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序章
第一話。3-9
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そして、【何時ものように】切り返す。それは、言葉ではない。
「……っ!?うぐぶぁっ!」
ずんっ、としか表しようないのない鈍く重い音が室内に響いた後、言葉にならない短い呻き声を吐き出すラング。ふくよかな腹にあって、分かりずらいがその鳩尾に寸分狂わず、鋭い肘打ちが決まっていた。
普通の人間ならば一撃で血反吐を撒き散らし、失神させてしまうだろうその威力を体感したものは少なくない。
「またまた~おじさまったらご冗談を~を~ほほほっ!」
やや調子の外れた、わざとらしい高笑いと共にネイアは倒れかかってきたラングの巨躯をスルリと交わし、間合いをとる。
両膝を床につけ、かろうじて転倒と昏倒を免れたラングは鳩尾辺りを両手で押さえながら、嗚咽と呼吸困難に耐えていた。
「おおっ~!流石はバランの一粒種。年々、技の切れ味が増しておるわい!」
その様子を眺めていた他の長老達からやんややんやの拍手喝采が、円卓の間を満たした。
「……まっ、まだ、まだまだぁっ!わしゃ諦めんぞ!」
その目に獣欲の光を漲らせながらバランは再度、立ちあがろうと顔を上げネイアを見据える。
「はいはい、寝言は寝てからお願いね。おじ様」
「……っ!?うぐぶぁっ!」
ずんっ、としか表しようないのない鈍く重い音が室内に響いた後、言葉にならない短い呻き声を吐き出すラング。ふくよかな腹にあって、分かりずらいがその鳩尾に寸分狂わず、鋭い肘打ちが決まっていた。
普通の人間ならば一撃で血反吐を撒き散らし、失神させてしまうだろうその威力を体感したものは少なくない。
「またまた~おじさまったらご冗談を~を~ほほほっ!」
やや調子の外れた、わざとらしい高笑いと共にネイアは倒れかかってきたラングの巨躯をスルリと交わし、間合いをとる。
両膝を床につけ、かろうじて転倒と昏倒を免れたラングは鳩尾辺りを両手で押さえながら、嗚咽と呼吸困難に耐えていた。
「おおっ~!流石はバランの一粒種。年々、技の切れ味が増しておるわい!」
その様子を眺めていた他の長老達からやんややんやの拍手喝采が、円卓の間を満たした。
「……まっ、まだ、まだまだぁっ!わしゃ諦めんぞ!」
その目に獣欲の光を漲らせながらバランは再度、立ちあがろうと顔を上げネイアを見据える。
「はいはい、寝言は寝てからお願いね。おじ様」
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