9 / 19
深夜。玄関の磨りガラスの先に男二人が現れ「開けろ! 開けろ! おら〜!」と騒いでいる。
しおりを挟む
こんな夢を見た。
時間は真夜中。
磨りガラスの向こうには二人の男の影が見えた。
「おい! 開けろ! 開けろ! おら~!」
と騒いでいる。
「ここにおることは分かっとんねんど! さっさと開けろ! おら~!」
と玄関のガラスを叩く。ガラスが今にも割れそうな勢いである。
「開けないつもりだな!」
と一人の男の影がバットを持っていた。
「こんな戸なんか、これで一撃だからな!」
と笑ったのを聞いて、一緒に居た弟に、
「仕方ない。今から警察に電話しよう。で! これで戦おう!」
と押し入れから木製バットと金属バット数本を出してきた。
弟は木のバットを選ぼうとしたが、
「金属バットを選んだ方がいい。僕も金属バットを選ぶから」
と僕達兄弟は両方、金属バットを選んだ。
警察には『玄関先にバットを持った二人組が「玄関を開けろ!」と騒いでいる』ことを伝えた。
僕らは立ち向かう覚悟をした。
「いいか。玄関を開けたら、手前の男は僕が戦う。お前は後ろの男を頼む」
と小声で言うと、弟は頷いた。
「こら~! 開けろ! 開けんかい!」
と男二人組が言った瞬間だった。
玄関の鍵を開けると同時に飛び出した。
「おい! お前ら! 金、出せ……」
と言い終わらないうちに、僕は木製バットを持った男に、金属バットを打ちつけた。
「こっ! こいつ、何すんねん!」
と騒いでいる。だが怯(ひる)まない!
少しでも休んだら反撃されるかもしれないからだ。
僕は連続で金属バットを一人の男に集中して殴り続けた。
「お前ら、そんなことをしてええと思っているんか! こっちは正当防衛やぞ!」
と言い出した。
見たら弟が殴り続けていた手を止めていた。
「こいつらの言う事なんか無視しろ! 手を止めたら反撃して来るぞ! 正当防衛はこっちなんだ! 殴れ! 息の根が切れるまで殴り続けろ!」
と僕が大声でそう言うと、
「分かった!」
と弟は別の男をもうすでに追い詰めていて、金属バットで殴り続けていた。
弟が殴っている男から悲鳴に似た声が連続で出ていた。
僕が相手をしている男はまだまだ元気だし、自分達が僕らの家を襲おうとした癖に「正当防衛だ!」とか言い出す質の悪い連中だ。
これはもう行くところまで行くしかないと思い、
「ええか! ○○(弟の名前)! 頭を狙え! 警察が来た時には殺しとけ! でないと守っているこっち側が罪にされるぞ!」
すると暴漢である男から悲鳴が上がった。
「頭だ! 頭を叩け! 覚悟を決めろ!」
と言うと、弟の相手はもう動かなくなっていて、頭を思いっきり殴られていた。
僕は無言で、僕の相手を殴り続けていた。相手は何とか木製バットで避けていたが、僕は作戦を変更し、バットを狙わずバットを持つ手を狙って殴った。
すると、
「痛っ!」
と言いながら、暴漢の男がバットを離した。
そこからは、ひたすら思いっきり男を叩き続けた。
男は手で防御していたが、痛くて頭をかかえるようになると、その手も痛くなったのか、下に下ろした。
頭を狙って叩き続けると、段々と動かなくなった。
夢だからだろう。血は一滴も出ずに、顔はもう誰だか分からないくらいに変形していた。
結局、警察は来なかった。
それでももしかして、死んだふりをしているかもしれないと、僕はひたすら殴り続けた。
殴っている途中で、目が覚めた。
起きると、もの凄く後味が悪く、実際にさっきまで男を殴っていた感情と感覚が残っていた。
ちなみに家は磨りガラスの引き戸ではないし、バット一本ありません。
終わり。
令和5年5月24日
※当サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
また、まとめサイト等への引用をする場合は無断ではなく、こちらへお知らせ下さい。許可するかを判断致します。
時間は真夜中。
磨りガラスの向こうには二人の男の影が見えた。
「おい! 開けろ! 開けろ! おら~!」
と騒いでいる。
「ここにおることは分かっとんねんど! さっさと開けろ! おら~!」
