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時々、見てしまうゾンビに襲われる夢。だが自分にはあの能力があった。
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時々、見てしまうゾンビに襲われる夢。だが自分にはあの能力があった。
こんな夢を見た。
自分と見知らぬ数人が高層ビルの最上階まで追い詰められていた。
下の階では逃げ惑う人々の悲鳴が聞こえ、まさに阿鼻叫喚の様相である。
原因は人を喰う大量のゾンビだった。
大型ショッピングセンターが入っている、ビルに逃げ込んだのはいいが、街に溢れたゾンビ達は、開放されている一階の出入り口から、ビル内に侵入して来ていた。
屋上に逃げた人達もいたが、ここ最上階では下の階から助けを求める悲鳴が聞こえ、屋上からも悲鳴が聞こえ、開閉可能なガラス窓からは、ゾンビに喰われるくらいならと、飛び降りた人達が落ちていく。
階段や止まったエスカレーターから、人の血肉を喰らって口や手が真っ赤に汚れたゾンビが迫ってくる。
僕は決心して、最上階から思い切って飛び降りることにした。
勝算は正直、全くない。
しかし大型のガラス窓は固定されていて、開けることは出来ない。
ゾンビの群れはそこまで迫ってきている。
僕は狭い木製のベンチの下に身体を潜り込ませた。
扉が勢いよく開いて、ゾンビ達が入ってきた。その場に居た人達は逃げ惑い、男性の叫びと女性らの悲鳴が、肉と骨を齧り取る音に混じって聞こえてくる。
僕は上を向いたままベンチ下にいたが、何かが僕の左手を掴んだ。そちらに目をやると、老人のゾンビだった。
どうしたらいいか分からない。声を出したらゾンビ達に見つかり、殺到するだろう。
老人のゾンビは、ベンチの下に自分の頭を入れてきた。僕の腕を喰うつもりなのだ。
僕は咄嗟に特に理由もなく勝算もないのに、腹式呼吸をした。
すると僕の左腕に触れていたゾンビが悲鳴を上げた。何事かとそちらを見てみると、僕の左腕を掴んでいたゾンビの腕が溶け始めて、ドロドロの液体に変わっていた。
どういう理由かさっぱり分からなかったが、老人ゾンビの頭を掴んで、また腹式呼吸をすると、老人ゾンビは悲鳴と共に、頭が溶けて、そのまま液状になっていった。
その叫びを聞きつけた他のゾンビらが、僕が隠れている木製ベンチへ集まろうとしていた。
僕は急いでベンチから飛び出した。
迫ってくるゾンビ達。
走ると腹式呼吸が出来ないので、ゆっくりと歩きながら腹で息を吸い込み、ゆっくりと息を吐いていく。
すると僕に触れたゾンビ達は、一人残らず溶けて言った。ただただ、本能のように迫ってくるゾンビ達を、ひたすら溶かしながら出入り口に歩いて行く。
突然、噛み付いてくるゾンビらは一瞬で頭部が溶けて、僕を掴もうとするゾンビらは腕が溶ける。前方を塞ごうとしたゾンビらは、ぶつかった胸から溶けて崩れる。
出入り口を抜けて、ゆっくり歩いて廊下に向かう。
喰われた死体が点在しているが、何体かは死んでゾンビとなって生き返ろうとしていた。
それを気にしないように、ひたすら腹式呼吸で歩き続ける。
その時に気がついた。
「これって、もしや波紋では!」
と思ったところで、目が覚めました。
終わり。
令和5年6月10日。
※当サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
また、まとめサイト等への引用をする場合は無断ではなく、こちらへお知らせ下さい。許可するかを判断致します。
こんな夢を見た。
自分と見知らぬ数人が高層ビルの最上階まで追い詰められていた。
下の階では逃げ惑う人々の悲鳴が聞こえ、まさに阿鼻叫喚の様相である。
原因は人を喰う大量のゾンビだった。
大型ショッピングセンターが入っている、ビルに逃げ込んだのはいいが、街に溢れたゾンビ達は、開放されている一階の出入り口から、ビル内に侵入して来ていた。
屋上に逃げた人達もいたが、ここ最上階では下の階から助けを求める悲鳴が聞こえ、屋上からも悲鳴が聞こえ、開閉可能なガラス窓からは、ゾンビに喰われるくらいならと、飛び降りた人達が落ちていく。
階段や止まったエスカレーターから、人の血肉を喰らって口や手が真っ赤に汚れたゾンビが迫ってくる。
僕は決心して、最上階から思い切って飛び降りることにした。
勝算は正直、全くない。
しかし大型のガラス窓は固定されていて、開けることは出来ない。
ゾンビの群れはそこまで迫ってきている。
僕は狭い木製のベンチの下に身体を潜り込ませた。
扉が勢いよく開いて、ゾンビ達が入ってきた。その場に居た人達は逃げ惑い、男性の叫びと女性らの悲鳴が、肉と骨を齧り取る音に混じって聞こえてくる。
僕は上を向いたままベンチ下にいたが、何かが僕の左手を掴んだ。そちらに目をやると、老人のゾンビだった。
どうしたらいいか分からない。声を出したらゾンビ達に見つかり、殺到するだろう。
老人のゾンビは、ベンチの下に自分の頭を入れてきた。僕の腕を喰うつもりなのだ。
僕は咄嗟に特に理由もなく勝算もないのに、腹式呼吸をした。
すると僕の左腕に触れていたゾンビが悲鳴を上げた。何事かとそちらを見てみると、僕の左腕を掴んでいたゾンビの腕が溶け始めて、ドロドロの液体に変わっていた。
どういう理由かさっぱり分からなかったが、老人ゾンビの頭を掴んで、また腹式呼吸をすると、老人ゾンビは悲鳴と共に、頭が溶けて、そのまま液状になっていった。
その叫びを聞きつけた他のゾンビらが、僕が隠れている木製ベンチへ集まろうとしていた。
僕は急いでベンチから飛び出した。
迫ってくるゾンビ達。
走ると腹式呼吸が出来ないので、ゆっくりと歩きながら腹で息を吸い込み、ゆっくりと息を吐いていく。
すると僕に触れたゾンビ達は、一人残らず溶けて言った。ただただ、本能のように迫ってくるゾンビ達を、ひたすら溶かしながら出入り口に歩いて行く。
突然、噛み付いてくるゾンビらは一瞬で頭部が溶けて、僕を掴もうとするゾンビらは腕が溶ける。前方を塞ごうとしたゾンビらは、ぶつかった胸から溶けて崩れる。
出入り口を抜けて、ゆっくり歩いて廊下に向かう。
喰われた死体が点在しているが、何体かは死んでゾンビとなって生き返ろうとしていた。
それを気にしないように、ひたすら腹式呼吸で歩き続ける。
その時に気がついた。
「これって、もしや波紋では!」
と思ったところで、目が覚めました。
終わり。
令和5年6月10日。
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