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第42話 夢を輝かすのは
しおりを挟む「すみません、ここまでお願いします」
「わかった。というか、お客さん、大丈夫かい?」
「だ、大丈夫です」
呼んだタクシーに乗り込んで、宿舎の場所をスマートフォンの文字を見せて伝える。
少し荒い息の俺に、タクシーの運転手は心配そうに声をかけた。
じくじく狂いそうな下腹部の熱さ。
身体がずっと高揚している。タクシーは発進し、見慣れた世界が通り過ぎていく。
車の揺れが、中に入ったアナルプラグに伝わり、熱く敏感になった中をぐちゅぐちゅと優しく優しく、犯していく。
勿論それだけじゃない。
(いたい、いたい、いたい……ッ!)
今俺の乳首と睾丸の左右には、以前着けられたあのクリップによって挟まれている。見た目は持ち手が蝶の翅のようで可愛いのに、摘む力は想像以上だ。
あの車の中で、ジノ兄さんによって着けられたそれ。
「もし、これ着けたまま行けるなら、『教えて! アイドル先生!』のMCに、パラニュイを推してあげる、途中外したりしないでね」
にっこりと笑った姿は、なぜだか何時もより強かった。
『教えて! アイドル先生!』は、日本向けの韓国語講座番組。色んな韓国語に対して、アイドルがコントをしたり、ゲームをしたりして、視聴者と韓国語を学ぶ番組だ。基本的にこのアイドルは3ヶ月ごとに変わるが、それでも固定で3ヶ月も仕事があるのは大きい。
かなりのご長寿番組且つ、売れるアイドルの登竜門の一つとされているそれには、番組自体にファンも多い。
「わかりました」
俺は、勿論そのチャンスに飛びついた。
本当に、ジノ兄さんとのセックスは常に刺激的で、本来ならば止めるべきなのだろうなと思う。
でも、その刺激の向こうにあるご褒美を、自分の目の前に吊るすのが上手すぎるのだ。
タクシーに乗って、2時間。
必死に痛みと、熱から強い掻痒感に変わった腸内に耐えた。
ジノ兄さんから貰ったお金で料金を支払い、タクシーを降りる。
そして、宿舎に入ろうとした時だった。
「シグレ」
急に名前を呼ばれた。振り返るとそこにはひょろりとした白いパーカーの男性が立っていた。その顔に一切見覚えはなく、既に身体が限界だった俺は、ぺこりと頭を下げて宿舎に入っていく。
男はそれ以上何も言わなかった。一体今の人は? と思うが、それどころではなかったのだ。
宿舎に帰ると、皆もう寝ていた。俺はなるべく音を立てないように、風呂場へと向かう。風呂場の中で服を脱ぎ外に放り投げる。そして、風呂場で顔が映らないように首から下の写真を撮る。乳首は既に真っ赤に腫れている。
そして、既にゆるやかに立ち上がり続けているモノの下にある睾丸も写真に撮った。
それを慎重に間違いがないようジノ兄さんに送る。
【ご苦労さま、さすがだね。じゃあ、約束は守るよ。推してあげとくね】
その返信に安心した俺は、そのクリップを胸と睾丸から外す。クリップで押しつぶされた乳首は縦に潰れており、痛々しく真っ赤に腫れている。
睾丸もその挟んでいた場所は凹んで入るが、その周りは赤く腫れており、触れるだけで激痛だ。
そして、次は尻からアナルプラグを抜き去ろうと、手を伸ばして掴んだ。
「ンッ! ……ふぅっ……うぅ」
頑張って力みながらアナルプラグを引っ張る。硬いゴム素材のアナルプラグはそこそこの大きさがあるため、敏感になった肉の入口を掻き分けて出てくる。
「アッ……んんッ……」
手に握ったものを、風呂場の中に桶に一時的に入れ、俺はシャワーノズルを掴むと、自分のあそこにシャワーの水を浴びせた。
「あぁぁ、ぅう、んんっ!」
痒い痒い痒い。お腹の熱を取るために自分の指をそこに入れて、掻くが一番痒いところに、自分の指では届かない。
一体、あの玉はなんなんだ。
浅ましく、声を押し殺し、 必死に広げては中に水を浴びせて流す。
俺はただこの熱さに惨めに藻掻き続けるしかなかった。
次の日は、初めてのサイン会だった。
日本のサイン会とはちょっと違いがある。
まず、日本の一般的なCDとは違い、韓国アイドルのCDは値段が少し高い分しっかりした写真集みたいなブックレットが着いているのが多い。
更に小さなステージがあるスペースを借りて、その壇上で俺たちがベルコンベア式にCDのブックレットにサインをしていく。
勿論ファンは自分のブックレットと共に椅子に座りつつ流れて行くのだが、大体メンバー一人3分ずつ会話できるのだ。
なにより、そのサイン会は店員100名。基本的に特定のCD屋さんで「個人が買った枚数」で決まるのだ。(ちなみに完全ランダムは一店舗しかない)
また、この100名もうちのグループでは、韓国勢70名、海外勢30名の枠が分けられており、どちらか定員割れしなければこの人数比は変わらない。
ただ、このサイン会は撮影が自由なため、人気なグループだととんでもない金額が飛び交う世界になるのだ。
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