と玄関のガラスを叩く。ガラスが今にも割れそうな勢いである。
「開けないつもりだな!」
と一人の男の影がバットを持っていた。
「こんな戸なんか、これで一撃だからな!」
と笑ったのを聞いて、一緒に居た弟に、
「仕方ない。今から警察に電話しよう。で! これで戦おう!」
と押し入れから木製バットと金属バット数本を出してきた。
弟は木のバットを選ぼうとしたが、
「金属バットを選んだ方がいい。僕も金属バットを選ぶから」
と僕達兄弟は両方、金属バットを選んだ。
警察には『玄関先にバットを持った二人組が「玄関を開けろ!」と騒いでいる』ことを伝えた。
僕らは立ち向かう覚悟をした。
「いいか。玄関を開けたら、手前の男は僕が戦う。お前は後ろの男を頼む」
と小声で言うと、弟は頷いた。
「こら~! 開けろ! 開けんかい!」
と男二人組が言った瞬間だった。
玄関の鍵を開けると同時に飛び出した。
「おい! お前ら! 金、出せ……」
と言い終わらないうちに、僕は木製バットを持った男に、金属バットを打ちつけた。
「こっ! こいつ、何すんねん!」
と騒いでいる。だが怯(ひる)まない!
少しでも休んだら反撃されるかもしれないからだ。
僕は連続で金属バットを一人の男に集中して殴り続けた。
「お前ら、そんなことをしてええと思っているんか! こっちは正当防衛やぞ!」
と言い出した。
見たら弟が殴り続けていた手を止めていた。
「こいつらの言う事なんか無視しろ! 手を止めたら反撃して来るぞ! 正当防衛はこっちなんだ! 殴れ! 息の根が切れるまで殴り続けろ!」
と僕が大声でそう言うと、
「分かった!」
と弟は別の男をもうすでに追い詰めていて、金属バットで殴り続けていた。
弟が殴っている男から悲鳴に似た声が連続で出ていた。
僕が相手をしている男はまだまだ元気だし、自分達が僕らの家を襲おうとした癖に「正当防衛だ!」とか言い出す質の悪い連中だ。
これはもう行くところまで行くしかないと思い、
「ええか! ○○(弟の名前)! 頭を狙え! 警察が来た時には殺しとけ! でないと守っているこっち側が罪にされるぞ!」
すると暴漢である男から悲鳴が上がった。
「頭だ! 頭を叩け! 覚悟を決めろ!」
と言うと、弟の相手はもう動かなくなっていて、頭を思いっきり殴られていた。
僕は無言で、僕の相手を殴り続けていた。相手は何とか木製バットで避けていたが、僕は作戦を変更し、バットを狙わずバットを持つ手を狙って殴った。
すると、
「痛っ!」
と言いながら、暴漢の男がバットを離した。
そこからは、ひたすら思いっきり男を叩き続けた。
男は手で防御していたが、痛くて頭をかかえるようになると、その手も痛くなったのか、下に下ろした。
頭を狙って叩き続けると、段々と動かなくなった。
夢だからだろう。血は一滴も出ずに、顔はもう誰だか分からないくらいに変形していた。
結局、警察は来なかった。
それでももしかして、死んだふりをしているかもしれないと、僕はひたすら殴り続けた。
殴っている途中で、目が覚めた。
起きると、もの凄く後味が悪く、実際にさっきまで男を殴っていた感情と感覚が残っていた。
ちなみに家は磨りガラスの引き戸ではないし、バット一本ありません。
終わり。
令和5年5月24日
※当サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
また、まとめサイト等への引用をする場合は無断ではなく、こちらへお知らせ下さい。許可するかを判断致します。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
第16回ファンタジー小説大賞を終えて。感想や気がついたこと、などなど。
東岡忠良
エッセイ・ノンフィクション
第16回ファンタジー小説大賞に『元女神の妹から「光の力は神の力」と急に言われても!』という小説を書いて、参加しましたが結局、一次予選の48作にも入ることが出来ませんでした。
参加作品は3207作品と多かったとはいえ、自分の作品の何が悪かったのか?
