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第一章
生命
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歌奈が来る度に増えたのは濃姫の道具だけでは無かった。
その都度、私達の子供たちや側室が増えて行った。
その中にその娘はいた。
永禄2年の年が明け、再び訪れた歌奈はその娘をつれて来た。
「信長様、この娘は五徳です。将来家康の長男に嫁ぐことになります。年代が合う娘をずっと探していたんです。これから5年後に婚約。9年後に嫁ぐことになります。でも嫁ぐと言っても織田家の間者として送るんです。今まで私が教育してきたけれど、これからは信長様にお任せしますのでしっかり教育しておいてくださいね。」
私はその歌奈の言い回しが気になった。
「この先も歌奈が面倒を見るんじゃないのか?頻繁には会えないから私に託すってことなのか?」
歌奈は五徳を下がらせ、私達が2人切りになると穏やかに話し始めた。
「私はもう暫くの間はこちらに来られないと思う。」
「なぜ!?」
驚く私に歌奈は笑顔で答えた。
「本当のね、子供が出来たの。あなたと私の・・」
予想外の展開に輪をかけて驚く私はとっさに言葉が出てこなかった。
「あら、喜んでくれないの?」
次の瞬間!私は歌奈を強く抱きしめていた。
「そんな!嬉しいに決まってるじゃないか!本当に嬉しいよ。ありがとう。」
心からそう思った。
「それでね、これからは私1人でこの子を育てて行かなくちゃいけないでしょ。向こうにはおじいちゃんとおばあちゃんもいるけど、この子にとっての親は私だけだからこの子を守らなければいけない。ここに来るこの道を通る事に私は慣れたけど、でも万が一私に何かあればこの子を1人にしてしまう。だからこれからは未来で貴方を待ってる事に決めたの。この先まだ計画は半ばだし、これからやらなければいけない事はたくさんある。それを傍で手伝えない事は正直私も悔いは残る。でもね先ずは私達の子供をきちんと育てなくてはいけないと思うの。それが私の使命。そして貴方は必ず志を達成して欲しい。その為に秀一と濃姫と頑張って欲しい。未来の計画は当初の予定通り私が責任を持って準備するからそこは任せて頂戴。そして私はこの子を育てながら貴方が来るのを必ず待っているから。」
そう言って笑顔を見せた。
去り際に一通の手紙を残して、歌奈はその来訪の時間を終えた・・
『貴方に3つの安心を送る。1つ、私とこの子は平和な未来にいるのから安心して。2つ、未来の作戦は私が準備しておくから安心して。3つ、どこにいても貴方の妻であり続けるから安心して。貴方の進む道を突き進んで下さい。貴方の1582年、私の2054年が無事に廻って来ますように。未来で貴方を待っています。』
私は悲しまなかった。1582年6月2日に、必ず会いに行くと決心していたからだ。
今までも数多の人々、そして自分の人生を犠牲にしてここまで来たのだ。
そしてこれからはもっと多くの犠牲を払わなければいけない事は十分理解していた。
まだまだやらなければいけない事が山のようにある。ここで悲しんでなんていられない。
ましてや歌奈と子供は未来で平和に無事に暮らしていくのだから悲しいなんて言ったらばちが当たるだろう。
俗世間の憂いは忘れ、誰に何て言われようが自分の道を進むだけ。
そう私は織田信長なのだから・・
その都度、私達の子供たちや側室が増えて行った。
その中にその娘はいた。
永禄2年の年が明け、再び訪れた歌奈はその娘をつれて来た。
「信長様、この娘は五徳です。将来家康の長男に嫁ぐことになります。年代が合う娘をずっと探していたんです。これから5年後に婚約。9年後に嫁ぐことになります。でも嫁ぐと言っても織田家の間者として送るんです。今まで私が教育してきたけれど、これからは信長様にお任せしますのでしっかり教育しておいてくださいね。」
私はその歌奈の言い回しが気になった。
「この先も歌奈が面倒を見るんじゃないのか?頻繁には会えないから私に託すってことなのか?」
歌奈は五徳を下がらせ、私達が2人切りになると穏やかに話し始めた。
「私はもう暫くの間はこちらに来られないと思う。」
「なぜ!?」
驚く私に歌奈は笑顔で答えた。
「本当のね、子供が出来たの。あなたと私の・・」
予想外の展開に輪をかけて驚く私はとっさに言葉が出てこなかった。
「あら、喜んでくれないの?」
次の瞬間!私は歌奈を強く抱きしめていた。
「そんな!嬉しいに決まってるじゃないか!本当に嬉しいよ。ありがとう。」
心からそう思った。
「それでね、これからは私1人でこの子を育てて行かなくちゃいけないでしょ。向こうにはおじいちゃんとおばあちゃんもいるけど、この子にとっての親は私だけだからこの子を守らなければいけない。ここに来るこの道を通る事に私は慣れたけど、でも万が一私に何かあればこの子を1人にしてしまう。だからこれからは未来で貴方を待ってる事に決めたの。この先まだ計画は半ばだし、これからやらなければいけない事はたくさんある。それを傍で手伝えない事は正直私も悔いは残る。でもね先ずは私達の子供をきちんと育てなくてはいけないと思うの。それが私の使命。そして貴方は必ず志を達成して欲しい。その為に秀一と濃姫と頑張って欲しい。未来の計画は当初の予定通り私が責任を持って準備するからそこは任せて頂戴。そして私はこの子を育てながら貴方が来るのを必ず待っているから。」
そう言って笑顔を見せた。
去り際に一通の手紙を残して、歌奈はその来訪の時間を終えた・・
『貴方に3つの安心を送る。1つ、私とこの子は平和な未来にいるのから安心して。2つ、未来の作戦は私が準備しておくから安心して。3つ、どこにいても貴方の妻であり続けるから安心して。貴方の進む道を突き進んで下さい。貴方の1582年、私の2054年が無事に廻って来ますように。未来で貴方を待っています。』
私は悲しまなかった。1582年6月2日に、必ず会いに行くと決心していたからだ。
今までも数多の人々、そして自分の人生を犠牲にしてここまで来たのだ。
そしてこれからはもっと多くの犠牲を払わなければいけない事は十分理解していた。
まだまだやらなければいけない事が山のようにある。ここで悲しんでなんていられない。
ましてや歌奈と子供は未来で平和に無事に暮らしていくのだから悲しいなんて言ったらばちが当たるだろう。
俗世間の憂いは忘れ、誰に何て言われようが自分の道を進むだけ。
そう私は織田信長なのだから・・
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