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第16話 夢が弄ぶ
しおりを挟む「んんんっ! ぁあぇ、ひぅっ!!!」
無知への恐怖に咄嗟に身体を丸めて、めいいっぱい叫ぶ。それは、あの限界の時に言えと言われた言葉だ。鞭で叩かれるのは、あまりにも怖い。ただ、俺はそこである誤算に気づく。今口に入っている玉のせいで、うまく言葉が発せられないことに。
「じゃあ、とってあげるから胸を突き出して」
慌てる俺を見てるのかわからないが、ジノ兄さんはただ命令をする。しかし、俺は恐怖のあまり、すぐに動けなかった。
「なるほど、仕方ないな」
パンッ!!
「ンンンんッ!!」
足元をその鞭で叩かれる。鋭い痛みに身体が、ハイヒールがふらつき、危うく転倒しかける。
痛い痛い痛い!
「胸を突き出して、ちゃんとやるまで、叩き続けるから」
パンッ!!!
「ぃ、アッ!!」
今度は太ももでも、股間近くを叩かれる。あと少しで自分の陰茎部分であった。硬いものに防御されているとはいえ、その部分を叩かれれば、もっと痛いだろう。
慌てて、言われたとおりに胸を突きだす。
「偉いね、じゃあ取ってあげるよ」
パンッ!!!
胸元を叩かれた。
「ァアア!」
俺が声を上げ身体を仰け反らすのと同時に、乳首の周りを飾っていたいくつかのクリップが落ちていく。ただでさえ無理やり払われたクリップの外れるときの痛さもさる事ながら、乳首についたクリップは大きくチェーンが揺れ、乳首に強い痛みが襲う。
チョロチョロロロ……
またから何か熱いものが流れていく。
「あら、お漏らしした? イケナイね?」
パンッ!!!!
「おぇんぁぁぃ! おぇんぁぁぃ!!」
もう一発胸へと鞭が入る。乳首以外のクリップが落ちていく。俺はもう痛みのことで頭がいっぱいだ。
パンッ!!!
また胸元のクリップが少なからず落ちていく。
「乳首のは、しっかり着けてるから難しいね」
バチンッっ!!!
今までの強さとは違う、痛い一撃が右の乳首に入る。パチンッと乳首からクリップが外れた。そして、そのクリップの重みがすべて左乳首へとかかる。
「ィアアアアアィイイッ! ハゥイエエエ!! !」
俺は今の鞭と外れたときの痛みから半狂乱に。頭を振り乱し、ハイヒールもバランスを崩したせいか、左足は素足になってしまった。涙もボロボロと出てきて、頬がぐしゃぐしゃになり、口元も唾液が絶え間なく流れていく。
「あと、一発かな? 左胸はゆっくりつけたから、しっかり着いているかも」
兄さんはお構いなしに、鞭を振り下ろす。一回、二回、三回。外れず、ただ乳首を。痛める結果になった。そして、四回目。
バチンっっっ!
「アアアアアアアァァッ!!!!」
左乳首のクリップが外れた。
「ああ、またおしっこ漏らしてるよ」
痛みから意識朦朧とし、吊るされた手首に体重を預けるしかない俺は、また失禁をしてしまったようだ。足元も相当な尿で濡れており、左足の爪先はその上で立つしかなかった。
「今度はそうならないように対策しないと」
ジノ兄さんはそういうと、まず足元の鎖を外すした。その後、俺の胴体を片手で抱きかかえつつ、手首の手錠を外してくれるだらりとした俺はそのままジノ兄さんに縋るように、身体を預けた。
乳首は相当敏感になり、ジノ兄さんの服に擦られるだけでもじんじんと強く痛む。
「シグレ、頑張ったね、粗相はしたけど、ここまで出来るなんて凄いよ」
ジノ兄さんはまた抱きしめてくれる。そのまま暫くしたら、俺を正面から抱きかかえ、後ろのソファ席のテーブルに寝かされた。
「うーん、もうパンツびしょびしょだから、脱ぐしかないね」
パンツを脱がされた。そして、いつの間にか用意してた温かい濡れタオルで股間を拭かれる。想像するだけで、赤ちゃんみたいで恥ずかしい。
すると、ふうっと乳首に息をかけられた。
じんっと痛み、腰をぐっと浮かす。
「すごい、乳首がマイナスドライバーみたいになってる」
いじめ抜かれた乳首を今度は優しく優しく撫でてくる。その優しいが辛い痛みに「ぃあぃい……」って泣き言を零す。
「これから、この乳首から感じる感覚忘れないために毎日乳首を触るんだよ。わかった?」
ジノ兄さんの言葉に、また反応できずにいると、ぎゅっと乳首を摘まれた。
「ぁい!! あいぁありまぃぁ!」
俺は慌てて返事をする。
「よかった。さあ、シグレが頑張ってくれたから、お兄さんは嬉しかったよ。これからは気持ちいいことだけしようね?」
ジノ兄さんは満足そうにそういうと、また抱きしめ、よしよしと頭を撫でる。そして、口についていた丸いなにかが外された。自由になった口元は、すぐにジノ兄さんの口によって塞がれた。
ジュルジュルと唾液を舌ごと吸われ、唾液を飲まされ、口の中を蹂躙される。俺は前もしたがキスが好きなのかもしれない。キスされて、抱きしめられて、褒められれば、あんな辛いのに、「頑張ってよかった」と思ってしまうのだ。
それに、これでグループに還元できるなら最高だろう。ふと、その時ジウの顔が浮かぶ。
もし、俺がこんなことしてるのを知ったらどう思うんだろう?