受賞した作品と、時分の作品の違いや気づいたことを、ここに書きたいと思います。
もし、「いや。それは違うのでは?」など、ご意見が頂ければ幸いです。
では行きます。
「神の子はただの生贄」人間らしさとは何か
陽乃 さくら
エッセイ・ノンフィクション
世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)信者の子供達は二世と呼ばれる。
その中でも、合同結婚式により結婚し産まれた子供を『祝福二世』、信仰する前に結婚した両親の下に生まれた子供を『信仰二世』と呼ぶ。
統一教会の信仰二世として育った主人公・咲の、壮絶な半生を送りつつも、力強く生きていく姿をリアルにまとめた、一部ノンフィクション作品。
幼少期からの洗脳により、日本で生きていくための社会性の欠落、コミュニケーション能力にも乏しく、仮面を被るように生きてきた咲が、多くの精神疾患と向き合い、彼女なりに成長していく姿を書き記すことで、統一教会だけではなく、多くの宗教被害について、ぜひ皆さんにも考えていただくきっかけになればと思います。
カクヨム、noteではじめる小説家、クリエーター生活
坂崎文明
エッセイ・ノンフィクション
カクヨム、noteを中心に小説新人賞やクリエーター関連のエッセイを書いていきます。
小説家になろう、アルファポリス、E☆エブリスタ、ノベラボなどのWeb小説サイト全般の攻略法も書いていきます。
自動バックアップ機能がある『小説家になろう』→カクヨム→noteの順に投稿しています。note版がリンク機能があるので読みやすいかも。
小説家になろう版
http://ncode.syosetu.com/n0557de/
カクヨム版(567関連で公開停止)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880246141
【続編】カクヨム、noteではじめる小説家、クリエーター生活2 作者 坂崎文明
https://kakuyomu.jp/works/16816700427247367228
note版
https://note.mu/sakazaki_dc/m/mec15c2a2698d
E☆エブリスタ版
http://estar.jp/_howto_view?w=24043593
小説家になるための戦略ノート 作者:坂崎文明《感想 130件 レビュー 2件 ブックマーク登録 1063 件 総合評価 2,709pt文字数 958441文字》も人気です。
http://ncode.syosetu.com/n4163bx/
『犯性(反省)人生 上』
シロ
エッセイ・ノンフィクション
僕は、三重県で生まれ、現在は愛知県内に住む、38歳のサラリーマンです。
僕の生まれてから、38歳になるまでの人生
『山あり谷ありの壮絶な人生』
をつづった、ほぼノンフィクションの話です。
タイトルは、『犯性(反省)人生』
貧乏生活から月収120万
性奴隷の学生時代
起業してからの地獄
訳して『犯性危』の人生を綴った作品です。
『犯罪。性。危機。』の内容です。
2話ずつ書いて、小話を間に入れますので、よろしくお願いします!
※名前バレ防止のため、一部フィクションもあります。
※誤字脱字ばかりです。
気軽に感想やお気に入り登録も、よろしくお願いします。
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
ふと思ったこと
マー坊
エッセイ・ノンフィクション
たまにはのんびり考えるのも癒しになりますね。
頭を使うけど頭を休める運動です(笑)
「そうかもしれないね」という納得感。
「どうなんだろうね?」という疑問符。
日記の中からつまみ食いをしてみました(笑)
「世界平和とお金のない世界」
https://plaza.rakuten.co.jp/chienowa/
【ショートショート】おやすみ
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる