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第一章
真実
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三郎はその日、紫陽寺の本堂にいた。
そして歌奈と秀一を待っていた。
「三郎どうしたの?」
歌奈が不思議そうな顔をして本堂に入って来る。
「うん。ごめん。ちょっと話したい事があってね。秀一も来るから少し待っててくれる?」
暫くすると秀一がやって来た。
「話したい事ってなんだよ。なんかあらたまって変だな。」
改めて二人を前にすると昨日まであんなに考えていたことが、嘘のように消え去り頭が真っ白になっていくのが分かった。
そして、自分でもおかしいくらい率直な言葉が口から出た。
「おれっ!俺の本名は織田三郎信長なんだ!」
二人はあっけにとられ何も反応出来ずにいたが、暫くの沈黙の後にやっと出た言葉は
「そう・・なんだ・」だけだった。
その言葉に何だか拍子抜けしてしまった三郎は堪え切れなくなり大声で笑った。
そんな三郎を見て、歌奈と秀一も噴き出した。
そして三人で笑った。
不思議な笑いがおさまると三郎は静かに話し始めた。
「先ずはお礼を言わせてくれ。今まで本当にありがとう。そしてごめん!実は俺、記憶がないなんて嘘なんだ。本当の事を言っても信じられないかもしれないけど・・おれは500年前の昔からこの平成に跳んできたらしい。改めて自己紹介させてくれ。私は尾張城主織田信秀の長男、織田三郎信長です。この平成の世に何故自分が跳んだのかは、はっきり言って分からない。でもこれが真実です。ましてや今回で二度目だし・・でも何か理由があるはずなんだと思いたい。でも何も分からない。ただ今言えるのは、前回は私の意思とは関係なく、ちょうど三か月でここを去ったという事なんだ。だからもしかすると今回も三か月たったら自動的に尾張に返されるかもしれないって事を考えた。だから今回は二人に本当の事を話したいと思ったんだ。」
そう言って三郎は今までのいきさつを二人に話し始めた。
二人は長い間黙って三郎の話しを聞いていた。
そして一通り話終えると秀一が口を開いた。
「なるほど・・何かおかしいとは思っていたんだ。正直言うと・・もしかしたらって思ってた。でも確証もないし、まさか現実にそんな事がある訳ないって自分の想像を打ち消したって感じかな・・でも・・でもな!三郎のいう事が本当だとしたなら、もうホント!今は興奮せずにはいられないって感じだよ!」
「えっ?」
「だった考えてみろよ。お前があの織田信長なんだろう?戦国時代の三英傑の!現代なら誰でも知ってるし好きな武将の三本の指に入る織田信長なんだぜ!それが俺の友達だって事なんだからそりゃ~テンション上がるわ!!」
そう言って秀一は無邪気にはしゃいでいる。
一方の歌奈は・・
「秀一!いい加減にしなさいよね!三郎の気持ちも考えなさいよ!まったく・・それにしても、もしかすると三か月しかいれなって事なのよね・・」と、真剣な表情で呟いた。
その言葉を聞いて秀一も息を飲む。
「そうだよな。もし三か月なら後一か月もない。こんなにゆっくりしてられない。三郎。だったらお前にちゃんと教えておかなきゃない事はきっとまだまだ沢山あるよ。」
「そうなんだ。前回は何も考えずにただ過ごしていただけ、今回も初めはやけくそな感じだったけど。でもね、今はこの世界に来たことを真剣に考えてる。この経験を無駄にしたくないんだ。この後、自分の時代に戻ったとしてもこの平成と自分の時代を繋ぐ何かしらの答えを見つけたい。」
三郎の話しを聞いて暫く黙って考え込んでいた歌奈が慎重に話し始める。
「もし、三郎の考えが正しければグズグズはしてられないという事ね。この現象の理由は分からないけど、言える事は1つある。この時代の私達に過去の情報はそんなに必要ないと思うけど、過去には未来の情報が必要って事なんじゃないのかな?だから何かしらの未来の情報を三郎が持って帰るって事じゃないの?」
「なるほど~」
歌奈の言葉に二人は深く頷いた。
「自分でも理由は分からないけどまた戻ってくような気もするし、ただ、ここで学ぶ事がこれからの自分の時代とこの現代にとってなにかしらの役に立つんじゃないのかなっていう気もする。だから二人の知恵を貸して欲しいんだ。これからどうしたらいいのかをね。」
三人は真剣に考えこんだがあまりにも確かな情報がないこの現実に困惑するしかなかった。
そして・・
秀一が真剣な眼差しで三郎に話し始めた。
「悩んでも仕方がない。どんな状況にになっても対処できるように色んな選択師を考えておこう。そして出来る限り必要と思われる事を三郎に教えるよ。ただ・・三郎。1つだけ約束してくれ。これから残された時間で色んな真実を知るだろうが、お前の世界に帰っても絶対に未来の歴史は変えないと約束してくれ。」
思いがけない秀一の言葉に三郎は一瞬、戸惑ったが、考えてみればそうだ。
もし過去から未来を変えてしまったら?
