59 / 72
序章
第一話。6-7
しおりを挟む
例としてネイアが魔法魔術学院卒業後、ほぼ内定していると言って良い宮廷付き魔術師の職は、その末端の使い手であっても1200ギルダール。
学園に留まり、導師職に就いたとしても初年度は600。これに加えて、アヴァロニア王国にあって公的な研究費は全額、個人的な研究であってもその有用性が認められれば一部、或いはほぼ全額を国と学院とが折半で支払われることが規定されている。
ネイア自身の志望、やりたいことができると言う点において、長老職に勝る。それは天職と言って差し支えなく、また研究成果によって得られる利益を考えれば、金銭的にも劣ったものではなかった。
「これが我々の経営方針。哲学と言い変えてもいい。長老は安楽椅子にふんぞり返っているだけでも色々、美味い話しが入ってくるとは言え、決して楽に稼がせるつもりは、ありませんよ」
金が欲しければ実績、実力を示せ。それがバランの口癖であったと、アルベルトは語る。
「働かざるものは、ってやつかしら。何にせよ、ここまでの話しを聞いても私の意思に変わりはない」
それは明確な宣言。契約に基づく、効力あるネイアの権利者としての発言であった。
「分かりました。お嬢様のご意志を尊重しますがまあ、長老会には年一回程度、参加してください。それ以上、こちらから求めることはありませんので」
学園に留まり、導師職に就いたとしても初年度は600。これに加えて、アヴァロニア王国にあって公的な研究費は全額、個人的な研究であってもその有用性が認められれば一部、或いはほぼ全額を国と学院とが折半で支払われることが規定されている。
ネイア自身の志望、やりたいことができると言う点において、長老職に勝る。それは天職と言って差し支えなく、また研究成果によって得られる利益を考えれば、金銭的にも劣ったものではなかった。
「これが我々の経営方針。哲学と言い変えてもいい。長老は安楽椅子にふんぞり返っているだけでも色々、美味い話しが入ってくるとは言え、決して楽に稼がせるつもりは、ありませんよ」
金が欲しければ実績、実力を示せ。それがバランの口癖であったと、アルベルトは語る。
「働かざるものは、ってやつかしら。何にせよ、ここまでの話しを聞いても私の意思に変わりはない」
それは明確な宣言。契約に基づく、効力あるネイアの権利者としての発言であった。
「分かりました。お嬢様のご意志を尊重しますがまあ、長老会には年一回程度、参加してください。それ以上、こちらから求めることはありませんので」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
性癖の館
正妻キドリ
ファンタジー
高校生の姉『美桜』と、小学生の妹『沙羅』は性癖の館へと迷い込んだ。そこは、ありとあらゆる性癖を持った者達が集う、変態達の集会所であった。露出狂、SMの女王様と奴隷、ケモナー、ネクロフィリア、ヴォラレフィリア…。色々な変態達が襲ってくるこの館から、姉妹は無事脱出できるのか!?
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる