この地獄に生まれて

木曜日午前

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8話 地獄か天国か

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 ぽたりっ
 
「ひっ、ぃあああっ! ぁづぃいいい!!!」
 
「熱いよな? でも、頑張れるよな」
 
 ぽたりっ
 
「アアァアッ!!!!」
 
 溶けた赤い蝋燭が、むき出しの俺の性器に、垂らされる。特に無理やり剥き出しにされた仮性包茎の先端は、薄ピンク色でそれが固まった蝋によって赤く染まっていく。
 
 口の中も既に最初に垂らされた蝋が舌や唇の上で固まり、相当不味い人工物の味がする。
 
 俺の体は、かなり硬い黒麻縄で無理やりキツく縛られており、M字開脚の状態で仰向けに転がされている。縛り方もめちゃくちゃで、不揃いの縄は痛みを強く出してくる。しかも、この縄は多分なめしてないのだろう。かなりちくちくと動く度に肌を痛めるような擦る感覚があった。
 
 蝋燭も、まさかの低温蝋燭ではなく、本物の熱さのため、明日には大事なところは軽い火傷状態になってしまうだろう。
 
 それに、少し無理やり入れられた中で膨らむディルドもギチギチと詰まっている。バルーン型で膨らんでいるせいだろう。
 しかも、少し切れただろうか、そこもすでに痛い。
 
 けど、躾けられたい、いじめられたい、褒められたい、今まで飢え続けていた気持ちが満たさ減る感覚のせいで、俺の口からセーフワードを言うこと拒み続けた。
 
「いいな、この蝋で月代のチンコの型取りも出来そうだな、今度やるか、どうだ?」
「ひゃぁ、ぁあああっ、あづ、あっ、い!」
「返事しろよ、俺が独り言言ってるみたいだろ?」
 
 ボタボタと体の至る所に蝋が垂らされる。赤い斑点が全身を覆い尽くさんばかり。
 
 陽彦は余裕のなくなった俺の反応に飽きたのか、持っていた蝋燭の火を吹き消すと、その蝋燭をぽいっと床に投げる。
 そして、床で無様に転がる俺の上へ覆いかぶさってきた。
 
月代、よく頑張った・・・・・・・・・
 
 陽彦は優しく頭を撫でたあと、既に全身が熱さで傷んだ身体を蝋燭の残骸ごと抱きしめる。眼の前には、弾力のある筋肉が盛り上がった胸元の谷間。そこに力強く顔を押し付けられたため、正直息がしづらい。
 
「はいぃっ、頑張りました……」
 
 情けない俺の声は、既に熱に浮かれてしまっている。ふわふわとその心地よい酸欠感と少しだけ満たされた欲求。
 
 しかし、このハグに多幸感を覚えていたのに、下腹部の感覚でと一つの危機を感じた。
 
 狂気が、質量をもって、俺の下腹部を押している。
 
「はるひこ様……?」
 
「無理やり、突っ込みてぇなあ。Ωなら発情剤飲ませれば一発なのに」
 
 恐ろしいことを口走る陽彦は、俺の腹の上に垂らされた蝋をべりべりと削ぎ落とすように腰を動かす。強く硬い狂気は、蝋を物ともせずグリグリと固く、子供の腕ほどの大きさのそれを誇示している。
 
「まあ、いいや、口使うか……って、蝋まみれじゃん、しゃーねぇ、股使うか」
 
 自分を苦しいほど抱きしめていた腕が離れ、体を起こした陽彦は、足を固定していた縄を解こうとする。しかし、むちゃくちゃな締め方でキツく締めた縄が簡単に外れるわけもない。
 