歌奈も秀一もそしてこの未来も変わってしまうかもしれないのだから・・
そして歌奈と秀一を待っていた。
「三郎どうしたの?」
歌奈が不思議そうな顔をして本堂に入って来る。
「うん。ごめん。ちょっと話したい事があってね。秀一も来るから少し待っててくれる?」
暫くすると秀一がやって来た。
「話したい事ってなんだよ。なんかあらたまって変だな。」
改めて二人を前にすると昨日まであんなに考えていたことが、嘘のように消え去り頭が真っ白になっていくのが分かった。
そして、自分でもおかしいくらい率直な言葉が口から出た。
「おれっ!俺の本名は織田三郎信長なんだ!」
二人はあっけにとられ何も反応出来ずにいたが、暫くの沈黙の後にやっと出た言葉は
「そう・・なんだ・」だけだった。
その言葉に何だか拍子抜けしてしまった三郎は堪え切れなくなり大声で笑った。
そんな三郎を見て、歌奈と秀一も噴き出した。
そして三人で笑った。
不思議な笑いがおさまると三郎は静かに話し始めた。
「先ずはお礼を言わせてくれ。今まで本当にありがとう。そしてごめん!実は俺、記憶がないなんて嘘なんだ。本当の事を言っても信じられないかもしれないけど・・おれは500年前の昔からこの平成に跳んできたらしい。改めて自己紹介させてくれ。私は尾張城主織田信秀の長男、織田三郎信長です。この平成の世に何故自分が跳んだのかは、はっきり言って分からない。でもこれが真実です。ましてや今回で二度目だし・・でも何か理由があるはずなんだと思いたい。でも何も分からない。ただ今言えるのは、前回は私の意思とは関係なく、ちょうど三か月でここを去ったという事なんだ。だからもしかすると今回も三か月たったら自動的に尾張に返されるかもしれないって事を考えた。だから今回は二人に本当の事を話したいと思ったんだ。」
そう言って三郎は今までのいきさつを二人に話し始めた。
二人は長い間黙って三郎の話しを聞いていた。
そして一通り話終えると秀一が口を開いた。
「なるほど・・何かおかしいとは思っていたんだ。正直言うと・・もしかしたらって思ってた。でも確証もないし、まさか現実にそんな事がある訳ないって自分の想像を打ち消したって感じかな・・でも・・でもな!三郎のいう事が本当だとしたなら、もうホント!今は興奮せずにはいられないって感じだよ!」
「えっ?」
「だった考えてみろよ。お前があの織田信長なんだろう?戦国時代の三英傑の!現代なら誰でも知ってるし好きな武将の三本の指に入る織田信長なんだぜ!それが俺の友達だって事なんだからそりゃ~テンション上がるわ!!」
そう言って秀一は無邪気にはしゃいでいる。
一方の歌奈は・・
「秀一!いい加減にしなさいよね!三郎の気持ちも考えなさいよ!まったく・・それにしても、もしかすると三か月しかいれなって事なのよね・・」と、真剣な表情で呟いた。
その言葉を聞いて秀一も息を飲む。
「そうだよな。もし三か月なら後一か月もない。こんなにゆっくりしてられない。三郎。だったらお前にちゃんと教えておかなきゃない事はきっとまだまだ沢山あるよ。」
「そうなんだ。前回は何も考えずにただ過ごしていただけ、今回も初めはやけくそな感じだったけど。でもね、今はこの世界に来たことを真剣に考えてる。この経験を無駄にしたくないんだ。この後、自分の時代に戻ったとしてもこの平成と自分の時代を繋ぐ何かしらの答えを見つけたい。」
三郎の話しを聞いて暫く黙って考え込んでいた歌奈が慎重に話し始める。
「もし、三郎の考えが正しければグズグズはしてられないという事ね。この現象の理由は分からないけど、言える事は1つある。この時代の私達に過去の情報はそんなに必要ないと思うけど、過去には未来の情報が必要って事なんじゃないのかな?だから何かしらの未来の情報を三郎が持って帰るって事じゃないの?」
「なるほど~」
歌奈の言葉に二人は深く頷いた。
「自分でも理由は分からないけどまた戻ってくような気もするし、ただ、ここで学ぶ事がこれからの自分の時代とこの現代にとってなにかしらの役に立つんじゃないのかなっていう気もする。だから二人の知恵を貸して欲しいんだ。これからどうしたらいいのかをね。」
三人は真剣に考えこんだがあまりにも確かな情報がないこの現実に困惑するしかなかった。
そして・・
秀一が真剣な眼差しで三郎に話し始めた。
「悩んでも仕方がない。どんな状況にになっても対処できるように色んな選択師を考えておこう。そして出来る限り必要と思われる事を三郎に教えるよ。ただ・・三郎。1つだけ約束してくれ。これから残された時間で色んな真実を知るだろうが、お前の世界に帰っても絶対に未来の歴史は変えないと約束してくれ。」
思いがけない秀一の言葉に三郎は一瞬、戸惑ったが、考えてみればそうだ。
もし過去から未来を変えてしまったら?
歌奈も秀一もそしてこの未来も変わってしまうかもしれないのだから・・
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