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第55話 悪の告発 ※閲覧注意
しおりを挟む昨夜国民的アイドルであった彼女が、乗っていた車に火を放ち、SNSの生配信上でとある告発をした。
『カンセファンがアイドルやアイドル練習生の女の子の売春斡旋をやっており、私も斡旋させられていました。私の事務所にはお金がなくて、どうしてもお金が必要だったからです』
『残念なことに、事務所が弱ければ弱いほど、彼の甘言に騙されます』
『これは、アイドル業界で長い人たちには周知の事実です。でも、彼の客はこの業界のトップたちばかりで、誰もが口を噤みます』
『途中でやめようとしたけど、客の何人かが画像動画を持っており、脅されていました』
『それでも、アイドルとして、皆さんに幸せを、夢を与えられてると思ってました』
『けど、私は……わかったんです。この夢を見せることで、私と同じ道を歩ませてしまっていることを』
『私を目指しアイドルになろうとしている夢見るいい子たち。私からの言葉を聞いてください』
『アイドルは、正義なんかじゃありません』
『アイドルは悪です』
そして、生放送は終了したそうだ。
「イファンさん、どうすれば……」
『警察もアイツの埃を叩くはずだ。俺たちは知ってるだけだし、被害者側ではあるけど、この国で同性同士のがバレるってのはヤバいリスクだ。特にシグレ、お前が一番狙われるぞ。昨日の事件のせいで』
その言葉に、俺は身体が凍りつく。
たしかに、セファンさんと交友あるのはバレてる上に昨日事件に巻き込まれたばかりだ。
「……とりあえず、引きこもります」
『そうしろ、ただ近々、警察には証言する必要があるだろうな。ゆっくり考えてくれ』
あまりにも最悪なことは続く。
今出来ることは、どうにか来るべき日までに、自分の立ち回りを考えることだった。
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