「まじ、ダッル……」
 
 最終的には、だるそうに三徳ナイフで縄の結び目を切った。
 
 
 そして足の部分を自由にするとパタンっと閉じて、俺の体をごろりと横向けに寝かした。
 
「このまま、動くなよ・・・・
 
 男はそう言うと、かちゃかちゃと音がした後、大きな一物を俺の股の切れ目から、ズンッと差し込んだ。
 
「んッ、あっ! ぁあ!」
 
 しっかりと広がったカリ首、太く血管がバキバキとした竿、そしてαの証である亀頭球が大きく膨れているのが、太腿と股間から伝わってくる。
 
 多分これがいつか自分の中を蹂躙するのかと思うと、思わず血の気が引きそうだった。
 
「……ローションいるな」
 
 そんな俺とは裏腹に、何かに気づいた陽彦は、頑張って手を伸ばして、ローションボトルを掴むと尻と股に向かって、ビュッと掛けた。
 
「ひゃっ、つめっ、た!」
 
 ひんやりと冷たいローションは、確実に室温によって冷やされたもの。思わずきゅっと股を締めてしまった。
 
「お、いい締め付けだ」
 
 普通の男なら股間をキツく締められて痛いはずなのに、この男には関係ないよう。のんきにそんなことを言いながら、垂らしたローションを大きく膨れたソレに擦りつけて、ピストンを開始する。
 
「ぁっ♡ああっ、ヒッ♡ち、んちん、つ、ぶしちゃ、やぁああ♡」
「お前の粗末なちんこ、どこにあんだ? わかんねぇなあ」
 
 尻穴から、股間、俺の性器の上を何度も行き来するため、必然的に俺の性器を男の性器で押し潰す。遥か自分の2倍あるそれに、ごりごりといじめられ、その圧迫感が気持ち良い。お腹の中も思い出したときに、バルーンがシュポシュポと膨らみ、不思議な快感のせいで自分の体内を改造されている感覚だ。
 
 しかも、既に一杯一杯な俺なのに、とても厳しかった。足の力が緩んだ瞬間、尻に容赦なく手が振り下ろされる。
 
 バチンッ
 
「もっとしっかり、足閉めろ」
「ごッ、ォめ、んなざぃい♡」
 
 緩まってしまった脚に力を入れる。すると、尻にまで力が入り、中に入ったバルーンをより一層強く感じてしまう。そして、何よりも自分の性器も圧迫してしまうため、変な心地よさがまたさらに強くなった。
 
 バチュンッ バチュンッ
 
 ローションに塗れた肉と肉がぶつかり、普通じゃ聞けないような粘り気のある衝突音。
 
「あッ♡ぁっ♡んっぁ♡ああッ♡」
 
 振られる腰のリズムに合わせるように、自然と甘い声が漏れてしまう俺は、既にふわふわと天国にいるような気持ちだった。
 
 そんな俺の様子を察したのだろう。
 
「そろそろ、出すか」
 
 終わりを感じた陽彦はそう言うと、ラストスパートと言わんばかりに腰を振る速度を上げる。ごりごりと高速で尻や金玉、竿を圧迫や摩擦する凶器。
 その動きのせいで、触らずとも勝手に自分のものも扱かれてしまう。
 
「だぁ、めっ! きちゃ、きちゃ、ッウ♡あっ、アッ! ああ♡ど、まっ、でぇ! ぃい♡」
 
 
 先に限界を迎えた自分は、びゅるっと精液を吐き出すが、そんなの関係ないとばかりに男は腰を振るのをやめない。追い打ちをかける腰の振り方に、俺の情けない性器は快感から逃れることもできず、何度もピュッピュッと精液を細切れに吐き出し続ける。
 
 そして、もう俺が吐き出すものがなくなったあと、男は一番亀頭球を膨らませて、精液を吐き出した。
 
 生温くて独特な匂いがしており、αらしく大量の精液は俺の顎の下まで余裕で汚してくる。
 
「精液ってこんなに飛ぶのか、外に出すことないから初めて知ったわ」
 
 厳つくゴツゴツした手が、俺の顎に着いた精液を拭う。俺は更にふわふわし、脱力した身体を動かすことも出来ず、ただただ変な多幸感と脱力感に苛まれた。
 
 
 
 
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