思い浮かべるが、ジウは常に太陽のような人だ。
こんなことが行われているなんて、考えもしないだろう。
なんだろう、こんなことは考えてはいけないと思考が止まる。考えるならば、痛いほうがいいと思ってしまう俺は狂ってるのかもしれない。
「ジノ兄さん……」
「何?」
「ジノ兄さんの好きなように、めちゃくちゃにしてください」
甘えるような声でそういう。めちゃくちゃにしてくれれば、俺もこんなことを考えなくていい。ジノ兄さんは俺の頭をなでた。
「なら、とびっきり優しく抱いてあげよう」
このバーの裏にはベッドルームがあった。バーに何故あるのかと思ったが、ここが単なるバーでないことは俺でもわかる。
部屋にある簡素なベッドルームに寝かされ、俺は本当に優しく抱かれる。
目隠しもコルセットも何もかも取り払われた俺。ジノ兄さんも服をすべて脱いだ。
トイレにて大きな注射器でお腹の洗浄はしたけれど、以前見たく酷い我慢をするわけでもなく、水を何度も入れては出すを繰り返す。
お尻の穴は前回の激しいセックスのせいでゆるくなったのか、今回は難なく広がっていく。けれど、前回よりもゆっくりと指でゆっくり解される。時折、金属で出来た貞操帯の上から俺の陰茎をジノ兄さんが舐めるから、ギチギチと中で大きくなろうとして辛いが。
「アッ……あっああ……」
先程いじめぬかれた乳首は、ジノ兄さんに何かクリームを塗られた後、ガーゼで被せられている。そのガーゼもクリームまみれのため、ムズムズと刺激を与えてくる。
「シグレ気持ちいい?」
「きも、ちぃいっ、です!」
優しいセックスにグズグズになる下半身。そして、ベッドルームに置かれていた大量の潤滑液が俺の中に注入された。
「中がきゅんきゅんして、かわいいね、とろとろ液もいっぱいだよ」
「やぁ、はず、かしぃですっ……」
俺の秘所をまじまじと見たジノ兄さんは、一度そこにキスをした後、貞操帯からはみ出ている睾丸を吸って舐める。
「アッ、いいっ、きも、ちぃ!」
ビクビクと腰を跳ねさせる俺、それを少しだけ楽しんだあと、ジノ兄さんは俺の秘所に自身の凶悪なものを押し当てた。そして、貞操帯に閉じ込められて哀れな俺の陰茎の上に置いて、コンドームを着けた。圧倒的に男として機能していない自分をまざまざと見せられるが、それよりも早く中をグチャグチャにしてほしい俺は、今か今かと見つめてしまう。
ゆっくりと入っていく先端。それが奥を貫く瞬間を待った。
それはゆっくりじわじわと中を割り開き、遂に奥を捻じ伏せる。
ズッポリ入り、ハマった感覚は、正直癖になってしまった。ジノ兄さんは俺に覆いかぶさり、キスをまたし始める。自分のあそこを舐めた口だが、キスが好きだからそんなことどうでも良かった。
キスをしつつも、ジノ兄さんの腰はゆるゆると前後に動きはじめる。押しつぶされるように、お腹の中を優しく優しく侵略する凶器。
俺は気づいたらジノ兄さんを抱きしめ、足も胴体に絡めていた。
腰がさらに強く振られる。くぐもった喘ぎ声は全てジノ兄さんの口の中へと食べられていく。甘い甘い、そして、優しい。
自分の陰茎がまただらしなく液を垂れ流す。熱いそれはネチャネチャと、潤滑液の一部となった。
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