良くて仕方がない。さっきまで弄られていたところが押しつぶされて、悲鳴みたいな声が口から漏れた。

「とりあえず、慣れるまでこのままでいよっか」

 奥の深いところまで入れたとき、先輩は動きを止めた。慣れるまでっていつまでなんだ。先輩は優しく俺の腰を撫でている。意識しないようにすればするほど、変に気にしてしまって体が勝手に中のものを締めてしまい、先輩が笑ったのが気配で分かった。

「中の肉がすごい絡みついてくるよ。そんなに、俺の精液欲しいの?」

「うるさっ、んっ♡♡ うっ、ああっ♡ もう、いいからぁ♡♡」

 俺は自分で腰を揺らしてそう言った。まるで自分で誘ってるみたいで泣きたくなるくらいに恥ずかしいけど、自分が「早く欲しい」と思っていることも事実だ。でもその気持ちは、空腹が限界なだけであって、気持ち良くなりたいとか、そういう期待はない、はずだ。俺が言い訳みたいなことを考えていると、突然笹浪先輩は俺の奥を強く突いた。

「ぉっ!♡♡♡♡ ぐっ、………♡♡ あっ、ああっ♡♡」

「ああごめんね。一ノ瀬くんが、あんまり可愛く煽るから意地悪しちゃった」

 目の前が一瞬真っ白になった。お腹が反射的に、大げさに跳ねてびくびくと震える。先輩は「次はちゃんと優しくするね」と呟いた。なんかもう、俺の全部を先輩が支配しているみたいな気持ちになってきて、俺は悔しい気持ちを誤魔化すように、枕を強く掴む。先輩は俺の腰を鷲掴みにして、浅い部分で軽くピストン運動を始めた。

「あっ♡♡ あっ♡♡ んっ、んんっ♡♡♡ あっ♡♡」

「ほんと、すごいね。動くたびに中締まって、すごい気持ちいい」

 強い動きではないけど、じわじわと快感が襲ってくるのが分かる。先輩が狙ってるのか、俺の感じるところに丁度擦れて、高い声が勝手に漏れた。気持ちいい。この体勢もだめだった。今までは俺が好き勝手に動けてきたのに、背後からこんな風にされたら、逃げることも抵抗することもできなくて、俺はただ感じることしかできない。俺は歯を噛みしめて、快感に震えた。

「ね、ちゃんと声聞かせて」

「や、やだぁっ♡♡ ふっ、んっ♡♡ あっ♡」

 この体勢は嫌だけど、先輩の目を見なくて済む。さっき、先輩の指で弄られたとき、俺は確かに変な状態だった。きっといつの間にか先輩の言いなりになっていたんだろう。どれだけ嫌であっても、先輩の言いなりになるよりはましだと俺は思った。

「そっか……でも俺は君の声、聞きたいから」

「なにっ、まってっ♡♡ え、あっ♡」

 先輩は、俺の肩を掴んで無理やり振り向かせた。俺はなんとか先輩の目を見ないようにしたのに、まるで吸い寄せられるみたいに、先輩の目の奥を見てしまう。やばいと思った瞬間にはもう遅くて、俺は熱のときみたいに頭の中がぼーっとしてきた。

「声我慢しないでね」

「はい……ああっ♡♡ きもちっ、きもちいいですっ♡♡ そこっ♡♡」

「うん、カリのところで前立腺引っかかれるの気持ちいいね。中、すごい動きしてるの分かるよ」

 先輩は、「1回イこっか」と言って、それまで浅い部分で動いていたのを、奥まで突く動きに変えた。それまで優しく丁寧に快感を与えられていたのに、急に雑な動きになって、俺は心臓がバクバクとなった。敏感になったところを乱暴に突かれる。先輩も限界が近いのか、動きはどんどん激しくなっていった。そして、俺は遂に限界を迎え、ベッドの上に精液を出し、同時に先輩も俺の中で限界を迎えた。熱くてドロドロしたものが吐き出され、中で絡まる。待ちに待った感覚に、俺は体を震わせた。そしてぱっと目を開く。俺は肺一杯に息を吸った後、思いっきり叫んだ。

「ま、ま、ままままずーーい!!!」
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