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序章

第一話。2-2

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 その事実を踏まえ、アンジェリカもネイアに劣らぬ、なかなかの才媛と言える。
 彼女の専門は治癒術と薬剤学。その実力はトップクラスと言ってよく、対して初級ヒーリングをなかなか習得できないネイアを心配し、女子寮を管理している初老の女性導師が2年次より、彼女と同室したのである。
 この措置はむしろ、アンジェリカの方に良い影響をもたらした。
 成績の良い治癒術に比べ、魔法の歴史やその成り立ちを学ぶ座学、一般教養等の成績は極めて低かった。
 机に向かい、講義に集中することを大変苦手としており、彼女の言葉を借りれば、

「入学試験で特待生になるために猛勉強をして、机に向かって勉強するための集中力を全て使い果たした」

 のである。ずいぶんと便利で使い勝手の悪い集中力だと、ネイアは呆れて二の句がつけられなかった。
 幼年学校を首席で卒業したネイアは、そういった基礎的座学を選択する必要がなくその分、男子に混じって剣術や護身術の習得に励んでいた。

 魔法魔術学院で近接戦闘、格闘技術を学ぶと言うのは奇妙なことに聞こえるかもしれないが近年、攻撃魔法の主流と言えばそういった剣術、格闘術との組み合わせ、あるいは後方よりの支援行動が主流であり、当然ながら状況に応じて、前線にも出られる魔術師が重宝がられている。
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